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  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】仕事を8年やっても芽が出ません。僕は辞めた方がいいですか 第85号

    2014-05-19 07:00  
    216pt
    入社12年で芽が出ない無銘のマサフミです。
    岡田斗司夫講演『悩みのるつぼ〜おたくの息子に悩んでいます〜デジタル世代の恋愛論』の2回目です。

    仕事も新人と呼ばれる期間を過ぎると、成長が止まった気がしますね。その点、植物は成長がはっきりしていていいですね。
    でも植物は一旦芽を出すと、一生その場で暮らさなきゃいけませんからね。
    日陰だろうと日照りだろうと、雨が降ろうと降らなかろうと動けない。

    まだ芽の出ない種のうちだけが、遠くへ行けるタイミングかもしれませんね。
    種は行き先を選ぶことはできないんですけど。

    それではハイライトからどうぞ。


    ************************************

    さて、話題が徐々に恋愛っぽい感じになってきましたね。
     次の質問は……あ、全然、恋愛じゃあない。

    「今の会社に入社してから8年以上たっているのですが、芽が出ません。辞めるべきかで悩んでいます」
     ——はい、はい、はい。


     どうですか?

    (客席にいた男性が答える)
    「いやあ、それはもったいないんじゃないかな?」
     ——もったいないですよね。

     うん。もったいないとは僕も思うんですけども。
     まあ、別の意見もあるかと思いますが。

     何故、もったいないのかっていうと。
     “お父さん”(「もったいない」と答えた男性)の考えていることと、僕とが同じかどうかわかんないんですけども。

     まあ、「8年ぐらいで何がわかるのか!?」ということと。
     あと、「芽が出なくても構わねーじゃねえか!」と。

    (お父さん、頷く)
     ——やっぱそこですよね!

     芽なんか、生涯出なくても別にいいじゃん。
     つまり、「クビになってない限り、お前は必要とされてるんだ!」と。
     「芽が出る、出ないというのは、お前のエゴだよ!」というふうな考え方ですね。

    「芽が出て、自分の才能が発揮されて、周りから喜ばれて、自分の天職だって思えなきゃイヤだなんて、お前、“高校球児”かっ!」
    「甲子園行きたいって言っているのと同じだぞ!?」
    「現実の世界の中で働いているんだから、芽なんか出なくたって、まったく構わねぇじゃないか!」
    「お前の同僚、お前の後輩、お前の上司の中で5人か10人に1人くらい芽が出れば、その会社はうまく行くんだから、それで構わねーじゃねえか!」
     ——って、考えますよね?

    (お父さん、大いに頷く)


     たぶん、その、「天職が〜」とか、「自分に相応しい職業に〜」とか、「自分がやりたい仕事は〜」っていうような幻想が、どっか心の中にひっかかっちゃうと、それがやっぱり“るつぼ化”していくんです。
     悩みになっちゃうんですよね。

     8年間も続けているんだけれども、やっぱりこの仕事は自分に向いているとは思えない。
     いつまでたっても、芽が出ない。ずっと上司に怒られている。

     そうは言っても、毎日そこに仕事に行っていて、ちゃんと給料もらっているからには、自分にはわからないところでちゃんと評価されているわけですよ。
     「お前はこの会社にいてもいいよ」っていうサインが出ているんですけれども。

     でも、そうじゃなくって、自分の中のプライドとか、自分の中の可能性を知りたい気持ちが、「もう一段、もう一段上のものがないか?」というふうに、ずっと探しちゃうんです。
     もちろん、それを探しに動いてもいいんですけれども。

     現実的なことを言うと、入社して8年なんだったら、“偶然”を待った方がいいですよ。
     「入社して8年、ずっと芽が出なくて、ある日、会社が倒産しちゃった」というような偶然が起きた場合なら、考えてもいいんですけども。
     そういう、天の助けというか、運の介在みたいなものがない限り、僕は、このまま続けるのが一番良いと思いますよ。


     「芽が出なければ辞めるべきかで悩んでいます」っていう気持ちがあるんだったらば。
     余計に、後輩で同じようなことを考えて辞めるべきか悩んでいるやつの相談に乗った方が、たぶん、気持ちはスッキリすると思います。
     スッキリするっていうのは、彼自信が辞めるかどうかっていう問題も含めてです。

     別に、「俺も昔、芽が出ないんで辞めようかと思ったから、お前の気持ちがわかるよ。だから一緒に頑張ろう!」なんて言う必要は全くないです。
     純粋に、相談に乗るだけでOKです。
     そしたら、この人の中の「辞めるべきかどうかで悩んでいる」、この“悩んでいる部分”が軽くなるんです。

     たぶん、相変わらず「芽が出ない〜」っていう困った気持ちは、生涯持ち続けることになると思うんですよ。
     「ここは自分がいるべき場所ではない!」とか、「この仕事が天職でない!」みたいな気持ち。この重み自体は、そんなに軽くならないです。

     でも、他人の話を聞いてやって、自分のその時の気持ちっていうのを思い返してみるだけで、なんかね、自分が抱えているものの悩みの部分だけが、スッと軽くなる気がしますので。

     「入社して8年、芽が出なければ辞めるべきかどうか?」っていうふうに悩んでいるのであれば。
     僕は、「その場にとどまって、同じようなことに悩んでいる後輩の相談に乗るべきだ」というふうに考えます。


     不思議な考え方でしょ?
     この“るつぼ的な発想法”の中には、 「自分の問題を解決しようとすると、なかなかシンドいけれど、同じような悩みを抱えている人の話を聞いたり、相談に乗ることで、自分の気持ちが軽くなること」 っていうのがあるんですよ。