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岩波明氏:誰が何に対してそんなに怒っているのだろう
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岩波明氏:誰が何に対してそんなに怒っているのだろう

2016-05-04 23:00

    マル激!メールマガジン 2016年5月4日号
    (発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/
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    マル激トーク・オン・ディマンド 第786回(2016年4月30日)
    5金スペシャル 誰が何に対してそんなに怒っているのだろう
    ゲスト:岩波明氏(昭和大学医学部教授・精神科医)
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     次は誰が叩かれるのだろう。5週目の金曜日に特別企画を無料でお届けする恒例の5金スペシャル。今回の5金では昭和大学医学部教授で精神科医の岩波明氏をゲストに迎え、蔓延する「不謹慎叩き」と、その背景にある日本社会の不寛容化の原因を議論した。
     ここのところ日本では、常に誰かが叩かれている。原因は不倫だったり、生意気な態度だったり、不適切な発言だったりとさまざまだが、どうも理由は何だっていいようにも見える。不正を働いた公人に怒りを覚えることは必ずしも悪いことではないが、「不謹慎」だの「生意気」だのといった理由で、一般の企業や一般人までが次々と吊し上げに遭っている状況は、やや常軌を逸しているようにも見える。
     精神科医で『他人を非難してばかりいる人たち バッシング・いじめ・ネット私刑』などの著書のある岩波明氏は、ネット上で横行するバッシングに加担している人たちは、実際に何かに怒っているのではなく、他者を叩くことを自分が社会から受けているストレスのはけ口にしている場合が多いのではないかと指摘する。
     ネット上のバッシング情報は、マスメディアにとっては格好のネタとなる。早晩テレビや週刊誌がこれを取り上げ、バッシングは社会現象の様相を呈するようになる。これまでもそうしたネタがテレビや雑誌に持ち込まれ、取り上げられることはあったが、今やマスメディアの側が、常にネット上でネタを探し回っている状況だ。
     また、精神科医として今も多くの患者を診ている岩波氏は、そもそも他者を攻撃せずにはいられない人が増えている原因として、われわれが日々社会から受けているストレスが、量的にも質的にも変質してきていることを指摘する。今や、行く先々でコンプライアンスが叫ばれ、会社でも大学でも、常に規範性やガバナンスの徹底を強制されるようになった。その生き辛さは精神疾患のような形で表面化することも多いが、異常なまでに他者を叩くことに執着する人が増えているところにも、その片鱗を見ることができると岩波氏は言う。
     われわれは一体いつからこんなに不寛容になってしまったのか。事あるごとに大勢の人間が寄ってたかって特定の個人や団体を叩いて溜飲を下げる社会が、健全な社会と言えるのか。日本特有の原因があるとすれば、それは何なのか。常に誰かを叩かずにはいられなくなっている日本の現状とその背景について、精神科医の岩波明氏とともに議論した。

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    今週の論点
    ・増え続けるバッシング、ネット炎上騒動
    ・原因は「世界が小さくなったこと」「社会の変化」「日本人の特性」
    ・社会のモードが変わらなくなり、“世間”がなくなった
    ・「自分に不利益はないではないか」という考え方
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