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2021年8月の記事 6件

<菊地成孔の日記 2021年8月22日午前2時記す>

 オリンピックもフジロックも大いに騒がれたと予想されるけれども、韻を踏む者はいなかったと思う。「液状化劇場か?ピックとロックは踏んでいいと思うつまりはオリンロックとフジピック」とかいったパンチライン。実際に見たわけではないが「フジロックダウン」というヌルめのジョークぐらいはあったはずだ。    そしてまだ両者とも総括されていない。国が出す公式発表は基本的に信じていないが、公式発表からは様々な推測値が見て取れる。感染者数にはあまり関心がないが(操作されているか、操作もできないぐらい混乱しているとも感じるので)、経済効果と、中継の視聴率に関して発表してもらえないだろうか?何で反対派はオリンピックが開催された時に、2の手を打たなかったのだろう?「中継見るな!」「感動するな!」はTシャツにしても良かったのに。いつだってヘイガバメント。何が言いたい?お前ら何がしたいんだ?いつだってヘイシチズンズ。何が言いたい?お前ら何がしたいんだ?    僕はドロップキック誌での佐藤さんとの対談でも言ったが、オリンピックは推奨派だ。その理由はいくつかあったが、一番大きいのは「中継」を巡る問題で、僕は、昭和にはテレビ界に横溢していた素晴らしい中継文化が、コロナによって復権される多としたらとても良いと思っていて、というか、そもそもオリンピックなんて、世界中の視聴者の99・5%は「もともとテレビで中継観戦する」人たちだったわけで、なので今回は「初の無観客中継」になるが、これはメチャメチャ良かった。「あー、この競技は観客いねえと意味ねえなー!」と思った競技はなかった。  

<菊地成孔の日記 2021年8月6日午前5時記す>

 今、「晴れたら空に豆まいて」の、喫煙スペース(店外)にいてこれを書いている。タバコを吸いながら書くことが多くなった。あと5分で本番である。音楽のライブではなく、無声映画に活弁士の片岡さんと、僕がDJで、即興的に無声映画を解釈してゆく。というイベントでコロナ前は人気イベントだったが、主催であるアーロン・ジェロー先生が日本に来れなくなり(来るのが大変困難になり)中断していた。その再開の初回である。なんと来週もある(なんと別の映画→小津の「東京の合唱」)。      *イベント開始→終わって同じ場所に戻ってきた。     ムルナウの「ノスフェラトゥ」は、最初の吸血鬼映画だ。このイベントは上映が終わったら、出演者3人のクロストークがあるのだが、状況が状況なので、以前のように好きなだけ喋り倒す。という訳にもいかず、全員時計を見ながら慌ててちょっとだけ喋った。オンタイムで語れなかった事をここに書くことにする。    僕はトークイベントで「この映画を通俗的に見せるという目的で選曲した」と言ったのだけれども、ここでの「通俗性」というのは「愛とセックス推しで」という意味である。映画にとどまらず、多くの表現は、愛を直喩的に、セックスを暗喩的に描く(稀な例として、代々木忠のAVなどがある。セックスをそのまま見せ、愛を暗喩的 / 後景的に描く)。当然のことだが、暗喩の方が強烈である。暗喩が故に。  

ビュロ菊だより

「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。

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菊地成孔

音楽家/文筆家/音楽講師 ジャズメンとして活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽/著述活動を旺盛に展開し、ラジオ/テレビ番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画/テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。

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