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2022年7月の記事 11件

<菊地成孔の日記 22年7月9日 午前4時記す>

 この日記の読者の方々なら、僕が元日から、「今年はヤバい年になりそうな胸騒ぎがする」と書き続けていていたのをご記憶されているだろうが、もう前半を終えた段階で、「もう流石に予兆は良いよ笑」と思うほどの状態になった。一気にドカンとくるのではなく、じわじわ来ているし、後述するが、民は抑圧的というより、解離的な傾向を見せているように思う。   <それはともかく&それでもやはり、なんとなく2022年はおかしい、結構ゾクゾクする年明けである。旧正月が終わればその正体も明けてくるだろうが、何か途轍もない事態への前兆としか思えない現象が2つも続いた>    ↑ コレが確か1月かそこらだ。僕は「ラディカルな意志のスタイルズ」のデビューライブを、直感的な判断で、2回に分けた。1回に集中してDCPRGの時みたいになったら、流石にこの歳ではきついなあ(そこで生じる現実。ではなく、又してもバンドのデビューに引き込みを持ってしまったという「関連づけ」の重さに)。と思ったのだが、そもそもデビュー自体に黄信号が灯ってしまった。    今月3週目からサックスを吹いてみて、歯への直接圧の測定と、まずは30分連続で吹いた状態をCTスキャニングして再生中の歯茎の損傷度を見る。という流れになった。    「黄信号」といっても、交通信号のそれに於いては、黄色は赤に向かうしかないが、ここでの黄信号は、青に向かう可能性も持った、文字通り両義的なものだ。サックスは「全然吹けますねコレは」という可能性と「やはり、本番もやめて下さい」という二つの可能性を持ったままだ。前者の場合は、何事もなかったように吹くし、後者の場合は、少なくともスタイルズでは緊急のオーディションを開いて、若くて時間と才能が有り余っているサックス奏者を見つけ、来年7月までは臨時加入させるしかない(「中の人がメルロー」はものすごく面白いが笑、流石にメルローに失礼だし、彼は忙しいので現実的に無理だと思う)。僕はパーカッションとSE用のサンプラーだけになる。あ、なんか、それが一番良いような気がしてきた笑。    僕が安倍晋三氏の射殺事件に関して、一番強く感受性にのしかかってきたのは、他のあらゆるトピックを差し置いて、「国民が解離的になっている」ということだ。  

<短期連載「菊地成孔の抜歯日記① 7月1日(手術当日)」>

 *これを書いているのは7月3日である。本当に偶然に(手術が決定する遥か前から)、7月1日から3日までの3日間は完全な休暇であった。今から思えば、ハイアット系でもペニンシュラでも良いので、ホテルを取っておけばよかったと後悔しているが、いわゆる、という奴で、あらゆる後悔は先に立たない。     「うわあ、なんか、この手術室、良い香りになりましたね笑」と助手がいった。「あ、いやこれはすみません。香水がきつかったですか?」「いや全然笑、アロマを焚く方もいらっしゃいます笑」「よかったあ、オペの邪魔になったりしたらバカですからね笑」「これメンズですか?」「いえ、レディスです」「やっぱり笑」マスクしたままの女性と目線を合わせるのは無駄にフェティッシュなので外して欲しいのだが、一番外してはいけない現場であることを思い出し、少し笑った。    <マスクを外したら、、、、正解は滝沢カレンさんでしたー!!>といった風情の手術助手は、若い担当医が緊張の面持ちで入ってくると、いきなり「ブスッとした」というラインぎりぎりのツーンとした無表情に戻った。    <えコレ、この2人できてて、今少し険悪で、嫉妬させるダシに使われてんのオレ?>とか、<この先生、良い医者だけれども、助手や美容歯科の女性医師に嫌われてんの?>とか<この先生、若くてお金持ちだろうし、熱心で誠実なんで、この院内の女性を全部虜にして、全員からツンデレくらってんの?>とか、我ながら本当にバカではあるまいか?本当は膿の道が膿に達しているのでは?というレヴェルの妄想が同時多発したのだが、どうやら回答は  

ビュロ菊だより

「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。

著者イメージ

菊地成孔

音楽家/文筆家/音楽講師 ジャズメンとして活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽/著述活動を旺盛に展開し、ラジオ/テレビ番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画/テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。

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