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記事 4件
  • 北丸雄二氏:人種差別と収束しないコロナに対する怒りがトランプのアメリカを変え始めている

    2020-06-24 20:00  
    550pt
    マル激!メールマガジン 2020年6月24日号
    (発行者:ビデオニュース・ドットコム https://www.videonews.com/ )
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    マル激トーク・オン・ディマンド 第1002回(2020年6月20日)
    人種差別と収束しないコロナに対する怒りがトランプのアメリカを変え始めている
    ゲスト:北丸雄二氏(ジャーナリスト)
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     毎年6月19日はアメリカではジューンティーンス(Juneteenth=June Nineteenthがなまってジューンティーンスになった)としてアフリカ系アメリカ人、とりわけアメリカ南部に住む黒人の間で大切な祝日として、バーベキューなどをして祝う習慣がある。テキサス州では州の正式な祝日に指定されているが、それは1865年の6月19日に、その2年前のリンカーン大統領による奴隷解放宣言の後も奴隷を解放していなかったテキサス州に北軍の部隊が進軍し、25万人といわれる奴隷を解放した日だったからだ。
     一向に収束の兆しを見せない新型コロナウイルス感染症の蔓延と、後を絶たない警察官による黒人に対する暴力的な取り締まり。ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が白人の警察官によって膝で地面に首を押しつけられたことが原因で死亡した事件を発端に、全米で人種差別に反対する抗議行動がまさに燎原の火のように全米に飛び火し、更にそれが世界的な人種差別反対運動のうねりにまで発展している。
     アメリカでは新型コロナウイルスの感染率や死亡率も他の人種と比べて黒人が群を抜いて高く、人口あたりの罹患率や死亡率は白人の3倍にものぼる。黒人の多くが低所得だったり、テレワークとは無縁のブルーカラーの職業に従事していることの影響も大きいが、その一方で、黒人がコロナ予防のためにマスクやスカーフで顔を覆うと犯罪者ではないかと疑われ、警察からさまざまな嫌がらせや暴行を受ける危険性が大きくなるために、黒人はマスクを着けたがらないことも、高い感染率に寄与しているという。
     奴隷解放から150年、公民権法制定から50年あまりが経った今も、依然としてアメリカでは黒人として生きることには大きな困難が伴う。
     アメリカ史の中でこれまで差別に抗議した黒人が立ち上がったことは何度もあった。最近では1992年にロサンゼルスで、やはり白人警察官による黒人に対する暴行が発端となり、最終的には大暴動にまで発展している。しかし、毎回そうした動きは一過性に終わり、差別や警察の暴力問題は本質的にはほとんど何も変わらないまま今日にいたる。
     しかし、今回は何かが違うように見える。デモの国際的な広がりやその持続性もこれまでとは明らかに性格を異にしているが、何よりも抗議をしているのが黒人だけでなく、白人や他の人種、とりわけその中に20代の若者が多く含まれている。アメリカでZ世代と呼ばれる、物心ついた時すでにアメリカの大統領の席には黒人のバラク・オバマが座っているのを違和感なく見てきた彼らの世代は、未だにアメリカが肌の色で人間を差別していることが信じられない。良識派による建前としての差別反対ではなく、本音レベルで差別感情が受け入れられないと考える人々がようやく社会の中心に躍り出ようとしている。
     もちろん過度の期待は禁物だが、今回は何かが変わりそうな予感がする。
     今週は在米経験が長くアメリカの社会問題、とりわけ人種やジェンダー、文化に詳しいジャーナリストの北丸雄二氏をゲストに迎え、今アメリカで起きている人種差別反対のデモのうねりと、そうした中にあって人種や性に対する差別や偏見をむしろ肥やしにしながら勢力を伸ばしてきた「トランプのアメリカ」は今どんな状況に置かれているのかなどについて話を聞いた。
     また、米軍がトランプから離反し始めた背景や、6月15日に保守派優勢のアメリカ最高裁が下したLGBTの雇用差別を違法とする歴史的な判決の背景やその内容を、北丸氏とともにジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。
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    今週の論点
    ・新型コロナが猛威を振るうアメリカの現状とこれまで
    ・日本では共有されづらい、黒人差別の現実
    ・リチャード・ローティの予言と、画期的な最高裁判決
    ・この状況でトランプの再選はあるのか
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    ■新型コロナが猛威を振るうアメリカの現状とこれまで
    神保: 本日は6月19日です。日本ではあまり知られていませんが、実はアメリカでは“ジューンティーンス”(Juneteenth=June Nineteenth)と呼ばれ、テキサス州で奴隷解放が実現した大きな記念日です。いま世界中で人種差別についてすごいうねりが起きているのに、新型コロナの影響もあり、現地に取材に行くことができません。アメリカでは警察の解体まで語られるほどの大きな動きになっていますが、他の国に構っていられないような状況です。そのなかで、今回のテーマを設定しました。
    宮台: 産業革命から200年と少し、南北戦争が終わってから150年経っていないなかで、近代社会はそのくらいまだ未熟です。 

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  • 検察を市民社会が絶えず監視しなければならない理由

    2020-06-17 20:00  
    550pt
    マル激!メールマガジン 2020年6月17日号
    (発行者:ビデオニュース・ドットコム https://www.videonews.com/ )
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    マル激トーク・オン・ディマンド 第1001回(2020年6月13日)
    検察を市民社会が絶えず監視しなければならない理由
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     安倍政権は検察庁法改正案の今国会での成立はあきらめ、国家百年の計を過つことになる危険性のあった種苗法の改正も、とりあえず今国会では見送られた。
     検察庁法の改正を巡っては、黒川弘務元東京高検検事長の定年延長問題も絡み、異例ともいえる反対運動がSNSを中心に市民社会側から巻き起こった。元検事で弁護士の郷原信郎氏は検察庁法の改正案を、「政治ヤクザ(安倍政権)が権力ヤクザ(検察)を手足のように使うことを可能にする法律」と呼び、危険性に警鐘を鳴らしたが、まさに正鵠を射た表現だ。
     元来、検察は数ある政府機関の中でも特に絶大な権力を持っている。検察が持つ公訴権(人を裁判にかける権利)は国家権力の中でも警察権や徴税権などと並び、権力の最たるものと言っていい。検察は本来自分たちを監視する立場にある内閣総理大臣、国会議員に対しても、この権力を行使する権限を持つ。検察という機関が政治から独立している必要があるのはそのためだ。
     われわれ主権者たる国民は官僚を選ぶことはできない。だから、官僚機構はわれわれが選んだ代議員(国家公務員の場合はわれわれが選んだ国会議員の多数派によって形勢された内閣)に監視してもらうような仕組みになっている。検察も官僚機構の一部ではあるが、しかし、上記のような理由から、検察だけは他の官僚とは異なり、政治からも一定の独立性が保障されなければならない。
     ここまでは誰もが同意できるところだろう。しかし、ここからが問題だ。では、その検察は誰が監視する義務を負い、検察が過ちを犯した場合、誰がそれをチェックし、それを正すことができるのだろうか。
     官僚機構の唯一の監視主体である国会議員や内閣からの干渉も受けないとなると、検察は向かうところ敵なしの無敵機関になってしまいかねない。しかも、公訴権を独占する日本の検察は、自分たちの胸先三寸で誰を裁判にかけ、誰をかけないかを決めることができるため、99.84%などというおおよそ先進国ではあり得ないような非常識な有罪率(検察が起訴した被告が有罪判決を受ける確率)を誇る。その上、被疑者や参考人の取り調べの可視化(録音・録画)も進んでいないし、取り調べに弁護士が立ち会うという先進国では常識中の常識と言っていい権利さえ日本では認められていない。日本の検察には世界中で類を見ないような、あまりにも強大な権力が集中している一方で、彼らはほとんど外部からチェックを受けないようになっているのが実情なのだ。
     今国会の検察庁法改正がなくなったことで、とりあえず検察が政治に隷属させられる危機が去った今、日本の刑事司法をいかに真っ当なものに変えていくかのボールは、検察庁法の改正に反対のリツイートをした市民社会の側に戻ってきている。これは警察についても言えることだが、警察権や公訴権を持つ刑事司法機関の問題に対しては政治もメディアも及び腰なため、その改革は決して容易ではないが、それができるのは主権者であるわれわれをおいて他にはあり得ない。社会の「フェアネス」(公正)や「ジャスティス」(正義)の基準を定義することにもなる検察のあるべき姿を考える上で、補助線となりそうな論点や事例を、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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    今週の論点
    ・検察庁法改正案は「政治ヤクザが権力ヤクザを手足にする」法律
    ・行政官僚が政治家の力を削いできた歴史
    ・和歌山カレー事件で振り返る、日本の刑事司法の重大な問題
    ・民主制における日本人の“劣等性”を認識するところから始めよう
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    ■検察庁法改正案は「政治ヤクザが権力ヤクザを手足にする」法律
    神保: 今日は2020年6月12日の金曜日、1001回目マル激となります。番組直前に、宮台さんは「1000回目よりも1001回目が大事だ」と言っていましたね。
    宮台: 新しい世紀も「0年」ではなくて、「1年」から始まりますからね。
    神保: なるほど。今日が新たな一歩だということですね。今回はわけあって、2人でのマル激になります。 

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  • 児玉龍彦氏:祝1000回記念 ようやく見えてきたコロナの正体

    2020-06-10 20:00  
    550pt
    マル激!メールマガジン 2020年6月10日号
    (発行者:ビデオニュース・ドットコム https://www.videonews.com/ )
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    マル激トーク・オン・ディマンド 第1000回(2020年6月6日)
    祝1000回記念 ようやく見えてきたコロナの正体
    ゲスト:児玉龍彦氏(東京大学先端科学技術研究センター名誉教授)
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     2001年2月に産声をあげたマル激トーク・オン・ディマンドも今回で第1000回の放送を無事迎えることができた。会員の皆様に支えられてここまでやってこられたことに、あらためて深く感謝したい。
     1000回放送のゲストは東大先端研の児玉龍彦名誉教授。3・11の直後から放射性物質や内部被曝の問題などで精力的に発言を続けてきたのでご存じの方も多いと思うが、今度の新型コロナ感染症についても、専門の分子生物学者の立場から免疫系や抗体検査などの分野で積極的に活動を続けている。
     その児玉氏は新型コロナに対するここまでの政府の対応には、至って批判的だ。児玉氏は21世紀の今、人類はコロナに対しても精密医療の考え方の上に立って対応することが十分に可能になっている。しかし、マスを対象とした「3密」だの「ステイホーム」のような大雑把な施策で対応してきたために、多大な経済的・社会的損失を被ることに加え、それが解除された瞬間に今度は何事もなかったかのように人々が元の生活に戻ってしまっている。
     児玉氏が所属する東京大学先端科学技術研究センターでは、都内の新型コロナの感染状況を調べるために5月に合計で無作為に抽出した1,000人に対して抗体検査を実施している。その結果、7人に抗体が見つかった。この0.7%という数値を東京都の人口1,398万人に当てはめると、東京では既に9万人に感染歴があることになる。これは東京都が公表している累積感染者数の18倍にのぼる。
     しかし、それにしても日本では欧米のような強制力を伴う行動制限や休業要請をしていないにもかかわらず、100万人あたりの死者数はアメリカの48分の1、スペインの83分の1にとどまる。死者の数は絶対数でも圧倒的に少ないが、人口比で見ても桁が2つも少ない。
     これはなぜなのか。実は、コロナの死者数が欧米に比べて相対的に少ないのは東アジアに共通した現象だ。日本の100万人あたりの死者数が7人なのに対し、中国は3人、韓国は5人にとどまる。台湾にいたっては0.3人だ。安倍首相は日本のコロナ対策はうまくいっていると胸を張り、麻生財務相にいたっては民度が違うからだなどと豪語して早速物議を醸しているが、それはあくまで日本と欧米諸国を比較した場合のことであり、実はアジアの中では日本の死亡者数はむしろ群を抜いて多いのだ。
     日本人を含め東アジアに住む人々はこれまでに繰り返し中国南部を震源とする新型コロナと非常に似通ったウイルスに起因する「風邪」を経験してきた。そのおかげでわれわれの血液中には新型コロナに似通ったウイルスに対する免疫を持つT細胞ができている可能性が高いことがわかってきた。それは新型コロナウイルスそのものに対する獲得免疫ではないため、免疫効果は完全無欠とまではいかないが、ある程度までのウイルス量への暴露であれば発症を防げるし、運悪く感染してしまっても重症化に至らずに済んでいる可能性が高いというのだ。児玉氏も日本や東アジアで死者が少なかった理由としてこの説を支持する。
     もっとも新型コロナウイルスはRNAウイルスなので、高速で変異を繰り返すこともわかっている。ある程度の免疫があるからといって用心を怠ると、変異したウイルスによって痛い目に遭わされる可能性が高いそうだ。
     緊急事態宣言は解除されたが、そもそも緊急事態宣言についてわれわれは、医療崩壊を防ぐためにやむを得ない措置だと説明されていた。それが解除され、医療崩壊の危機が回避された今、われわれはこれからコロナとどう戦い、どう向き合っていくのかについての長期的な戦略が必要だ。しかし、今のところ政府からは新しいライフスタイルのような暢気な話は聞かれるものの、日本がこれからコロナとどう向き合うかについての明確なメッセージは出てきていない。であるならば、ここは一つ市民一人ひとりがそれをよく考え、自分なりの答えを出していく必要があるだろう。
     第1000回目となる今週のマル激では、ここまでコロナについてわかったことは何なのかを問いつつ、われわれ一人ひとりが今後コロナと向き合うために必要となりそうな論点を、児玉氏とジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。
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    今週の論点
    ・考えるべき新型コロナウイルスの“二面性”
    ・新型コロナの“たちの悪さ”と現状の治療法
    ・抗体の仕組みと「三密」より重視すべき対策
    ・ここでも立ち塞がる、官僚と政治家の問題
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    ■考えるべき新型コロナウイルスの“二面性”
    神保: 今回は第1000回目のマル激です。記念のイベントも企画していましたが、かなり早い段階でこれは無理だなと考えて、粛々と、番組をきちんと作ろうというふうにシフトしていました。ただ今回は、実はコロナ問題が起きてから初めて、スタジオでの3人収録です。 

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  • 5金スペシャル・絶望と感動のマル激20年史 これからも種を撒き続けます

    2020-06-03 20:00  
    550pt
    マル激!メールマガジン 2020年6月3日号
    (発行者:ビデオニュース・ドットコム https://www.videonews.com/ )
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    マル激トーク・オン・ディマンド 第999回(2020年5月30日)
    5金スペシャル・絶望と感動のマル激20年史
    これからも種を撒き続けます
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    まだ日本でブロードバンド・サービスが始まる前の2001年2月、「インターネットで動画配信など無理」という周囲の反対を押し切る形で放送を開始した「神保・宮台のマル激トーク・オン・ディマンド」が、今日、第999回目の放送を迎えた。
     時はまだ自民党の森喜朗政権。正式な番組名も決めずに暗中模索の中、それまで既存メディアの専売特許だった報道という大海原に漕ぎ出した日本初のインターネット報道番組はその後、アメリカの9・11同時テロと対テロ戦争、小泉構造改革、リーマンショック、鳩山民主党政権とオバマ政権の誕生、そして3・11と原発事故、安倍政権とトランプ政権とブレグジット、そして新型コロナへと続くまさに激動の20年を駆け抜けてきた。
     毎週1回、20年間、一度たりとも休むことなく何とかここまで続けてこれたのは、既存メディアに限界を覚え、放送免許や記者クラブなどの既得権益に縛られない新しいメディアを志し、広告に依存しないというわれわれの趣旨に賛同していただいた有料会員の方々の支えの賜物以外の何物でもないが、1000回やってもまだまだ当初の目標には遠く及ばない。実感としてはようやく2合目を通過したかどうかというところだろうか。
     今回の番組では、松沢哲郎氏(京都大学霊長類研究所教授・第595回 2012年9月8日「チンパンジーが教えてくれた−希望こそ人間の証」)、 矢作直樹氏(東大病院救急部・集中治療部部長・第646回 2013年8月31日「霊魂と肉体: あの世とこの世を分かつもの」)、岸見一郎氏(哲学者・第680回 2014年4月26日「あなたが変われないのは実は変わりたくないから?!」)、 内山節氏(哲学者・第822回 2017年1月7日「座席争いからの離脱のすすめ」などの名場面をあらためて振り返り、それらの番組を通してわれわれ自身が学んだことなどを再度確認した。
     また、この番組の出演者の中でその後他界された方については、その名言・金言を追悼集としてVTRにまとめた。そこでは小室直樹氏(政治学者・第212回 2005年4月24日「日本人にはまだ憲法は書けない」)、宇沢弘文 氏(東京大学名誉教授・第515回 2011年2月26日「 TPPは「社会的共通資本」を破壊する」)、土井たか子氏(前社民党党首・第217回 2005年5月25日「憲法第9条は宝の持ち腐れに終わるのか」)、西部邁氏(評論家・ 第307回 2007年2月16日「西部邁流、保守主義のすすめ」、 むのたけじ氏(ジャーナリスト・第514回 2011年2月19日「伝説のジャーナリストの遺言 絶望の中にこそ希望がある」)など文字通り歴史上の巨人が、彼らの遺志を引き継ぐわれわれがこれから何をしなければならなかについて、多くの示唆を与えてくれている。
     さらにマル激ならではのテーマとして、安部司氏(添加物アドバイザー・『食品の裏側』著者・第262回 2006年4月7日「それでもあなたは食べますか」、野口勲氏(野口のタネ・野口種苗研究所代表・第589回 2012年7月28日「知らない間にタネが大変な状況になってました」)、藤島大氏(スポーツライター・第960回 2019年8月31日「ラグビーW杯を100倍楽しむために」)、第57回 2002年4月12日「日本の牛乳はなぜまずいのか」など、食やスポーツを扱った回もいくつか振り返った。
     1000回という節目にあらためて過去の出演者の方々の発言を聞き直した時、当時われわれが直面していた問題や番組を通じて明らかになった課題がまだ全然クリアできていないことをあらためて痛感せずにはいられない。そこには次の1000回でわれわれが取り組まなければならないテーマが提示されている。
     5金で第999回目となる今週のマル激は神保哲生と宮台真司が過去の放送の名場面集とともに当時を振り返りながら、これからの日本と世界とマル激の課題を議論した。
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    今週の論点
    ・いまだから明かせる、マル激誕生秘話
    ・再放送のリクエストが集中している「生き方」シリーズ
    ・3.11に際して伝えたことと加速主義
    ・追悼:マル激で議論してきた巨人たち
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    ■いまだから明かせる、マル激誕生秘話
    神保: 今日は2020年5月29日の「5金」で、999回目の放送となります。われわれにとっては一通過点に過ぎないのですが、1000回というのは一応節目なので、今回は前夜祭スペシャルと称して、これまでを振り返ってみようと。最初にこちらをご覧ください。
     

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