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記事 7件
  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】『叛逆の物語』は『ガンダム』と並ぶ92点、呪われし上級編第64号

    2013-12-23 07:00  
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    僕は無銘のマサフミ。ついに残ったのは君一人だね。 岡田斗司夫ゼミ「『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』を金払って観たから言いたいこと言うよ!」から、最後はまどマギ上級編をお届けするよ。 この先、『叛逆の物語』の核心が語られることからは逃れられない。 まさか岡田斗司夫が『機動戦士ガンダム』と並べて評価するほどの作品が生まれるなんて、思いもしなかったよ。 『叛逆の物語』を観ないうちにネタバレを聞いてしまうなんて、一人残った君の願いは叶ったといえるのかい? 『叛逆の物語』の結末がハッピーエンドかアンハッピーエンドか、それは僕にも分からない。 どちらであろうとも全ては僕、いや、君と僕達が語り続けるためのエネルギーになるんだけどね。 もうすぐオオミソカの夜が来る。 さあ、僕と契約をして、『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』を観てよ! ************************************  でね、「ハッピーエンドか、アンハッピーエンドか?」っていうことまで、まとめて話しちゃうんだけども。  ハッピーエンドかアンハッピーエンドかというのに関してはね、いろんな考え方があると思うよ。  俺ね、実はわかんないんだ。  あの、『カリオストロの城』ってさ、ハッピーエンドに見えるかアンハッピーエンドに見えるかって人それぞれだと思う。  で、55歳の、中年を過ぎた、ややもう老年にさしかかったオッサンの俺としては、あれはアンハッピーエンドなんだよ。  ルパンは最後、クラリスに手を出すこともキスすることもなく、「せっかく太陽の世界に出れたんじゃないか」って言って、責任も取らずに「いくらでも俺のこと好きになりなよ、困った時があったら来るかもよ」みたいなことを言って行っちまうんだよな。  つまり、その女の子の中に永遠の刻印を残すことに成功するんだ。  で、「今後、俺以上に好きになる相手というのは出来ないだろう」とわかった状態で、突き放して逃げてしまうので……っていうふうに見えちゃうので、これはアンハッピーエンドだなというふうにも言えると。  でも、そういう恋愛をしたいっていうふうに女の人が思ってたらハッピーエンドかもわかんない。  どっちとも言えるな。   で、『ガンダム』のTV版は、そのガンダムという巨大ロボットの力とか、戦争っていうものの呪いから主人公・アムロが解放されて自由になる話だから、ハッピーエンドであって。  そっから先の『ゼータ』や『ダブルゼータ』っていうのは、1回もハッピーエンドに成功してない。  今に至るまで、ガンダムっていうのは……そのガンダムの力っていうのがどのようなメタファーであろうとも、そっからの解放というのがされてないから。  で、『火垂るの墓』は、主人公のあの兄ちゃんが妹を死なせてしまって、繁栄の20世紀末の神戸を未だ見てるっていう地獄・煉獄の中で、生きることも死ぬことも出来ない。だからアンハッピーエンドっていうふうにも考えられるんだけども。 「節子、お前のことをいつまでも見守っていたい」という意味ではハッピーエンドと言えるかもしれない。  つまり、「カリオストロの城がハッピーエンドだったら、同じようなロジックでハッピーエンドとも言えるんじゃないの?」っていうふうにも思えちゃう。  だから俺、安易にハッピーとアンハッピーとに分類できないんだけどさ。 『風立ちぬ』も、全くその、前のニコ生で話した通りで、俺には火垂るの墓と構造が同じに見えるんだよね。  どちらかというと、宮崎駿が高畑勲に対してアンサーを返したような作品だからさ。なので、最後に主人公が煉獄にいるのも同じなんだけども。  ただ、そこで火垂るの墓と違うのは、火垂るの墓っていうのは「兄ちゃん、もういいの。節子は天国で幸せよーん」とか言って、兄ちゃんは「良かった!」って言って極楽行っちゃう話なんだけどさ。  でも、風立ちぬの主人公の二郎君は、奥さんに「生きて!」って言われても、それにあんまり気づかずにカプローニさんと一緒に酒を飲んでしまうという、もう一回地獄に舞い戻ってしまうというボンクラぶりを示してくれたところで終わる(笑)   つまり、あれはあれで「地獄でも良いんじゃないの?」と。宮崎駿にとっては「こっから先も、この世の中のピラミッド構造の上でアニメ作るんだぞ!」っていう決意宣言でもある。  だから、すごいなんか、「宮崎駿はハッピーなんだろうけれど、アニメとしてはアンハッピーエンドやな」と思ってたな。  じゃあですね、やっと結論部。  まどマギってさ、ハッピーエンドなのかアンハッピーエンドなのかっていうふうに考えるじゃん。   で、ほむらもそうなんだけども、ファンにしても、もう一度まどかと会えると考えて、また『まどマギ』のこと考えて、そしてさらに「この先、また続編の劇場 とかビデオとかTVとかがあるんじゃないのかな?」って期待してしまうという意味では、もう一回、作品に“呪われる”わけだよね。 『機動戦士ガンダム』がガンダムという“力と呪い”からの解放の話であったかのように。  僕らファンにとって『まどマギ』っていうのは、「すごく良いものを見た!」っていう感動という祝福であると同時に、「もっと見たい!」とか、「これを超える感動が現実ではないのか!」とか、「なんでこんなキャラが現実にいないのか!」っていう呪いを必ず受けるんだよ。  ここがこのフィクションの恐ろしいところであってさ。  だから、明治時代の教養人は、青年が小説を読むのを禁止したんだよね。「あんなものを青年のうちに読んじゃいかん!」と言ったぐらいで(笑)  フィクションの恐ろしさっていうのは、それぐらいあるんだけれども。  うーんとね、だからね、今回のまどマギは、僕にしてみればアンハッピーだよね。  また『まどか☆マギカ』を見なきゃいけないし。なんかね、ガンダムを見た後でちゃんとまた見なきゃいけない『ゼータガンダム』みたいなもんだよな。そういうふうに思ってしまうし。  エヴァも同じ構造だよな。   皆さんにとっては、まどか☆マギカはハッピーエンドだったでしょうか? アンハッピーエンドだったでしょうか?  ということで、劇場版まどか☆マギカ上級編を終わりたいと思います。お疲れさまでした。  で、こんなにね、疲れる話になるんだよ(笑)   上級編はね、ゼミだからね。これだっていう結論がなくて、「こう考える、こう考える、こう考える」。そして、「後はみんな、ブログで考えてくれ!」っていう言い方になっちゃうんだけども。
  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】テレビ版『まどか☆マギカ』80点、全話観るしかない中級編第63号

    2013-12-16 07:00  
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    僕は無銘のマサフミ。君にはまた会うことになると思っていたよ。そろそろ『魔法少女まどか☆マギカ』を観る気になったころだと思ってね。 岡田斗司夫ゼミ「『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』を金払って観たから言いたいこと言うよ!」から、まどマギ中級編をお届けするよ。 テレビ版『魔法少女まどか☆マギカ』は、岡田斗司夫が「死んでも観ろ」と80点の高得点をつけた名作だ。 死といっても、ソウルジェムを持っている魔法少女にとっては、普通の人間のように怖がる必要はないことだからね。ぜひ君にも観て欲しいな。 『魔法少女まどか☆マギカ』を観て、君にも一緒に魔女と戦って欲しいんだ。 ************************************  まどマギ中級コースだ。 “中級コース”というのは、「新作の映画を見てなくても大丈夫!」だ。  そろそろネタバレがあります。大丈夫だな? (卓上に「ネタバレなう」と書かれたボードを置く)  まずですね、これは“TV版の正当な続編”だよね。  だから、TV版とか去年の劇場版を見なくて、いきなり新劇場版の『まどマギ』を見ちゃうのはヤバいと思うよ。  まず、僕自身がアニメっていうのをどう見てるのかを伝えるね。  どういう意味かっていうと、これからの話はアニメの見方に関係してくるんだ。   僕はアニメっていうのを“キャラ”じゃなくて“登場人物”として見ている。  どういう意味かって言うと、そのキャラクターが実在している人物だと考えずに、物語を伝えるための、悪い言い方をすれば“ツール”みたいに思っているんだ。  だから、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティンって主人公いるじゃん。あのマーティンっていうのは、実在の人物ではなくマイケル・ジェイフォックスっていう俳優さんがやった登場人物だと思ってる。  なので、ぼくはアニメの中の個々のキャラクター、例えば、“ほむら”とか“まどか”とかに特別な感情移入はしないし、あまりできないんだ。  これは別に昔からそうなんだよね、僕の習性で。  ——という人間が語っているという前提で聞いて欲しい。  だから、さっきの採点もキャラクターに思い入れをしている人は、たぶん、ここに上げた得点プラス15点ぐらいが自動的に加算されるはずだから、その分、割と低いんだと思ってくれればいいと思います。  で、えー、劇場版のまどか☆マギカっていうのは……まだネタバレなしで話すんだけども。  やっぱりね、“論理的なシナリオ”が最大のポイントですね。  テレビ版では戦うべき相手を“魔女”にしてるんだ。  魔女っていうのは、魔法少女の心の中がやがて疲れた時、っていうのかな? 心が濁ったときに進化する存在として捉えている。  これ、何かっていうと、子供向けアニメではまず出来ないことで。   子供が成長して大人になる。その、“大人になること”自体を敵にしているっていうのが、テレビ版まどか☆マギカの根本にある発想法なんだよね。  だから、魔女っ子アニメって成長を否定しないとできないんだよ。 『魔女の宅急便』がなんで魔女っ子アニメにならないのかというと。  魔女の宅急便って主人公のキキが成長して、魔法が使えなくなって。で、あの黒い猫の喋ってる言葉がわからなくなるところで“ハッピーエンド”を迎える。  つまり、成長を肯定してるんだ。  あれが魔女っ子モノにならないのは、魔女っ子モノっていうのは成長を肯定しちゃダメだからなんだよ。永遠に否定しないとダメだよ。  なんでかっていうと、魔女っ子モノにでてくる大人っていうのは、主人公たちと関係のない存在であって、本来“悪”なんだよね。  でも、悪なんだけども、家族だからそうと見せないようにしてるわけだ。  だから、テレビ版の『まどか☆マギカ』ってクライマックスの最終話近くになって、まどかとお母さんとの会話のシーンに、かなり長い時間を割いているんだ。  12話しかないアニメなんだよ?  30分の12話しかないアニメで、あんだけ膨大な分数をとるってことは、作者はものすごくあそこを見せたかったんだ。  そこでなんでお母さんとのやりとりとか、大人同士の会話をいれるのかっていうと。   このアニメっていうのは本当は“成長”の話であって、成長したら魔女になるってのは、子供から見たらその通りなんだけど、大人から見たらそれは当たり前のことであって。  でも、子供の世界、夢見る世界が壊れるっていうふうなことを子供たちは怖がっている。  ——という、複雑な構造をしてたのが、テレビ版なんだけども。  新劇場版の戦うべき敵ってのは、テレビ版の成長の物語よりもさらにトリッキーなんだよ(笑)  ものすごく複雑なことをしてるんだけども、「軌跡のように論理的な」っていうのかな? 上手くハメ込んである脚本で、それを作り上げてます。 「全然話がわからない」(コメント)  すまんな(笑)
  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】『魔法少女まどか☆マギカ』とりあえず3話までの初級編第62号

    2013-12-09 07:00  
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    やあ、僕の名前は無銘のマサフミ。岡田斗司夫ゼミ「『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』を金払って観たから言いたいこと言うよ!」から、今回はまどマギ初級編をお届けするよ。 どういうわけか、君は既に僕のことを知っているようだね。 それはきっと君の能力に関係があるんだろう。 君の存在は、僕にとっても予測がつかないイレギュラーだからね。 何を言っているのか分からないのかい?君はまだ『魔法少女まどか☆マギカ』を見ていないんだね。 まずは岡田斗司夫の言うことを聞いて、テレビ版の3話まで一緒についていくといい。 そこで実際の魔法少女の戦いを見てから、続きを観るかどうか決めるといいよ。 君にも『魔法少女まどか☆マギカ』のシナリオとビジュアルを楽しんで欲しいな。 ************************************  で、特徴はですね、まあ、2つありますね。   1つはですね、“めちゃくちゃ論理的なシナリオ”です。  色んなアニメを僕も見てるんですけども、まどかマギカのシナリオの論理性は、ちょっと桁外れですね。  本来だったら魔女っ子ものとして、当たり前に流れてくるような“お約束”っていうのがあるんですね。 「なんで魔法が使えるか?」とかですね、「魔法を使ったらこの世界どうなるのか?」っていうことに対しても、やたら辻褄が合ってるんですよね。  で、「こういう辻褄を合わせた作品は後半に暗くなる」というのは、もう決まってるんですね。  なんでしょうね?  設定って、辻褄が合えば合うほど、“現実との差”が出てきちゃうんですよ。  つまり、便利なアイテム……ハリーポッターみたいな魔法でもなんでもいいですし、チョーカーでもいいんですけど。  それが便利であればある程、「なんでこの世界、僕らの現実世界はそうでないのか?」っていうのとの間に矛盾が発生して、後半、その魔法によって苦しむ人達とか出てくるという。  もうこれ、定番の展開があるんですね。  <中略>  テレビ版のまどマギの世界でも、戦うべき魔女というのの設定がですね、すごく切なくて、説得力があるようになっています。  これもシナリオの論理性の力ですね。   で、もう一つの特徴はですね、“ヘンテコな美術”です。  まどマギの世界観っていうのを決定してる、例えば魔女のデザインも変なんですけども、街並みのデザインとかですね、街灯とか、色んなものですね―― 「イヌカレーwww」(コメント)  今これ「劇団犬カレー」って書いてるんですけども。 “劇団犬カレー”っていうのは魔女の設定とかをやってるユニットなんですけど。  それだけでなくて、学校の中の教室の机とかですね、あと「壁が全てガラス張りである」とかですね、そこら辺の独特の世界観があるんですね。  で、これがすごい上手い。  僕はこれを、現代アートよりずっとアートしてると思います。  なので、本職のアート作家は、「ものすごく褒める」か「過剰に嫉妬して無視する」かのどっちかなのが、僕、見ててもうすごく愉快です。  だから、「ああ、まどマギを現代アート作家に語らせると、いつも面白いなあ」って思うんですけども。 「ビルが世界の高層ビルコレクションだし」(コメント)  まあ、そうなんですよね。   で、正しい鑑賞法・その1。  テレビ版のまどマギの正しい鑑賞法は、とりあえずDVDで見ましょう。  それも一気に見ましょう。  少なくとも、1話から3話、まあ、ギリギリ4話かな?  まぁ1話から3話まで見る時間ですね。つまり、60分から70分は時間を空けて。  まあ、オープニングとエンディングはね、最初だけ見ればいいです。その後、いちいちあんなの見なくていいですから。 「あんなの」っていうのは変ですけど、ストーリー上、別に意味がないのでですね(笑)  1話から3話まで、まとめて見て下さい。まとめて見ると面白さがわかります。  で、まあ、スマホの画面よりは、少なくとも20インチ以上のテレビをおすすめします。  それぐらい、ビジュアルには凝った作品ですのでね。   で、もう一つは、  鑑賞法・その1は「1話から最低3話まで一気にDVDで見る」ですけども。  二つ目はですね、「魔女っ子とか“萌えアニメ”とあんまり意識しない方が楽しい」です。  そういう意味では、実は正直、あの絵柄は邪魔です。  可愛いすぎるというかですね、無意味に萌え萌えしすぎてて、そのフィルターで、なかなかわかりにくくなってるんですね。  で、「それが好きだから見る」っていう人もいるんですけど、おそらくそれ以上に、「あれは嫌だ」っていって排除しているのが勿体無いのでですね。  あんまり魔女っ子もの・萌えアニメというふうに考えずに、「何かヘンテコなアニメを2011年にやったらしいぞ」、「じゃあ、もう、一気に借りて見てみるか」というふうな感じで、見てみて下さい。   で、あとですね、三つ目の鑑賞ポイントはですね、「マスコットキャラが憎らしくて良い」です。  今、これテレビ版を見てない人のために言ってますけども、“キュゥべえ”という可愛い狐のような猫のような生物が出てきて。  これがマスコット的に色々喋るんですよ。 「まどか、それは○○だよ」とか言ってくれるんですね。はい。   でも、コイツはアニメの歴史の史上に残るぐらいですね、良いキャラなんですよ(笑) 「うなぎ犬」(コメント)  まあ、「うなぎ犬」って書いてあるんですけどね。   そう、みんな意味がわからないと言いながら、「あれはねじ切りたくなる」って書いてあるんですけど。  ねじ切りたくなるぐらいですね。 はい。
  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】岡田斗司夫の予想は当たったのか?もう一つの『叛逆の物語』第61号

    2013-12-02 07:00  
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    やあ、また会ったね。僕は無銘のマサフミ。『魔法少女まどか☆マギカ』を観る決心はついたかい? 『岡田斗司夫の「まどか☆マギカ劇場版」を金払って観たから言いたいこと言うよ!』後編をお届けするよ。 劇場版『叛逆の物語』が生まれたことは知っているよね? この続編について、かつて岡田斗司夫が予想した仮説は興味深いね。あり得たかもしれない可能性の一つといったところかな。 実際の『叛逆の物語』では、岡田斗司夫の願いは叶えられたのか。それは自分の目で確かめてくるといい。 君たちの願いが奇跡を呼んで、さらなる続編が生まれることを期待させてもらうよ。 ************************************  じゃあ、なんで僕らはアニメを見ちゃうんだろうか?  なんで僕らは年端もいかない女の子に自分たちを仮託して、同じことをさせるんだろうか?  僕らが見てるものって、基本、同じじゃん。 『まどか☆マギカ』は、すごく出来が良かったんだけど、それ以外の作品もいっぱいあるよね。  僕らはアニメの中の女の子たちに自分たちの夢を乗せて、希望を語らせたり、絶望と戦わせたり、血を流させたりする。  で、それを安全圏で、家でテレビとして見てるわけじゃん。この構造自体は変わらないわけだ。  アニメのキャラが本当に感じる勇気とか感動っていうものを、端から見たら無感動に見える僕らは、「ああ、すげーなあ」と言いながらアニメを見て。  そして、元のアニメのような恋愛や感動のない人生を生きてるわけだよ。  つまり、インキュベーターたちが派遣された宇宙の超文明と魔法少女の世界っていうのは、アニメの中で語られる熱い世界と、僕らが居る寒い世界と対比で出来ていると。 「その対比に踏み込んでくるんじゃないかな?」って思ってんだ。  ここに踏み込んだら、エヴァと全く違う感動の方に持っていけると思ってんだけどね。  なんかその辺が、俺が新作に期待してる所だよな。 『まどか☆マギカ』って、明らかに作り手がさ、「なんでアニメ作るのか?」とか。 「なんで自分たちは嘘の感動や、嘘の魔法や、嘘のこの世のには存在しない美少女を使って、俺たちと同じようなおじさん達・お兄さん達を感動させるんだ?」とか。 「俺たちの感動は、少女の悲劇や犠牲でないと成り立たないのか?」と、考えて作っている作品なんだ。  アニメの中では、まるで「この世界の不条理が~」って言ってるから、俺らは安心して見てるんだけど。 でもそれは、言い換えれば、 アニメの作り手からすれば、自分の子供みたいに思って愛しているキャラクターっていうのを使い捨てにして、殺して視聴者の関心を買うことになるわけじゃん。  喜ばせることになるわけじゃん。  見てる人間を感動させることになるわけじゃん。  それは、悪魔との取引とも思えるし、自分たちが“インキュベーター”になった気もしちゃうんだよ。   そんなこと考えてないクリエイターはいないよ。  絶対にあらゆるアニメの作り手は、この問題にいつかたどり着いてしまうんだ。  そして、たどり着いたその時にどんな回答を作るのかで、やっぱ、作り手の“人間の器”みたいのが問われるんだよな。  結局、“富野さん”も、『ガンダム』から『ゼータ』の辺りでそこに行きそうになったから、『ダブルゼータ』で、「いかん、いかん」って大方向転換したわけだ。 「俺は大衆作家で、テレビで夕方5時にやってるアニメやりたいから、ここの方向やっちゃいかんのだ!」ってなるし。  庵野くんは庵野くんで、「エヴァっていうのはそういう作品を書くもんじゃない」と。  たぶんね、最初の劇場版を作った時にやった“観客席を写す”っていうのは、「お前らはなんなんだ?」って問いかけをすることで、そういうことをやろうとしてるんだけど。   でも、今のエヴァはそうじゃないんだよ。  今のエヴァは、やっぱりその、良い作品、後世に残る作品っていうのをやろうとしてる。  でも、『まどか☆マギカ』のスタッフは、まだ後世に良い作品を残さなくていい年齢だから、あともう一息、暴れるんじゃないかと思ってんだけどな。
  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】僕と契約して『魔法少女まどか☆マギカ』を観てよ!第60号

    2013-11-25 07:00  
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    僕の名前は無銘のマサフミ。面白い話を聞きたくないかい? 2012年10月の『岡田斗司夫の「まどか☆マギカ劇場版」を金払って観たから言いたいこと言うよ!』から前編をお届けするよ。 でもこの話を楽しむためには、『魔法少女まどか☆マギカ』のテレビ版を観るか、劇場版『始まりの物語』『永遠の物語』の2作品を観るか、そのどちらかが必要になるんだ。 今なら劇場公開中の『叛逆の物語』も続けて楽しめるようになるからね。急いだほうがいい。 岡田斗司夫の目頭も熱くさせた、可愛らしくて健気な少女が魔女に立ち向かう、愛と勇気の物語。 だから僕と契約して、『魔法少女まどか☆マギカ』を観てよ! ************************************ 映画館からこっちに来る時に、うちのメンバーで、映像の監督を本職でやっている“監督のヒロキ”っていうやつと話してたんだよ。 「まどマギは“芝居場”を作って、そこでセリフで語ってる」って話をね。   芝居場っていうのは何かっていうと、キャラクターがものすごくイイコトを言いそうな瞬間の事なんだよな。  で、『まどか☆マギカ』って、それを作るのがすごく上手いんだけども。  でも、その芝居場を作った時に、必ず“引き”の絵、ロングの絵になって、デザインっぽい処理をするんだよ。  で、「それは、ちょい逃げだよね」って話をしていたんだ。 「エヴァはその辺、正々堂々としてる」っていうか(笑)  まどか☆マギカが“テレビアニメっぽい”のに比べて、『エヴァンゲリオン』って“アニメ映画っぽい”っていうのかな?  映像で語ろうとしちゃうんだ。  だから、セリフが芝居場のクライマックスに来ずに、芝居を映像で魅せようとしているんだけども。  対して、 まどか☆マギカはセリフで魅せようとしている。  これは映画を作ろうとしている人間からすると逃げとも言えるんだけども。  その代わり、どんな良い事があるかと言うと、ものを作る人間から伝えようとする時の“確実度”が格段に違うんだよ。  エヴァって解釈の幅があるじゃん。  あれ、なんでかっていうと、作っている人間が本当は何が言いたいのかよく分かんないから。  アスカとかレイとかシンジが言っているのは、それぞれのキャラクターが思い込んでいるセリフを言っているだけで。  だから、それを見ている俺らは、頭の中で映像と総合して、作り手が何を言おうとしているのかというのを“作らなきゃ”いけないんだけども。 『まどか☆マギカ』はポイントポイントで、まあ丁寧にセリフでドーンと言ってくれるんだ。  だから、ブレがないので、まどか☆マギカは泣けるんだよ。  ここが最大の差な。  エヴァって泣けないんだよな。  エヴァを見て泣いている人も多いんだけども、泣いている人は泣いている理由がちゃんと言えないんだよ。  でも、まどか☆マギカの泣ける理由っていうのは、泣いている理由がキチンと言えるんだよ。  で、それは『おおかみこどもの雨と雪』と同じで、俺はあまり好きじゃないんだよな。 「映画なんだからもっと意味不明に、泣かせるんだったら意味不明の泣かせ方をしろよ!」って思うんだけども。  そうやればやるほど、なんかね、伝わんなくなっちゃうんだよね。「この映画がなんなのか」ってことが(笑) 「芸術と娯楽」(コメント)  っていうふうに、今、コメントでフォローしてくれいる人がいたんだけども。 『エヴァンゲリオン』が“芸術”の方に寄っちゃった作品だとすれば、たぶん、劇場版はね、更に芸術に寄ってって、更に泣けない話になっていく。  だから、エヴァって見たらショックを受ける映画なんだよ。   で、『まどか☆マギカ』って、「実にいい涙を流せる!」っていうふうになっちゃって。  その分、泣きたい人にはすごい良いよね。  俺みたいに、そういう事情を知ってて、こんな感想を持っている人間ですら、今日、劇場版を見て、不覚にも3回ぐらい目頭が熱くなって。 「いかんいかんいかん!」、「いい加減にしろ、俺!」とか思って。  必死で抑えてたんだよ(笑) 「泣いた?」(コメント)  泣いたんじゃない! “目頭が熱くなっただけ”だよ!  風邪だからかもわかんねえじゃん。 「年取ると涙腺が」(コメント)  って、失礼な。
  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】まど☆マギお金事情 鈴木敏夫もプール付きの家に住んでない 第8号

    2012-11-12 12:00  
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    先日、ニコニコの口車にまんまと乗っかり話題の映画「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[後編]永遠の物語」を視聴するはめになった岡田斗司夫氏。 風邪気味の体に鞭を打ちながら観た「まどか☆マギカ劇場版」に岡田氏は何を思ったのか?何を感じたのか?
    というわけで、 10月22日(月)放送『岡田斗司夫の「まどか☆マギカ劇場版」を金払って観たから言いたいこと言うよ!』 から、運営S田(助田)がおすすめするハイライトを紹介します。
    都内某所の劇場からスタジオに到着した岡田氏の口から開口一番飛び出した話題は「劇場版アニメビジネス」についてでした……。
    岡田:最初に劇場版の感想から言います。 面白いよ。当たり前だけど。 それはなぜかというとテレビとまったく同じだから。 (「違 うよ」というコメントを見て)ちょっと違う? そのちょっとなんて、もうね、限定品でここの色が違いますよくらいの差なんだよ。もう俺くらいの年齢になっ たら、「ここ、これがちょっと違いますよね」と言われてもかげんにせえというようなもんで、最後に1分くらいする新作の予告編が付いてくるわけだけど、そ れを観に行くようなもんかなとも思ったんだけど……。 まあ、全話まとめてでかいスクリーンで観るのはいいよね。 (「新作の資金稼ぎか」というコメントを観て)……いやいや、違うんだよ。 あのね、 劇場で「まどか」の新作を作ろうと思ったら「テレビ版の再編集を劇場でやるしかない」っていう、まずこの仕組みから説明しようか 。
    資金集めとかじゃない。資金的にはね、うーん……、プリントって言うんだけど、映画用の35ミリフィルムを作って、全国の劇場に配って、宣伝費掛けて、今日くらいの(客の)入りだったら、多分プラスマイナスでとんとんだと思うんだよね。
    (「グッズで稼いでるだろ」というコメントを見て) ……うーん、グッズで稼いでいても、そんなに稼げるもんじゃない。あの、ガンダム劇場版って(コメントを)書いている人いるけど、それもそうなんだよ。 つまり、なんでアニメって劇場版つくるのが大変なのかっていうと、日テレが押している……例えば、細田(守)監督とか、ジブリ作品だったら、いきなり劇場でかけられるんだよ。それはなぜかっていうと、宣伝費が掛かんないからだよな、宣伝費が。 日本テレビが、自社のタイアップ枠ってやつで、バンバンバンバンやってくれるからほぼ無料で(宣伝が)出来るんだ。 宣 伝費が実は映画の制作費で一番大きいんだよ。一番大きいというか、いくらでも掛かっちゃうもんだから。だからアニメ自体は2時間のアニメだったら、正直5 億円とか6億円くらいしか掛かんなくて、それ以上の予算をどうやって掛けるの?って話なんだけども、それをどうやってリクープ(回収)するのか、何が難し いかっていうと、宣伝費で簡単に10億円くらいいっちゃって、総予算15億円くらいになっちゃうんだよな。
    で、「まどか☆マギカ」の場合は総集編ということで前編後編を劇場でかけたじゃん。 そうしたら、これが儲かろうが儲かるまいが実はどっちでも良いんだ。それよりも劇場にちゃんと人が来るというふうに、興行筋っていうのかな、映画館ビジネスやっている人たちに実績が残せたって事がすごい大事なの。そうすると新作の映画作ってもいいよって話になるんだよ。 その実績がないと、僕らファンがいくら「まどか☆マギカ」が面白いって言っていても、テレビシリーズで視聴率をそんなに獲れたわけじゃないじゃん、正直。 DVDもめちゃくちゃ売れた訳じゃないんだよ。そうなると他の劇場の作品って、正直こんな話したくないけどさ、アニメって格がいわゆる劇場の映画に比べて3つくらい下なんだよ。有名な俳優さんが出ているわけでもないし。
    なんだろうな、アニメのプロデューサーで良い生活している人いないじゃん。こんなこと言うのはなんだけど、 鈴木敏夫ですらプール付きの家には住んでいない 。 でも実写の映画だったら業界の上の方に食い込んでいるとか、テレビ局の上の方に食い込んでいるとか、そういうのは一杯あってさ。だから作っている映画がつ まんなくても、宣伝は簡単に出来たりする。吉永小百合が出るといったら、それだけで日本中のテレビ局が一応宣伝番組を作ってくれんだよな、無料で。
    ジブリがさ、声優をあんまり使わないのにも理由があって、声優を普通の俳優さんというかアイドル系のタレントも含めてやっちゃうと、そしたらワイドショーでそのタレントさん呼んでくれるじゃん。 その時に新作映画の告知ですってやってくれるから、あれで何億円もお金使わなくて済むんだよな。だからジブリ鈴木敏夫のやり方ってすごくクレバーではある。 でも「まどか☆マギカ」さ、それをやってないじゃん。声優に詳しくない俺がスタッフリストを見たら、聞いた事もない名前がダーッと出てくるんだよ。 あ、 まどかの声ってこの人なのー、ほむらの声ってこの人なのーって、聞いた事もねえなっていう。普通のおじさんが見たら、そう思うような名前ばっかり出てく る。あれやらなきゃ、ほんと言えば、もっと宣伝費は助かるんだよね。で、制作者側としてはそんなことやりたくなかったので、ちゃんと作りたい。 じゃあ、 テレビ版の再編集だけでも人が入りますって証拠を見せたかった、見せなきゃいけなかったんだろうな 。 そういうわけで、劇場版というのはテレビの再編集になっちゃった。そう思うわけです。
    ちなみに、劇場版の出来としては、あの……出来というのは「ナイ」な。 テ レビ(版を)くっ付けただけだからで。で、だけじゃないよ、準新作だ!と言う人もいるかもしれないけど、俺にはあんまり見分けがつかなかったし、歌も付い ているんだけど、歌もどうでもいいよな。俺はもう、エンディングの歌を飛ばして、早いところ予告編を見せてと思っちゃったから。 (コメントより)「ファンなら行くべきですかね」いや、ファンならそりゃ行くべきだろうけども、それ言い出すとなんでもそうだから。 まああの、なんにでも僕たちはお布施を払わなきゃいけないし、それが果たして意味があるのかどうかって言うのは、30歳越えた時、40歳越えた時に振り返って、あれはやっぱり良かったなっていうのと同じであって。 「まどか☆マギカ」に行って「総集編じゃん、騙された!」って思うのは、やっぱり付き合っていた女の子のそんな所を見て、お前そんな女だと思わなかったー!っていうのと同じでさ 。「でも、好き」っていうのがあるからこそ 「俺たちはそんな女だと思わなかったー!」って言う訳だからさ、まぁいいと思うんだけどね。
     
  • 【岡田斗司夫のブロマガ号外】「まどか☆マギカ劇場版」を金払って観たから言いたいこと言うよ!

    2012-10-22 07:00  
    岡田斗司夫のブロマガチャンネルでは 「まどか☆マギカ劇場版」を金払って観たから言いたいこと言うよ! 放送決定!
    「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ」(後編)鑑賞直後ホカホカの岡田斗司夫が語る!好き勝手に語る。そんな岡田斗司夫のブロマガチャンネル特番を放送します。
    現在集まっている質問メールをご紹介すると ・とりあえず、100点満点で何点ですか? ・総集編らしいけどそのあたりどうなの? ・岡田さんの期待していたまど☆マギに会えた? ・そもそもTV番組の映画化ってどうなの?
    話題の映画「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[後編]永遠の物語」。この作品を、岡田斗司夫が都内某映画館で鑑賞。そして鑑賞直後、速攻でドワンゴ社屋へタクシー移動、視聴直後のホカホカ状態で、まどか☆マギカ劇場版を斬りまくります。