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  • これでわかったRIZINの判定基準!■福田正人RIZIN審判部長×大沢ケンジ〜模擬ジャッジ編〜

    2018-04-13 22:27  
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    「RIZINと競技運営」を語る16000字インタビューが大好評だった福田正人RIZIN&DEEP審判部長に「おしゃべりアベマ野郎」こと大沢ケンジ師匠が判定基準をテーマに直撃! ジャッジがよく理解できてMMAが10倍面白くなる対談の後半戦です!
    【関連記事】●【徹底解説16000字】福田正人RIZIN審判部長に聞く「RIZINと競技運営の現状」◯「中井さん、なぜそこまで強さを追求するんですか?」■中井祐樹☓大沢ケンジ●2017年の堀口恭司、RIZINで1億円稼いだ説◯笹原圭一RIZIN広報の新年大展望「間違いなく賛否両論が巻き起こる隠し玉があります」【前編はコチラ】【選手必読!!】判定基準が10倍よくわかるジャッジ対談■福田正人RIZIN審判部長×大沢ケンジ福田 ジャッジが難しい試合をいくつか用意したんですよ。大沢さんにぜひジャッジしてもらおうと。
    大沢 うわあ〜、これは大変だ。ちゃんと「10-8」をつけられるかなあ(笑)。 ここまで聞いたジャッジの基準の話って、ダメージを本当に意識してるんだなってことですね。テイクダウンや上をキープしていることがもっと重要視されてるのかと思っていたから。
    福田 どちらの選手が、相手により大きなインパクトを与え、試合を終わらせようとしていたかってことですよね。インパクトはダメージを言い換えたものですから、最も重要な要素はダメージだっていうことです。打撃が当たったとしても、単なる攻撃はアグレッシブネスで評価されるときもありますし、ダメージの定義は簡単ではないですね。
    大沢 そこを理解してないと「手数が多かったから」「コントロールしていたから」という理由で「このラウンドを取った」と思い込んじゃうケースが出てきちゃうってことですね。 
    福田 RIZINに関しては試合全体にわたっての評価なのでラウンド毎に評価する10点法とは判定基準の各項目の定義というか、重みの部分については異なってくるかと思います。たとえばダメージでいえば、RIZINの場合はパンチでふらついたという1シーンでは、試合全体の中ではダメージとしては簡単に評価できないかと思います。10点法であれば、一つのラウンドの中での評価なので、1シーンでもダメージの項目で評価することがあるかもしれませんが。
    大沢 全体評価の場合は10点法と違って、評価が勝敗にそのまま直結するわけですよね。
    福田 そうですね。なので、RIZINの場合は全体を通じての試合への影響度ですから、ラウンド毎での影響度ではないので、よっぽどのダメージでないとダメージの項目では評価できないのかと思います。たとえば昨年のRIZINバンタム級GP決勝戦、堀口恭司選手と石渡伸太郎選手の試合で、1ラウンド終盤に堀口選手がパウンドで追い詰めましたよね。あそこまでの攻撃じゃないとダメージとしては評価しづらいということですね。
    大沢 あのシーンくらい決定的な場面を作らないといけないと。
    福田 RIZINの判定基準はまずダメージで評価します。ダメージで差がない場合はアグレッシブネスで評価します。アグレッシブネスでも差がなければ、マスト判定なのでジェネラルシップで必ず差を見い出すというスタンスで、各項目を段階的に評価するという点ではユニファイドと同じです。福田 ジョン・マッカーシーも「ダメージが同じで、優劣をつけることが難しい場合には、次の評価項目であるアグレッシブネスを見なさい。さらに、これも全く同じなら、ケージ・コントロールを見ないさい」と段階評価の仕組みを明言していました。でも、各項目の濃さや重みというのは、試合全体にわたっての中のものとラウンド毎の短い時間の中でのものとでは異なってきますよね。
    大沢 たとえばジャブやロー、ミドルなんかの打撃でコツコツと攻める選手と、パンチをぶん回す選手が戦ったとしますよね。コツコツ攻めても、フラッシュタウンで2回腰を落としたりした場合はどうなるんですか。
    福田 状況にもよりますが、あくまでもその攻撃によって選手はどのような状態になったかですよね。試合への影響度が感じられない状態であれば、いまのRIZINではダメージでは差をつけづらい傾向があるかと思います。アグレッシブネスやリングジェネラルシップで判断していくのかと思います。
    大沢 もうちょっとハッキリした差をつけないと、ダメージとして最大評価されないってことですね。
    福田 全体評価ではなく10点法の場合は、フラッシュダウンを2回取ればラウンド内のことですから、そのラウンドの中ではダメージの項目で評価するジャッジはいるかもしれません。そういった部分で、全体評価と10点法の違いが出てきますね。
    大沢 いやあ、ルールの違いで評価が変わるのは面白いですね。
    福田 たとえば2ラウンドの試合で、1ラウンド目はA選手が手数の多さで「10-9」だったとして、2ラウンド目はB選手がテイクダウンからパウンドで追い詰めたけど「10-8」まではいかなくて「10-9」の評価だったとします。結果「19-19」のドローなんですが、ファンからすれば2ラウンドの印象が強いから「B選手の判定勝ちなんじゃないの?」と疑問が出やすいですよね。
    大沢 10点法だと、そういうズレは出てきやすいですね。あるラウンドでパンチでダウンを奪って「10-9」、他のラウンドでは手数の差で「10-9」だったりすることはあるし、ラウンド毎をの中身は明らかに違うのに同じ点差になるようなケースもあると。 
    福田 なので、ユニファイドは「3本勝負」という考え方をしたほうがわかりやすいかもしれないですね。全体評価のRIZINは1本勝負。
    大沢 あー、その言い方はわかりやすいですね〜。ユニファイドルールは3ラウンド中2ラウンドを取ったら勝ちだよと。ときおり「10-8」やKO・一本勝ちというボーナスも飛び出すけど、基本は「10-9」の取り合いだと。
    福田 まあ、「3本勝負」って昔のプロレスを見てないと伝わりづらいですけど(笑)。それを踏まえて大沢さんに模擬ジャッジをしていただければと。最初に見ていただく試合は、RIZINバンタム級GP1回戦の大塚隆史vsアンソニー・バーチャックです。全体評価(RIZINルール)と10点法(DEEPルール)それぞれでジャッジをお願いします。
    大沢 わかりました〜。

    昨年7月に行われた大塚vsバーチャックは判定の難しい試合となった。©RIZIN FF福田 いかがでした?
    大沢 10点法だったら1ラウンド目は、ポジションからのパウンドを評価してバーチャックですね。ややダメージも与えてたと思いますし。
    福田 1ラウンド目は「10-9」でバーチャックということですね。
    大沢 2ラウンドは大塚がトップを2回取ったし、打撃数の多さで「10-9」で大塚。3ラウンドはスタンドのヒット数で大塚かなあ。これも「10-9」。
    福田 10点法だと「9-10、10-9、10-9」、トータル「29-28」で大塚選手の判定勝ちということですね。
    大沢 RIZINルールでの全体評価なんですが……これ、全体評価だとダメージはどちらもつかないですよね。
    福田 この試合内容だとつけづらいですよね。
    大沢 そうすると、次はアグレッシブネスの項目での評価ですよね。
    福田 一本やKOを狙う積極的な攻撃があったかどうか。
    大沢 アグレッシブネスもどちらも評価できない……と見たんですけど。となると最後のジェネラルシップ。トップをキープしてる時間でいえば大塚。RIZINの全体評価でも大塚の判定勝ちなのかなと。
    福田 なるほど。実際のジャッジでも、2名がジェネラルシップを評価して大塚選手、残りの1名がアグレッシブネスを評価してバーチャック選手だったんですよ。「2-1」で大塚選手の判定勝ち。
    大沢 あー、なるほど。自分と同じジャッジをしたのが2名。
    福田 これが10点法だった場合も「29-28」で大塚選手の勝ちになっていた可能性は高いのかもしれません。でも、勝敗結果は同じでも、全体評価と10点では、「ダメージ」「アグレッシブネス」「ジェネラルシップ」の各項目の評価内容は異なってきたかもしれませんね。
    大沢 当日のジャッジ1名がアグレッシブネスを評価したことをどう見てるんですか?
    福田 1ラウンド目にバーチャックのサッカーボールキックがあったじゃないですか。
    大沢 あー、そこはボクもどう見るか悩んだんですよぉ。
    福田 あの攻撃はダメージには至らないけど、コントロール以上の打撃だと評価したんじゃないかと思います。
    大沢 あのサッカーボールは1シーンですけど、全体評価だと1シーンの攻防って試合全体の中では薄れてこないですか?この続きと、朝日昇、アンドレ特番、宮戸優光×中井祐樹、レッスルマニア、安田忠夫、RIZINジャッジ対談などの記事がまとめて読める「15万字・19本の記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • サスケ熱唱! 鈴木みのるの男気も炸裂!『裏レッスルマニア』で何が起こったか?■アメプロインディ通信「フリーバーズ」

    2018-04-13 11:12  
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    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは鈴木みのるの男気も炸裂!『裏レッスルマニア』で何が起こったか?です!<関連記事>・これはなんだ? レッスルマニアの裏側で「2018年のUWF」開催!!・【#MeToo】マイケル・エルガンはすべてを失ってしまったのか・TOO SWEETじゃなくてTOO DEEP!! 世界一卑猥なハンドサインをご存知?・デスマッチ仁義なき戦いに警察も出動! GCWシュート事件とは何か・カナダの狂乱のハードコア団体『IWS』――人生の栄光と転落・アメリカのデスマッチキングは銀行強盗犯…ニック・ゲイジの最狂人生・知ってるようで知らないアメリカ第3の団体ROH・アメリカ第3の団体ROHを変えた2人の日本人プロレスラー4月5日から始まったレッスルマニアウィークが、8日の『レッスルマニア34』をピークに10日のSmack Down Liveで幕を閉じた。この期間中はプロレスファンにとって、まさに “夢の祭典”と言える数日間だったのではないだろうか。現地に行っている人も行っていない人も皆、ニューオリンズに想いを馳せていたし、今年は例年になく、『裏レッスルマニア』が注目されていた。
    『レッスルマニア』の開催にあわせて、各インディー団体がその近隣で開催する『裏レッスルマニア』とは、日本だけで通じる名称で、2006年からそう呼ばれ始めた。日本以外では、WrestleMania Week(レッスルマニアウィーク)、または、WrestleMania Weekend(レッスルマニアウィークエンド)と呼んでいる。
    今年の『裏レッスルマニア』開催1週間ほど前から、日本でもこんな噂が大きく流れ始めた。
    ルイジアナ州では、パイルドライバーの使用や流血試合が禁じられているが、そのほかにパワーボム、ムーンサルトプレス、シューティーングスタープレス、また、頭部への攻撃、場外への投げ捨てなども禁止技にするというものだった。「もし使ったら、ルイジアナ出入禁止」などという噂まであった。しかも、その規制はWWEとROHは除外されるということから、まさにインディーを潰すためではないか? との憶測まで流れた。私は『裏レッスルマニア』のひとつレッスルコンの主催者に直接、その真偽を確かめてみた。返事は「That’s not true」だった。結局、噂でしかなかったのだ。
    また、深夜0時過ぎから始まる大会などもあり、グレート・サスケがメインに登場した「Joey Janela's Spring Break 2」が終わったのは、深夜3時半を過ぎていた。試合後に、会場全体でボン・ジョヴィを熱唱する様は、まるで奇祭のようでもあり、画面を通して見ていたファンたちは、現地で一緒に体感したかったのではないだろうか。
    ただ今回、『裏レッスルマニア』について各種メディアの扱いに残念と思う点が2つほどあったので、お話しさせていただきたい。この続きと、朝日昇、アンドレ特番、宮戸優光×中井祐樹、レッスルマニア、安田忠夫、RIZINジャッジ対談などの記事がまとめて読める「15万字・19本の記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • アスカ連勝ストップ、中邑ヒールターンをアメリカはどう報じたか【レッスルマニア34レビュー】■MMA Unleashed

    2018-04-13 10:58  
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    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマは「アスカ連勝ストップ、中邑ヒールターンをアメリカはどう報じたか【レッスルマニア34レビュー】」です!【関連記事】■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■ロード・トゥ・レッスルマニア:ロンダ・ラウジーWWEでの全仕事(前編)
    ■ロード・トゥ・レッスルマニア:ロンダ・ラウジーWWEでの全仕事(後編)■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■斎藤文彦INTERVIEWS

    米国時間4月8日(日)にニューオーリンズのスーパードームで開催されたWWE年間最大のイベント、『レッスルマニア34』は、アスカ、中邑真輔、ロンダ・ラウジー出場もあって、日本人ファンやMMAファンにとっても注目度が高い大会だった。そこで今週は、この3選手の試合について、米国メディアがどのように伝えたのかをまとめてお伝えしよう。
    ●シャーロット・フレア def. アスカ(WWEスマックダウン女子タイトル戦)
    (Figure Four Weekly, Bryan Alvarez記者)
    シャーロットは3人のグラジエーター風の男と入場。昨年のレッスルマニアでは、シャーロット自身がHHHに付きそうグラジエーター女子だったことを思うと感慨深い。
    アスカがエプロンのシャーロットをヒップアタックで場外に吹き飛ばす。アスカがバックを取ってスリーパーホールド、しかしシャーロットはスタナー風に自分のお尻を落としてアスカを振り払う。シャーロットがムーンサルト、アスカがそれを捕まえて三角締め、シャーロットがそれを切り返してボストンクラブ。アスカがエプロンでシャーロットにブレンバスター、2人とも場外マット上に転落。シャーロットがスピアでニアフォール。そこから8の字固めを極めるとアスカがタップ。アスカの一本負けという驚きの結末に。アスカの連勝記録が途絶える。フィニッシュではかなりの盛り上がり。アスカがシャーロットに「シャーロット・ワズ・レディー・フォー・アスカ」と告げ、抱き合って祝福。
    (Figure Four Weekly, Joseph Currier記者)
    アスカの連勝記録を止めるタイミングとしては、これが良かったとは思わない。チャンピオンになれば、アスカの価値はさらに確立されていたはずだ。しかし、負けなければならないとしたら、こんな風に負けるべきではあった。つまり、試合はすばらしかったし、舞台はレッスルマニアだし、相手もしっかりした選手だったのだ。
    (筆者の観察記)
    ウィークリーベースでWWEを追いかけているわけではない筆者にとっては、まずはリック・フレアの娘シャーロットの入場シーンが印象的だった。女リック・フレアにふさわしい、ド派手できらびやかなコスチュームでゆっくりと入場、ゴールドの照明を浴び、歩きながらもったいぶってガウンを脱ぎ捨てる様も好ましい。ただ、シャーロットはヒールではないからなのか、元々のアスリート体質のせいなのか、親父(おやじ)のイヤミっぽさに比べるといささか上品すぎる(もっともクセの強さで親父を越えるというのは無理筋かもしれないが)。入場テーマは親父譲りの『ツァラトゥストラはかく語りき』、ただしEDMバージョンに編曲してある。水平チョップの打ち方や、コーナーに振られるとなぜか1回転してそのまま場外に落ちるムーブなど、試合中にもそこかしこに遺産を引き継いでいる模様であるのは、いちいち腑(ふ)に落ちる。
    試合は“Empress vs. Queen”と謳(うた)われていた。アスカがEmpress、シャーロットがQueenということのようだ。アスカのニックネームがいつのまにか、”Empress of Tomorrow”になっている。アスカは漢字で書くと明日華のようなので、Tomorrowは分かるのだが、Empressはおそらく女性天皇もしくは皇后という意味なのだろう。あまり直接的に日本語に直さずに楽しむ方がいいかもしれない。
    筆者の目にはアスカが1人で攻めて、1人でやられているような試合に見えた。シャーロットもアスカが相手でなければこんな試合はできないのではないかと思えてならなかった。良い試合だったのだが、試合時間は12分強と短く、本来ならまだまだここからギアが上がるべきところ、フィニッシュ唐突にやってきた印象だった。8の字固めというと筆者などは、ジョニー・パワーズのあの不可解なレッグロックを思い出すが(4の字の倍痛い、と触れ込みだったが、どこがどう8の字なのかがさっぱり分からないのだ)、シャーロットの8の字は、4の字固めをかけたまま大きくブリッジをするというもので、身体全体を見れば確かにねじれた8に見えるということなのだろうと了解した。シャーロットがなぜ、片手でブリッジをしていたのか、なぜ試合後に泣いていたのかは筆者には分からなかった。なおオブザーバーは、アスカはどうやらフィニッシャーのアームバーの使用禁止を命じられていたらしいと報じている(ロンダと被るかららしい)。この続きと、朝日昇、アンドレ特番、宮戸優光×中井祐樹、レッスルマニア、安田忠夫、RIZINジャッジ対談などの記事がまとめて読める「15万字・19本の記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • キャッチはどこへ消えたのか? 宮戸優光×中井祐樹「プロ・レスリング」の文化と競技論

    2018-04-09 11:26  
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    新旧UWFで活躍してUWFインターでは「頭脳」と呼ばれ、現在は高円寺で「C.A.C.C.スネークピットジャパン」を運営する宮戸優光氏と、日本総合格闘技のレジェンド中井祐樹氏の1万字対談が実現! 競技と文化にまつわる深い話をしていただきました〜!!【関連企画】・原理理主義の親玉に訊く「中井さん、なぜそこまで強さを追求するんですか?」■中井祐樹☓大沢ケンジ・鈴木秀樹インタビュー「弱いプロレスラーは迷惑なだけです」――宮戸さんと中井さんは『プロレス激本』というプロレスムックで対談されています。いまから20年前のことになりますが……。宮戸 中井先生がここ(『C.A.C.C.スネークピットジャパン』)にいらしたことはおぼえてますけど、何をしゃべったかは忘れちゃいましたねぇ。
    中井 ボクはおぼえてますよ。
    宮戸 ああ、それは凄いですね(笑)。
    中井 でも、いまからするとトンチンカンなことばっか言ってたので、思い起こすと恥ずかしいんですよ(笑)。まだまだ視野が狭かった頃なので。
    宮戸 ハハハハハハ。あのときビル・ロビンソン先生がジムにいたことだけはおぼえてるんですよ。
    中井 ロビンソン先生、いらっしゃいましたよね。空気を読んでか読まずか「ジャンボ鶴田戦を見ました!」と言って困らせてました(苦笑)。
    宮戸 中井先生とはあのときが初めてですよね?
    中井 そうですね。でも、ボクからすれば、宮戸先生は「シューティングの先輩」という認識ですよ。あの対談もそういうお話から始まった記憶があって。「タイガージムインストラクターの宮戸先生」として見てましたから。
    宮戸 ハハハハハハ。
    中井 やっぱりボクはマニア筋の人ですから。雑誌があれば隅から隅まで読んで「インストラクターはどういう人なんだろう?」と。 
    宮戸 インストラクターとしてお世話になったのは、1984年のことですからね。いまから35年も前のことですよ
    中井 対談をさせていただいたときすら、20年前ということですよね。あれはPRIDEができた頃だったので「修斗を東京ドームで見せるためにはどうすればいいか?」ということなんかも考えていて。PRIDEという大きな舞台ができて格闘技自体が揺れ動いたときだったんですよね。修斗も大きな舞台で見せたいという葛藤があって、本当に伝わるのか、競技がビジネスになっていくのか、なろうとしてるのか……という時期でしたね。あれはボクがブラジリアン柔術の指導者をやり始めて間もない頃もあるんです。
    宮戸 ブラジリアン柔術に出会ったのは、もっと前のことですよね?
    中井 94年夏過ぎですかね。エンセン井上を通して知ったんですが、それもいつか戦うであろうグレイシー対策だったので。洗練された技術体系を持っていたので驚かされましたけど、まさか自分が柔術家になるとはまったく思ってなかったですね。
    宮戸 ああ、そうだったんですか。
    中井 目をケガしたあとに周囲は「ブラジリアン柔術をやったら」と勧めてくれたんですが、自分としてはあまりその気はなくて。ボクの先輩の朝日(昇)さんがホイラー・グレイシーに負けたときに、やっと踏ん切りがついて柔術に挑戦してみようと。ボクがホイラーぐらい柔術が強くなれば、柔術の技術はあたりまえのようになるし、誰かがグレイシーを倒せるんじゃないか? という単純な発想ですね。
    宮戸 あくまでグレイシーを倒す目的だったんですね。
    中井 あともうひとつ、これはグレイシーが描いてた形じゃないかもしれないですが、ブラジリアン柔術は誰もができるスポーツだと思ったんです。そういう捉え方をした人は当時は少なかったはずですね。ブラジリアン柔術には失礼な言い方になっちゃいますが、格闘技をやるうえで一般人の入り口にはちょうどいいかもしれないって。
    宮戸 それは柔術をやり始めてすぐに感じられたことなんですか?
    中井 はい。逆にお聞きしますが、宮戸先生はブラジリアン柔術という存在をどういう風に捉えてたんですか?
    宮戸 ボクの人生において、ロビンソン先生と出会ったことと、そして髙田(延彦)さんがヒクソンと戦ったこと、この2つは凄く大きかったんですね。ロビンソン先生と出会ったのは92年のことなんですが、そのときに「あれ? これは俺らが教わったレスリングとは違うな」って驚いたんです。
    中井 なるほど。
    宮戸 高田さんがヒクソンに負けたことはショックだったんですけども、はたしてロビンソン先生やそれ以前のキャッチ・アズ・キャッチ・キャン(以下CACC)があった時代においても、同じような結果になったんだろうか? っていう疑問を感じて。アド・サンテルというレスラーは道着を着て、日本の柔道家にそれこそ一度も負けなかったんですよ。
    中井 アド・サンテルはルー・テーズさんにも教えたんですよね。
    宮戸 はい。そういう先輩がいたということがわかってきた中で、あの当時CACCを教わることができたのはロビンソン先生、ルー・テーズさん、カール・ゴッチさんくらい。イギリスにはビリー・ジョイスという師匠格が生きてはいましたけど、現場の人間ではなかったですからね。
    中井 それでロビンソン先生を師事されたんですね。
    宮戸 日本の柔道は柔術の部分を捨ててしまったが、日本の裏側のブラジルでブラジリアン柔術として発展を遂げていたわけですよね。CACCも誰かが何とかしないと永遠に見ることができなくなってしまうという中で、このジムを99年に開いたんですね。
    中井 ちょうど対談をした頃ですね。
    宮戸 ちょっと話が長くなっちゃいましたけど、ブラジリアン柔術はボクらからすれば最初は敵にも見えたものでしたが、彼らによってある意味プロレスというものをあらためて気付かせてくれたというか。あの気づきがなければ、いまのようにCACCを残すような考えは起きなかったかもしれない。ロビンソン先生も「グレイシーが出てきたことはいいことだ」とおっしゃってましたからね。
    中井 ボクもその話を聞きました。ロビンソン先生がそう考えていたって凄いですね。
    宮戸 それはグレイシーがプロレス界が失ってしまったものを気づかせてくれた。それを取り戻せるんだからいいことじゃないかと。ロビンソン先生は「グレイシーはグッドレスラーだ」くらいの言い方をしてましたからね。
    中井 やっぱりロビンソン先生はさすがですね。
    宮戸 実際にグレイシーは裸で戦ってましたし、ロビンソン先生は「我々のセオリーに非常に似ている」と。ロビンソン先生からすると、本当のレスリングというものはいわゆる極めっこではないんんですね。レスリングは「フィジカル・チェス」と呼ばれるように、術を使い相手の心を崩していく。「グレイシーの戦い方も同じだ」とロビンソン先生は言うんです。「相手にプレッシャーをかけ、心を仕留めていく。いまの奴らはただ狙って取りにいくだろ? そうじゃない、グレイシーのように戦うべきなんだ」と。
    中井 ボクも似てるという認識は持ってました。これはだいぶのあとのことであるんですが、ロビンソン先生の自伝(『高円寺のレスリング・マスター人間風車 ビル・ロビンソン自伝』)を『ゴング格闘技』の推薦図書として挙げたことがあるんですよ。
    宮戸 それはありがとうございます(笑)。
    中井 昔の練習方法とか「そうだよな」って頷けることがたくさん載っていて。自分も取り入れてることがあって、もの凄く感銘を受けたんですよね。
    ――以前の対談で宮戸さんは「中井さんはプロレスラーです」と言ってるんですね。
    中井 おぼえてます。大変光栄でしたね(ニッコリ)。
    宮戸 ロビンソン先生がグレイシーをプロレスラーと言ったのと同じですね(笑)。
    中井 なんて言うんでしょうか。「ちゃんとしたものを見せている」というプライドがボクの中にあったのは事実です。ちゃんとした格闘技の技術を見せている。そういう意味では「レスリングのプロである」という気持ちがあったのはたしかです。だから、そう言われたのはその当時は凄くありがたかったですね。
    宮戸 いやいや、とんでもないですよ(笑)。
    中井 宮戸先生がロビンソン先生の技術に驚かれるのは当然かもしれませんが、いままでとは何が違ったんですか?
    宮戸 ボクがいままで教わってきたのは、極端にいうと力でねじ伏せるようなレスリングだったんですよ。ところがロビンソン先生と組んでみると、フワフワしていて力が入っていない。例えるならアヤトリを解く、知恵の輪を外すような感じだったんです。「これが本物のレスリングなのか!」とショックだったんですね。 
    中井 その当時のロビンソン先生って50代ですよね?
    宮戸 53歳ですね。いまのボクは54歳ですからね(笑)。ロビンソン先生の凄さがわかりますよ。 
    中井 宮戸先生はそれまでにもいろいろな方との出会いはありましたよね?
    宮戸 それまでボクはそれなりに長くやっていましたけど、いま振り返ると当時先輩はいたけど、先生と呼べる存在はいなかったと思うんですよ。ロビンソン先生に出会うまでも、CACCを含んだスタイルの中にいたわけですが、それはあくまでCACCの一部含んだもので。
    中井 これ、答えにくかったらいいんですけど、ゴッチさんでは気づかなかったんですか?
    宮戸 あー、なるほど。まずゴッチさんはもの凄く力が強いじゃないですか、骨太というか。ロビンソン先生も力は強いんですけど。
    中井 ゴッチさんとはタイプが違ったということですか?
    宮戸 はい、タイプが違いましたね。まったく違います。ボクの先輩方にはゴッチさんのお弟子さんが多いじゃないですか。だからどうしてもゴッチさんタイプというか、そういう先輩方が多かったですね。中井 それに直に教わったとしてもすべてがそのまま伝わるというわけではないですよね。やっぱり指導するほうも、されるほうも自分のかたちができますから。
    宮戸 おっしゃるとおりですね。
    中井 そこが教える立場の一番難しいところで、1から10まで教えていたつもりでも、やっぱり変わって伝わるところはあります。先ほどの質問は、ゴッチさんよりロビンソン先生のほうが凄かったという結論に誘導したいんじゃなくて、伝わり方は違っていて、日本にはロビンソン先生のやり方が伝わってなかったんだろうなということですよね。
    宮戸 どちらが優れているかではなくて、日本ではゴッチさん的スタイルが伝わったということですね。だってそれはもう猪木さんの師匠がゴッチさんじゃないですか。日本の中では「神様」ですから、絶対的なものとして伝わることになりますよね。
    中井 それにロビンソン先生はボクが子供のときは「全日本プロレスの人」というイメージが強かったんですね。どうしてもキャッチのイメージでは見れなかったんですよ。
    宮戸 そういう背景もあったんでしょうね。ゴッチさんとロビンソン先生は、じつは仲が良かったと思うんですよ。晩年はちょっとケンカ別れみたいなことになってましたけど、お互いに意識し合った仲じゃないかなと。なぜかといえば、ロビンソン先生は猪木さんとの試合を振り返って「CACCでやった」と。
    中井 おお、そうなんですか。
    この続きと、朝日昇、アンドレ特番、宮戸優光×中井祐樹、レッスルマニア、安田忠夫、RIZINジャッジ対談などの記事がまとめて読める「15万字・19本の記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • 中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼……新・闘魂三銃士■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    2018-04-09 10:22  
    76pt

    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回のテーマは「中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼……新・闘魂三銃士」です! 



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    全日本プロレスのすべてを知る男、渕正信
    鈴木みのるを変えた“全日本プロレスイズム”
    高山善廣が「帝王」と呼ばれるまで
    「プロレス取材の難しさ」
    一寸先はハプニング人生! アントニオ猪木!!オシャレでスマートな昭和の頑固親父! グレート小鹿――今回のテーマは中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼の「新・闘魂三銃士」ですが、彼らがデビューした当時の小佐野さんは日本スポーツ出版内の異動もあって、プロレス現場取材はあまりできていなかった時期なんですよね。
    小佐野 『週刊ゴング』編集長から編集企画室室長という役職に変わったのが99年1月のことなんですが、編集長としての最後の号は、あの橋本真也vs小川直也なんですよ。
    ――とんでもない大事件が最後に起きちゃったんですね(笑)。
    小佐野 柴田や棚橋はその年の10月にデビューでしょ。中邑真輔は2002年8月のデビューだから、私は現場にいなかったんですよ。全日本プロレスはテレビの解説をやっていたから会場には行っていたし、新日本の会場にも顔を出せるかぎりは出していた。ただ取材ではないから、若手の頃の彼らとは接点がほとんどなかったし、とくにいまでも接点がないのが真輔。棚橋や柴田はその後、接点ができるんだけど、真輔は本当になかった。
    ――現場から離れた立場から、1・4事変以降の新日本をどのように見えたんですか?
    小佐野 プロレスをやりたいのか、格闘技がやりたいのか、もうブレブレでわけがわからない感じ。中邑真輔も格闘技とプロレスどっちつかずで、両方できる人として育てられてしまっていたよね。あの時期だからこそ、そういう宿命を無理に背負わされてしまって「なんて中途半端なプロレスラーができてしまったんだろう……」という感想はあったんだよね。
    ――まあ、そう見えちゃいますよね。 
    小佐野 あとから真輔がプロレスファンだったと聞いてビックリしたんだけど、そうは見えないぐらいプロレスがうまくなかった。サブミッションをやったかと思えば、急にラリアットをやってみたり、わけがわからなかった。サブミッションで勝負するならサブミッションでいけばいいのに、そこでなぜラリアットが必要なのか全然伝わってこないというかね。サブミッションをフィニッシュにするのはやめたほうがいいんじゃないかとすら思ったり。
    ――あの当時は総合格闘技が人気でしたし、プロレスでサブミッションを使うことは逆にマイナスなんじゃないか……っていう見方もありましたね。
    小佐野 説得力がなく見えてしまうということだよね。プロレスリングではプロレスの技で戦って、総合では総合の技術を見せるような使い分けをすればいいんじゃないかって。混ぜたことでよくわからなく見えちゃっていたから。 
    ――暗黒・新日本は格闘技っぽさを求められたこともあって……。
    小佐野 それからゲーム制作会社のユークスが新日本の親会社になったあと、武藤敬司が真輔からIWGPのベルトを奪ったときに「真輔はどうだった?」と聞いたら「いやー、新日本プロレスは、時としてああいう中途半端なレスラーを作っちゃうんだよなぁ」って言っていた。 
    ――低い評価だったんですね。
    小佐野 「かわいそうなのは彼はトップだろ? 下からやり直せないじゃん」って。それが2007年、いまから10年前ぐらいのことだよ。
    ――その直後に中邑真輔は覚醒するわけですから面白いですね!(笑)。武藤さんが「ああいうレスラー」とは何を指してるんですかね。
    小佐野 具体的に誰というわけではないんだけど、武藤は新日本の格闘技かプロレスかのどっちつかずがイヤで全日本に移ったでしょ。「このまま新日本プロレスにいたら俺のキャリアが潰されてしまう」ということで離れた。そういう中途半端なものを中邑真輔からも感じたんじゃないのかな。真輔も最初はどちらかといえば格闘技のほうで売り出されていたわけだしね。 
    ――国内2戦目は大晦日『猪木祭り』のダニエル・グレイシー戦でしたしね。
    小佐野 真輔は8月に安田忠夫戦でデビューして、すぐにロス道場に行ったでしょ。その最中の11月頃、猪木さんと新間(寿)さんが和解したんですよ。
    ――そんなことがあったような、なかったような(笑)。
    小佐野 なぜそんなことをおぼえてるかといえば、2人が和解した席に私がいたんですよ(笑)。
    ――あらま(笑)。
    小佐野 帝国ホテルの『北京』という中華料理屋さんで、桜井康雄さんを仲介人にして2人は和解したんです。私は新間さんから電話をもらって「今日、社長と和解するから取材に来てくれ」と。別の部屋で待機してしばらくして部屋に呼ばれたら、みんな紹興酒を飲まれてて、猪木さんは「これは魔界倶楽部じゃなくて和解倶楽部だな」なんて言ってて(笑)。
    ――アントンジョーク!(笑)。
    小佐野 猪木さんが凄く言いそうだよね(笑)。そのときに真輔の話題が出たんだよ。新間さんが「社長、いまの新日本で一番有望な若手は誰なんですか?」と聞いたら、猪木さんは「いまロスに中邑って奴がいるんだ」と。
    ――へえー、まだデビュー戦しかやってないのに。
    小佐野 そうしたら新間さんは「私はいまだにビンス・マクマホンと繋がりがありますから WWEデビューさせましょう!」なんて新間節が炸裂したわけですよ。
    ――さすが新間さんです!
    小佐野 私にも「おい小佐野!ビンス・マクマホンに送る写真を用意してくれ」なんて言われてね(笑)。それで写真を用意したんだけど。
    ――早すぎたWWEデビュー計画があったんですね(笑)。
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  • 格闘家の皆さん、契約書はちゃんと読みましょう!!■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    2018-04-06 11:14  
    72pt
    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるDropkickニコ生配信コーナー。深くてタメになるトークを活字でもお届けします!(3月に配信された一部を加筆編集したものです)。今回のテーマは「格闘家の皆さん、契約書はちゃんと読みましょう!!」です!
    【関連記事】ガヌー敗北の裏側/DAZNのUFC中継更新は?/ONE日本大会また消滅地球上最強男スティペ・ミオシッチは、それでも時給14ドルで消防署で働くホームレスからUFCの次代の大物へ:フランシス・ガヌーの驚くべき冒険“UFC金の卵”ガヌーはマイク・タイソンになれるか「おまえらちゃんとやれ!」……アメリカ連邦議会がUFCを攻撃!
    ――シュウさん! 今回は日本で話題の「契約問題」についてお伺いします。
    シュウ 大きなニュースになっていますね。
    ――アメリカでもUFCの独占契約のあり方が取り沙汰されてますよね。
    シュウ 独占契約とはいってもUFCの場合は一番長くて4試合契約で、チャンピオンまたは今後タイトルに絡みそうなコンテンダーになれば8試合契約じゃないですか。その契約期間内はUFCの独占ですが、契約満了したら拘束されることはないんですね。マッチング期間というのはありますけど。
    ――契約満了した選手が他団体と交渉した際に、その内容をUFCに伝えて他団体以上のオファーをするかどうか再判断してもらうという。
    シュウ マッチング期間が過ぎたら選手は何をやっても自由ですよね。ボクはHIROYA選手と新生K-1が交わした契約書を見たわけではないですし、実際にどうなってるかは知りませんが、試合後から1年間も拘束されるケースは聞いたことがないですね。プロモーター側にも、拘束するのならちゃんと定期的に試合のオファーをしてそれなりに稼がせる機会を与えてあげないといけないという道義的責任も生じますから。
    ――団体とのトラブルで出場できないケースは聞いたことがありますが、そういった契約は珍しいですね。
    シュウ これは選手に対して厳しい言い方になってしまいますが、選手もひとりの大人ですよね。日本の場合は保証人のハンコを押したら逃げられないですが、契約も同じだと思ってるんですよ。「なぜちゃんと契約書を読んでから契約しないんですか」という疑問はあります。契約をしてしまったあとに弁護士を雇っても、不当契約だと証明できないと裁判では勝てないですからね。アメリカでもブラジルでも半永久的な契約というのは不当だということで裁判では勝てると思うんですが、どの程度の拘束なのか?という話でもありますし。
    ――深く考えずに契約したら……というやつなんでしょうね。
    シュウ 契約の問題は芸能界でも話題になってますけど、まだ芸能界だったらわかるんですよ。無名の子にレッスンを受けさせてたり、衣食住まで保証して育てるプロダクションもあるわけじゃないですか。それだったら長期間拘束するのは理解できるんですね。
    ――投資を回収するということですね。
    シュウ でも、芸能界とスポーツは別物ですよね。団体がトレーニング環境を整えてくれるわけでもないですし、選手を育てるためにトレーナーを雇ってくれるわけでもない。選手は基本的に個人事業主ですから。
    ――ジムに月謝を払って通ってる選手もいるわけですよね。
    シュウ じつは日本の格闘家が世界で一番劣悪な条件で試合をしてると思いますよ。安いファイトマネーでチケットの手売りもしてあげてるのに、なぜプロモーターの顔色を伺いながら下手に出なきゃいけないのかボクにはわからないんですよ。
    ――安いファイトマネーのうえに、体重超過をしたら罰金も払わなきゃならないみたいな話もありますし……。
    シュウ そこまで選手に科すんだったら、たとえば大会収益のパーセンテージをもらえないと割に合わないですよ。そのためには正当な権利を主張するために選手側が立ち上がってプロモーターと同等の立場になるように持っていかないといけないんですね。プロモーターも選手がいなかったら大会が開けないわけですから。どこの団体も選手の手売りに頼ってません? プレイガイドでチケットが売れるなんてレアですよね。
    ――チケットの実態はどの団体もブラックボックスなので断言はできないですけど、プレイガイド売りがメインで興行を成り立たせてようとしてるのはRIZINくらいだと思いますが、そのRIZINも好調というわけではなくて。ファイトマネーに関しては選手が交渉できるほど、興行が潤ってないのが現状かもしれないですね。
    シュウ でしたら、せめて選手たちは契約書を読むとか、みんなで選手会を作ったり、定期的に弁護士さんやマネジメントの詳しい方を選んで勉強会をやるとか。そういった努力はしたほうがいいですよね。
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  • ロード・トゥ・レッスルマニア:ロンダ・ラウジーWWEでの全仕事(後編)■MMA Unleashed

    2018-04-06 10:54  
    72pt
    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマは「ロード・トゥ・レッスルマニア:ロンダ・ラウジーWWEでの全仕事(後編)」です!【関連記事】■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■ロード・トゥ・レッスルマニア:ロンダ・ラウジーWWEでの全仕事(前編)■MMA Unleashed
    ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■斎藤文彦INTERVIEWS
    いよいよ2018年4月8日(米国時間、以下同)に迫った『WWEレッスルマニア 34』では、元UFC女子バンタム級王者、ロンダ・ラウジーがカート・アングルと五輪コンビを結成、悪のコーポレート軍、ステファニー・マクマホン、HHH組とのタッグマッチでWWEデビューを飾る。
    プロレスファン、MMAファン双方にとって注目のレッスルマニアでのロンダ戦を120%に楽しむために、試合に至るまでのストーリーラインを皆さんにご紹介する本企画の後編では、3月19日から4月2日までのRawでの物語を中心に取りまとめてみたい。試合直前のこの時期になって、ロンダの弱点に対するステファニーによるシュートな突っ込みが炸裂(さくれつ)、これが試合でどう展開されていくのかが楽しみな状況となっている。
    3月19日 『Raw』 
    この日のラウジーはテレビ中継の枠外でリングに登場、満面の笑みで「What’s up, Dallas!」とダラスの観客に語りかけた。すると女子レスラーのデイナ・ブルックが登場。ブルックはマイクで、あなたはまるで大物気取りだけれど、このリングは8角形ではなくて4角形なんだから、一番下っ端からやりなさい、今すぐここを去れと挑発。ラウジーが、それなら力尽くで私をリングから下ろしてみろやと言い返すと、ブルックがパンチ、これをラウジーが腕でブロック。ここで両者の腕が交差したまま3秒ほど静止するという不思議なシーンが。見てはいけないものを見たレベル。その後ラウジーがエクスプロイダーのようなスープレックスでブルックを投げ捨てると、ブルックは場外へと消え去った。
    テレビ中継の枠内ではラウジーはビデオで登場、隣でタッグパートナーのアングルが見守る中、自分語りを披露したのだった。
    子どもの頃、父は私に、自分のやりたい分野で頑張れば、一番になれると言ってくれた。私は柔道に取り組み、メダルを取った。それなのに、気がつくと私は車で生活していた。私はアスリートとしてやるべきことをやったのに、そんな私を誰もリスペクトしてくれなかった。だから私は、好き放題にしゃべって、他人の腕を次々に破壊することに決めた。
    (UFCで活躍するラウジーの映像が挿入される)私は世界で一番強いと思っていた。だから何を言ってもいいと思っていた。自信満々の女性に気分を害するなんて、世間の方がおかしいと思っていた。
    (スタジオのラウジー、涙を流しながら)ラストファイトが終わって、私は神様から嫌われているのだと思った。私はもう、空っぽだった。そんな時、夫がこう励ましてくれた。君には格闘技以外にも大切なことがあるだろう。それは悪いことでも恥ずかしいことでもないんだよ。それこそが大切なこと、世界に誇るべきことなんだ。だから私は今ここにいます。
    (WWEで活躍するラウジーの映像が挿入される)私はもう、何も怖くない。今の幸せをつかむために(あの敗戦は)必要な試練だったのだと思っている。すべてが今につながっている。自分では分からなかったけれど、私は最初からこの道を歩んでいたんだと思う。この続きと、朝日昇、アンドレ特番、宮戸優光×中井祐樹、レッスルマニア、安田忠夫、RIZINジャッジ対談などの記事がまとめて読める「15万字・19本の記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • 榊原信行、トライハード問題に言及! 「契約に問題がなければ喜んでRIZINに出します」

    2018-04-05 14:41  
    5月6日に開催されるRIZIN福岡大会のカード発表記者会見が行なわれ、会見終了後、榊原信行大会実行委員長が囲み取材に応じた。対戦カードはコチラ→http://jp.rizinff.com/_ct/17147856
    いま入会すれば読める4月更新記事
    判定基準が10倍よくわかるジャッジ対談■福田正人RIZIN審判部長×大沢ケンジ/安田忠夫が語る「哀しきジャブボーイとイジメ」/ジョシュ・バーネットはいかにして、薬物検査失格の疑いを晴らしたのか/「神になれなかった男」の狂気――ミスター高橋/ザック・セイバーの関節技は面白くないのか?……
    http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/201804

    【RIZIN関連記事】◎【徹底解説16000字】福田正人RIZIN審判部長に聞く「RIZINと競技運営の現状」◎2017年の堀口恭司、RIZINで1億円稼いだ説◎笹原原
  • 【選手必読!!】判定基準が10倍よくわかるジャッジ対談■福田正人RIZIN審判部長×大沢ケンジ

    2018-04-04 10:20  
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    「RIZINと競技運営」を語る16000字インタビューが大好評だった福田正人RIZIN&DEEP審判部長に「おしゃべりアベマ野郎」こと大沢ケンジ師匠が判定基準をテーマに直撃! ジャッジがよく理解できてMMAが10倍面白くなる対談になりました!!後編はコチラこれでわかったRIZINの判定基準!■福田正人RIZIN審判部長×大沢ケンジ〜模擬ジャッジ編〜
    【関連記事】●【徹底解説16000字】福田正人RIZIN審判部長に聞く「RIZINと競技運営の現状」◯「中井さん、なぜそこまで強さを追求するんですか?」■中井祐樹☓大沢ケンジ●2017年の堀口恭司、RIZINで1億円稼いだ説◯笹原圭一RIZIN広報の新年大展望「間違いなく賛否両論が巻き起こる隠し玉があります」大沢 解説をやってるとジャッジには流行り廃りがあるなって感じるんですよ。だから今日は福田さんにいろいろと聞きたいことがあって。
    福田 大沢さんはAbemaTVでベラトールの解説をやってますから、アメリカのMMAの流れを感じることがあるってことですね。
    大沢 あとジムの選手のセコンドに付くじゃないですか。ボクは判定を見るときに幅を持たせてるというか「このラウンドは取ったな」と思っても、「もしかしたら、この部分で相手を評価するかもしれない」って簡単には決めつけてないんですね。 福田 つまりそれくらいMMAのジャッジは難しいってことではありますね。打撃、レスリング、寝技と攻防は多岐に渡りますし。 大沢 そんな自分でも、最近は組技に対する評価に戸惑うことがあって。たとえば上をキープしてコントロールしていても、相手に立ち上がられて打撃でプレッシャーを掛けられたら、そのラウンドは取ってくれるかどうかはわからない。昨年8月にウチの選手(深谷誠)がパンクラスのネオブラ決勝で判定負けした試合があったんですが……。 福田 深谷選手が上をキープする時間が長かった試合ですね。 大沢 1ラウンド、2ラウンドともに2分以上を上をキープしてて、下から打撃はもらってるんですけど、完全に制圧してる中での打撃で。ラスト1分の時点で立ち上がられて、ローをチョコチョコもらったけど、とくに決定的な打撃は食らってなくて。それでも深谷には「3ラウンドも攻めなきゃダメだ」とは指示したんですけど、深谷は1ラウンドと2ラウンドを取ったと思ったんでしょうね。3ラウンドは流したから、ボクは深谷を怒ったんですけど、心の中では「まあ判定で勝ったな」と思ったんですね。でも、判定で負けた。 福田 判定結果はスプリット(1−2)でしたね。 大沢 福田さんの目から見て、あの試合はどういう評価だったのかなって。 福田 いや、自分はRIZINとDEEPの審判部長の立場として今日は呼んでもらっているので、RIZINとDEEP以外の試合について具体的な話はできないですし、個別にどういう評価だったかというより、世界的にMMAルールの指標となっているユニファイドルールってものを一つの目安にして、ジャッジはどんな流れかということを話し合った方がわかりやすいと思うんですよ。 大沢 たしかに。でも、ユニファイドルールも州や団体によって微妙に違うんですよね。 福田 おっしゃるとおりですね。ユニファイドって「統一」って意味ですから、全部が統一されたルールのように思われる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、例えばアメリカのABC(全米ボクシングコミッション協会)が示すMMAユニファイドルールを採用していない州もあるんです。なのでグラウンドポジションの定義が異なる州も実際にあるし、採用している州でも中身がすべて一緒というわけでもないんですよね。だからユニファイドルールを話し合うにも、どこのユニファイドルールをお互いイメージして話しているのかってことをハッキリしといたほうがいいかもしれないですね。 大沢 自分はどちらかというと、ベラトールの解説を通じて見るユニファイドですかね。 福田 大沢さんの話を聞いているとそんな気がします。ベラトールも開催する州で異なるかと思うんですが、大枠でいえば、大沢さんはアメリカ本土のユニファイドをイメージしているということですね。 大沢 やっぱりそうなりますよね。 福田 自分はどちらかというとアメリカの勉強会で聞いた話や、そのあとチャーリーさん(柏木信吾RIZIN渉外担当)から入れてもらっているカリフォルニア州の情報をベースにしたユニファイドをイメージして話すようにしますね。だから、国内でのユニファイドのイメージと合致しない部分もあるかもしれませんが、そういうのを踏まえて話せればと。 大沢 そうですね、お願いします。 福田 まずユニファイドの判定基準には3段階の基準があります。アメリカでは「インパクト」と呼ばれてますけど、それはイコール「ダメージ」で、なによりも「ダメージ」が最優先されるんですね。 次に「アグレッシブネス」、一番下が「ファイティングエリアコントロール」。福田 RIZINやDEEPでは「インパクト」を「ダメージ」、「ファイティングエリアコントロール」を「ジェネラルシップ」と呼んでますが、基本の部分では考え方は一緒ですし、やはりベースにあるのはユニファイドで、それらの文言をどう解釈して、どう運用していくかについてはチャーリーさんやジェイソン(・ハーゾグ)からのカリフォルニア州の情報を参考にさせてもらっていますね。 大沢 上をキープして相手をコントロールしている時間はどこに該当するんですか? 福田 コントロールは3段階の一番下の「ファイティングエリアコントロール(ジェネラルシップ)」ですね。ちなみに「アグレッシブネス」は、ただ前に出るだけの積極性ではなくて、KOや一本を積極的狙って攻撃をしていたかどうかですね。 大沢 昔はもっとコントロールを評価していたところってありましたよね? 福田 コントロールを評価するときは「ダメージ」に差がなくて、次に「アグレッシブネス」で見たときにも差がない場合ですね。 大沢 決定打がない場合は、最後の「ファイティングエリアコントロール(ジェネラルシップ)」の差で見出すんですね。 福田 上をキープしていたけど、下から何らかの形でコントロールされていた場合、下の選手が評価されることもなきにしもあらずなんです。 大沢 「上をキープしていれば確実にラウンドを取れる」ということではないってことですね。 福田 一昔前だとテイクダウンして上をキープすると評価されていたような傾向はありましたけど、いまはテイクダウンのためのテイクダウンはそこまでは評価されてない傾向にはあるかもしれないですね。アメリカなんかそういうこと多くないですか? 大沢 たしかに、ベラトールを見てて感じますね。じゃあ、ポジションをひとつひとつ取って極めに行くスタイルの選手っているじゃないですか。そういうスタイルは判定では勝ちづらいっていうことですか。 福田 必ずしも評価されないというわけじゃないですけど、ひとつひとつポジションを取っていくあいだに、下から打撃をもらったり、逆にコントロールされると相手に評価される可能性は出てきますよね。 大沢 そこは昔とだいぶ変わってることですよね。でも、いまでも「テイクダウン神話」ってあると思うんですよ。 福田 そこはわかります。ラウンド残り30秒のときにテイクダウンをした選手に印象が残ってしまうジャッジもいますし。「インパクト(ダメージ)」「アグレッシブネス」「ファイティングエリアコントロール(ジェネラルシップ)」でも差が見出しづらいときに、テイクダウンの精度なるもので評価してしまうケースもあるでしょうから。 大沢 なんだかんだ「テイクダウン神話」は根強いですよね。 福田 でも、カリフォルニアのユニファイドルールの指針では、あくまでテイクダウンはテイクダウンで「その先に何があったか」を見て評価しないといけないと教わりました。 大沢 昔はテイクダウンを一発取ったら、いいパンチが顔面に一発入ったぐらいの評価がされてたと思うんですね。 福田 そこで誤解しないでほしいのは、テイクダウンがまったく評価されないということではないということですね。たとえばテイクダウンされた側が何もできずに試合が終わったら、それは上をキープしていた人間が優勢と評価されるでしょうし。 大沢 「テイクダウンの先に何があったか」ということですね。となると上をキープしたら、相手を殴らなきゃいけないし、一本を狙わないといけないということですよね。 福田 テイクダウンを取っても何もしてないのは評価しづらい時間が続くってことですね。 大沢 最初に「ジャッジって流行り廃りがある」って言いましたけど、気になってるのはローキックなんですよ。最近の北米MMAはローを効かせる選手が多いじゃないですか。昔はそこまでローは評価されてなかったんですけど、これはジャッジの傾向が変わってくるのかなって。 福田 一昔前のアメリカはボクシングの試合しか経験のないジャッジがそのままMMAの試合も担当するようなケースが多くて、パンチ中心の評価だったというようなことはよく聞きますよね。脳震盪に直接繋がる可能性のあるパンチと下半身へのダメージの蓄積というローキックでいえば、いまでもその部分で差があるとは思うんです。頭部へのダメージはローキックよりも早くKOに繋がりやすいという見方があるでしょうし。 大沢 ローキックとテイクダウンだったら、ローキックのほうがKOに近いから評価されるってことですか? 福田 ローキックもただ当てるだけのものだったら「アグレッシブネス」から下の範疇で検討されることになるかと思うんですけど、それがKOや一本に繋がるようなものであれば「ダメージ」として評価はされる可能性は高いですよね。同じようにテイクダウンも投げによって相手の頭部がマットに当たった衝撃でKOに近づいたのであれば当然「ダメージ」として評価される場合もある。パンチ、テイク、ローがどうこうというより、何事にも言えるのは「その攻撃によって相手はどうなったのか?」ということなのかと思います。 大沢 グラップラーは受難の時代なのかもしれないですねぇ。関節技以外はフィニッシュに繋がりにくいわけですから。 福田 グラップラーがテイクダウンして、しっかりコントロールして、膠着せずに圧倒すれば違ってくるかと思いますけどね。 大沢 そこまでの完成度が求められるんだったら、打撃を磨いたほがいいよなあ。その傾向が強いと感じていたから、ウチの練習もレスリングから打撃にシフトしてるんですよね。しかし、ちょっと話を聞いただけでもジャッジの難しさがわかるなあ。 福田 大沢さんも以前はジャッジをしてましたよね。 大沢 福田さんと一緒になったこともありますよね。 福田 GRANDSLAMですね。旗揚げ前、主催者さんに私が希望する審判員は植松(直哉)さん一人で、他の方はお任せしますって言ったんですけど、蓋を開けてみたらジャッジが大沢さん、中井(祐樹)さん、長南(亮)さんに決まってて…あまりにも豪華な布陣でかなり焦りましたけどね(笑)。 大沢 ボク、ジャッジをやりたくないんですよ(笑)。その理由の一つには「俺はこっちの判定勝ちなんだけど、お客さんは逆に見てるんだろうな」っていうときがあるじゃないですか。 福田 ジャッジのポイントと、お客さんが見てるポイントは違ったりすることはありますよね。 大沢 そこで「お客さんが勝ったと思ってる選手」とは逆のジャッジをつけることってけっこう勇気がいるんですよ(笑)。それでも自分が思ったほうにつけますけどね。 福田 大沢さんはプロファイターとしてやってこられてきたから、選手やお客さんの反応が気になるとは思うんですね。 でも、いまは人が足りないから普段ジャッジをやらないジムの代表者とかがジャッジをスポットでやるというようなことは減ってきています。本当に審判員としてしっかりと基礎から学ぶんだという姿勢で取り組んできた審判員が多くなってきていますので、何かお客さんを意識するというような感覚は、いまの審判員にはないと思いますね。 大沢 それはもうジャッジの見方が確立されつつあるってことですね。10-8はどうやって付けるのか、あの試合はなぜドローになるのか……ジャッジ対談はまだまだ続く!!この続きと、朝日昇、アンドレ特番、宮戸優光×中井祐樹、レッスルマニア、安田忠夫、RIZINジャッジ対談などの記事がまとめて読める「15万字・19本の記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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  • CMパンク、おまえはそんなところで何をやってるんだ?■アメプロインディ通信「フリーバーズ」

    2018-04-02 00:00  
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    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマはCMパンク、おまえはそんなところで何をやってるんだ?です!<関連記事>・これはなんだ? レッスルマニアの裏側で「2018年のUWF」開催!!・【#MeToo】マイケル・エルガンはすべてを失ってしまったのか・TOO SWEETじゃなくてTOO DEEP!! 世界一卑猥なハンドサインをご存知?・デスマッチ仁義なき戦いに警察も出動! GCWシュート事件とは何か・カナダの狂乱のハードコア団体『IWS』――人生の栄光と転落・アメリカのデスマッチキングは銀行強盗犯…ニック・ゲイジの最狂人生・知ってるようで知らないアメリカ第3の団体ROH・アメリカ第3の団体ROHを変えた2人の日本人プロレスラーCMパンクのUFC2戦目が、6月9日に米イリノイ州シカゴ「UFC225」になるのではないかと噂されている。シカゴはパンクの地元であり、パンク本人も“それ”を匂わすツイートをしている。出場となれば、2016年9月「UFC203」以来、1年9ヵ月ぶりの試合となる。普段はUFCや格闘技を見ないプロレスファンも、CMパンクのUFC出場というのは、興味をそそられるのではないだろうか。ましてや、インディー時代から見てきたファンたちには、ことさら気になるはずである。
    WWEのトップスターの位置にいながら、格闘技の世界に移ったCMパンク。WWEの頃は、その“歯に衣着せぬ”発言や言動で、注目を浴びることも多かったが、それはWWE以前から変らなかった。そんなCMパンクのインディーの過去をしばし振り返りたいと思う。
    子供の頃から大のプロレスファンだったCMパンクは、10代の頃に兄と一緒にバックヤードレスリングを始めると、絶大な人気を獲得して、地元ではかなり有名な存在となった。しかし、兄が売上金を持ち逃げしたことからバックヤードレスリングの活動は頓挫。兄とはそれ以来、疎遠になっているそうだ。
    その後、エース・スティール(元WWE)のプロレススクールで本格的にプロレスを学び、1999年にプロデビューしたCMパンクは、IWAミッドサウスやROHなどで活躍。サモア・ジョーとの名勝負数え歌やクリス・ヒーロー(現WWE カシアス・オーノ)との長時間試合、レイヴェンとの血の抗争劇やエディ・ゲレロとの対決は、インディーファンには語り草となっている。
    なかでもROHでのサモア・ジョーとの試合(2004年10月16日シカゴ)は、レスリング・オブザーバー誌の5スターマッチに選定されるほどの名勝負となった。
    当時はここ数年のように5スターマッチが多くなかった時代。ROHとしては初の5スターマッチであり、アメリカの団体では1997年のWWEでのアンダーテイカー対ショーン・マイケルズ戦以来だった。
    2005年5月にWWEのトライアウトマッチに合格したパンクは、6月18日のROHでインディーを卒業することになったが、このラストマッチが衝撃的だった。この続きと、朝日昇、アンドレ特番、宮戸優光×中井祐樹、レッスルマニア、安田忠夫、RIZINジャッジ対談などの記事がまとめて読める「15万字・19本の記事詰め合わせセット」はコチラ 
     
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