• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 4件
  • <菊地成孔の日記 2024年9月14日記す>

    2024-09-15 10:00  
    220pt
    10
     実のところここ数日、夏バテというか夏風邪をひいて伏せっていたのであった。ここ半年ぐらいで知ったのだが、徒歩1分(ホント!)のところに内科があったので、これからちょっと喉が痛くなったり微熱が出たらそこに行けば良い、のだけれども、よくある話で、こんなに異常なまでに便利であるということはリスクもある。そもそも「ヤブかも、、、、笑」と、ちょっと思う節が、もうそこかしこにあるんだけれども笑、歌舞伎町とか大久保にある、「足を踏み入れたら病気うつされそう。もしくは改造されそう(汗)」と思うようなヤバい町医者に比べたら全然マトモだ。
     
     熱は7度6分とかだったんだけれども、コロナとインフルのチェックしますか? と言われ、僕は検査が好きなのでやってもらう事にした。でまあ、どっちもネガティヴだったんで、要するに夏バテから来る夏風邪という奴で、病気も怪我も、去年の、ちょうど今頃から10年分ぐらいはやったんで、もう飽きたというか、身体の方だってでかい病気や怪我はしんどいだろう。
     
     とまれ、年明けから、2期レトロ、ぺぺのレコーディング、フジロック、Blaze閉店、と、これだけ書いてもややエグいが、こんなもんじゃないのよ飾りじゃないのよ涙はホッホー!という感じで気がつけば疲れが溜まっていたのだろう。僕の体質はワーカホリカーとアスリートの融合で、ちゃんと休める日に倒れるように身体が調整してくれる。
     
     ただ、「ようし明日から久しぶりの休みだ。あそこ行ったりあそこ行ったりして、アレ食ったりコレ食ったりしよう~」と楽しみにしていると、野を駆けるウサギ(何せの卯年だ)がいきなり猟銃を持った(鳥)貴族にパーンと撃たれ「同じ、、、、、小動物同士じゃないか、、、、、いかに貴族たりとても、、、、、、ううう」と言いながらバタッと倒れ込むようにして倒れるので、もう「ようし明日から久しぶりの休みだ」とか、最初から思わないようにしておけば良いのに、前日まではまさか(鳥)貴族に狩猟されているとは思わないから(なんでこんなに鳥貴族にこだわるかというと、東京に進出した頃? からずっと行ってるけど、先日、生まれて初めて<貴族焼き(鳥貴族の看板メニュー)>に手を出したら、これが美味いのなんの!「なんだよ!最初から知ってればコレだけずーっと食ってりゃあ良いんじゃんよ!っていうか、なんで何10年も避けてたんだオレ!フロイド先生~」と天を仰ぐような経験をしたからだ。
     

    記事を読む»

  • <菊地成孔の日記 2024年9月10日記す>

    2024-09-10 15:00  
    220pt
    8
     赤工(アカク)くんと最初に仕事をしたのは、1枚目のソロアルバム「デギュスタシオン・ア・ジャズ」の時で、現在は裏原サウスと呼ばれるエリアにある「スタジオsyn」が麻生十番の有名な温泉近くにあった頃だ。僕は作ろうとするものが余りにオルタナティヴなので、いわゆる説明能力が低く(というか、事前説明は諦めていて、しない)、やらされてる方(演奏も、録音も、ミックスや編集も)が、「何をやらされているかわからない」ことが、活動全体にずっと蔓延していて、やっと還暦になって軽減してきた感じだ。 
     なんだってそうだが、1枚目に全てがある。今年発売22年目になる(当時、ギリで長沼とも仕事はしていなかった頃だ)「デギュスタシオン・ア・ジャズ」のエグさは、一種の永遠性があると思う。いつ聴いてもすごくエグい。何せ、多くの楽曲で、メンバーは顔も合わせていないのは言うまでもなく、合奏者の演奏を聴いていないのである。楽譜もコード進行表も、ほとんど書かれていない。そして何より、打ち合わせがなかった。ゼログラヴィティ音楽、クールジャズとして、構造的極限を使用している。
     
     この間も書いたが、僕はMIDIと全く合わず、実質、直接手を触れたことは一度もない。ところが、プロトゥールすが出来て、音声トラックを直接(まるでアナログテープのように)編集できることを知ってから、プロトゥールスなしでは作品が作れなくなった。
     
     レコーディング経験で言えば、だが、未だにこの時の楽しさと高揚感を超える現場はない。僕は、初めて僕の現場に着任する赤工くんが、何を作らされているか全くわからないままどんどん音声の波形を切ったり貼ったりさせられ、だんだんと作品が出来上がってくる過程を見ていることさえ、全く意識になかった。フライトしていたのである。
     
     有名な「コルコヴァード」が収録されている。僕は「デギュスタシオン・ア・ジャズ」の収録曲はみんな好きだが、これが一番好きなぐらい好きだ。
     

    記事を読む»

  • <菊地成孔の日記 2024年9月6日記す>

    2024-09-06 14:37  
    220pt
    7
     前回のコメ欄にも書いたけれども、Xを筆頭に、SNS全般は、もう特に新しいメディアでもない。もう古いメディアだ(オワコンとかいう、自分の終わりと世界の終りに恐怖症がある怖がリーな人々の考え方をしているわけではないよ。この世に終わるコンテンツなんかないのだから、そしてそのことが地獄なんだから。そしてそれを啓蒙してるのが他ならぬSNSだろ)。「落ち着いたメディア」のがいささか正しいのかも知れない。
     
     なので、類型メディアであるドラッグ全般と同じく、依存しない程度に嗜めば病にはならないでしょ。ジャンキーは全員が言うんだよ、ドラッグで「世界が把握できた」と。そんな危なっかしい全能感、盆暮正月だけの思い込みでいいんじゃない? 人間なんだから。
     
     それに、世界なんか把握したくもないし、そもそも誰にも把握できないよ。だって、僕が今、一番ノリにノッている連載、LDK the beautyっていう、汎用というか、総合コスメ誌でやってる「菊地成孔のコスメモリー」を読んでるやつが一人もいない世界なんだから!!笑(愛読してますよアレ面白いですねえ超テキトーで。という、今、一番イケてる本物の菊地成孔消費者の皆さん笑がいるとしたらやって見せてくれSNSに、今回で何回目かだけでも。まあ、検索するだろうな反射的に、ってか警察のポスターにしたいわ「してろよ。反射的に検索」笑。SNS依存は検索依存とも言える)把握されきってねえぞオレは!!笑(絶頂期のたけしさんみたいになってきちゃった笑)
     
     僕は単なる偶然を、何かの必然だと思いやすいタイプで、「そういう人って、占いとか系にハマるミスティックでスーパーナチュラルな人?」と誤解されるかも知れないが、僕はいろんな意味で宗教的だなと思うよ自分で。でもミスティックではない全然。占いよりも、占い師(「占いにハマる人」よりも遥かに)のトラウマに生まれた時から興味が尽きないね。嘘だと思ったら「エレガンスの怪物」という2期の楽曲の詞を読んで貰いたい。アレほど占い行為、霊能者自覚という神経症に批評的なポップスの歌詞はないぞーー他にそんなことする人がいないからだけど笑ーー。
     

    記事を読む»

  • <菊地成孔の日記 2024年9月4日記す>

    2024-09-04 10:00  
    220pt
    14
     まあ、誰に話しても「ちょっとお笑、それえ笑」と言われると思うのだけれども、そういうのも慣れていないこともない。ので、思い切って率直にいうけど、まだ誰にも絶対言わないでください笑。秘密を持つのも悪かないでしょ、この、思いついたらなんでも書いちゃうか、痛くて絶対に触れない社会ではさ。
     というわけで、ジャジャーン!!自分のミスで「21世紀の刑事コロンボ研究」を、年内で書き上げることになったのです!「ミス」というのは、締切を1年間違えていて笑、来年いっぱいで書くのかと思い笑、書類にハンコをついたら、今年中だったのであった笑。 
     ある笑? そういうこと? まあ、逆はあるよね東京オリンピックとかさ。
     
     とはいえ全然良いよそれで。もうぺぺの「天使乃恥部」の音源も完成したし(かーなーり良いのです。今、深夜っていうよりも早朝に近いスタジオで、スピーカーが壊れるぐらいの音量=実際、少し壊したかもしれない。で、「色悪」を聴きながら書いているのだけれど、もう踊りすぎて気が狂っちゃうよ最高級サルサ歌謡。いっぱい曲入ってるのにコレしか聴いてねえPCに無限ループのスイッチついてればいいのに)、電影と少年CQさんに提供する曲も良い具合に進んでるし、2期のリメイク・アルバムも順調で、いろいろ兎に角、今年前半の大仕事は終わったのだ。
     

    記事を読む»