-
<菊地成孔の日記 2021年4月26日 午後5時記す>
2021-04-27 10:00220pt15実演音楽家としての大賭博は当てたが(現在、大阪でも東京でも3時間ライブの敢行は不可能である。後ろから迫り来る大波をギリギリで避けてビーチフラグを握った気分だ。ライブが出来た、という事実はもちろんだが、あのライブを音源として残せた→ボックスセットを買うとDL権が付いているので→という点に最も意義がある。聴き直すと物凄い。全員の気迫と集中力が圧倒的というに吝かでない迫力で凝集されている)、講師としての賭博は外れたというか、授業はほぼ毎日なので、そもそもライブのように一点賭けが出来ずに、コロナ禍に普通に振り回されまくっている(それでも小博打の連続だが)。
今回の緊事宣は、前のよりも一般化して評価することが難しい、しかし飲食業とライブハウスという、僕の拠点がピンポイントで抑え込まれているので、今はアンダーポジションからの逆転のチャンスを狙い続けるしかない(これは、誤解を恐れずに言えば、ぶっちゃけ楽しいことだが)、先ずはクインテットのライブが延期になったし(勿論やります。今、延期日程を協議中)、僕のガラケーは留守電でいっぱいだ、その全てが、予約していたレストランからのものだ。
-
<菊地成孔の日記 2021年4月20日 午後4時記す>
2021-04-20 20:00220pt34新宿には結構な数の喫煙可能な店があり、そのほとんどがカフェなのだが、いろいろな店があって助かる。今はそのうちの1つで書いている。一時期激減したストーカーさんがまたぞろ増加傾向にあるので(コロナと関係があると思う)、それがどこの店で、どういう時間帯にどういう周期でそこにいる、とかいったものが書けないのが、つまらないと言えばつまらない。僕はキチガイと対話するのが特に嫌ではない。
彼らは、僕の熱狂的なファン、と自称するが、実際には自分の熱狂的なファンで、身の上話を聞いてやり、自己表現欲を満たしてやれば、落ち着く、ただ、僕を殺そうとしたり、大声で詰め寄ろうとする者も多いので、店に迷惑をかけたくない。警察は昔と全く変わらず、物凄くめんどくさい。
透明なブース付きの店、小さな店の入り口のところに灰皿があって、ドリンクを持ったままそこまで移動すれば良い店、がっつり店内全席喫煙席、という店もある。老人女性が個人でやっている店で、全席喫煙で、尚且つ入り口に、客以外の人々の為に、灰皿が置いてあって、ダンボールに手書きの字で「喫煙所」と書いてある店もある。
-
<菊地成孔の日記 2021年4月16日 午前3時記す>
2021-04-16 10:00220pt22しばらくライブがないのだが、ペン大、美學校、各々の新学期が5月スタートになったので、それの準備をする。ペン大内での大学院修士課程から博士課程に進む生徒さんの進路指導、美學校からペン大に編入される生徒さんへの編入の案内などを書くだけでかなりの時間がかかる。要綱の下書きがないし、どのクラスがどういう内容で、どういう状況にあるか、対象者の立場別に、5種類書かないといけない。さっき全部書き終えた。昨年の倍ほどの生徒数を、5月から相手にしないといけない。非常にワクワクしている。
話は変わるが、ジャズオリエンテッドな「菊地成孔クインテット」と、ポップスオリエンテッドな「菊地成孔ソロ」の準備にも入った。どちらもバンドとして、すべて生演奏で行うことを最低条件としている(5月の晴れ豆、菊地クインテットでも、「キスのやり方」「インベーダーゲーム」等々、ポップな曲もやりますが)。
ソロの方のプレー -
<菊地成孔の日記 2021年4月11日 午前5時記す>
2021-04-11 10:00220pt18DC/PRGの活動も終了し、Re:アセンションも終わったので、これでしばらくライブもないし、音楽家としてはやや呆けている。とまれ5月上旬からは畳み込むようにライブがあるし、特に「菊地成孔クインテット」と、名前は地味だが、トオイ、林、秋元、宮嶋との共演はセッションではなく、パーマネントなグループとして、「クインテット内に<アンダーカレント>を持つジャズのヴォーカル物」という、古くて新しい形を打ち出したいと思う。
当ブロマガでは何度もテストランしているので聴いている方も多いと思うが、僕がジャズのソロを全部スキャットで歌うアレだ。もう、踊らせることは我ながら結構な量やってきたので、しばらく、敢えて、だが「座って聴く」音楽をやりたい。
-
<菊地成孔の日記 2021年4月6日 午後5時記す>
2021-04-08 11:00220pt12サウンドチェックとリハとカメラテストが終わったら、開演まで2時間の暇ができた。今日は(こんなにいっぱい出るのに)喫煙者が僕しかおらず、喫煙ブースでも会話がなく口さみしい。メンバーは世代別に割れてしまって、全員で話が盛り上がったりしない。ジャズはかなり個人主義的なので、出かけてしまう人もいる。馴染みである類家くんも珠也も「お前ら、オシか?」と言うほどの訥弁だ。類家くんなんか「こないだはお疲れ様でした」と、憂いの横顔で一言いって、どこかに消えてしまった。
会場の30分前からホールスタッフの点呼と、今日の営業の注意点の確認が行われる。ブルーノートのホールスタッフは3階層に別れていて、全員で21人だ。
なので、そこにシレッと加わる事にした笑。
-
<菊地成孔の日記 2021年4月4日 午前4時記す>
2021-04-04 10:00220pt59もう解散したので、バックヤードの話を少々しても良いだろうと思う。バックヤードの話のが演奏よりも、時間換算して数千倍あるのは言うまでもない。僕はステージ上でオルガン弾いたり、指揮したり、最近はカウベル叩いたりしているけれども、最も細心の注意を払っているのは実はタイムキープだ(因みにぺぺでも)。
コロナ以前の世界でも「もう、やりたいだけやっちゃいましょうよ」なんて言う粋な計らいをするクラブはなかった。全ての楽団は充てがわれたランニングタイムを遵守しないといけない。
増してやコロナ禍の中では、完全撤収時間が厳格に決められるようになり、「やりたいだけやり切って、尚且つ時間は守る」というライブショー・ビジネスの基本が、さらに厳しいものになった。<会場を借り切って、無観客配信>というのは、僕はやらないが、アレだってさすがに家飲みみたいにはいかないだろう。
1 / 1