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記事 6件
  • <菊地成孔の日記 2023年11月29日記す>

    2023-11-29 11:00  
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     「ラジオデイズ」で丁寧に説明したのだが、まあやっぱここは会員制の秘密クラブらしく(その割には「ナルちゃんキャンセルちゃん事件(仮名)」の時にはスパイがいて、わざわざここのコメ欄をスクショまでしたらしいので笑、まあ、あの熱病について、風俗的に知りたかったら「菊地成孔のコロナ日記」を、理論的に知りたかったら、谷王が書いた「ツイッターにおける美とは何か?を読むことをお勧めする)、今日、まさにその、先にカッコ内に書いた2冊の出版記念イベント会場で、開場待ちの人々の会話を盗聴(ウソ。盗んではいない。控室にダダ漏れていたので笑)したら、僕の容体について、知らない人に知っている人が教えている会話が何回か分、聞こえてきた。
     
     ラジオデイズの内容を改めてまたここに書くのは、二度手間以上に感じられるんだけれども笑、腰椎と言わずどこと言わず、椎骨自体を折ったり砕いたりしたら大変だ。下手したら車椅子生活以下

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  • <菊地成孔の日記 2023年11月21日記す>

    2023-11-22 10:00  
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     菊地成孔です!今回はラジオデイズと同時中継なので、必ず併せてお楽しみください!!
     *↓   これが去る16日に書きかけたもの 
     
     仕事をどのぐらいセーヴして、きちんとリハビリが出来るかトライしないと動いていかない。こないだの日仏でのバンクシアトリオとの演奏がでヘットヘトになってしまったので(やや愕然とした。腹筋が演奏中に攣って「痛い痛い痛い!お腹が痛いです!」と思いながら吹いていたのだが笑、概ね好評でびっくりした)、ロングトーン以前に、「まずは立って楽器を持つ(30分)」ことからやり直さないといけない。何も持たないで立つのと、楽器を持って立つのは結構な違いだ。重量挙げの選手の事を一瞬でも想起したら気絶しそうだ。
     
     幸い、次の演奏機会は、年末のピットイン3デイズまでない。しばらくはリハビリ日記になるかもしれない。僕は2002~3年に「SWIM」というブログで、精神分析治療日記をつけていた。小学館の村井さんから書籍化の話があり、分析医からも了承を得て、1ゲラまで行ったのだが、どうしても乗り切れずに、謝って辞退してしまった。悪い意味で、だが、神懸かり過ぎていたからだ。それを言ったら、音楽作品である「アイアンマウンテン報告」も同様なのだが、音楽はどんなに神懸かっていても全く良いのである。自分一人ではないので。
     
     8~10月のあいだ、壊死性リンパ結節炎(途中、悪性リンパ腫の疑いで生検手術までしたのが、なんというか懐かしいですなあ。首筋の傷はまだ残っているが)によって発熱中にもやり続けてしまった(医者には固く禁じられていたのだが)仕事にペン大がある。風邪ではないので(というか感染症ではないので)熱さましを飲みながら、あるいは平熱状態でやった。
     
     理論科は2クラスあって(月曜理論科と土曜理論科)、今は楽曲分析のシーズンである。楽曲は、生徒さんからのリクエストで決まるのだが、月曜は「パースペクティヴ(坂本龍一)」「ワーキンハード(藤井風)」「波の歌(OMSB)」、土曜は「波の数だけなんとかかんとか(大友っちが作った奴)」「バタフライズ(マイケルジャクソン)」「Thinkin’(ルイスコール)」で(「波の数だけなんとかかんとか(大友っちが作った奴)」って、分析までする必要、ある?という分析家の方もいらっしゃるであろう。結果としては、えーっと、無かったが笑)、これから月と金を入れ替える。
     
     今、当チャンネルのエデュケーションコンテンツは「ゼロ文」が止まっているが、あれの先は65年からのマイルスしか無いので、あと1~2ヶ月はあれに興味がある会員の皆さんにモーダリティ理解が行き渡るのを待っても遅くはない(ものすごく難しいので)。それより、「ポップアナリーゼ」を初~中等として再開し、トーナリティの中にモーダルなコードが入っているもの、例えば上述の6曲中だとマイケ
     
      * ↓  これが本日たった今書き始めたもの 


     

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  • <菊地成孔の日記 2023年11月9日 記す>

    2023-11-10 09:00  
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     信号なしの道をダッシュで一気に横断することに気をつけている。それで自転車と激突したからだが、「それから(俗にここで「トラウマになって」と使うとわかりやすいのだが、いつも言っているように厳密にはここでトラウマは使えない)痛い思いをしたことによって、ダッシュに臆病になってしまい」では、90年代のトレンディドラマである(トレンディドラマは「失恋によって<恋に臆病になってしまった人>」がやたらと出ていた事により)。
     
     そういうことではなく、数ヶ月前に反射的にダッシュ横断をしてしまったところ、左の太腿(もう筋肉が萎えてしまい、「太」は使えないほどだが、でも米国人歌手、ビヨンセ・ノウルズさんに比べれば人類は全員「細腿」である事に違いはない)に鈍痛があって、瞬間最大入力に妨げがあったからだ。
     
     これだけでもぶっちゃけ相当キツイ。うわーオレ、ダッシュ出来ないのしばらく。うー。と思ったら発熱してき

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  • <菊地成孔の日記 2023年11月6日記す>

    2023-11-06 17:00  
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     宇川くんの個展は本当に素晴らしく、一般の観客の皆さんと一緒に、宇川直弘の解説にを聞きながら1時間で10以上の展示室をクルージングするのはとても楽しかった(その際、宇川くんが、画面に映っっている自分のことを「宇川くん」と呼んでいるのが可愛すぎ)。学芸員やキュレーターの解説はいくつも聞いたし、自分も真似事で一回やったこともあるが、宇川くんが世界で一番うまいと思った(今回の個展で15回やったらしい笑)。
     
     博覧強記でバイバイスカイハイなIQにしてパンキッシュ、そして雑婚多産系(ジャズドミュニスターズだって宇川くんが産んだのである)の天才がドミューンを貫いているのはやはり「愛」だと思う。いわゆるをワイトマジックな「愛」ではなく、前述「多産」を駆動する「愛」なのだけれども。メディアアートなんてクソほどあるし、ましてやAI使用による作者の喪失なんていうテーマのアートなんて、頑張れば小学生の課外授業でやれる。
     
     宇川直弘率いるドミューンが人の心を打つのは、「狂ってるでしょう?(宇川くんのリック)」とニコニコしながら、愛とフェティッシュそしてリスペクトをあそこまで慎ましやかに、そして明確に強烈に示している、という点であって、母性以外のなにものでもない。美術史、サブカル史が専門だが、日本の「放送」の歴史、それ自体にさえ深いリスペクトも持っている。今回は、1フロア丸々、上岡龍太郎にリスペクトする作品の展示があったことに偉く感心した。
     
     大概の人々が忘れる。上岡が計画的引退を決定(20世紀いっぱいで引退=自分の芸は20世紀の芸である。という強い自覚に基づく)し、「最後の仕事」という自認のもとに「20世紀末」に実行したのが、伝説の「11PM」終了を受けてスタートした「Xテレビ」を始めとした、自らがホストの番組を、全て「テレビの解体」に使っていたことを(僕も、そのフロアで一挙に鮮やかに思い出した)。
     
     「テレビ」と「アマチュア」は上岡の生涯にわたるオブセッションだった。僕は上岡龍太郎の引退後の死(2023年つまり今年の5月)は尊厳死にカウントして良いと思う。
     

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  • <菊地成孔の日記 2023年11月3日記す>

    2023-11-03 13:00  
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     東京女子医大を巡る、「昨年マリエンバートで」のような長い時間(3ヶ月)は、まだ終わりはしないが、もうそろそろ回廊も庭園も、読めつつある。読み切ったらそこで幻覚は終了だ。
     
     女医Kが(この3ヶ月で、僕はなんと11人の女医ーナースその他含めないでーに係った)「パーキンソン病の遺伝という線は見つかりませんでしたし、手先の震え等々の諸症状と脳波が結びつく線もありません。今の菊地さんは(血液検査表を見て)むしろ肝機能の低下が問題ですね。長期間に及ぶ投薬の影響だと思いますが」といった内容を丁寧に説明した。
     
     これで僕は、ぐるっと一回りして「壊死性リンパ結節炎を25年ぶりで再発し、一度完治し、再々発し、治療中の患者」という激レアケースに落ち着いた。今はステロイドの減薬中である。
     
     その途中に、悪性リンパ腫の可能性があって首筋に傷が残り、パーキンソン病の可能性があって脳波検査をしながら眠って

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  • <菊地成孔の日記 2023年10月31日記す>

    2023-11-01 10:00  
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     僕が中学生ぐらい(オイルショック期)は日本全国で東映映画が独特の隆盛を誇り、僕より2歳上の杉作J太郎氏の「三角マークの男たち」はその集大成的名著だが、銚子の人間は特に東映映画を愛した。ヤクザと漁師でいっぱいだったのは僕の実家だけではなく、東映館だった。そこから流れた勢いでやらかした客も多かったはずだ。僕が洒落た都会的な<東宝>愛国少年になった理由の一つでもある。
     
     銚子の人間、特にヤクザと漁師が東映を愛したのは、もちろん、ヤクザ映画、反社映画、ルーザードッグ映画の量産もあるが、「三角マーク」の後ろに割れる波濤が、我らが犬吠埼だからである。実際にスリーピースで「ここがカメラ位置」という定点に立ち(ちょっと危険だが立てる)、くわえ煙草に両手ポケットインで、片足を前の岩にかけて染み切っている男たちも山ほど見た。
     
     犬吠埼海岸周辺は時代によって大きくキャラが変わった。時代によってはゲトーがあった。時代によっては日本で屈指のサーフスポットだった。時代によってはそこそこの観光地だった。今は単に死んだ観光地だ。
     
     その頃、特に東映映画に限った話ではないけれども、喧嘩の助走を描く時、<相手が無茶を言った>と捉えた人物が必ず言ったセリフに 
     
     「お前、一回病院行って脳みそ診てもらった方がええんちゃうか?」 
     
     というものだ(類型多数。原型みたいなつもりで書こうとしたが、もっと良い言い回しがあるような気がする)。
     
     さっきまで僕は、「脳波検査室」で、検査着を着て、頭部にいくつものシールドを貼り付けられ(なんか粘性の何かで)、脳波の測定をしていた。
     
     パーキンソン病は脳の病気で、頭部検査をいくつか受けるのだが、もうはっきりと「脳波検査室」と書いてあり、拘束衣まではいかないけれども(でも黒いしデザインはカッコいい。こういうのを「バエル」というのであろう。インスタさえやっていれば)、そこそこサグな服を着て横たわると「ああ、オレはとうとう<病院で脳みそ診てもらう>日が来たな。と思う。
     

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