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【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】 手抜きなしの密度感が魅力!『アオイホノオ』のラストとは? 第91号

祝!『アオイホノオ』ドラマ化記念 http://www.tv-tokyo.co.jp/official/aoihonoo/  皆さんは、もう『アオイホノオ』は読みましたか? 作中のイタイ青春談に自分の心も痛くなる前田宏樹です。   いよいよ最終回になりました『島本和彦×岡田斗司夫対談「アオイホノオの真実」』の第4回をお送りします。少し気が早いですが、『アオイホノオ』のラストは一体どうなるんでしょう? 『吠えろ!ペン』とはリンクするのか? 気になることだらけの、主人公・焔燃の熱くて、ちょっとイタイ青春ストーリーもこれを読めば、もう大丈夫。ドラマの予習だってバッチリですよ!  それでは、ハイライトをどうぞ!   ************************************ <岡田>  会場の方で、是非とも、「これを島本先生に聞いてみたい」という方いらっしゃいますか? ――じゃ、そこに1人いらっしゃいます。 <質問者>  どうも、おつかれさまでした。  質問なんですけど、『アオイホノオ』が最終回を迎えたあと、炎尾燃の『吼えろ!ペン』に行くまでの間は、どうなるんですか? <島本>  あの物語とは、全然違う話だよ。 『アオイホノオ』の連載始まる時に「炎尾燃の若い頃を描いてくれ」って言われたの。 ――だけど、ああいう風になっちゃたの(笑)。 「炎尾燃の若い頃なんか別におもしろくもなんともないな」と思ったんだけど、 「80年代のことを教えてくれ」ってスタッフから言われて、 「あ、80年代って、そう言えば皆知らないな」と思って。それを描こうと思ったのね。 <質問者>  じゃあ、炎尾燃って名前は使ってるけど、やっぱり違うサーガ(物語)というか、空間となんでしょうか? <島本>  違う空間だけど――、分かんない。  やっているうちに、もしかしたら、「繋がるぞ、これ?」ってなるかもしれない。 <岡田>  星野鉄朗(『銀河鉄道999』)と『宇宙戦艦ヤマト』が出会うみたいなもんですね(笑)。 <島本>  松本零士の『男おいどん』ってあるじゃない?  その最終回って、おいどんが、「出かけてきますんどー!」って、言って下宿から出ていって、終わるの。  あのあと、『男おいどん』が漫画家として大成してるんだよね。 『アオイホノオ』は「これかな」と思っているの。 <岡田>  そうなんですか?  でも、松本零士が後に語っていたのでは、2週間ぐらい旅行行ってただけなんでしょ? <島本>  聞きたくなぁーい! <岡田>  あはは。そしたら、えらいウケたから、それっきりにしてるけど、 「彼はすぐ帰って来てますよ」って。 <島本>  嫌な話だそれ……。それは違うよ……。 <岡田>  あはは。俺も違うと思いますよ。 <島本>  漫画家ってネームを描く時に、”今日描く”のと、”明日描く”のとでは、違うストーリーを考えちゃうの! その時、良いと思ったもの描くから!  インタビューをされて答える時、「そうだ」と思って、「ネーム描け」って言われたら、そういうの描くかもしれないけど。次の日にインタビューして、ネームを描かせたら、違うのを描くと思う。で、描いちゃったら、自分でそれは受け止めなきゃいけないから(笑)。 <岡田>  なぜ、司馬遼太郎が書くと『竜馬がゆく』になって、島本和彦が描くと『アオイホノオ』なっちゃうんでしょうね?(笑)。 <島本>  でも、ちゃんと私のカラーが出る作品になってるじゃない?  『アオイホノオ』描いたあとで、『吼えろ!ペン』を読むと、読めないんだよ! 暑苦しくて! <岡田> 『アオイホノオ』をすごく好きなのは、それまでの島本和彦漫画って、時々、大きくコマの絵で勝負するじゃないですか? ――あれって、絵を描かない人間には割としんどいんですよ <島本>  そうですか? <岡田>  はい。大きいコマって、見開きでで描くのはすごい力がいるそうなんですけども――、読む方は一瞬でしょ?  大きいコマを見れば見るほど、「手を抜きやがって」って思うんですよ。  ところが、『アオイホノオ』の大きなコマの全てに、”これを描くリスク”とか、”人の漫画をなぞる”とか、いろんなものがあるからナンボでも見どころがあって――、密度感がすごいんですよ。 <島本>  それは良かった。密度がやっぱりあるかな……。 ――薄くしてんだけどね。ああ、逆なんだ……。 <岡田>  これ以上、『アオイホノオ』を濃くしちゃだめ(笑)。  今月号の『銀河鉄道999』の作画解説は、やり過ぎてた(笑)。

【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】 手抜きなしの密度感が魅力!『アオイホノオ』のラストとは? 第91号
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岡田斗司夫

作家、評論家 1958年、大阪生まれ。株式会社オタキング代表。FREEex主宰。常に時代の先を読み、ユニークな創造をし続けるクリエイター。アニメ・ゲーム制作会社ガイナックスを創業、社長時にはアニメ『王立宇宙軍オネアミスの翼』『ふしぎの海のナディア』、ゲーム『プリンセス・メーカー』などを手がけ、ブームを巻き起こした。その後、東京大学非常勤講師に就任。作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を越え、人々は尊敬の意味をこめてオタクの神様「オタキング」と呼ぶ。

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