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記事 30件
  • <今日の菊地成孔>2013.09.29

    2013-09-30 10:00  
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    9月29日(日曜)

     

             

     昨日テレビは苦手だと書いたソバからテレビの仕事がバンバン来まして、ワタシもしくは世界のどちらかのヘソが曲がっている訳ですけれども(笑)、TAOさんとの対談番組は面白かったらしく(長沼情報)、番組スタッフもTAOさんも良い方々でしたので幸いでした。

     

     ただホントにマジで、あんま覚えていないというか「今まで結構あちこちで話した事をTAOさん相手に改めて話しただけだったなと」いう感じだったんですが、まあそのぐらいが一般層にはフレッシュかも知れないですね。未だに「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!お

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  • <今日の菊地成孔>2013.09.28

    2013-09-29 11:00  
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    9月28日(土曜)

     

     TAOさんとの対談番組が本日オンエアだったようですが、あれ、かなり前に収録され、恐らく、ですが「ウルヴァリンサムライ」の公開に合わせてオンエアになるという、TAOさんサイドのスケジューリングなので(推測に過ぎない上に、まったくディすりではないです。テレビ業界ではこういうのは普通の事です)、内容も忘れてしまってますし(何か、背が高いというコンプレックスの女性と、背が小さいというコンプレックスの男性との対談ですねとか言った憶えはあるんですが・笑・あそこ使われてたのかどうか解りませんね。まあ使いますかね普通)、あんまり良い仕事ができたイメージがなく、TAOさんがそもそも対談番組が苦手で大変に緊張されていた所に持って来て、ワタシを「鋭くて怖い大先生」みたいに勘違いされていたみたいなので(笑)リラックスして頂いて楽しく話す事は心掛けましたが、あまり大した話が出来なかった憶えがあり、、、。 

     といっても、テレビに出ると毎回必ずそう思うので、やはり出るのは苦手メディアですね(見るのは得意です)。という訳で、見ずに打ち合わせをしていました。
     

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  • <今日の菊地成孔>2013.09.27

    2013-09-28 10:00  
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    9月27日(金曜)

     

     今日はペペのレコーディング2日目で、今年の夏に強烈な烙印を押したドミュニスターズの後にフルアルバムはキツいかなと思いきや、ああもうやはり、ああもうやはりやはり、楽団員と一緒にスタジオで音を出していると、感じるのは永遠ばかりです。永遠の闇、そして永遠の光。
     

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  • <今日の菊地成孔>2013.09.26

    2013-09-27 10:00  
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    9月26日(木曜)

     

     いやあいっきなり冬になりましたね。各所で「季節が発狂している」という表現を使っていましたが、近接表現で「季節がヒステリーになって来ている」というのが正しいようですね。タクシーの運転手さんには「今日、クーラーはどうしたか」という話を振れば百発百中の菊地ですが、高島礼子さんがいきなしものすげくお若くなっている事に仰天しています。いくら毛染めをしたからって!!
     

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  • <今日の菊地成孔>2013.09.25

    2013-09-26 09:13  
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    9月25日(水曜)
     
     だんだん先生業が戻って来まして今日は美学校ですが、昨日いっぱいありましたからね分量が、あんまり毎日がっつりあるのもどうかなと思いまして、今日は減らしてみますが、どうでしょうかね?そんなダイエットみたいな事しなくて良いんでしょうか?(笑)それにしても当サイトの最重要コンテンツだと思われたポップアナリーゼの再生回数が微笑ましいほど少ないので(滂沱のNAMIDA)、そもそもブロマガ全体どうしようかなと思いながら(笑)、今日はいきなしですが「HOT HOUSE」の<キクチカメラ映像>をアップしようと思います!!!
      
     こっれっはヤバですよー。このご時世に、いやさこのご時世だからだと思いますが(笑)、こんなエレガントでデカダンでヘルシーなパーティーが東京タワーの膝元にあるプリンス系のホテルのボールルームで行われていて良いのだろうか?良いに決まってんじゃん。また同じ開場で年内にやりますよ。わっはっは。といった感じであります。ジャズが好きでダンスが好きだったら来なくちゃおかしいだろーコレは!っていうか毎回毎回言ってるけど、踊らなくても参加オケーですよ!
     
                <ヤバいポイント>
      

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  • <今日の菊地成孔>2013.09.22&23

    2013-09-25 09:00  
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    9/22&23&24(日曜&月曜&月曜)  スミマセン、いろいろと仕事上の緊急重要事が重なりまして2日も休んでしまいました(汗)。 中にはいくつかご報告しなければいけない事もありまして、有料コンテンツというサロンであるこちらに書く事は基本的には拡散防止傾向なのですが、以下の2点に関しては「例外的に拡散希望」とさせて下さい。要するに「こういうの書いてたら2日経ってしまった」んですね。1) 「夜電波」裏送りの件 まあこれは昨日今日に始まった事ではないのですが、ラジオ局のプライオリティは野球にあるので(ワタシ個人はこの点は最初から納得しております)、既に録音されていた番組が野球中継の為に裏送りになったり、場合に寄ってはその回のオンエア自体が無くなる可能性は予め放送フォーマットに含まれています。 とはいえ今回はあまりに急遽だったのと、収録時に裏送りになる可能性を知らされていなかったので(収録後に知らされました)、そのつもりで収録し、「まだまだ続きますヨーン」とか言って終わってしまうという(笑)、マヌケな事になってしまった訳ですが、言うまでもなく責任はワタシにもビュロー菊地にも全くないので、何をアナウンスしたいかと言えばですね、この回と全く同じ内容の回、つまり「ギャラクシー・スーパーノヴァ」を中心とした「韓流最高会議」を、もう一度収録し、オンエアします。という事です。シーズン6は1時間ですので、完全な再現は出来ませんが、再放送も不可能なようですので、ネタが古く成らないうちにやろうと思います。 裏送りの可能性が1%でもあると知っていればワタシは韓流最高会議はやりませんでした。いつもの裏送り対応のフリースタイルぶらり一人旅(笑)にしていたと思います。 ですので、次回リクエスト大会の際「マボロシの裏送りの、マボロシのラスト30分」はリクエストしないで下さい(笑)。という事です。第一にはこの、番組初のお蔵入りの30分間は、当たり前ですがオンエアされていないので、再放送の候補になりませんし、第二には、そんな無茶苦茶に面白いという程ではありませんでしたので(笑・田中ちゃんが電話で登場した最初の1時間はメチャクチャ面白かったですが)。 お陰さまでまだ一通もコチラには届いておりませんが、クレームがある方は当方ではなくTBSにどうぞ(笑)。勿論、番組のPもDも編成全体のコントロール力は無いので、追求は最終的に編成局長まで行くことになりますが(笑)。 2) 「XXL」のMADの件  こういうのをMADというのかどうかも甚だ怪しいままなのですが(笑)、スミマセン見つけてしまいまして、ワタシつどつど公言しております通りネットはほとんどやりませんが、動画サイト(というかニコ動は見ないので、もう一個の方ね・笑)は物凄ーく見るので、あっちゅうまに見つけてしまいました(笑)。 とはいえ、単にマイルスの動画検索して鑑賞するのとは全然意味が違い、メディア勘が全くない(ホントに全く)ので、いち個人としても、ビュロー菊地の代表取締役としても、どうアクションして良いか、非常に慎重に成らざるを得ません。 製作されている方は名乗りも上げておられ(他者の成り済ましでない限り。ですが)、あまつさえこちらのコメント欄で会話をした事もある方でして、その事も含め、丁寧に対応させて頂きますが、これがアップされた段階で、ワタシ個人ではなく、法人であるビュロー菊地から、削除願いを、当該動画サイト並びに、作者と思しき方の双方に、送らせて頂きます。 ただとにかく、これは法務的な措置でして、もう見ちゃったからにはですねえ、こうするしかないんですねえ。それこそMADのステマになってはいけないのですが(笑)、アレはまあ第一にはMADという段階で違法性がありますし、第二にはドミューンとサミットという、ワタシの出入り業者の権利にも抵触しています。 それこそ「見さえいなきゃ」って話しなんですけど、存在を知らなきゃこんな事しませんが、とにかく、タレコミですらなく、「あ」って自分で見つけちゃったんで(笑)、制作者の方、その点はご理解ください。「あなたご贔屓ですし出来が良いから大目に見ますよ」とか「こいつ知らない奴だし、出来も悪いから潰してしまえ」とかいった美的評価の差をつけることは出来ません。一律ダメなんですね、法的措置なので。 ただこの場合「過去にも違う対象(ペペ、DCPRG等々)のMADがいっぱいあるのに、何でコレだけ削除願い出すんだ」とかですねえ「MADはダメで、違法アップなら良いのか?」とかですねえ、「音はTBSが流出を看過してるし、動画はサミットとJZBratが公表してるモンだぞ。そんなに問題あるんか?」とか反駁されたらお手上げです正直。 今、一番難しい所じゃないですかねえココ。ワタシの知る限り、プリンス、モンティパイソン、ジャニーズエンターティメント、NHKはここにがっつり対処していますが、まあ、予測ですが、それ用の担当セクションがある筈ですよ。そのぐらい大変な所です。ウチなんかとてもじゃないけど無理ですね。言ってみれば、社員全員で現場に行ってる会社ですからね(笑)。 一方、ですね。法務として削除申請する代表取締役ではなく、いちクリエーター菊地成孔として、作者の方にひとつだけお伝えしたいのは、悪意は感じませんし、こちらも全くない。という事です。もう一度繰り返します。悪意は感じませんし、こちらもありません。 そして、出来/完成度はですねえ、こんなん言ったら社会的に大暴言かも知れないんだけど、正直、あのーーーー良いと思います(笑)。 (顔色変わって)ただ!!!ここだけは絶対に困るんだけど!!今の所、ICIは市川愛さんとは別人設定なので(笑)!!!!そこ、厳しく宜しくお願いしまっす!!!! 「ええ~。もうライブとかでグダグダになってんじゃ~ん」とか仰らない様に!!!!(笑)ICIと!市川さんは!ご友人ですが!!全くの別人です!!!!!(笑)ので(強い目、強い口調で)、、、、、、ねっ!!!!!っていうか、誰ですかこの人!!ICIのラップの時に出て来る人!!!見た事無いなあ!!!! と、これ以上続けると余計な事まで書いてしまいそうですので(笑)とにかく最小限に抑えるつもりで、もう大分書いてますが(笑)、「XXL」は現在MV製作中ですので、あっちゅうまに正規モンも出ますが、だけど「だからダメ」とかでもないんです。どんなに愛情と完成度を確認出来てもダメなのね。今のワタシの立場では。だってまだリリーズしてないんだもん(それがMADなんでしょうけどね)。ヘタすっとリリースに問題が生じちゃいますから。 「え?じゃあMAD製作や無許可UPを無条件に全否定するの?絶対的に?現状解ってんのアンタ?」という問いは、いやいやいやちょっと待って下さい。マジ難しいですココ。 ここはデジタルコンテンツ/音産の中で、本当に微妙な問題なのね。法的には簡単よ。ダメです。こんな自動的な判断はワタシでなくとも、誰でも出来る訳です。 問題は、カルチャーとして、日本語にこんな言葉はありませんが、敢えて言うと「順法規的」に、こういった一連をどう捉えるか?という事なんですよね。慣習法化しちゃうんですかねえ。正直、考えたくないです(笑)。ベッドにドーンと横になって「なるようになるわーっ!」とか言ってエビアン1リットル一気飲みしたい気分ですよ(さっき、辛いモン喰ったんでね)。こないだねえ、面白くもねえジョブスの伝記映画見て来たばっかですけど(ジィブスが面白くねえ訳ではねえです。映画が面白くないの)時代は本当に変節期ですよ。 こちらの自己責任とコンセプトでオールオッケーにしてしまうという線も、演繹的に、MADをコンペとしてしまうという囲い込みみたいなコンセプトもあると思うんですし、「見て見ぬ振り」といった一番簡単なアレもあるんですが、いやあー、まあー、この世にHIP HOPという音楽が誕生した時から刮目して立ち会っており、50になってラッパーデビューした者の立場としては「こんな難しい未来が来るとはね(特大苦笑)」としか言いようが無いです。 ファンの方なら御存知の通り、ワタシ、どんな局面でも絶対に考え方決まってるのね。もう事前に全部決まってる訳。逡巡が無いのがワタシの強味ですよ(ちょっと前の「ツィッター菊地BOT」も、MMブン殴った時も、「第三インターネット」から「ビュロー菊地チャンネル」)に重心傾けた時も、一瞬の逡巡もなかったです)。そんなワタシがですよ。「わかんねえな、どう考えれば良いんだコレ。誰に相談すれば良いの?そこからして解んねえ。もう」と、判断保留のまま対応している唯一のメディアが動画サイトかも知れないです。 いやあ、しかし「アフロディズニー」(09年の慶應での講義録)で初めて「ニコ動」「MAD」という物の存在を知りましたが、あんときは「まあ自分には関係ないかな一生」ぐらいでしたよ。三田で(笑)。 という訳で、やや苦めのトーンになっちゃったんで、サーヴィスとか販促とかいうのは大袈裟ですが、フライング返しという事で、「XXL」の分だけリリックと解説を発売前に書いちゃいましょう。因に全12曲入りを予定しています。 JAZZ DOMMUNISTERS/XXL feut MARIA、ICIN/K a.k.a 菊地成孔マイGODNESS 愛 I KNOW カタチってありすぎるGRAY fuckyou かくいうオイラなんか母ちゃんが2人いる上に MO’SHIT 生きてたなら姉ちゃんまで2人いた ちょっと会ってみたかったけど その2人にお人形扱いされてたって思うと 変な汗でるぜ GENDER I SAY WELL MADE ましてやその2人がエンコやSEX VOLUNTEERなんかした日にゃあ オレぜってーいまごろ二丁目でHOUSE JAZZとHIP HOPにはBOUNCE & THANKS アブねえところだったとYEH YO!もちゲイの友達は山ほどいてヤツラは「HIP HOPは苦手でもアンタは好きよ」っていってくれる いろいろためしてはみたよ 特に自分のことをオレオレっていうFEMARE TO MERE 同一性障害のコとBED IN した時ゃわりーけど目眩したぜー あれこそ元祖オレオレ詐欺 おっとオレ オレの話しなんかどうでもいい お茶の間的には永遠のネクストジェネレイション でも古典的なアンダーグラウンド 最強の彼女たちそんな彼女たちがLOCKERに落とした破れたLOVE LETTERS わりーわりーコレどーしても読まずにゃいられねー(HOOK)ヘいがーるあいきゃんらーびゃ きゃーんちゅしーみーまいりあるべいぶみーじゃぱにーずぼーいあいらーびゅーHey girl I can love ya can’tyou see me my real babeme Japanese girl I love youMARIAWhat can I say スラッと伸びた手足 同性でもクラうよ いちいちどこからきた何をした んなことばかり気にしちゃ口先だけにすぎぬcrap yo Im more than that 君がmaleでもfemaleでもほっする衝動はなによりもピュアー なにかありますか問題は?それより願い事は?xxかけるxx じゃなにも産まれない なんて嘘だ 今までにないfeelingsが日々生まれる かけるxy and xy why そんな目で見るんだ超えちまったマジ超jucythe wall of gender 禁断の扉か いやハマらないジグゾーパズルで魅惑の迷宮入り(HOOK)ICIOF COURSE I NEVER SAY あんたのAMBERな瞳とあたしのBLACKな瞳にUNBALANCEなMAGNETIC FORCE つまんない友達が見たらね SO あんたはきっと始まったばかり あたしは生まれる前からSO中学まではSECRET HIGH SCHOOLになったらNEGLECTって普通のCOURSE そんなの意味ねえじゃん 変なフェミのババアのフェノミなNATION CRAP YO逃げ出して クラブで男の子の遊びに合流HIP HOP ジャケットで胸出したらRATED XだってPURITANISMの頃から全然何にも変わってねえじゃんNATIONでもここならちげーのかも あんたとならちげーの COME ON 単なるGIRLS TALKもTHROUGHけど(願い事はお姫様にも王子様にもならない事)ずいぶん女の子と傷つけあって来たけどあんただけは傷つけたくない LOVE以外は全部演技だって教えてあげるよNO 1のAMBER EYES(HOOK) ↑これリリックね。 以下、ヒップホップを日常的に聴かない読者層(場合に寄ってはジャズすら日常的に聴かない層、の方もいらっしゃるでしょうから)に対してフォービギナーズな解説を書かせて頂きます。そもそも解説がお嫌いな方、ジャズもヒップホップも得意な方には無用以上にネタバレの危険性がありますので読むのをご遠慮ください。「いまのうち説明きいた方が乗り易いかな?」という方のみどうぞ!アルバム買ってね!!!        ***ネタバレ注意!!*** そもそもワタシは「ヒップホップはジャズの孫」という見立てをしておりまして、まあこれは見立てですから、上手く見立てられてるかどうかは読者諸氏にご判断頂くとして、過去さまざまなメディアで語って来ましたが、今回、このアルバム(「ドミュニストの誕生」)を製作するにあたり、やっぱりかなり孫だな。と改めてつくずく思いました。 先ず、ジャズ界ではトランペット奏者を「ラッパ吹き」という、事から始まり(ウソ!これ全然関係ない・笑)、とにかくラッパーに参加を頼む際、「テーマ」が必要なんですね。彼等も「テーマ」と発音します。ジャズ界だと最近、イカした人(ワタシの知人だと、南博さんとか大西順子さんとか、バークリー帰りの方は特に)は「スィーム」と発音しますが、いわゆる「主題」を意味する外来俗語のアレです。オムスなんかにトラックを渡しますね。そうすると「これ、テーマ何ですか?」と、普通に聞かれる訳です。 趣味でジャズを演奏したりする方など、「ほほう」と思われたでしょう。「テーマ」が必須なのね。まあ、ブルースならブルース、リズムチェンジならリズムチェンジ(ここらへん、ジャズ界のジャーゴンですが)ドリアン2発ならドリアン2発で「テーマどうする?」って言いますよね。あれとまったくね、発音上は一緒なのです。ラッパーたちは、テーマが無いとリリック(ラップの内容。まあ、歌詞ですね)書けない訳。最悪「ノーテーマで」という時もあるんですけど、これもジャズと全く同じよね。ファンクでは言わないですよスィームなんて、ファンクは全部(同じセヴンス1発だとしても)楽曲と考えるので普通にチューンって言いますね。 しかし、いわゆるジャズで言うテーマの事は「HOOK」と言います。これはジョン・リー・フッカーの名前にある、引っ掛ける釣り針の事ですね。「フッカー」っていうのは、引っかけ屋なので、売春に於けるポン引きだとかに当たる、非常に悪い言葉です。「ちょっとちょっとお兄さん」と声かけて引っ掛ける。という事です。ワタシなんかもうNKフッカーっちゅうぐらいのフッカーですよ。 んで、ヒップホップに於ける「作曲」っていうのは実に微妙でですねえ、バックトラック作った人、もそうなんですが(最近だと「ビートメーカー」って言うんですが、この言葉は流動的なんで、すぐまた変わるかもしれません。このトラックのビートメーカーはワタシが「第二の田中ちゃん」と読んでいる、元美学校、現ペン大の生徒である、天才青年TANAKAくんです)、フック作った人、もそうなのね、ジャズファンの皆さん、益々「ほほう」って思ったでしょう。ブルースのテーマ書いた人が作曲者ですよね?あれと全く同じ事なんです「フックを作る」っていうのは。 違うのは、バックトラックに、ジャズみたいにフォームが無い事です。なので、まあ、見立ての上ですけどね「同じ」というのも。この曲でフックを作ったのはワタシです。ついでにいうと「テーマを決めた」のもワタシで、ラッパーを選んでオファーかけたのもワタシなんで、まあこの楽曲のプロデュースっていう事ですね。ついでにフォービギナーズしてしまうと、各人のリリックは各人が書くんですよ。マナーとして、基本的には一文字も直せないんです。「作詞者」がいないんですよヒップホップは。 だからジャズとの見立てで言えば、ヒップホップっていうのは各人がソロをとりますよね?レコーディングで、それを丸暗記して、毎回ライブで同じソロを演奏するって言う事なんです。「被せ」っていって、箇所箇所で他のラッパーが合わせてリするじゃないですか、あれなんかジャズで言ったら各人のソロをソロイスト全員が暗記してて、ここぞという時にユニゾンしたりハモったりする。っていう事ですよ。 ここが壁なのよね。オジイちゃん側の(笑)。ワタシも大谷君も、まだ出来ないですコレ(笑)。っていうか、何日か前に書きましたけど、「ドミュニストの誕生」が、最初の丸暗記になるんじゃないですかね。ジャズでの最初の丸暗記は「サムシンエルス」ですけどねワタシ。未だに全部歌えますよ(キャノンボール以外も全員)。っていうかまあまあ、それこそ御存知マイルスなんかね、曲によっちゃ半分以上覚えて、そのままやってますよね(笑)。ジャズの理念的にはコレ駄目なんだけど、ヒップホップとしては先駆だったとも言えます(笑)。 と、ここまでが基礎知識で、以下が解説になるんですけど、ワタシTANAKAくんからビート(カラオケね)をいっぱい貰って、選んで、そんで何度も聴いて、テーマ決めた訳ですが、この「XXL」はスタジオでビートを爆音で鳴らしてるうちにですね「あ、これは(レズ)ビアンがテーマだ」とひらめいたんですね。 SEがこう、キラキラしてるじゃないですか。まあ、多くの作詞家が「曲が呼ぶ」とか「曲が訴えて来た」とか言いますけど、ホントそんな感じです。「うわー、これヤバいんじゃない。マリアさんとMOEさんにビアンになって貰おう。そんで自分は狂言回し/道化としてファーストルック(これはファッション用語です)に出て来るんだ。そんなん聴いた事ねえヤッバー」とか言って一人で盛り上がってたの(笑)。 フックはもう10秒ぐらいで出来ちゃいました。むしろヒップホップマニアではなくポップスマニアの方のが解ると思いますが、バカラックの「ミージャパニーズボーイアイラヴユー」のリスペクトですね。ポップスマニアでこの曲知らない。という人はモグリなのですぐ検索して下さい。 ワタシのリリックの内容から、レズビアンじゃなくてFTM(FAMALE to MALE=性同一性障害の、肉体が女性で主幹が男性の方の人)の事じゃないかと思ってしまう方もいると思いますが、FTMのくだり(並びに「母親が二人、そして生きてれば姉が二人いた」というくだり)は単純にワタシの実話で、まあヒップホップってのはリアルが命ですからね。ここもポップスの作詞と全然違います。言葉遣いじゃなくて、考え方が真逆な訳。本当に本当の事を書くの。ヒップホップがリアルじゃなくなっちゃったら最終的にマンガになっちゃいますし、ポップスがリアルになったら最終的に自伝になっちゃう。どっちも駄目なんですね。「ドミュニストの誕生」のワタシのリリックは全部リアルです。「BED INした時ゃ目眩したぜー」とか、悪口っぽいですけど、まったく悪口じゃないです。本当に目眩がしたの(笑)。 「え?MOEさん?」と思ったでしょう?そうなんですね。最初のキャスティングはMOEさん(MOE AND GHOSTSの)だったんです。マリアさんは余裕でどっちもイケそうなオーラ出してるし(確認した訳じゃないんですけど・笑)、MOEさんもひょっとして(無根拠)、、、、とか思って、お二人に同時発注したんですよ。 そしたら、マリアさんからはすぐにオーケーが出て、MOEさんからは、非常にこの、丁重でシンシアな、まあNGが来まして(笑)、単に「できねっす(笑)」とかではなくて(MOEさんはそういう方ではないですし)、フィメールラッパーとしての自分のポリシーとして、ジェンダーに関わる事はリリックにしないのだと。大変申し訳ない。面白いテーマだと思うのだが、自分は出来ない。といった、本当にこの、こちらが申し訳なく成ってしまうほど(まさにリアルな)の誠実なお断りが来まして、どうしよう、まあでも仕方が無ねえな。と思ってたんですね。RUMIさんとか蝶々さんとか(いずれも面識無し)に振ってぶん殴られてみようかな?とも思ったんですけど、まあそんな無礼は、さすがに、ねえ(笑)。 しかし、捨てる神あれば拾う神ありという奴で、「あ!ICIってアメリカにいたよな(アメリカ何の意味も無いんだけど・笑)。聞いてみよう(っていうか、この段階でこの世にICIは存在してないんですが・笑)」と思いまして、メールしたの、そしたら「むかし親友だったコがソッチに転向して、一緒にシャワー浴びられなくなった事がありました」とか言って、ICI面白い訳(笑)。そんで頼んでみたの「リリックはワタシ(菊地)が書き、ラップもしておくので、それ聴いてコピって貰えれば良いんで」「いやあ、やった事ないっすよ」「大丈夫大丈夫。ワタシの見本をコピってくれれば良いんで。洒落です洒落で」的な感じで。それでICIが生まれた。もしMOEさんが引き受けて下さっていたらICIはいない訳なのね(笑)。 そういう意味では100%リアルという訳ではないです。まあ、お楽しみのトラックっていうか。とにかくヒップホップは御存知ゲイに手厳しいんで(ここら辺の事情もワタシのリリックに入ってますが、全部実話です)そのせいかどうか、ビアンの人のクルーが各国にいるという特殊なジェンダー状況なんで、そこらへんを良い調子でイケたらなと、なので、自分の分は責任もってリアルに行こうと。そういう感じですかね。 マリアさんのリリックが結構ソッコーで来たんで、ワタシもソッコー返しとばかりにもう10分ぐらいでアンサー書いてお互いを褒め合って大盛り上がりしました(バッカでー・笑)。ライムの説明は最悪に野暮ですが、あまり一般的ではない語について。「アンバー」は日本語だと何というか解らないんですけど、オオカミ目って、なんて言うかな、薄いブルー&ブラウン的な感じですが、マリアさんはアンバーじゃないです。「アンバランス」とか「ナンバーワンのアンバーアイズ」とか踏みたかったんでアンバーにしました。「変なフェミのババアのフェノミなNATION」の「フェミ」はフェミニズムの事ですが「フェノミな」の「フェノミ」は「PHENOMENAな=異常な」という意味です。女子大とかによくありますよね。変なフェミニストのババアが仕切る異常な集団。 「CRAP YO」は、まあ「死ねバーカ」みたいな感じですね。ファックとかシットとかよりもドーンした、ドスの利いた感じがクラップョです。「アホかーーーーー!!」みたいんじゃなくて「け。バカじゃん」みたいな悪態をついてその集団を逃げ出したと。この二人は、共にクラップョを使うんですね。マグネティックフォース(磁力)が働いているんで。 最初は「L」っていうタイトルで、こらまあストレートにビアンの人をさす訳ですが、入稿直前で「あ」とひらめいて「XXL」にしました、言わずと知れたヒップホップの専門マガジンの名前と、マリアさんのリリックの中に出て来る染色体のくだりからフックした訳ですね。「いちゃつき」はマリアさんのアイデアで「ひそひそ声」はICIのアイデアです。大谷君が一切出て来ませんけど(笑・自分でフック歌って自分で絡んでますからね。大忙しですよ)、大谷君はこういうのが苦手なんですね(笑)。切ないとかエロいとか可愛いとかが無いの大谷君は(笑)。そこが凄いんですけど。 とまあ、こんなん書いてたら2日かかるわな(笑)。今日は久しぶりで東大赤門で講演でした(「うたかたの日々」の最新訳者である野崎先生と)。あんだけ話したのに、コレージュ・ド・パタフィジークの話しに至らなかったよ!(赤門の内側には、日本で唯一のパタフィジーク大守である渡辺先生がいらっしゃったというのに!写真はもっとも知的でエレガントなお嬢様と(推定年齢14)。 

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  • <今日の菊地成孔>2013.09.21

    2013-09-22 10:00  
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    9月21日(土曜)   横浜の大さん橋ホールという所で、全国のカフェとカフェ好きの大会みたいなのがあって(「海のカフェフェス」というのですが)、ナオミ&ゴロー&菊地成孔でお招き頂きまして、30分ほど演奏して来たんですが、いやあ本当にアウェイだホームだ言いませんが、やっぱ世の中には人がいっぱいいるのだなあと思うばかりで、咄嗟に思い出したのは90年代の終わりぐらいに木場の都現代美でデイジーワールドの決起集会みたいなのがあって、グラウンドビートとかディープハウスとか言ってる世に、大中の人民帽被ってサスペンダーの人がいっぱいいたので「うおーうおーYMOノットデッド!!」と興奮した事でして、要するに1000人ぐらいだったら、日本というのは相当いろんな班があるなという事で、テレビと雑誌しか見ていないと、今の日本にはAKBとあまちゃんの2班しかないように思ってしまいがちなんですが(ま、思ってませんけど・笑)、確かに10万人規模に上げたら4班ぐらいになってしまうかも知れませんが、1000人(この日の大凡の入場者数。因に昨日めでたく写真が載ったアヴァランチは約700人)規模であれば下手すっと1000班あるかも知れません。そもそもそのうちのひとつに「ビュロー菊地チャンネル」班が入る訳ですが(笑)、今日はカフェ班の総力戦で、頂上には、ええとワタシも予測していた様なしていなかった様な、原田知世さんがいらっしゃる訳です。もし音楽をされていたら、としますが、蒼井優さんも間違いなく頂上付近に君臨されていた筈です。 

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  • <今日の菊地成孔>2013.09.20

    2013-09-21 10:00  
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    9月20日(金曜)
     
     いやあこんなに簡単にマックが修理出来るなんて!しかもすぐ近所。歌舞伎町時代だったら徒歩で行けた、西新宿のPC修理屋さんが1万円以下で奇麗に直して下さいました(「中にダンボール紙片が入っていて、CD-Rドライヴが破損していました」と言われたそうで・笑・しかしそれもきっちり直して頂きました)!お陰で宝の山SDカードも手元に戻りまして、以下8月30日の「アヴァランチ」前夜からの写真です。半年ぐらい無理かなと思っていたのに西新宿すごーい! 

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  • <今日の菊地成孔>2013.09.18&19

    2013-09-20 13:00  
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    9月18&19日(水曜&木曜)

     

     スミマセン、酔って寝てしまうとこの連載、平然と飛んでしまいますね(汗)、何だかんだ言って「50になると」を連発しておる、さっきジョナサンに行ったら自分と同じ型落ちのアディダスを来ている人がいるので「おお、同じセンスー」とにこやかにしていたらハウス加賀谷さんだったので、にこやかが10倍になってしまった、育ての親が統合失調だった(ハウス加賀谷氏は統合失調のカムアウト本を出版)菊地ですが、別段記念すべき事でもないと言いながらご存知の通り、社会的には50を境に大変な変化に見舞われたワタシですが、何と肉体的にも来たようで、昔はどんな深酒をしてもその日のうちに醒し、シャワーを浴びてスッキリしてから仕事を済ませて寝ていたのですが、ここ最近、2〜3人でアペリティフ1杯、ワイン2〜3本、終わってバーでカクテル2〜3杯といった少〜中程度の量で「目が覚めたらベッ

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  • <今日の菊地成孔>2013.09.17

    2013-09-18 18:00  
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    9月17日(火曜)
     

     ボディ的にはケラケラのヴォーカルの人が良いと思い、優香のCMが残念だと思っている、つまりごくごく普通な男性、菊地ですが、今日は日仏に行って(新事務所から日仏までは僅か数分でした)「ムード・インディゴ」の簡単な解説イベントをやり、そのままスタジオに戻ってペペトルメントアスカラールのプリプロダクション(PC内でアレンジを行う事)をやって、4曲分を終え、明日スタジオに入ります。


     
     

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