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  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】無料でも仕事を受けようなんて、ニートのくせに生意気だぞ第31号

    2013-05-06 07:00  
    216pt
    年齢が上限を超えてしまい、ニートの資格を失った無銘のマサフミです。
    今回はニコ生ゼミ3月号から前半部分の模様をお届けします。
    無料で働くデザイナーを募集した大阪市天王寺区と、そのことに危機感を覚えたプロデザイナーの話題から、これからの仕事のありかたについてニコ生のコメントの皆様と一緒に考えていきましょう。
    誰にだってお金を払ってだってやる趣味や特技があります。ニートだって面白いこと楽しいこと好きなことならやりますよね。そしてどんなプロでも無料で働く人が大勢現れたら敵わない。
    面白くて楽しくて好きな仕事。そんな仕事はみんなニートのものになるんじゃないの?
    それではまずはハイライトからどうぞ。
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    で、天王寺区もたぶん思想があってやったわけではないと。これ、俺は全く知識なくて言ってるんですけども。
     これまでの区役所とかの仕組みから考えて、たぶんそんな大きい思想的なものがあったんではなくて 「これからは別に無料でやってもいいんじゃないのか?」とか「市民の方にボランティアでやってもらってもいいんじゃないのか? そのほうが、予算が使わないほうが、結局、天王寺区の区政としてもいいし。大阪の市の市政としてもいいし。」というふうなことで決まったんだと思うんですけども。
     それが大揉めに揉めて、結局プロのデザイナーの人たちが「プロの仕事を舐めるなっ!」というふうに言ってきたわけですよね。
     プロの仕事を舐めるな、というのは何かというと。天王寺区のこの募集というのは「プロでもアマチュアでもそんなの気にしないよ。タダで仕事してくれりゃあ誰でもいいよ!」って宣言したも同然なんですね。
     だから、プロの人にしてみれば「ちょっと待てよ」と。「俺たちのプロの仕事っていうのはそういうふうに見てたの?」と。「そうじゃなくて俺たちが金取るっていうのはそれだけのクオリティとか、納期とか、あとそのあとのアフターフォロー、リテイクに対する対応とかをちゃんとするということだろう」と。
     だから、「なのにタダだったら何でもいいかい!?」というふうに言ったわけですよ。
     で、これ、ホント言えば公聴会を開いて、できればニコ生か何かで討論会やったらとてつもなくおもしろい結論が出たと思うんですけども(笑)
    “とてつもないおもしろい結論”っていうのは「正直言えばその通りです!」と。「プロとかそんなの関係ありません。ただ単にタダがいいんです!」っていう正直な話が出ちゃったとい思うんですけども。
     さっきも言ったように、これのポイントは、たぶん、この募集自体が天王寺区の担当者1人腹で決まったことで、そいつには大して思想もないんですよね。だから三鷹市の水道局が「三鷹はエヴァでなければいけない!」って強く思ったんではなくて、ただ単に担当者の趣味でエヴァにしたのと全く同じで、天王寺区のやつは単に趣味で「安けりゃいいだろう?」と思ってタダにしちゃったわけですよね。
     そしたら、大揉めに揉めた。だから「揉めた」という理由だけで撤回しちゃったわけですよね。
    「タダで仕事するなんて慣習を定着されちゃたまらんな」
    「プロの無駄なあがきだよなぁ」(コメント)
     すごいね、もう2つ完全に対立した意見が出て来る。
    「タダで仕事というのを定着されちゃたまらん!」という人もいるんですけども、タダで仕事をするということを定着させたほうがあらゆるもののコストが下がるわけですよね。でも、あらゆるもののコストが下がれば僕たちの仕事とか雇用もいずれ失われていくわけですよね。
     だから、天王寺区の「デザイナー問題」っていうのは、逆に言えば、僕らの友達とか親戚が誰がいつ失業するのかわからない問題にもつながってるし、逆に言えば、今の僕らが金を払ってやってもらってることの何がこっから先タダでやってもらえるようになるのかわかんないっていう話にもなるわけです。
    「オールニートワールド」(コメント)
     すべてがニートになってしまう世界(笑)
    「有料無料関係なく審査して選べば問題なさそう」(コメント)
     うーんと、それが困るは困るんですよ。
     これ、困ると言っちゃえば、それは結局「ギルドを作れ!」という話になっちゃうわけですよね。つまり、プロはプロでギルドを作って、「せっかく天王寺区とか市町村とか県とかに食い込んでるんだから、それの権利を放さないほうがいいよ!」っていう、権利を守る話になっちゃうんですけども。
     すべてを解放すると、それは……世界中から日本中から絵を集めたら、素人の方がいいに決まってるんですよ。言いにくい話ですけども。
     よっぽどか特殊なものは別だと思うんですよ。
     例えば曲を作るとか、それを歌うとかになってくると、まだプロの方が上かなと思うんですけども。
     でもほら、「いきなりそこらへんのおばちゃんに歌を歌わせたらすげえうまかった」っていうのがイギリスであったじゃないですか。
     ごめんね、俺知識ないからこういうザックリした説明になっちゃうんだけども(笑)
     たかだか1000人とか1万人対プロだったらプロが絶対勝つと思うんですけども。でも、100万人の素人対プロだったらプロに勝ち目ないんですよ。
     力道山っていうプロレスラーが昔いて、そいつ「世界一強い!」とか本人も言ってて、日本中も「力道山強い!」って言ってたんですけども。
     結局、死んじゃったのは……彼、死んじゃったんです。何で死んじゃったかっていうと、飲み屋でチンピラに喧嘩売られて、そのときにナイフで刺されて「平気だよ平気だよ」って言って治療が遅れて死んじゃったんですよね。で、これがやっぱり世界中の格闘家にショックを与えたんですよね。日本の格闘家も。
     っていうのは、いかに格闘家が地上最強とはいえ、年がら年中「お前強いんだろ? じゃあ俺がやってやるよ!」みたいな感じで素人に喧嘩売られると……素人に喧嘩売られても絶対勝つんですよ。プロの格闘家は。でもそれを四六時中、24時間あらゆるタイミングでやられたら絶対に負けるんですよ、いずれ。
     例えば“言論のプロ”みたいな人いるじゃないですか。「絶対に喧嘩に勝つ」みたいな人とかいるんですけども、そういうふうな人でも24時間1億人を相手にはできないんですよね。そんなことやったら負けちゃうんですよ。
     なので、大阪のそのデザイナーの件っていうのは、僕が思うに、これ一件目だからまだ大揉めに揉めてそれ廃案になったと。たぶんこれでしばらくは大阪市天王寺区みたいに「タダで仕事やってくれ」みたいなものは減るというか少なくなるかもわからないですけども。
     だけど、「言い方さえ気をつければ大丈夫だ!」とか「アマチュアにチャンスをあげるので今回プロの方はエントリーご遠慮願います!」みたいな言い方をしたらたぶんOKだ、っていうのが段々わかってくると思います。
      そうなると、どんどん僕らの世界では“仕事”っていうのが少なくなってきて、もしくは仕事はあるんだけども無料の仕事、無料なんだけども評価だけは得られる仕事というふうなものに近づいてきちゃうんだろうなあというふうに思いました。
    「いついかなる時でも誰の挑戦でも受ける」(コメント)
     そうですね、アントニオ猪木は「いついかなる時でも誰の挑戦でも受ける!」って言ったんですけども、「それはちゃんとファイトマネーを積んで、リングを用意して、何月何日って設定してね」っていうふうなことをちゃんと忘れなかったんですね。みんな本当に力道山の教訓があるもんだから(笑)
     どこでもかしこでも喧嘩してはいけないと。マス大山も『空手バカ一代』の中で言ってますからね、「そんな無茶やっちゃ駄目だ」っていうふうに(笑)。気をつけてください。