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2022年4月の記事 4件

<菊地成孔の日記2022年4月23日午前4時記す>

 銅鑼を、ぼくは打つのだと思い込む人がいてもおかしくはないので、この日記を正式発表とするが、「ラディカルな意志のスタイルズ」にメンバーが1人加わった。パーカッショニストである。    本職はパーカッショニストではない。ダンサーで、イベントオーガナイザーである、というよりもぼくのファンの方々なら「JOSE」のオーガナイザーであり、「ロマンチック・ババルー」の代表である、というのがわかりやすいかも知れない、日本人では数少ない(というか唯一かも知れない)、サンテリア(極端に簡単にいうとアフリカのヴードゥー。ヴードゥーだのゾンビだのは、アフリカ由来ではなく、ハイチ由来。サンテリアに関しては検索して下さい)の踊り手でもある、ダーリンsaekoさんである。    こういう方である ↓  台湾2019年(街頭ソロダンス)   PARI2018年(サルサの生バンドと。ダンスバトル)   2019年タイ(サルサのDJと。チームダンス)    現在のところ、バンドはアカデミシャン(ヴィブラフォンの相川さんは芸大打楽器科、林さんはメーザーハウスの佐藤允彦クラス=僕と概ね一緒、秋元くんは洗足)か、超絶技巧動画アップ派(ベースのAtoriくん。DC/PRGの大村くんと似たタイプ=顔は藤井風と似たタイプ=藤井風も超絶技巧動画アップタイプ。とバスクラリネットの北田さん)、と、もう、誰とも比較出来ない、日本人離れしたイルなスキル持ちである松丸くん、という構成で、要するに楽譜がムチャクチャに読め、演奏スキルが気狂いじみている人ばかりなので、リハを数回やったら新しい方向性が浮かんだ。僕は、超絶技巧バンドがやりたいわけではない。気が違ったようなネオグルーヴ団体を組織したいのである。  

<菊地成孔の日記2022年4月14日 / 午前6時記す>

 おっさんが脚を引きずりながらせっせと仕事をしている哀感と言ったら。せめて「マルサの女」の山崎努のように、ダンディでスタイリッシュに。無理無理無理。    葬式なので、黒の革靴を履いて立っていたら、全身が筋肉痛になってしまいそうだった。ダンディなのは故人に決まっているじゃないか。僕が知る、日本一の伊達男。    最初の弔辞が始まった。「もしこう呼ぶ事が許されるなら<先輩>と呼ばせてください」といって、見事な弔辞が始まり、見事に終わった。しかし、驚かされたのは、テキストの完成度ではない。あの大蓮實が、あの有名な、低く冷静な蓮實ヴォイスではなく、少し高めの、透明で子供のような音色を発し続けたことだ。列は長く、元老の姿は遥か先で見えない。本人も気がついていないだろう。それが意図せず、軍国少年の覇気に似ていたことに。    ニューオーリンズジャズが葬列用の音楽であり、往路は悲しく、復路は陽気で楽しいものであることを知らぬ人は少ないだろう。しかし、荘厳とさえ言えるほどの寺院で、読経の代わりにニューオーリンズジャズの生バンドの演奏で故人を送りましょう。そんな気障な事が許され、しかも完璧に決まるのは故人しかいない。瀬川先生、先生が生涯憂慮なさっていた、日本の再軍国化が完成する前に逝かれて、僕は、ほんのちょっとだけ、安堵しています。  

ビュロ菊だより

「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。

著者イメージ

菊地成孔

音楽家/文筆家/音楽講師 ジャズメンとして活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽/著述活動を旺盛に展開し、ラジオ/テレビ番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画/テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。

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