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記事 7件
  • <菊地成孔の日記 2022年8月26日 午前1時記す>

    2022-08-26 10:00  
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    8
      まあ、人間ドック以来、いろんな事があったわけだけれども(それは僕にも世界にも)、そして、たった今もいろんな事が起こり、すでに予定がフィクスされている今年の年内スケジュール(これとて、コロナでテーブルひっくり返されたら終わりだ笑)にもいろんな事があるし、それでもまだ何があるかわからないのだけれども、とにかく僕の人生は変わった。やはりサバールを手に入れたからだとしか考えられない。
     
     自分が太鼓を手にしたら、自分のみならず世界まで変わるというのは、単なる万能感で、つまりは誤謬だけれども、昨年冬から今日にかけて、僕はサバールを叩き続けてきた(足の靭帯をやってしまった時は流石に休んだ。サバールは座って、爪先立ちになった上で、太ももで太鼓の本体をコントロールーー固定、ではなくーーしないといけない。実はサックスもそうなのだが、サバールは上半身で叩くのではなく、下半身で叩くものだ。両手は、短距離走のようにものすごく早く動かさないといけないので、虚ろにしていないと対応できない)。叩いているうちに、自分も世界も、驚くべき速度で変化した。叩けば叩くほど変化した感さえある。
     
     今は靭帯のリハビリもやっと終わり、全員ストレッチングと筋トレが可能になった状態だが、いきなり再開すると体がびっくりするので、まずどこからやるかと言えば「立つ事」である笑。立って、目をつぶって、体重を移動させる。今は、靭帯損傷(2回)によって、右足が左足よりやや長くなってしまい、立った時の、骨盤にかかる大腿骨の「刺さり具合」が以前と違っているので、まずは何よりこれに慣れないといけない。「慣れる」というのは、この状態に違和感が無くなるまで、日常動作の反復(階段の上り下りとか、ウォーキングとか)を続け、骨盤周辺(ここには夥しい数の骨と筋肉の区分が密集している)のリセットをしないと、なので前述、サバール演奏の健康的な練習はできないのだが、まだ骨盤周辺のリセット中に、練習でも本番でもサバール(とカウベル)を叩いている(ので、終わったらすぐに骨盤を調整するために、入念にストレッチしないといけない)。
     

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  • コロナ感染記

    2022-08-23 10:00  
     初めまして。僕は菊地成孔(きくち なるよし)と申します。音楽と著述を生業にしていまして、SNSというものは基本、やらないし、やったとしても、自分のライブや新刊、イベントの宣伝にしか使っておりません(それも全てマネージャーがやっています)。 
     なのですけれども、今月22日に、コロナ陽性反応が出まして、結論から先に申し上げると、少なくとも、僕個人に関しては「今度のコロナは感染力強いけど、重症化しない=行動制限もしませんよ」という図式は、真っ赤な嘘で、これは大げさではなく「一歩間違えたら死んでたかも」という経験をしました。 
     そこで、「SNSというのは、本来、こういうことを発信するためにあるのでは?」と思い、こうして発信させていただいている次第です。やっと今、フラフラではありますが、長文をキーパンチできる肉体的余裕が出てきた。という側面もあります。症状が出始めて10日目、抗原検査で陽性反応

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  • <菊地成孔の日記 2022年8月19日 午後11時記す>

    2022-08-20 09:00  
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     三宅一生と森英恵が亡くなった。誰でも顔や名前は知っているがゆえに、却って業績が伝わりずらいタイプのデザイナーだと思う。勢い「菊地さんはどう思ってるんですか?」という問いが、モード中枢からモード周縁、モード度外れの外宇宙からまで発せられそうな、特に発せられなそうな。
     
     第一に僕は今、バージルアブローまでのモード改革以降に関しては、ものすごい距離感ができてしまったままで、全くモード界を俯瞰できていない。ショー映像をたまにチェックするぐらいだ。
     
     あと、当チャンネル会員の皆様であればとっくにお気づきだと思うけれども、僕は、2019年あたりから、ユニクロ以外、1着も服を買っていない。パタッとやめたのである。
     
     更に言うと、過去のアイテムをワードローブから選んで着回しする(別にこれは普通のおしゃれである)、ということも一切やめた。ここ数年僕はユニクロかグッズ(主にドスモノス のパーカー笑)しか着ていない。
     

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  • <菊地成孔の日記 2022年8月11日 午前11時記す>

    2022-08-11 22:00  
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     凄い日差しだ。いやあ、なんでも終わってしまえばだが、コロナはやばかった。マジで間一髪だったと思う。実は今、長沼が家族で夏休み中で、もしぶち当たっていたと思うと寒気がする笑。まあフッドに友達(音楽家とかではなく)は確保しているとはいえ。
      今、「後遺症」が流行語みたいになっていて、「コロナそのものではなく<後遺症>で鬱病になった」とか「コロナそのものではなく<後遺症>で、仕事を続けられなくなった」という例が、身近にさえ押し寄せていて、ことの解釈はひとまず置くとしても、「ものすげえ現代的」と思わざるを得ない。
     誰だって「コロナが戦場体験で、今PTSDに苦しんでいる」という風に見立てるざるを得ないだろう。PTSD概念(これはフロイドの古典的トラウマ概念と抵触するのだが、あのフロイドが、一次大戦のシェルショックを見かねて、自分の理論的根幹を修正した結果だ)によって「戦争」の意味が変わってしまったように、コロナはまだまだポストモダンだと思う。
      
    今僕は、まあ、秋までには元に戻るであろう、「一時的な朝方」を利用して、都内を回遊しながら書いている。今、表参道のあたりで、人々は正午を待っている状態だ。人出が多いのか少ないのか全然わからない。昔日はクロコダイルやアメリカンアパレルに通うために、週二、三に近い状態で使っていた道には、歩行者ゼロだった。渋谷に着いた。カフェに入る。
     
     陰性な気持ちが全くない上で、ちゃんと丁重にお断り申し上げたから、名前を明記するけれども、「週刊女性」と「女子SPA!」から、あの、コロナ闘病記を転載させてほしい、というオファーがあり、一瞬びっくりしたのだが、すぐに納得した。<女性誌は皇室スキャンダルと闘病記が好き>という至言を放ったのは、もちろん僕ではなく、ナンシー関である。
     

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  • <菊地成孔の日記 2022年8月7日 午後2時記す>

    2022-08-07 23:00  
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     コロナ療養中に完全な朝型になり、朝9時にトーストを焼いて食っていたりする。我ながら信じられない(夜は12時までに寝くなる)。
     
     今月はペン大が全クラスお盆休講なので(昨年は、むしろ「移動できないから」お盆休み。はなかった。今年も急速に、「移動できない」感が強まっているとは言え、ちょっと前までの趨勢だと「今年はお盆休みとるでしょ」のノリになっていたのは言うまでもない)、僕を夜型に戻すのはライブだけ(ペン大も実質23時終了なので)になったが、ライブはもう月一とかのペースなので(14日に予定されていた「東庄町」でのライブは、いうまでもなく、同窓生が企画した、帰省ー凱旋笑ーライブであった→東庄町は、銚子市に隣接している。のだが、最新コロナ状況から中止になった→とは言え銚子には帰省して、結局同窓会みたいなことはするのだけれども笑)、引力としては弱い。
     
     まあ9月あたりからゆっくり戻していって、9 / 14「反解釈0」(ソールドアウト御礼。とまれ、「反解釈1」には、ウエアの完備、曲数が1~2曲増量、という事もあるので、チケット入手できなかった方は是非11月27日「反解釈1」のチケットを入手して頂きたい)までには、なんとか完調したいな、、、、というのは、もうユートピア思想に近い夢想であって、全くどうなるかわからない。現状では、まだ5分歩くと動悸がするし、インナーマッスルも再生中の歯茎もまだヤワヤワである。8月はリハビリ期間になるだろう。鷹揚な話だ。
     

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  • <菊地成孔の日記 2022年8月1日 午後5時記す>

    2022-08-02 09:00  
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     まずは何より、臭覚が戻ったことに安堵を感じるしかない。僕のような人間が、匂いを失ったまま生きるのは結構なハンデだよな我ながら。と思っていたのだが、昨日あたりからゆっくり戻って来て、今日、大げさにいうと「前より鋭敏になった」感ありで、完全に戻った(汚いのでささっと書くが、数日前までは鼻先に大便を持って来ても全然だったので、ものすごい奇妙な経験だった→他の症状が忙しすぎて臭覚失調どころではなかったのだけれども)。
     
     いやあしかしどこまで転がされるのだろか笑。今は生まれ直したような気分で(特に体感が。メンタルはボロボロである笑)、昨夜、発症後はじめて入浴したのだが、産湯に浸かっているようだった(赤子の産湯と違い、大量に垢が浮いて、むしろミルキーな色合いが美しかったが苦笑)
     

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  • コロナ感染記(2)「追加修正と続編」

    2022-08-01 08:30  
     自らの予想を大きく超えて、沢山の反応を頂戴しましたが、医師(外科医)である知人から、「お前のルポにちょっとした手落ちがあるので、案の定それがミスリードとなったまま斜め読みされ、そこを指摘されている。まあそれがSNSだが」
     
     という指摘があり、「むむむ?」と思い、確認してみたら「ここかな?」と思われる位置を同定できましたので、まずは何よりそのことと、これはケアレスミスですが、重要な点を落としているので、それの追記。あとは前レポの続きを書かせていただきました。
     
     個人的に当該箇所は、「ちゃんと読めばわかるのではないだろうかな」とは思い込んでしまい、結果としてミスリードを生んでしまいました。エッセイ等とは違い、ルポライトである性質上、これはよろしくありません。
     
     同様のご指摘を正確に数えることは不可能ですが(いま、「正確に数えられること」が多すぎであると僕は思いますが)、その総体を

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