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記事 4件
  • 堀田佳男氏:なぜエボラ出血熱は治療薬が無いのか

    2014-08-27 20:00  
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  • 中島大輔氏:誰がために甲子園はある

    2014-08-20 20:00  
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    マル激!メールマガジン 2014年8月20日号(発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/ )──────────────────────────────────────マル激トーク・オン・ディマンド 第696回(2014年8月16日) 誰がために甲子園はあるゲスト:中島大輔氏(スポーツライター)────────────────────────────────────── 未曾有の記録を相次いで打ち破りメジャーリーグに渡った田中将大投手が、先月、肘の靱帯の部分断裂で戦列を離脱した。今週はダルビッシュ有投手までが肘痛で故障者リスト入りしており、ここ何年かでも、松坂大輔、和田毅、藤川球児といった日本を代表する大投手たちがメジャーリーグ入りしてほどなく、肘の故障で靱帯の移植手術を受けている。 一つだけ、彼らに共通することがある。それはいずれの投手も高校時代から尋常ではないほど肘を酷使し続けてきたということだ。現在、高校球児の祭典、夏の甲子園が真っ盛りだ。しかし、華やかな大会の陰で、大会の過密日程からくる投手への過重な負担が一部で懸念されている。「一部で」というのには理由がある。もはや甲子園があまりにも巨大なイベントとなっているため、スポーツジャーナリズムの世界でもそのあり方を大っぴらに批判することが難しくなっているからだと、スポーツライターの中島大輔氏は指摘する。 1日150球を超える球数を投げた上に、準決勝、決勝となると、2連投、3連投が当たり前という現在の甲子園のあり方は、選手の肉体への負担という意味もおいても、将来プロで活躍する可能性を持った有望な選手に高校生の段階で傷をつけてしまうという意味においても、大きな問題があると言わねばならない。 アメリカのメジャーリーグでは、投手に1試合あたり100球の制限を設けている球団がほとんどだ。日本でも小学生のリトルリーグや中学生のリーグでは1日に投げてよい球数の制限が一律に設けられるようになった。また、登板試合間の休みの日数や、1週間に投げてもよい球数なども細かく決められるようになっているという。 しかし、なぜか高校野球ではこれがなかなか進まない。甲子園があれだけ大きな国民的イベントになり、メディアが丸ごとそこに乗っかる形になった今、各校は勝つためにあらゆる努力を惜しまないのは当然だ。期待を一身に背負うなかで、そこに投球制限などが設けられて、次の試合でエースが使えないために敗退してしまうようなリスクは、誰も冒したくはない。また、常に甲子園をめぐる感動秘話を探しているメディアにとっては、腕が折れようとも投げ抜く高校球児の熱い心は、感動物語には不可欠な要素になっている。 しかし、これは詰まるところ、高野連や大会を協賛する新聞社、そして甲子園ネタで販売部数や視聴率をあげているメディアたちが、高校球児たちの野球にかける熱い心やその将来性を食い物にしている結果だとは言えないだろうか。 こうなると「夏の風物詩」と楽しんでばかりもいられない。いったい誰のための野球か、誰のための甲子園なのかを、ゲストの中島大輔氏と共に神保哲生と宮台真司が議論した。
    +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++今週の論点・メジャーで怪我に見舞われる日本人投手と、甲子園での酷使の関係・「投げすぎる」選手を止めるのは、指導者の役割か・感動物語をあおる、メディアの問題・「甲子園を目指さない」芦屋学園の取り組みとは+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
     

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  • 橋山禮治郎氏:天下の愚策リニア新幹線に待った!

    2014-08-13 23:00  
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    マル激!メールマガジン 2014年8月13日号(発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/ )──────────────────────────────────────マル激トーク・オン・ディマンド 第695回(2014年8月9日) 天下の愚策リニア新幹線に待った!ゲスト:橋山禮治郎氏(千葉商科大学大学院客員教授)────────────────────────────────────── この秋にも総工費が9兆円を超えるリニア新幹線の建設工事が始まることをご存じだろうか。JR東海は現在、2027年の完成を目指して東京・名古屋間を40分で結ぶことになるリニア中央新幹線の建設計画を進めている。建設費用は5兆4300億円。最終的には2045年に東京・大阪間を67分で結び、トータルの建設費用は9兆300億円にも達する前代未聞の超巨大事業だ。「時速500キロ」や「名古屋は東京の通勤圏に」などは喧伝されているが、プロジェクトの中身やその問題点は必ずしも十分に周知されてきたとは言えなそうだ。 公共政策や大規模事業に詳しい千葉商科大学客員教授の橋山禮治郎氏は、今回のリニア中央新幹線計画は民間企業が実施するプロジェクトという位置づけのため、外野はとやかく言うなといわんばかりの進め方できているが、鉄道というものの公共性ゆえに、もし事業が失敗すれば、多くの市民が多大な影響を受けることは避けられないと指摘する。多かれ少なかれ、国民にツケが回ってくる可能性のある超大型事業が、国民不在のまま進んでいることに橋山氏は強い違和感を覚えると言う。 橋山氏は公共政策の成否は、目的の妥当性や経済合理性、そして環境適合性や技術的な信頼性によって決まるが、リニア中央新幹線は、いずれの要素にも疑問符がつくと言う。夢の超音速旅客機コンコルドは「マッハの旅客機」などとそのスピードが大きく喧伝されたが、高額な運賃や騒音問題を克服できなかったために姿を消していて、それと同じような末路を辿る可能性が高いのではないかと橋山氏は言うのだ。 非現実的で楽観的な見通しに基づいた利益の試算、不十分な環境アセスメントによる評価など、事業そのものにも問題は山積している。しかしそれ以前のそもそも論として、21世紀の日本の経済や社会の現状や、これからのわれわれのライフスタイルを考えた時、10兆円もの費用と高い環境負荷をかけて、時速500キロで走るリニアを建設し、東京と名古屋を40分で結んだとして、そのことにどれほどの意味があるのだろうか。 このプロジェクトは着工に必須となる環境影響評価が今、大詰めを迎えていて、既に環境相や国土交通相による意見書がJR東海側には伝達されている。このままいけば、今秋にも工事着工の予定だというが、今ならまだ間に合う。事業内容の合理性を今あらためて再検証し、国民的な議論に付した上で結論を出すべきではないだろうか。 ゲストの橋山禮治郎氏とともに、天下の大愚策になりかねないリニア新幹線の事業内容を今、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が再検証した上で、時速500キロで移動が可能になることの意味をあらためて考えた。
    +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++今週の論点・国民不在で進んできたリニア計画・公共政策に重要な4つのポイントと、そのすべてを外しているリニア・見過ごせない環境への影響・日本の「土建国家開発モデル」は、なぜ変わらないのか+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
     

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  • 早川英男氏:アベノミクスが露わにした日本経済の病理

    2014-08-06 23:30  
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    マル激!メールマガジン 2014年8月6日号(発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/ )──────────────────────────────────────マル激トーク・オン・ディマンド 第694回(2014年8月2日) アベノミクスが露わにした日本経済の病理ゲスト:早川英男氏(元日本銀行理事・富士通総研エグゼクティブフェロー)────────────────────────────────────── 政府は7月25日、消費者物価が前年の同月比で3.3%上昇していると発表した。ただし、物価の上昇自体は13カ月連続しているが、エネルギー価格の上昇率が若干低下してきたため、4月以降の消費税増税の影響を差し引くと純粋な伸び率は鈍ってきているという。安倍政権は2年間で物価上昇率2%というインフレターゲットを設定してこの1年半余り、アベノミクスと呼ばれる経済政策を実施してきたが、その効果はどれほどのものだったのか。 元日本銀行の理事で金融政策に詳しいゲストの早川英男氏は、物価の下落が止まり、デフレから脱却しつつあるというのは間違いないと分析する。ただし、現在の物価上昇は、原材料価格の高騰や、商品・サービスの価格上昇、そして消費税増税など、明らかにコストプッシュ型の物価上昇であって、景気回復の結果、賃金が上がって物価が上昇するという自立的な経済成長とは異なると指摘する。 たしかに物価の上昇に関しては異次元金融緩和が一定の効果をあげているようだ。しかし、リフレ派が主張するような、物価が上昇すればすべてがバラ色になるということはないと早川氏は釘を刺す。異次元金融緩和は物価が2%上昇したらやめるのか、果たしてやめられるのかという問題も大きく、日銀が金融緩和をやめたとたんに、国債の金利が上昇し、借金まみれの日本の財政を直撃することになると早川氏は分析する。 確かに物価の下落は止まっている。しかしこれは内需が中心の景気回復傾向に過ぎず、膨大な財政赤字や労働力の減少、労働市場の逼迫など供給面での制約は強まる一方だ。しかも日本の潜在成長率はゼロに等しい。これでアベノミクスがうまくいっていると評価するのは楽観的過ぎる。それでも早川氏は資本や人材を投入すべき分野は、改訂版の成長戦略で示された医療改革分野や女性の労働関係分野などまだ残されているという。こうした分野にこそ、より効果的な成長戦略が必要であり、相応の資本を投入すべきだろう。 このまま見せかけの景気回復に踊らされ、財政赤字は積み上がったまま、物価の上昇率が2%に到達し、金融緩和政策をやめる局面に直面した場合、本当の意味でのインフレが発生してしまいかねないと早川氏はいう。国債価格が下落したからといって日本経済が即死するわけではないが、財政事情の悪化はより深刻化し、必要な改革が行われないまま日本全体が「静かなる危機」に突入していくというシナリオは十分に考えられるというのだ。 アベノミクスで日本経済はどう変わったのか。そしてこの先、どうなっていくのか。金融政策や成長戦略を参照しながら、アベノミクスによって明らかになってきた日本経済の今後について早川英男氏とともに、経済学者の小幡績と社会学者の宮台真司が議論した。
    +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++今週の論点・違和感ばかりの「経済財政白書」・「短い20世紀」に適応しすぎた日本・「生産性を伸ばす」か「働く人を増やす」か・「静かなる危機」を迎えないために+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
     

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