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<ビュロ菊だより>No.124「ガンダム回りの写真はもう撮らない事にした(いっぱいありすぎるので)+」
2017-02-22 10:00220pt
香港正月シリーズは続くとして、本線である偽インスタグラムも復活しないといけない。もう2月も半ばである。
とはいえ私が何をやっているかと言えば、ライブとガンダムだけである。生活がミ二マル化することはよくある。現に、ここ10年の私の暮らしとて充分ミ二マルだろうという方は多いだろう。飯を喰い、音楽をする、たまに映画を観て、仕事の批評やコレを書く。後何をしているのか、余り思い出せない。稀代のミ二マリストであり。自作を2回、或は3回反復させ、ほんのちょっとの差を入れるだけ。という作風を持つ韓国の映画監督ホン・サンスは、自作を律するブニュエル的な反復について、何と日常感覚を引き合いに出している。音楽のミ二マリストは絶対に言わない。
「我々は、そこそこドラマティックな人生を生きていると信じ込んでいる。でも実際は、ほぼ同じ毎日を繰り返し続けながら、それが少しずつ変化しているだけだ」
本当にそう思う。私は不安神経症も、壊死性リンパ結節炎も経験し、離婚や再婚も経験し、不倫さえ経験した事があり、両親とどちらも死別し、世界各国で様々な経験をした。どれもこれも大騒ぎしたが、今から思えば総てが繰り返される日常の中の、ちょっとした乱れに過ぎない。生まれてから今日までの間で、本当の、日常の連鎖と全く無関係な断層があったとしたら、それは恐らく、言語を憶えた時だ。記憶に無いが。
今私は、自慰行為を行っている、ビヨンセが妊婦ヌードを水中で撮影したからである。フェティシストのグルメぶりというのはトートロジカルではあるが病的と言って間違いなく、ビヨンセが水中写真を撮ったからといって、即欲情システムが動き出す事は無い。
図像のアングルや画質といった構造に類する中心部ではない、睫毛、視線、表情から読み取れる呼吸苦の程度、水中での目の明け具合、水泡の配置、といった、夥しい、微細な情報の束が私を一瞬で絡め取り、駆り立てるのである。何せ、発表された数点の写真の中で、私が使用可能だったのは1点だけなのである。飢えきっていた過去が懐かしい。「水中」という文字だけで自慰をしていた。まだ飢えているか、もう飢えはおさまった治まったのか、主観によっては判断出来ない。とにかく私は、言葉を憶たのだ。そして、それ以来、繰り返しているだけだ。ダンスミュージックはその事の肯定である。私の音楽は、総てダンスミュージックだ「花と水」だけが、そうではない。
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<ビュロ菊だより>No.123「 水原紀子はどうして今香港を押しているのだろうか?/革命の正月休みと東京平均よりもずっと低いミシュラン香港(1)」
2017-02-02 10:00220ptビュロー菊地チャンネル購買くださっている登録会員の皆様。1月が終わりましたがあけましておめでとうございます。逆に言うとまあ、期せずして香港小特集にあわせるように、旧正月に年始の挨拶をしている恰好になっておりますが、今年も変わらぬ御贔屓のほど宜しくお願い致します。とはいえまあ、今、サチモスのCDがオリコンの2位になって、それがすぐに音楽ストリーミングサービスで聴ける。という、音産も発狂している時代なので(サチモスの音楽が発狂している。と言ってる訳ではないですよ念のため。むしろサチモスはもうちょっと発狂した方が良いと思うぐらいですけど)、まあそうですね、他何にもしなくて良いので、何はなくとも今年はライブに来て下さると嬉しいです。本の売れ行きも、CDの売れ行きも、ラジオの数字も、当チャンネルの会員数も納得出来る数なのですが、ライブの動員だけがまったく納得出来ない。自分のどのバンドも、スタジアムが満杯になってしかるべきクオリティを示していると思うのだけれども。こんなでっかい話は証明しようが無いが、もし物凄い社会学者がいて、ちゃんと数値を出して証明したら、この国は出ようと思う。「LALA LAND」が各方面で絶賛。というのは、その「証明」の兆しの様な物かもしれない。しかし、この国からは出られないのだ。何故かって?世界で一番食い物が旨いという牢獄に、私は閉じ込められているのである。それは幽閉であり、デカダンでもある。私のリサーチ並びに実食は、現在の香港の実力の極点、その一角を示しているが、非常にシンプルに言うと、一店として東京の類似点にかなう店はなかった。もう一度言う。私だけではない。我々は幽閉されているデカダンなのである。
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