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先日、日銀の当座預金残高が60兆円を超えた。60兆円を超えたのは日銀の歴史上初である。
<リンク>日銀の当座預金、初の60兆円超え
日銀当座預金は民間の市中銀行が日銀に預けている預金の総額。
量的緩和はこの銀行の預金総額を増減させることで行っている。
今後、この日銀当座預金は2014年末までに175兆円ほどに拡大する予定である。
つまり今後2年以内に110兆円以上を銀行は日銀から現金を受け取るということだ。
この日銀当座預金に日銀券つまり紙幣(約80兆円)をプラスしたのが、マネタリーベースである。
このマネタリーベース(現金+日銀当座預金)は現在、135兆円である。黒田総裁はこの135兆円を270兆円までに拡大する予定だ。(下図参照)
日銀が作り出している通貨量を2倍に拡大するということだ。
銀行に渡された通貨が、会計上の性質から貸し出しには向かわずに、株や不動産、国債、他の公社債の投資に向かい、資産高騰を引き起こすであろうことはお伝えした。
今回は、量的緩和が資産を高騰させるだけでなく、円安圧力を作り出す理由をお伝えする。
資産高等の概要について(下図参照)
上記の図のように量的緩和によって莫大な通貨をえた銀行は、それを金融商品の運用等に投資するわけだが、その結果が円安圧力をもたらす。
その理由は以下の通りである(下図参照)
量的緩和によって大規模な資金をえた銀行は、それを投資にまわすと国債の金利が低くなる。金利が低くなるのは、人気があるからだ。
現在の国債金利は過去最低レベルである。
国債の金利が極めて低ければ、民間銀行や保険会社はより高い利回りを求めて外国投資に向かう。
既に現在の円安にそのような現象が表れている。
今後の更なる量的緩和は国債の購入を中心に行われるので、このような状況がしばらく続きそうである。
また、バブルを恐れる日本の金融機関は、ある程度の株価や地価の上昇がおきると警戒感を強めるだろう。
日本の金融機関は80年代のバブル崩壊の後遺症に悩まされてきたからだ。
そうなると、飽和状態に達した日本の金融商品の購入はほどほどになり、多くの投資が外国投資に向かう可能性が高い。
そうなれば、円が売られ、外貨が買われることになり、円安外貨高になる。
また、日銀が量的緩和を行えば、その金額分の通貨が新しく市場に供給されるので、日本の通貨量が増加する。日本円が増加すれば、外貨に対して相対的に安くなる傾向がある。
通貨量は為替に最も大きな影響を与える要因の1つである。
このような状況を予測すれば、円安が進むと考える日本の投資家たちが更なる利益を求めて、外貨投資を増やすであろう。円安になれば外貨を保有しているとその分だけ利益になる。
そうなると円安と外国投資の流れが盛んになるであろう。
黒田日銀が目指す物価が上昇するまで、円安圧力の強いマーケットの状況は続きそうである。
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