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  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】岡田「俺はいいひとじゃない」書籍制作秘話を全公開!第16号

    2013-01-14 07:00  
    220pt
    今回は『「いいひと」戦略』制作の裏側を公開します。
    本書はマガジンハウスで行われた講演がベースになっているのですが、書籍にするには数万字ほど足りませんでした。そこでライターである私・批評のヒロユキ(竹内寛之)と書籍リーダーであるマクガイヤーのリュウタロウとで、夜な夜な打ち合わせしていたのですが、一向に埒が明きませんでした。かくして、東京某所に岡田とFREEexメンバー、そして担当編集者の天田さんをお呼びし、編集会議を行うことにしました。
    編集会議では、ホリエモンや橋下市長のキャラクター上場の話、そして岡田の「俺はいいひとじゃない」という本の根幹を揺るがすような発言まで飛び出しました。いいひと戦略の有用性を語る岡田自身がそんなことでいいんでしょうか?(実は、いいんです) 
    また、もともと公開する予定のなかった会議なので、単行本には載せられなかったネタまで出てきます。ここまで内輪話を明かしちゃっていいのかなぁ……。妙に心がざわついているのですが、今回もど〜んと公開しちゃいます。
    それではハイライトからどうぞ。
    ************************************
    リュウタロウ:キャラクター上場の実例として岡田斗司夫を出すとして、ガイナックスを退社してから作家デビューしたときは、上場にはまだ届いてなかったんですか?
    岡田:本来ならガイナックスを退社するときにキャラクター上場できるチャンスだったのに、あそこで才能だと思ってしまった。次に、物書きとしてやってために才能をどんどん伸ばそうとしたから、延々苦しい戦いを強いられることになった。そこで開き直って、 コンテンツが大切だと思い込んでオタキングexを作ったんだけど、途中で「あれ、これキャラクターだわ」と気がついて、現在方針転換したという流れ。
    リュウタロウ:で、コミュニティとしてのFREEexを作ったと。
    岡田:FREEexじゃなくてクラウドシティでいいんじゃないですか。っていうのは、クラウドシティの市民の人たちも読むから、クラウドシティが何のためにあるのか、分かるようにすればいい。
    リュウタロウ:そこで3Cの話を出せば大丈夫そうですね。
    岡田:大丈夫そうですね。3Cってかなり分量あると思うんだよ、説明しようとしたら。ただ、『いいひと戦略』でそこまで語って意味があるのかな……。これ(3C)って、上場しないとなかなか作れないですよね。まぁ、でも、上場しなくてもミニマムな形で3Cってできるのかな……できるな、うん。
    リュウタロウ:どう、ヒヒョユキくん、大丈夫そう6章? 実際に書くのヒヒョユキくんだから。
    ヒロユキ:このあいだ(の打ち合わせで)3Cとか入れたじゃないですか。で、シンセのトモカズさんの話を伸ばして……、たぶん行けるんじゃないかなぁ。
    岡田:うん。ここ(いいひと戦略)で書くのは具体的ステップで、ここ(キャラクター上場)では何を目指しているのかを語る。これ(イヤな人戦略)をやってる人がこれ(5、6章)を読んで憧れられると一番いいわけですよね。こんなふうになれればいいなと。そんなの無理じゃないか。いや、実は江戸時代とか近代以前にも例があるんだ、現代でもやってる人はいるんだって形で示せばいい。ホリエモンのビジネスサクセス本みたいなもんで、こうやれば金を稼ぐことができるとか、こういうふうにすればビジネスに成功することができるみたいな夢を、ここ(6章)でちゃんと語ることだと思うんですよ。ある人にとっては「自由」に見えはずだし、ある人にとっては「成功」にも見えるはずです。
    リュウタロウ:キャラクター上場の実例として、ホリエモンも入るんじゃないかって話が出ていたんですが。
    岡田:入ります。 ホリエモンはコンテンツなり才能で勝負しようとして敗れて、キャラクターに切り替えてからメルマガで稼いで大成功しているわけ。
    リュウタロウ:では、収監されたのもキャラクター強化としては正しいと。
    岡田:大変正しい。キリストは死んで三日で生き返ったけど、ホリエモンは一年半かかる。
    岡田:あと、キャラクター上場の実例で、今のうちに橋下市長を書いておくのもいいと思うよ。つまり、大阪維新の会を「キャラクター上場の集団」として捉えるかどうかですね。あそこには明確なコンテンツ、つまり党の方針みたいなものもないけど、公約みたいなものは結構左右される。これをビジネスモデルみたいだという人もいるんだけど、キャラクターだと考えればもっとはっきりする。 橋下さん以外の人がどんなに「維新の会の公約を守ります」とか「維新の会の理念を理解しています」と言っても、おそらくそれにはあまり影響力がない。
    リュウタロウ:橋下さんの話で思い出したんですけど、5章のBの「改良点を提案する」っていうのはイヤな人戦略じゃないかってところで、なんとなく分かるんですが、もうちょっと少し詳しく語って欲しいです。
    岡田:はいはいはい。あのね、改良点を提案するっていうのは、オレオレKK*戦略なんですよ(*元クラウド市民)。以上、説明終わり。
    会場:(笑)。
    岡田:では、オレオレKKがなぜイヤな奴なのかを考えればよろしい。っていうのは、オレオレKK君がやっていること、もしくはオレオレKK君が「俺はこんなこと言ったのに」ってところだけ見れば、完全に「いいひと戦略」のはずなんですよ。でも、僕らにはそうは見えない。なぜ彼がイヤな人に見えるのか、ちゃんと説明すればいい。
    【00:23:25】
    リュウタロウ:『いいひと戦略』の方で足りないのは、社長自身の実例かなというのが一つあったんです。『いつデブ』でいうところの「メロンパンで泣いた話」とかが必要だなって。
    岡田:却下。
    リュウタロウ:え〜(笑)。
    岡田:リュウタロウが一番最初から食いついてきて、行けるかな〜と思ったんだけど、そこを当て嵌めようとすると、この本全体の軸がブレないかな。
    リュウタロウ:たとえば、伊集院光がラジオで『いつデブ』を取り上げたときの話とか入れられませんか? あの後、『ひとり夜話』か『遺言』のどっちかで社長が「伊集院光が謝ってきたらすぐに許そうと思ってる」って言ってて、なんか「いいひと」だなぁって思ったんですけど。
    岡田:それ、ここに嵌められるかな? 個別のエピソードでは言えるけど、ここに嵌めるのはすごくしんどい気がする。
    リュ:その結果、キャラが解脱したっていう。
    岡田:あ〜、それやると完成形の俺は「いいひと」じゃないといけなくなるじゃん。
    リュウタロウ: えっ!? そういう立ち位置で書いているんじゃないんですか?
    岡田:(うな垂れながら出口ドアの方へ……)
    リュウタロウ:いまだ再加速状態ということですか? 僕、「いいひと」が書いてると思ってたんですけど。
    岡田: 俺は「いいひと戦略」を通り抜けて、キャラクターとして上場しているから、もうこんなもんやらなくていいんだよってヤツだよ!
    リュウタロウ:そうなんですけど(笑)。
    岡田:去年の何月かくらいに「いいひと」になったけど、もう大丈夫って話(笑)。
    リュウタロウ:いやいやいや、「いいひと戦略」の軌道に到達し、キャラクター上場までしてる岡田斗司夫が書く『いいひと戦略』って意味ですから。『いつデブ』を伊集院光がラジオで取り上げたのが数年前のことなので、「数年前は再加速とか巡航の状態でした」って説明できると思うんですが。
    岡田:え〜、な〜んかしんどいな、な〜んかウソがあるな。「いいひと」じゃないな。「いいひと戦略」をとってはいるんだけど……。
    リュウタロウ:オタク大賞で悪口言うの止めたとか。
    岡田:あ〜、それは戦略だよな。
    ……実例、必要ですか?
    ヒロユキ:うん。
    岡田:え〜。
     
    リュウタロウ:いや、そうすると、岡田斗司夫がキャラクター上場してFREEexを作ったって話に上手くつながると思うんですけど。
    岡田:え〜、うん……。
    メンバー:戦略ですしね、あくまで戦略の実例ってことで。
    リュウタロウ:そうそう。オタク大賞を止められたのは、「いいひと戦略」だって言われるとすごい納得なんですが。
    岡田:いや、そういうことじゃ……。
    メンバー:たぶんこの戦略自体は、一般人がこうやった方が受けるよって話で、キャラクター上場の過程を受けてこうなってますって例ではないって話をしたいと思うんだ。
    岡田:あ、そうですね。つまり、ここ(キャラクター上場)に行ってる俺が言うから通用しなきゃダメな気がするんだけど、ホリエモンがこれを言ってるとしましょう。 ホリエモンが「いいひと戦略」の結果、ここ(キャラクター上場)に行ったのかといえばそうじゃないよね。ホリエモンは上場してから「いいひと戦略」の方が得なことに気がついて、そちら側に切り替えつつある って言った方がいいんじゃない? 俺もそうなんじゃない?
    リュウタロウ:あ〜。
    岡田:上場してから、「しまった! 若い頃からこうやっときゃ良かった!」って話ですわ。
    リュウタロウ:そっかそっか。で、上場してからも、助走、離陸、上昇をやるにしても、一般人の教科書には成り得ないからっていう。
    岡田:いや、それはなるよ。話としては、これをとったから私はこうなんですって本ではなくて、この位置(キャラクター上場)にいた私は、これ(いいひと戦略)にやっと気がつきましたと。後輩のみなさんに、これを先に教えておきたい。 俺とかホリエモンとかひろゆきみたいな、特別な運みたいなものを持っていて、たまたまここ(キャラクター上場)に行けたらそれでも構わないんだけど、普通の人はこれ(いいひと戦略)を考えるのがもっとも効率的なはず ですよ、という言い方だよね。
  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】嫌な人になる努力をサボろう!一年の計はいいひと戦略にあり第15号

    2013-01-07 07:00  
    220pt
    あけましておめでとうございます。
    昨年は岡田斗司夫に格別のお引き立てを頂きありがとうございました。
    今年も昨年同様、岡田斗司夫とFREEexをよろしくお願いいたします。
    読者の皆様のご健康を祈念すると共に、「いいひと」同士の新しい出会いの一年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

    昨年お送りした前半に引き続き、「いいひと」戦略セミナー後半の模様をお届けします。
    前半はハイパー情報化社会、相互レビュー社会では「いいひと」が生きていきやすい社会になるという話でした。それを受けて後半では具体的な「いいひと」戦略の中身について考えます。
    ぜひ今年の目標には「いいひと」戦略を加えてみて下さい。まずは「嫌な人」になる努力をサボること。
    今年一年、読者の皆様が「いいひと」に囲まれ、また皆様が周りの方々にとって「いいひと」でありますよう、重ねてお祈り申し上げます。

    それでは講演後半の模様をお届けします。まずはハイライトから。無銘のマサフミでした。

    ************************************

    「いいひと戦略」の具体的メソッドっていうのを説明しようと思ったんですけども、その前にちょっと自分にとって嫌な話をしなければならないんです。「いいひと戦略」ってのを僕が発見した際にですね、大反省したわけですね僕は。
    「しまった、俺の今までの人生なんだったんだ」 って。
    俺の今までの人生でほとんど「いいひと」って言われたことがないんですよ。
    最近、朝日新聞の人生相談で、なんかこう頭の中からひねり出してガーって回答やってると、「いいひと」って言われるようになってですね、俺53年間で初めて「いいひと」ってこの1年くらいで言われるようになったんです。
    それまでの人生はというより、たぶん僕の今の基本ポジションってそんな「いいひと」ではないと思うんですね。
    だからこうやって「いいひと戦略」って話すのにふさわしいかどうかわかんないんですけども。
    ただ、「いいひと戦略」ってのは素のいいひととかですね、子供の頃からいいひとって言われた人には、こういう戦略として浮かばないんですね。
    そうじゃなくて、「それは素直に考えればいいのよ」とか「周りの人を許せばいいのよ」っていうですね、ディテールしか出てこないですよ。
    もっとちょっと根本のところから、何でそういうふうにしなきゃいけないのかっていうのを、僕みたいにいろいろ自分なりに頭もいいつもりでやってきた人が、なんでこんなうまく行かないのだろう、そうか!俺「いいひと戦略」とってなかったからだ、って気づきがないとなかなかつかまえられない。
    というわけで、 逆に、「嫌な人戦略」ってのを説明します。
    「いいひと戦略」の逆です。
    これもダイエットと同じですね。
    ダイエットで痩せるために何をすればいいのかっていうのは、あまりに意味が無い。
    そうでなくて、自分の行動というのをレコーディング、記録して、自分がどれだけ太る努力というのをしているのかわかれば、自然に太る努力を避けるようになり、体重が徐々に徐々に減少する。
    その結果、得られた、体重が減っているという事実に自分がわくわくして、結果的に痩せるようなことがやりたくなってしまうというのがレコーディングダイエットの基本的な考え方です。
    レコーディングダイエットというのは、メモをすれば痩せるというものではないんですね。
    そうではなくて、自分の心理っていうのをいかに「俺ってこんなに太ることに頑張ってたんだ。でもそれって望んでやってるわけじゃないよな。じゃあ、それをちょっとさぼってみよう。太る努力をさぼってみよう。あら、効果が出てきた。面白いぜ。」っていうこの面白がり方がレコーディングダイエットの根本のコツなんですね。
    じゃあ「いいひと戦略」も同じです。まず「いいひと」になるためにはどういうふうに考えるのでなくて、今自分が悪い人、「嫌な人」になっているのかっていうのを考えてみればいい。
    で、 「嫌な人」になる努力ってのがですね、よりによってこれまで自分がね、これが効率がいいとか、これが正しいとか、この方が戦略的にいいと思ってたことばっかりなんですね。
    いわゆるさっき言った、視野が狭い状態です。
    悲観的な人、ネガティブな人っていうのは、悲観的であったりネガティブであったほうが後のダメージが少ないという短期的な視野で考えているだけなんですね。
    でも、自分の人生を長期的な視野で考えてみると、1年365日のうち、だいたいをネガティブに考えてることになってしまって、そうすると人生50年のうち45年ぐらいをネガティブに考えていることになるから、いや、前もってネガティブに考えているからこそ実際のダメージが少なくなったってダメージの少なさより、ネガティブなことを考え続けていることによるダメージの方が多いっていうことになってしまう。そういうことには視野を長期的にしないとなかなか気が付かないんです。
    それと同じように「嫌な人戦略」を自分が知らず知らずのうちにとっているっていうのは、やっぱり僕が短期的にしかものをみていなかったからなんですね。
    例えば僕は人の欠点を探すのがすごくうまいです。欠点を探すのが。
    で、ここから先、意外なんですけど、改良点をみつけて提案するのもうまいです。
    一見いいように思えますよね。ただし、覚えておいて下さい。 なにかの改良点を見つけて、こうすればいいんですよって言ってあげることは実は「嫌な人戦略」です。 意外なことに。
    次にですね、 本人に言ったら傷つくだろうから陰で言うのも「嫌な人戦略」です。
    善意があるとか悪意があるとか、関係ないです。
    陰で言うってことは「嫌な人戦略」として正しい。正しいっていうかですね、「嫌な人戦略」になっちゃいます。
    あとは、当たり前ですけど 悪口で盛り上げるというのもそうですし、悲観的、否定的になるっていうのも、それが自分自身のことに関してなるのは勝手なんですけども、人のことに関して悲観的になったり否定的になったりするのも「嫌な人戦略」になっちゃうんですね。
    そうすると、「嫌な人」と周りの人に思われてしまってすごく損です。
    あとですね、これも意外なことですけど、 面白い人とか、頭のいい人とか、気の合う人ばっかりで集まるというのも「嫌な人戦略」です。
    良さそうに見えて逆なんですね。さっき言った改良点みつけて提案する、とかですね、これもですね一見いいことのように思えるんですけど、逆なんですよね。
    この「嫌な人戦略」を説明してから、「いいひと戦略」の具体例を1個ずつやっていきます。