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夏は太陽を食べる季節だ。
噎せ返るような草いきれを掻き分け菜園に入ると、宙から惜しみなく降り注ぐ夏の光が育んでくれた邪気のない命の数々が息づいていた。赤、深緑、薄緑、黄緑、黄色。太陽が詰まったひとつ一つの果実はまるで色彩見本のように鮮やかだ。掌で包むように触れると命あるものだけが発する独特のぬくもりが伝わってくる。葉脈の流れと鼓動を感じる。そう、まるで大きくなった妻の腹部の、厚さ3センチほどの肉壁の下で日々成長し続けている胎児のような。
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夏野菜が実る季節ですね。我が家でもきゅうりやトマトが収穫の時期にきています。プランターでもこんなに育つものなんだと都会住まいの私は感心してしまうのですが。
お金お金の社会では味わえない収穫の喜びと自然の恵みの恩恵、一度味わうと継続したくなるものですね。あるいは更に美味しく作ることを考える。
ガスパッチョ、美味しそうですね。夏バテ防止にもなりそうですね。自然の恵みが凝縮されて、深い味になってるのでしょうね。
小原信治(著者)
さらに美味しく作ることもそうですけど、僕はさらに珍しいもの、市場で見掛けないものをという方向に行ってます。野菜作りは本当に奥が深いです。しかも家族に喜ばれる。なかなかの趣味だと思います。