-
自称・億万長者ボブ・サップ、MMA引退を宣言! 米ネットラジオに出演し人生を説く■MMA Unleashed
2014-05-23 08:00102ptOmasuki Fightの北米MMA抄訳コラム。今回はボブ・サップのラジオインタビュー! ボブ・サップが米MMAネットラジオ「Submission Radio」に登場、すでにMMAからは引退し、一個人として日本滞在を楽しんでいることを明らかにした。この番組でのサップの生々しい大演説の模様をそのまま紹介したい。信じるか信じないかは読者次第だ。なお訳出していない箇所で、今後もIGFでプロレスは続けていく旨の発言をしている。
Q ボブ、2014年に入ってMMAの試合をなさっていませんね。
サップ MMAは事実上引退だな。数百万ドルも貯金があるから、いま日本とアメリカを自由に旅しながら、悠々自適に暮らしているよ。フハハハハ。
Q とはいえ今年は、アームレスリングでヒョードルを破って気分良く新年を迎えたのではないですか。
サップ あれはすばらしいショーだね。自分の強さを控えめにアピールできるところが気に入っているよ。
Q 手ごわかった相手といえばだれになりますか。
サップ ヒョードル、アリスター・オーフレイム、マーク・ハント、セーム・シュルトかな。ヒョードルには本当に闘魂がある。彼の手首は折れる寸前だったけど、なかなか降参しなかったからね。アリスターは単純にパワーがすごい。
Q 「ボブ・サップが日本で街を歩く」というのは、いったいどんな感じなんですか。
サップ ちょっと街を出歩いただけで、4,000人、5,000人が集まってくるんだよ。 -
【UFC連勝】堀口恭司「KIDさんと日本大会に出られたら最高ですね!」
2014-05-22 19:17102pt5月10日「UFC Fight Night 40」でダレン・モンタギューを判定で破り、連勝を達成した堀口恭司。UFC日本人ファイターのデビュー戦からの連勝は岡見勇信、日沖発以来となる3人目の快挙。勢いが止まらない超新星に話を聞きました。――VICE JAPANの密着映像、面白かったです!
堀口 あ、そうですか(笑)。ありがとうございます!
――堀口選手が大好きな釣りにも同行取材をしてて。そこで彼女が突然出てきたりしてましたね。
堀口 あー、そうですね(笑)。「一緒に撮りたい」と言われたので。
――彼女も撮影はすんなりOKだったんですか?
堀口 彼女は「……ちょっとやめてくれない」という感じでしたけど(笑)。「せっかく撮ってくれるんだからいいだろ!!」って。
――そこは亭主関白ぶりを発揮して。
堀口 そういうわけでもないんですけど。希望を言えば、もっと釣りのシーンを増やしてほしかったですけどね(笑)。
――さすが格闘技界の太公望ですね(笑)。あの映像のようにデートも釣りが多いんですか?
堀口 いや、彼女は釣りが大嫌いですね。ハハハハハハハハ!
――あ、映像では楽しそうにしてましたけど(笑)。
堀口 どっか行くときも彼女が行きたいところに行く感じなので毎回怒られる感じです。「なんでプランがないの(怒)。行きたいところないの!?」って言うから「行きたいところは釣りだよ」って(笑)。
――ハハハハハハハハ! UFCからの帰国後も釣りに行かれてましたよね。
堀口 すぐ行きましたね! もうすぐ!!(笑)。
――堀口選手ってアウトドア大好きですよねぇ。
堀口 そうっすね。UFCでどんどん勝ってジムニー買いたいんですよね。それでキャンプ道具を揃えてキャンプ行きたいんですよ。
――キャンプのどこが楽しいですか?
堀口 なんすかね。自分はひとりでキャンプをしたりするんですよ。
――ひとりでキャンプ。
堀口 他人と一緒にいると自由な時間が使えないというか。キャンプをやると新しい家をどんどん作れる楽しさもあって。テントってどこでも張れるじゃないですか。だから近くの山でもいいんすよ、テントが張れれば。
――なるほど新鮮な生活ができる、と。自然の中でボーっとしてる感じですか?
堀口 ボーっとはしてないです。いろいろと歩き回ったり、飯を作ったり。そうすると時間がなくなっていくんです。面白いですよ。みんなハマると思うんですけどねぇ。
――山登りはしないんですか?
堀口 釣りをするとか目的があるなら登りますけど。だって登るだけだと面白くないですし。ただ山を登って降りるだけじゃつまらないですよね。
――自然大好きだとヒクソンやヒカルド・アローナっぽいですね。
堀口 へえー。日本だとキャンプ好きな格闘家ってあんまり聞かないですよね。
――サーファーは多いですけどね。
堀口 あー、みんなやりますよね。自分、サーフィン1回もやったことないですよ。
――ただ自然が好き。
堀口 そうです。
――じゃあ都内は住みにくいんじゃないですか?
堀口 凄い嫌いですね……。
――ハハハハハハハハ。
堀口 だから週末は絶対に群馬の実家に帰りますから。
――えー(笑)。
堀口 空手の練習をやるという理由があるんですけど。
――堀口選手にとって空手の練習はそれほど重要なんですね。
堀口 自分でも気がつかないうちに打撃のスタイルが変わってきちゃうんですよ。そこを指摘してくれるのは空手の先生だけなので。 -
「味のプロレス」の出張版!第8試合は「フレアーの真骨頂」!
2014-05-21 07:5251pt -
船木誠勝の子供が長井満也に泣かされた?■「プロレス裏のウラ」バックステージレポート
2014-05-20 09:1251pt「プロレス裏のウラ バックステージレポート」! 謎のプロレス者・タカハシがプロレス団体試合後のコメント取材で聞いたこと・見たことをお届けします〜(OMASUKIさんとは別のタカハシさんです。高橋ターヤンさんとも違います!)今回は・船木誠勝の子供が長井満也に泣かされた?/5月11日のドラディション後楽園ホール・『NO-DQ Only”SAY YES”デスマッチ』/5月18日 ユニオンプロレス後楽園ホール
-
【力道山の孫】力(ちから)の「スターウォーズ/エピソード7」大妄想トーク【撮影開始記念】
2014-05-18 20:5176pt力道山三世のスターウォーズ愛はホンモノだった!! 昨年プロレスデビューをはたした「プロレスの父」力道山の孫・力(ちから)。話題を呼ぶ必殺技「セーバーチョップ」は彼の愛する映画スターウォーズシリーズのライトセーバーにちなんでネーミングされているが、映画ファン待望の新作「スター・ウォーズ/エピソード7(仮題)」(2015年12月公開)の撮影がスタートしたことを祝して、今回はそのスターウォーズにテーマを絞ってインタビューを敢行。聞き手は映画ライターの高橋ターヤン氏だ。取材当日、我々取材陣が待ち合わせ場所に指定された浅草ドン・キホーテ前に到着すると、黒いローブを身にまとい、ライトセーバーを携えた男がゆらりと現れた……その男は誰であろう、力だった!!
【非会員でも購入可能!大ボリュームのインタビュー詰め合わせセット】
①中井祐樹「ボクシングができるアントニオ猪木が理想でした」
②朝日昇「本当に怖い昭和格闘技」
③菊田早苗「新日本は刑務所、Uインターは収容所でした」
④矢野卓見、堀辺正史を語る「骨法は俺の青春でした」⑤【元レフェリーの衝撃告白】「私はPRIDEで不正行為を指示されました……」⑥【小比類巻貴之「ミスターストイックのキャラは正直、しんどかったです」
高橋ターヤン(以下、高橋) 今日はダース・シディアスのコスプレでご登場いただいていますが(笑)。コスプレはいつ頃からやり始めたんですか?
力 コスプレは最近ですね。ベイダー卿の衣装も一式いただいたので今度着てみようかな、と。この格好もマニアの方だとダース・シディアスやパルパティーン皇帝の名前を挙げてくれるんですけど、ここに来る途中で「お、ダース・ベイダー!」と声をかけられまして(笑)。
高橋 えっ、その格好で家から来られたんですか。オバマ大統領来日中で超警備体制が敷かれてるのに(笑)。
力 はい(笑)。ホントにダース・ベイダーは有名ですよね。
高橋 ダース・ベイダーは悪い奴の象徴として認知されてますからね。
力 エピソード1から6まで通してみるとダース・ベイダーは悪い奴ではなくかわいそう人なんですけどねえ。
高橋 悲劇の象徴というか。スターウォーズの話題でいえば、ルーカス・フィルムが版権をディズニーに売却したのは大きなニュースでしたね。
力 あれはビックリでした!
高橋 あのニュースは青天の霹靂ですよね。スター・ウォーズのオープニングが20世紀FOXのファンファーレじゃなくなるのはさみしいんですけど。
力 ああ、それは残念ですよねぇ。映画が始まったときに流れるファンファーレのワクワク感がなくなっちゃうわけですから。
高橋 もしかしたらディズニーランドにもスターウォーズのキャラがバンバン出てきそうですけど(笑)。
力 そうなると思います。スターウォーズのアトラクションはもともと「スターツアーズ」があるんですけど。それも現在は「スターツアーズ2」になってまして。以前のアトラクション内容はエピソード6の後設定だったんですが、現在はエピソード3と4のあいだの設定で。しかも乗るたびにパターンが変わって、登場してメッセージを送ってくるキャラクターもヨーダ、レイア姫、アクバー提督だったりします。
高橋 そこも詳しいんですか(笑)。
力 ほかのアトラクションに目をくれず一日に10数回乗ってましたから(笑)。力のコスプレ姿を見たドン・キホーテの買い物客から「日本が征服される!」との声が飛んだ
高橋 作品自体でいえば、今回ディズニーが買収するまではエピソード7・8・9は作らない前提で、スピンオフが出るくらいだと思ってたじゃないですか。
力 それがディズニーの買収でエピソード7・8・9の制作が発表されましたね。
高橋 帝国が滅んだあとの物語。スターウォーズは本来、9部作構成でしたけど、ジョージ・ルーカスは残りは作らないと言ってましたよね。
力 1997年の「特別編」の頃になって「6部作で終わり」と言い出したんですよね。どんな物語になるか凄く楽しみです。
高橋 それで今度は監督が変わるじゃないですか。
力 J・J・エイブラムス。彼が監督を務めたスタートレックの映画が2本とも面白かったですし、かなりのスターウォーズマニアだと伺ってますので。あと脚本家がローレンス・カスダンと聞いてますから面白い内容になるんじゃないかあ、と。
高橋 公開は2015年の末ってことですが、旧作のメンバーがどこまで揃えられるのかも気になりますね。
力 マーク・ハミル(アナキン・スカイウォーカー)にハリソン・フォード(ハン・ソロ)、キャリー・フィッシャー(レイア姫)。みんないちおうは出演するらしいんですね。
高橋 エピソード7はどういう感じになってほしいですか?
力 物語の舞台が帝国崩壊から30年後ということで、旧3部作に出た俳優さんたちの年齢にちょうど合っていますよね。ルークがエピソード4のオビ=ワンやエピソード1のクワイ=ガン・ジンみたいなポジションなるのではないのかな、と。あとはスピンオフで展開されたストーリーをどこまで取り入れるのか。小説版だとチューバッカが死んでますが、エピソード7にチューバッカは出てくるという話なので、旧来のスピンオフはなかったことにしつつ、スピンオフから拾ってくる設定もあるんじゃないのかな、と。パルパティーンの復活とか。
高橋 そうやって妄想は広がってるわけですね(笑)。
力 あと『帝国の逆襲』までのプロデューサーのゲイリー・カーツが「本来パルパティーンはエピソード9で倒されるはずだった」と言っていたようなんですね。で、ルーカスはスピンオフ小説はほとんと読んでいないようなんですが、ただパルパティーンのクローン皇帝が出てきたコミック(ダーク・エンパイア)は気に入ったらしいので……。
高橋 パルパティーンの復活。たしかに大ボスが出ないとつまらないですよね。
力 スピンオフでレイアとハン・ソロの子供のジェイセン・ソロが暗黒面に堕ちるっていう話(レガシー・オブ・ザ・フォース)があったりするんですが、復活したパルパティーンがジェイセンを暗黒面に引き寄せる話になったりしたら面白いですね。小説ではジェイセンを暗黒面に引き寄せるのはルミヤというベイダーの弟子なんですが。
高橋 コスプレするだけあって、ダース・シディアスがホント好きなんですね(笑)。
力 はい(笑)。アナキン・スカイウォーカー、つまりダース・ベイダーはエピソード6で亡くなってますが、アナキンも霊として復活してシディアスを倒せばうまく選ばれし者の伝説に繋がるんじゃないかなあ、と。
高橋 それは映画として大団円ですね。
力 これは聞いた話なので正確かどうかはわからないですが、エピソード6でルークが最後にダース・ベイダーと闘うときにヨーダやオビ=ワンの霊が浮かび上がるというプランもあったそうなんです。
高橋 いままで霊体が実体化したことはないですよね?
力 ないですね。シスの亡霊は実体化していますが、あれは正確には霊体ではなく、どちらかと言うとゾンビに近い存在。シスは霊体にはなれないので。あと活かしてもらいたいのは、アニメ『クローン・ウォーズ』で復活したダース・モールですね。
高橋 復活したんでしったけ?
力 これはビジョナリーズというスピンオフの中でも公式には含まれないコミックにおいて、ダース・モールが下半身機械となって復活する話(このコミックではエピソード3と4のあいだの話)があったんですが、その非公式コミック設定をエピソード2と3のあいだの公式作品『クローン・ウォーズ』で復活させたんですよ。それで復活したダース・モールが自分の弟のサヴァージ・オプレスと組んでオビ=ワンに復讐したりですとか、調子に乗ってやっていろいろと暴れていたら、かつての師であるダース・シディアスがお怒りになって。2本のライトセーバーで半分オチョくるかのようにダースモールとサヴァージを倒しちゃいまして。
高橋 パルパティーンはもともと二刀流ですもんね。
力 ダースモールが「マスター、お慈悲を……」と命乞いをしたところ「お前にはまだ使い道がある」と許したので、そのままエピソード7に活かせば面白いと思うんですよね。
高橋 いやあ、ホントにスターウォーズが大好きなんですね(笑)。そもそも力選手のスターウォーズとの出会いは何がきっかけだったんですか?
力 それは父(百田光雄)の影響ですね。父は昔から映画好きで。その中でもSFモノが大好きでスターウォーズに限らずあらゆる作品を家で見ていまして。
高橋 では、映画全般をご覧になってる中でスターウォーズに惹かれていったわけですね。
力 ボクが好きなSFというと「スペースオペラ」の類になってしまうので、「SF好き」と言ってしまうと、ハードSFが好きな方々に怒られてしまいそうなんですが。 -
グラップリングの授業!■二階堂画伯のオールラウンダーAYANO②
2014-05-18 09:0651pt新日本プロレスの選手イラストを描いてキャッキャしていたプオタ女子、二階堂綾乃がいつのまにかMMAジムに通いだした! その模様をレポートすることになった当コーナー。今回のテーマはグラップリングの授業。前回の「柔術ってなんだか恥ずかしい……」はコチラ! セコンドっていらなくね?正直、今までずっとそう思っていました。オカダ選手に付く外道選手のように、傍に信頼できる人がいれば心強いから、またリング上の選手の気持ちをリアクションで代弁するためにセコンドは存在するのだと思っていました。
グラップリングの授業では毎回最後にスパーリングをします。女子でグラップリングをやる人は少ないようで、日によって女子は私一人のことも。 -
【ズンドコ平和の祭典】永島勝司が語る「アントニオ猪木と北朝鮮」
2014-05-16 19:20102pt「アントニオ猪木ってなんであんなに北朝鮮推しなの?」現在より閉ざされた国であった北朝鮮で猪木さんが「平和の祭典」というプロレスイベントを開催したことを知らない方がチラホラ見受けられる昨今。そんな声も挙がってもおかしくないだろう。そこであの世紀のプロジェクトを取り仕切った当時・新日本プロレスの大番頭にしてアントンの右腕だった永島勝司さんにお話を聞きました!
【非会員でも購入可能!大ボリュームのインタビュー詰め合わせセット】
①中井祐樹「ボクシングができるアントニオ猪木が理想でした」
②朝日昇「本当に怖い昭和格闘技」
③菊田早苗「新日本は刑務所、Uインターは収容所でした」
④矢野卓見、堀辺正史を語る「骨法は俺の青春でした」⑤【元レフェリーの衝撃告白】「私はPRIDEで不正行為を指示されました……」⑥【小比類巻貴之「ミスターストイックのキャラは正直、しんどかったです」
――最近北朝鮮絡みの話題で注目されてる猪木さんですが、かつて北朝鮮でプロレス興行をやったことを知らない人が多くなってるんです。
永島 あ、そうなの?
――よく考えたらあの『平和の祭典』(1995年4月28・29日)から18年近く経ってるんですね。
永島 そんなに経つのかあ……(苦笑)。
――それであのとき実行部隊だった永島さんに「アントニオ猪木と北朝鮮」をテーマにいろいろと聞かせていただきます。
永島 実行部隊も何も、あれほとんど俺ひとりでやったんだけどね。
――あんなプロジェクトをひとりで!
永島 ただ、芸能方面は鈴木くんという方が協力がしてくれてね。もう亡くなったんだけど。
――永島さんってこれまでいろんなイベントを仕切られてきましたけど、北朝鮮興行はかなり大変だったんじゃないですか。
永島 スケール的にはいちばんだったよなあ。だいたい日本とは国交のない国だったからね。何をやるにもしびれることが多かったよねぇ。
――そもそもこの計画はどこからスタートしたんですか?
永島 それは猪木が北朝鮮に力道山の殿堂を作りたいという話から。そこからスタートしたのよ。そこは猪木独特の感性だよね。で、力道山と親しかった支援者が総連(在日本朝鮮人総連合会)とのあいだに入って段取りをつけてくれて。で、北に行くときは何かおみやげを持っていかないといけない。それでその支援者が持っていた、力道山が実際に使っていたゴルフのクラブセット。クラブに全部、力道山の名前が入ってるやつがあるんだよ。
――かなりのお宝じゃないですか!
永島 あれ、何千万もしたんじゃないかなあ。当時、北のトップはまだ金日成。金正恩のおじいちゃんだよね。そのゴルフセットをおみやげに北に行ったんだよ。
――それは永島さんも同行したんですか?
永島 もちろん。猪木と通訳さんと3人で。そうしたら経由先の北京でCNNのニュースでとんでもないニュースが流れて。「金日成が死んだ!」って。
――あ、平壌入り直前に!
永島 とりあえず空港に行こうとなってね、そこへ慌てて北朝鮮の領事館から関係者が飛んできたの。「すいません。本日は大変なことが起きたので入国できません!」と。でも、具体的なことは一切言わないのよ。
――北朝鮮は公式発表してなかったから何が起きたかは口にはできなかったわけですね。
永島 こっちも「わかりました」と言うしかなくて。それで東京に帰って何週間後かにもう1回、北から招待状が来たのよ。いまはどうかは知らないけど、北には招待状がないと入国できない。それでもう1回仕切りなおして行けることになったという経緯があって。
――北朝鮮に入国してみてどんなイメージを持たれましたか。
永島 初めて北朝鮮入りしたとき猪木と話をしたのは「モスクワに最初に入ったときに似ているな」と。何年か前に旧ソ連時代のモスクワで『平和の祭典』をやってるからね。空港から市内に入る風景がおんなじなの。牛車が歩いていたりさ、木炭車が走っていたり。同じ社会主義の国だから似てるのかなって。最初はそういう印象でしたよ。
――戸惑ったことはありましたか?
永島 北京から平壌へ向かうファーストクラスの機内でビールを飲もうってことになって。そいでビールを頼んで猪木がひとくち飲んだんだけど、凄く険しい表情をしたんだよ。当時、猪木は糖尿病を治すために飲尿治療法をやってたんだけど、「このビールより自分のションベンのほうがうまいぞ!!」って。
――ハハハハハハ! 粗悪なビールだったんですね。
永島 そうしたら北朝鮮のスチュワーデスさんが飛んできて俺と猪木のビールを取り上げたんだよ(笑)。「あ、日本語がわかるんだ。これは油断できないぞ」って。
――現地の関係者はどんな感じだったんですか?
永島 いきなりNo.3に会ったよ。あと金日成の遺体が安置された特別な廟の入室も許されて。入る前に全身を消毒されたんだけど。
――VIP待遇だったわけですね。それは猪木さんの知名度があったからですか?
永島 あのね、力道山は有名だよ。猪木はそのとき有名じゃなかった。ただ、猪木は向こうの人間の心を掴むのはうまかったよ。「政治家ではなく力道山の弟子として来てます」が第一声。向こうはプロレスを知ってるわけじゃないからさ。ただモハメド・アリと闘ってることは知ってる。事前にどんな人物かはレクチャーを受けていて。俺たちも北に関するレクチャーは受けていたんだよ。「北朝鮮ではなく共和国」と言わなきゃならなかったり。そこで猪木がね、「共和国のロケットが日本に向いてると噂になってます」と言い出したんだよ。いきなり凄いことを言うなあと思って。
――たしかにビックリしますよね(笑)
永島 そうしたら向こうは「日本が悪いことをしないかぎり発射はしません」って言いだして。で、猪木は「共和国は美人が多いから日本のミサイルも向いてます!」と返してね(笑)。
――アントンジョークですね(笑)。
永島 その件でいっぺんに打ち解けて。No.3は猪木のことを調べてるから「あなたは糖尿病なんですよね。私もそうなんです」なんて始まっちゃって(笑)。それで盛り上がったところで「我が国でプロレスリングの試合をしてくれませんか」という話になってね。猪木が俺の顔を見て「やろう!」と。北のNo.3の前で話したことだからやらないわけにはいかなくなったんだよねぇ(苦笑)。
――正直、新日本プロレス的にはやりたくなかったですよね?
永島 (即座に)あたりまえだよ!
――ハハハハハハ!
永島 だって国交のない国だし、お金はどうするんだって話ですよ。社内でやることに賛成した人間はひとりもいなかったよ。一銭も儲からないわけだからさ。
――最初から一銭も儲からないことはわかっていたんですか?
永島 こっちが出すだけだからね。それは最初からわかってた。
――北朝鮮側が多少なりともお金を出す話はなかったんですか?
永島 一切ありません。ただ向こうはそんなことは言わないよ。「我が国でやりたいならどうぞ!」というスタンスだから。「総連と話し合ってくだい」と。
――総連側は出す話はあったんですか?
永島 出すわけないじゃないか(笑)。
――いや、表だけでもそういう話はあったのかなって。
永島 ないないない。それでスポンサーを集めるために猪木と歩き回ったんだよ。でも、在日一世二世は総連に献金したりするけど、三世四世は関係ないわけよ。実業家たちも世代が代わって考え方は違うから簡単に協力はしてくれないんだよね。スポンサーはどうにもならなかった。
――見積はどれくらいだったんですか。
永島 だいたい5千万はかかるなあって。向こうはやるんだったら平壌一の大会場ということでメーデースタジアムに連れて行かれたんだよ。行ったら見たら国立競技場よりでかくてさ(笑)。
――ハハハハハハ!
永島 会場を決めると言っても俺たちが選択できる余地がないわけだから。そこの支配人が言うにはね、フィールドの芝生を保護するためにラバン材を敷き詰めないといけない、と。それを言われた瞬間に頭のなかでソロバンを弾くよな。国立競技場より広い会場だよ? 日本で用意して北まで運んでくる費用を考えると、もうめまいがしちゃって。
――それは北朝鮮現地で用意できないんですか?
永島 ないない、そんなもの。物資が乏しいから。あとはイベント構成だよな。プロレスだけをやればいいって話じゃなくて「ソ連でイベントをやったと聞いています。それに基づいてやってください」と。モスクワのときは民族芸能を取り入れたのよ。そうしてるうちに向こうの提案は広がっていくんだよ。「我が国にはこんな民族文化がある」と。天女が上から降りてくる話とかさ。
――グレート・ムタvsリッキー・スティムボードじゃないんですから(笑)。
永島 まあ何をやってもいいんだよ。「それはこちらの負担ではないですよね」という確認が取れれば(笑)。それで何回も北朝鮮に行ったんだけど、窓口がたくさんあって何回も同じことを聞かれて、何回も同じことを答えてね。これが大変だった。でも、凄く助かったのは金正日が映画マニアで『男はつらいよ』の寅さんが大好きだろ。倍賞千恵子の弟で、当時新日本の取締役だった倍賞鉄夫を北に連れて行ってな(笑)。
――この男はさくらの弟だ、と(笑)。
永島 そうそう。そうしたら向こうの関係者は手を叩いて喜んでね。「この方がさくらさんの弟ですか!」って。
――ハハハハハハ!
永島 あのとき鉄男の存在は非常に役に立ったね(笑)。そういったことで北朝鮮の映画村にも連れて行かれてね。普通はそんな場所に外部の人間は行けませんよ。
――寅さんの力はそれくらい凄かったんですね(笑)。
永島 ほかは誰も助けてくれなかったからね。日本の外務省の人間にも会ったけど「やれるわけないだろ」みたいな反応で。日本人だけじゃなくてアメリカの選手も当然呼ばないといけないんだけど。向こうは「ゲストにマイケル・ジョーダンとか呼べないか」とか無理なことを言ってきて。
――ああ、そこは現在金正恩と交流のあるデニス・ロッドマンにつながってるんですね。
永島 あと「マドンナ呼べない」とかさ。
――ただのミーハーじゃないですか(笑)。
永島 でも、興行のいちばんのポイントになったのは女子プロレスだよ。 -
5月度インタビュー&コラム更新記事
2014-05-16 09:14ほぼ毎日更新! 5月度更新インタビュー&コラムはこちらをクリック!!http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/201405【非会員でも購入可能!大ボリュームのインタビュー詰め合わせセット】
①中井祐樹「ボクシングができるアントニオ猪木が理想でした」
②朝日昇「本当に怖い昭和格闘技」
③菊田早苗「新日本は刑務所、Uインターは収容所でした」
④矢野卓見、堀辺正史を語る「骨法は俺の青春でした」⑤【元レフェリーの衝撃告白】「私はPRIDEで不正行為を指示されました……」⑥【小比類巻貴之「ミスターストイックのキャラは正直、しんどかったです」 -
不死身の男、マット・ブラウンの大逆転人生■MMA Unleashed
2014-05-16 06:41102ptOmasuki Fightの北米MMA抄訳コラム。今回はエリック・シウバと死闘を繰り広げたマット・ブラウンの壮絶な半生について!■MMAに出会う前、ブラウンには薬物に溺れ、2001年にはヘロインのオーバードーズで死の淵に立ったこともあったマット・ブラウンは2010年に3試合を戦い、3試合とも第2ラウンドでの一本負けを喫した。3敗目の1か月前には、ブラウンは双子の息子を授かっていた。つまり、子どもが2人産まれた直後の、負ければ3連敗となるという、けして負けられない試合で、ブラウンは負けたのだ。 -
「味のプロレス」の出張版!第7試合は「古舘節(技編)」!!
2014-05-15 11:2051pt
2 / 4