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記事 22件
  • コロナ禍でスターダムが好調なのはなぜか■事情通Zの「プロレス 点と線」

    2022-02-15 09:42  
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    プロレス格闘技業界のあらゆる情報に精通する事情通Zのコーナー。今回はコロナ禍でスターダムが好調なのはなぜかです!【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・日陰者のグレイトカリスマ田村潔司に惑わされよう■松澤チョロの脱線プロレス
    ・ヒーロープロレス■渡辺宏志のインディ小話
    ・「AEWには、あるべき多様性が欠如していた」…プロレスとポリティカル・コレクトネス・“すべての戦いを知り尽くした男”船木誠勝が語るシバターvs久保優太
    ――Zさん!またコロナが猛威を奮ってますがプロレス界はどういう状況なんですか?
    Z どこも大変ですよ。欠場者続出でカード編成を余儀なくされたり、大会を延期したり……好調なのはスターダムくらいかなあ。
    ――コロナの影響なのかは不明ですが、新日本プロレスの配信サイト「新日本ワールド」の方針に不満の声が挙がっていたり……。

    この続きと、ドミネーター、鈴木千裕、中井祐樹、菊地成孔、三浦孝太…………などの2月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
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  • 平良達郎のUFC契約はフォースのバランスを保つか

    2022-02-11 11:15  
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    この記事は平良達郎のUFC契約を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)
    【1記事から購入できるバックナンバー】・日陰者のグレイトカリスマ田村潔司に惑わされよう■松澤チョロの脱線プロレス
    ・強くて面白くて恐ろしいムエタイ・吉成名高は何を考えているのか
    ・DJ.taikiが『朝倉未来1000万円』に落選した理由がよくわかるインタビュー
    ・斎藤裕vs朝倉未来「日本一心」な再戦
    ボクがツイッターでRIZIN絡みのニュースをツイートすると、リプ欄でケンカが勃発しがちなんですよ。ツイッターはちょっとでも自分の意見が異なる相手を批判はしなきゃルールになってますよね。揉めちゃダメってルールもないからそれはいいとして、揉め事の発端は朝倉兄弟を認めるか・認めないかだったりするわけですよね。それって物事の道理ではなくて、個人的に好きか嫌いかのウエイトに傾いてる。そりゃあ朝倉兄弟を好きな人も嫌いな人もいますけど、ビリーバーやアンチじゃなければ、「この人たちいったい何を揉めてるんだろう」っていうふうに見えるはずで。まあ誰にでも信仰やアンチの対象はあるんですけどね。ボクにとっては中日ドラゴンズで、他人からすれば「中日ドラゴンズが負けただけで、なんでそこまで怒るの?」っていうことですけど(笑)。
    YA-MAN選手が金太郎選手にキックルールで対戦要求したことも炎上気味ですけど、怒る人がいることは理解できる一方で、そこまで断罪することなのかなとも思うし。ボクもどちらかといえば反対だけど、実現したらそれはそれで楽しむし、猛烈には反対していない。サイゼリヤの話じゃないですけど、喜怒哀楽のボリューム問題って難しいって話ですね。
    そんな荒れたネットが一致団結するニュースが流れました。修斗フライ級王者・平良達郎選手がUFCと契約。いきなりだったので本当にビックリしましたね。話を聞くかぎり、アメリカのエージェントと契約したことが大きかったみたいですけど、なにより平良選手本人の実力があってこそ。まずは“修羅の国”の入り口に立てたことを祝福したいです。UFCのフライ級はいったん解体しかけて、そこから再建する途中。他の階級と比べて層は薄いので選手にとってはチャンスの階級ですよね。そんなときにポカをやらかしまくってるのがマネル・ケイプだったりするんですけど(笑)。
    今回のニュースで思ったのはSNSの反響がすごかったことですね。それだけUFC日本人ファイターの誕生を待望してたんでしょう。あとは時代背景ですよね。たとえば2017年に井上直樹選手がプロデビュー4年目、日本人史上最年少の19歳でUFCと契約したときは、こんな反響はなかった。井上選手はDEEPのチャンピオンでもないし、外国人とも戦っていないのに契約していたから、けっこうな快挙だったんですけど。

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  • 【サトシ教】サトシに勝てる日本人はいません■柔術ライター・橋本欽也

    2022-02-11 10:34  
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     「柔術ぼんやり層」に優しいブラジリアン柔術黒帯にして柔術専門ライターの橋本欽也氏が語るサトシ&クレベル!(聞き手/ジャン斉藤) ※Dropkickニコ生で配信されたものを編集した記事になります。【1記事から購入できるバックナンバー】・日本柔術界の最高傑作! ホベルト・サトシ・ソウザは何が凄いのか?■橋本欽也
    ・MMAが一番格上なのか? 格闘技原理主義者対談〜橋本欽也vs大沢ケンジ〜
    ・クレベル・コイケのことが大好きになれる記事■Dropkick柔術部・橋本欽也
    ・笹原圭一の大晦日“RIZNサファリパーク”13000字振り返り

    ――本日のDropkickニコ生のゲストは「いいほうの橋本さん」です。
    橋本 なんか「悪い方の鈴木健」みたいな言い方だね。
    ――まずその「悪い方の鈴木健」の説明をするのが面倒です(笑)。橋本さんはアジア唯一の柔術黒帯ライターなんですよね。
    橋本 そうなんですよ。これにはお墨付きが付いたんで。今年の2022年9月にADCCがラスベガスで行なわれるんですけども、そこでADCCのメディアチームが結成されたんですよ。俺がインビテーションされて、アジア代表は俺なんです。
    ――アジア代表の橋本さん! ボクは柔術方面にまったく疎いので、今日はサトシやクレベル・コイケ、最近のボンサイ勢の活躍を語っていただきたいんですけど。まず大晦日のRIZNはご覧になりました?
    橋本 PPVで見ましたよ。
    ――珍しいですね、橋本さんがMMAのイベントを見るのは。
    橋本 13時から23時ぐらいまで5000円で楽しめるのはいいですよね。お得だと思いました。興味のないカードのときにはお風呂に入ったり、ご飯を食べたりもできるじゃないですか。すごく楽しめましたよ。
    ――ボクの場合は仕事だから、途中でお風呂に入ることはできないですけども(笑)。自宅観戦だと試合の合間に休憩できるというか。
    橋本 俺も最近、配信ありの柔術イベントをやってるから「あんまり長いとどうなのかな」と思ったけど、ありかなと思いました。全試合、気合を入れて見ちゃうと、しんどいけど。
    ――同じ柔術黒帯としてサトシの矢地祐介戦はどんな感想がありますか?
    橋本 そんなもん最高ですよ! ツイッターにも書きましたけど、俺も黒帯の2段で、柔術を20年近くやってますけど。サトシの柔術とはまったく違うんですよ。小見川(道大)選手が「ネオ柔道」って言ってましたけど、サトシはまさに「ネオ柔術」。ネクストレベルですよ、別次元。
    ――サトシは「ネオ柔術」!
    橋本 相手に付け入る隙を与えないっていうか。相手が逃げても、その先の先の先まで読んで動いているっていうか。相手を固めることをよく「塩漬け」っていうでしょ。サトシの場合、動きながら、常に優位さをキープしてましたよね。逃がして、捕らえて、逃がして、捕らえて……って、相手はもう手も足も出せない。あれ、絶望だと思いますよ。モーリス・スミスvsヘンゾ・グレイシーを思い出しましたねぇ。
    ――いまのファンはその試合は知らないですよ(笑)。
    橋本 矢地選手は絶望したと思いますよ。サトシが優しいのかなんなのか、パウンドを打たなかったですよね。いままでマウントからパンチでフィニッシュした試合もありましたよね。
    ――1回目の矢地戦はそうでしたね。
    橋本 そういう場面もあったのにサトシはやらなかった。これはあとから聞いたんですけど、試合後、サトシはお兄さんのマルキーニョス(マルコス・ヨシオ・ソウザ)から怒られたらしいんですよ。「もっと早くフィニッシュしろ!」って。けど、サトシは自分が練習でやってきたことを試したかった。もちろん道場の中でサトシより強い人はいないわけじゃないですか。いままで練習ではうまくいってたけど、実践でうまくいくのかどうか。要は試合で試しちゃったわけだよね。最終的に2ラウンド目に勝ったけど、サトシがその気になれば、1ラウンドでフィニッシュできたはずなんです。
    ――……鳥肌が立ちました!
    橋本 練習でやってきたことの答え合わせを実践の中でやったんです。だからマルキーニョスに怒られたけど、サトシは試合後にすごく満足したんですよ。あといまのサトシが伸びてるのは打撃らしいんですよ。けど、その打撃を一切、出さなかったじゃないですか。寝技はサトシの得意分野ではあるし、サトシより寝技が強い奴はいない。サトシのつけ入る隙は打撃だっていわれてるけど、その打撃もどんどん伸びてるわけじゃないですか。そこがまだ出せてないから、サトシはいい意味で未知数だと思いますよ。
    ――いま青木真也選手との試合が待望されているんですね。

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  • 【戦慄のオリンピアン】太田忍インタビュー「ひとりずつ潰していく」

    2022-02-08 13:15  
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    大晦日戦慄の圧勝劇を見せたリオ五輪レスリング銀メダリスト太田忍インタビュー!! RIZINバンタム級・台風の目となる怪物の凄みを12000字でお届けします!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・【知りたいんでしょ!?】日本レスリングが東京五輪で強かった理由■保高幸子
    ・強くて面白くて恐ろしいムエタイ・吉成名高は何を考えているのか
    ・ライフ・イズ・ビューティフル!! 扇久保博正“優勝記念”インタビュー
    ・日本レスリング&MMAの功労者・木口宣昭先生を語ろう■朝日昇
    ――昨年のRIZIN大晦日の中で太田選手の試合が一番好きなんです!
    太田 本当ですか? それメチャクチャうれしいです。
    ――あれだけキャリア差のある祖根選手相手に汗もかかず……いや、実際には汗はかいてるでしょうけど、あんなふうに圧倒するなんてビックリしました。
    太田 いやあ、全然、必死でしたよ。最初のかんぬきの投げで、祖根さんが首やっちゃったらしくて。
    ――ああ、そんなことが! あれ、危ない角度で投げてましたけど……。
    太田 危ないですね(キッパリ)。そのケガがあっての結果だと思うんですよ。祖根さんのスタンドはもっと強いし、スタンドの展開でバチバチ来られたら……皇治選手とキックルールで戦うくらいだから。立ち技はボクより全然レベル高いし。
    ――ケガがなかったら、もうちょっと苦戦してたんじゃないかと。
    太田 毎回そう思いますね。久保(優太)さんのときも、組みのテイクダウンをしたときに久保さんがヒザの前十字をケガしちゃったみたいですし。ケガしていなかったら、もっと打撃が強いんだろうな、と。そういう運に恵まれたこともあってか、久保さんのときも今回も被弾してないですからね。
    ――太田選手って強気な選手に見えるんですけど、こうして話を聞くと謙虚というか。
    太田 いえ、そんなことないですよ。もうちょっと強気な発言したほうがいいですか(笑)。
    ――会見やツイッターなんかでは充分に強気な発言してるような気がしてるんですけど(笑)。
    太田 本当ですか(笑)。たしかに対戦相手にはけっこう言いますけどね。自分や周りを盛り上げるっていう狙いもあるし。ただ、試合内容的には何一つ満足してないだけで。
    ――すると、今回の試合も満足してないんですか?
    太田 今回も、です。RIZINで戦っておいてこういうのもなんですけど、この試合でやった4点ヒザも、サッカーボールキックも、踏み付けも、RIZINでしかできない技なので。
    ――ああ、たしかに。これがユニファイドルールだったら使えないと。
    太田 ということですね。それ以外の有効打って、たぶんスタンドでのバックブローくらいじゃないですか。あれでダウンを奪って、あとパウンドぐらい。コントロールしながらヒザを打ってるのも、フィニッシュのサッカーボールキックや踏み付けも、全部RIZINルールだからできるものなので。そう考えたら、まだまだだなっていう。RIZINで戦ううえでは有効であるのかもしれないけど。
    ――もっとできたことがあるんじゃないか、っていう不満ですね。
    太田 一本で極めたいですよね。まだフィニッシュできるようなパウンドを持ってるわけでもないし……ってなったらテイクダウンしてから一本を獲るっていうファイトスタイルを徹底したいんですけど、まだまだです。
    ――自分の理想形があるけど、到達してないってことなんですね。
    太田 久保さんとやったときよりは、練習したことを出せたって感触はありますし、作戦どおりの試合はできたけども、それでも全然です。久保さんのときも実際にパスしようと思えば、いつでもできたし。でも、する必要がなかったから、ああいう展開になっちゃったけど。
    ――ちょっと話は外れるんですけど、対戦経験のある久保選手が大晦日にあんなことになっちゃいましたけど。
    太田 バカでしょって言いたい、悪いけど。やったらダメですよ。ボクも自分のYouTubeで話したけど、受けなきゃいいじゃんってことだから。スポンサーさんに頭を下げて「すみません、試合が流れちゃいました」で済む話だから。ちょっと魔が差しちゃったんじゃないですか。ホントにバカらしいです。
    ――久保戦は判定勝ちでしたけど、試合展開が変わらずというところもあって。今回の破壊的な試合で、皆さん一気に手のひらを返す感じが見受けられますね。
    太田 どうなんですかね。今回の勝ち方が派手だったから評価が上がったのはうれしいですけど、ここからですね。バンタム級GPに出ていた選手をひとりずつ潰していって。
    ――ひとりずつ潰す!(笑)。バンタム級GPがやっと終わってお疲れモードのところに、太田選手が「これからですよ!」って割って入ってきてる感じが面白いんですよ!
    太田 みんな疲れてるでしょうけど、いまが叩きどきですよ(笑)。
    ――ただ、今回の試合も祖根選手ではなく、もうちょっとキャリアの近い選手とやりたいと思いませんでした?
    太田 いや、でも、RIZINに出させてるもらっているわけですから。これがRIZIN以外ではなく、パンクラス、DEEP、修斗あたりでデビューさせてもらっているんだったら、キャリアの近い選手とやるべきなんでしょうけど。RIZINはいろんな面でプロとして扱ってくれているわけですし、今回、勝つことによって、またそれなりのステップアップができることは自分の中でわかってたので、祖根さんでよかったんじゃないかなって。ファイトスタイル的には相性のいい選手ではあると思っていたんです。祖根さんはオールラウンダーって言われてましたけど、どちらかといったらスタンドに強い選手というイメージがあったし、ここはクリアしなきゃいけないでしょ?って。
    ――チャレンジマッチというわけじゃなくて、勝たないといけない試合だったっていうことですか。
    太田 ちょっと失礼ですけど、クリアしたい、クリアすべき相手ではあるなっていう。自分のレベルを測る上でもそうですし、祖根さんをクリアすることで次の試合が組みやすくなると思うし。
    ――たしかにマッチメイクの幅が一気に広がりましたね。
    太田 試合をして結果を残さないと、マッチメイクもしにくいと思うので。これで上の選手と組んでもらいやすくなるし、ボクはもう28歳で、そんなに時間はないので。35歳ぐらいまでできるとしても、あと7〜8年しか残っていない。となったら、行けるとき行かないと。
    ――ちなみに今後のRIZINで戦ってみたい選手っていますか?
    太田 それは次戦ですか、それとも将来的に?
    ――次戦ですね。
    太田 現実的に考えたら、金太郎くん、瀧澤(謙太)くんとか。
    ――最高の組み合わせです!
    太田 そこをクリアしたら、また上の段階に行けると思うので。自信ありますよ(キッパリ)。
    ――金太郎選手は腰が強くてテイクダウンが難しいと言われてますけど……。
    太田 強いだろうけど、まあって感じです。そこらへんとの試合は、みんなが求めているとこだと思うし。そういう意味ではバンタム級GPのオファーがあったけど、出なくてよかったなと思いますね。
    ――GPのオファーはあったんですね。
    太田 ありましたよ。でも、客観視したら、いまの自分が出ても勝てないだろうなって。1回戦は6月だったから所(英男)さんとの試合のケガは治ってますけど、そのケガがあったことでちゃんと練習はできていなかったわけですし。それなのにトーナメントに出ても勝てるわけがないから。
    ――そこは冷静な考えですね。
    太田 そこはちゃんと自分をマネジメントできないと。そうじゃないと単なるアホじゃないですか。べつに相手を選んでるわけじゃないですよ。オファーが来たら誰とでもやります。でも、トーナメントは断っても、べつに。
    ――実際に所英男、祖根寿麻とキャリア差のある相手とやってるわけですからね。
    太田 全然やります。誰とでもやるし、試合が決まったらちゃんと勝つための準備をして戦います。
    ――ただ、あのときにトーナメントに出るのは違うと。
    太田 いま出てもな……ということですね。だったら、ちゃんと段階を踏んで、しっかり作ったうえでやればいいかなって判断ですね。時間がないとはいえ、まだ焦らなくてもいいかな。これが1年後だと話は違ってきますけどね。
    ――それは先ほどもおっしゃっていた年齢的にも、ってことですね。
    太田 はい。
    ――マネジメントという点ではデビュー戦で所選手とやったことはどう考えていたんですか? マッチメイクの話題性はありましたが、デビュー戦にしては高すぎる壁でしたよね。
    太田 1戦目で所さんってホントにキャリアの差もあるし、MMAの練習を始めて2ヵ月ぐらいでの試合だったので。
    ――2ヵ月だと所選手相手じゃなくてもなかなか厳しいですねぇ。
    太田 東京オリンピックは2020年の予定で、ボクがRIZINに出たのは2020年の大晦日。2期連続オリンピック出場はできなかったけど、年末の最後の最後、勝ってぶち上げたら、話題を持っていけるだろうって考えが自分の中にあって。
    ――ああ、そんな狙いがあったんですか。
    太田 だから大晦日に出たかったんですよ。そうしたら、オリンピック延期になって2021年になっちゃった。ただMMAデビューしただけ(苦笑)。
    ――ハハハハハハ。そういうストーリーがあると、太田選手の大晦日出場がすごくわかりやすいですね。
    太田 所さんが全然強いことはわかっていたし、MMAの洗礼を浴びたというか。試合前は「やってやる!」って気持ちだったけど、腕を折られて半年ぐらい練習できなくなって。そこは、しんどいなと思いながら、最初は所さんでよかったんじゃないかっていうキャリアにしたいと思っているし。
    ――先ほどの話でいうと、修斗、DEEPやパンクラスとは違う舞台で、自分をどう磨いていくかっていうところですね。
    太田 そうですね。勝てれば一番よかったかもしれないですけど、あそこで徹底的にやってもらったから。いまもまだ悔しい気持ちもあるし、やり返したいって気持ちもあるし。いまでは所さんとプライベートで仲よくさせてもらっているんですけど。最終的にこのデビュー戦だったから、いまの俺があるというようなキャリアにしていきたいですね。いまちゃんとMMAを理解して考えたら、けっこうとんでもない相手だったなと思いますね。

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  • 【vs平本蓮】鈴木千裕インタビュー「記者会見はムカついちゃいましたね~!」

    2022-02-08 11:04  
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    RIZIN LANDMARKで平本蓮と対戦する鈴木千裕インタビュー!! キックではKNOCK OUT王者、MMAではパンクラスネオブラッドトーナメント優勝者という二刀流の素顔に1万字で迫ります!(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・伊澤星花が強すぎて怖い!! 「大晦日の出来は70パーセントぐらい」
    ・“すべての戦いを知り尽くした男”船木誠勝が語るシバターvs久保優太
    ・【MMA2戦目迫る】平本蓮「みんなが手のひら返すことはわかってる」
    ・【UFC契約更新!!】ラストワン佐藤天が語る「UFCと北米シーンの過酷な現実」
    ――RIZIN LANDMARK vol.2の記者会見では、対戦相手の平本蓮選手に発言をさえぎられる場面もあって、なかなか一筋縄ではいかない雰囲気でしたね。
    鈴木 いやあー、そうっすねえ!(元気よく)。
    ――ハハハハハハハ!
    鈴木 ちょっとムカついちゃいましたね~!(笑顔で)。
    ――鈴木選手、最初から面白いです! しょっぱなのコメントなのに「話、長いから」と言われたら、そのあと話しづらくなりますよね。
    鈴木 そうなんですよ~!! 「……ん?(怒)」となっちゃって。ボク、ダメなんですよね、そういうの!――なぜか怒ってる感じが伝わってきません(笑)。あそこで言い返したりしないのも、どこか鈴木選手っぽかったです。
    鈴木 それは、やっぱりリングの上で返すものなので(キッパリ)。
    ――おお! 今回の試合は、先に平本選手の参戦が発表されていましたが、自分がその対戦相手に選ばれたときはどう感じました?
    鈴木 べつに「ああ、決まったか」ぐらいの感じです。とくに、平本選手だからといって……、というか、ボクってほかの選手にあんまり興味がないんですよね。それは、ずっと昔から言っていて。選手名とかも全然知らないですし、たぶん皆さんのほうが詳しいと思いますよ。
    ――となると、平本選手がどんな選手なのかというのも、あんまり?
    鈴木 多少は知ってましたけど、ガッツリではないですね。ただ、やっぱり試合を見ると頭がいいし才能がある選手だなとは思います。たとえば、100人同時にスタートしても、一気に突出するような天性のものを持っているタイプだな、と。あとは、試合の動きを見ても身体能力が凄いのは間違いないですね。
    ――対する鈴木選手は、100人一緒にスタートしたらどうなるんでしょう?
    鈴木 自分ですか? どうですかね~、……あ!! 
    ――どうされました?
    鈴木 まず、ボクってハーフなんですよ!
    ――ハハハハハ! めっちゃ知ってます(笑)。
    鈴木 ですよねえ(笑顔で)。で、最近になって、なんかちょっと日本人の人とは違う身体能力があるなというのに気づき始めてますね。
    ――最近ですか!(笑)。RIZINで活躍中のホベルト・サトシ・ソウザ選手やクレベル・コイケ選手を見ても、やっぱり日本人とは違う身体の強さを感じますね。
    鈴木 ボクも、背筋と体幹は普通の人より強いと思いますし、なんか、同じ体重で同じ身長の人と比べても、やっぱりパワーが強いんですよ。同じ何かを持ち上げたりとかでも、じゃっかん自分のほうが強かったり。あと、肩甲骨ってパンチ力と凄く関係があるんですけど、ボクの肩甲骨は日本人より大きいんですよね。めっちゃ大きいし柔らかいんですよ、ほら(肩甲骨をビクビク動かしながら)。
    ――うわっ! なんか凄い!
    鈴木 そういうことがあって、最近は「オレ、普通と違うじゃん」と思い始めたんですよ~。あとは南米の人って、くるぶしからふくらはぎまでが長いんですけど、ボクもそうなので「ああ、そうか」と思ったり。
    ――それは相当なアドバンテージですよね。平本選手と戦ううえで、攻略法もある程度固まってきているんですか?
    鈴木 まあ、打撃でも、寝技でも、全局面で勝負しようかなと思ってます。とくに「こういう局面に持っていく」ということじゃなくて。「よーいスタート!」でお互いに見合ったときに出てくる発想でやろうかな、と。打ち合ってくるんだったら打ち合いますし、組んでくるんだったらそれでもいいし。
    ――平本選手はまだMMA戦績が1戦なので、情報もないですしね。
    鈴木 まあ、情報があってもなくても、結局それで勝てなかったらダメなんですよ。情報があって勝てる選手と、情報がなくても勝てる選手っているので。だから、ボクがやることは何も変わらないですね。
    ――ちなみに、平本選手ってツイッターがめっちゃうまいじゃないですか。対する鈴木選手は……。
    鈴木 いやあ~~、ボク、SNS苦手なんすよ~!!(しみじみと)。
    ――ハハハハハハ! 一時期、ツイッターだけ休止していたと聞きました。
    鈴木 そうなんです! 自撮りとかもすっごい苦手で。でも、最近って「SNSは更新しなさい」という流れじゃないですか。そこは、頑張るようにはしているんですけど……、まあこの有様ですね(苦笑)。
    ――平本選手のツイッターを見て、どう思います?
    鈴木 「うまいなあー」って。
    ――今日の会見もそうですけど、鈴木選手ってこれまでは言葉での応酬を仕掛けられることもなかったですよね。
    鈴木 ないです(苦笑)。まあでも、格闘技は口喧嘩じゃないんで。結局、リングの上で勝った人が一番偉いんでね。ボクはそういう極論で考えちゃってるんで、それまでの過程とかは大事にしてないですね。……でも、本当はやったほうがいいんですよねえ~! もう、これを機会にやりましょうか!?
    ――無理しないでください!(笑)。あと、今回はRIZIN LANDMARKなので、またいつもと違った大会になりますよね。
    鈴木 いやあ、お客さんがいなくて寂しいですねぇ……。
    ――あらら(苦笑)。
    鈴木 寂しいし、イヤっすねえ……。
    ――試合が決まっても、そんなにテンションが上がらなかったのはそれが理由なんですか?
    鈴木 いや、テンションは上がってるんですよ。まあ、実際に試合をしてみないとわからないですけど、やっぱり応援ってパワーがあるんですよ。たとえば、ボディが決まると、めっちゃしんどいじゃないですか。そのしんどいときに「頑張れ!」という声をリアルで聞くと、「絶対に倒れられないぞ!」という気持ちになるんですよね。
    ――へえ~、やっぱり声援は大事なんですね。
    鈴木 ここで倒れたら情けないし、倒れるところを見せたくないという。そういう気持ちで頑張れるんですけど、何か効いたときに会場がシーンとしてたら、「……もう、いっか」と思って倒れちゃうかもしれないです(キッパリ)。
    ――倒れないでください!(笑)。
    鈴木 いや、そういう声って大事なんですよ! 自分はずっとそれで戦ってきてるんで。
    ――ただ、そうは言っても、平本戦に自信がないわけじゃないですよね。
    鈴木 じゃなかったら試合はしないですね。確信というほどのものではないし、その根拠もないんですけど、ボクは自分を信じてますよ。自分を信じていればなんとかなるんで。
    ――その自信って、やっぱり練習量に支えられている部分もありますか?
    鈴木 そうですね。けっこう、いろんなところで練習させてもらってるんで。
    ――基本は、クロスポイント吉祥寺なんですよね?
    鈴木 あとはパラエストラ八王子、パラエストラ松戸と柏、そして日大レスリング部ですか。
    ――え、日大レスリングも!
    鈴木 そういう練習もめっちゃしています。あとは、東林間の五味(隆典)さんのところでも練習していますね。
    ――柏から東林間まで! 出稽古先は自分で決めたんですか?
    鈴木 そこは、山口元気会長(クロスポイント吉祥寺・主宰)やジムの支えがあってですね。「ココはどう?」と推薦してもらって挨拶しに行って。あとは、自分の意志で行きたいところもあったんで。
    ――その練習環境を聞くと、もうガッツリMMAですよね。とくに五味選手との練習が非常に気になります!
    鈴木 ああ、五味選手との練習は……。
    ――五味選手のYouTubeにもありましたけど、いわゆる根性練習、木口宣昭イズムというか。
    鈴木 そうそう、気合いの練習ですね。試合では心折れそうになっても頑張らないといけないんで、ああいう練習はすっごい大事だと思うんですよ。いまって、最先端のトレーニングばっかりですけど、ああいう昔ながらのトレーニングって、いまの選手とかやらないじゃないですか。最新のトレーニングばかりやってる選手にああいう練習させても、絶対についてこれないんですよね。
    ――はー、そういうもんなんですね。
    鈴木 やっぱり格闘技は気持ちなんですよ~!! メンタルとか気持ちが弱かったりするんで。もちろん、五味さんは技術もめちゃくちゃ教えてくれるんですけど。
    ――鈴木選手にとって、五味選手はどんな人ですか?
    鈴木 いやー、めちゃめちゃ面白い方です(笑)。
    ――五味選手といえばお酒のイメージも強いですけど、一緒にお酒飲んだりは?
    鈴木 ああ、それはまだですし、お酒だと本当に殺されちゃうんで(笑)。でも、ボクが初めて五味さんのジムに行ったとき、ちょっと冷蔵庫を開けてみたら、中は全部ウィスキーでした。
    ――ハハハハハハハハハハ!
    鈴木 もう「男だ!」と思いましたねえ(笑)。
    ――本当に期待を裏切らない!(笑)
    鈴木 でも、そういうの見て「どおりで強いわけだな」と思いました。なんか、わかるんですよ、そういう部分で。強い理由がわかりますよね。
    ――昨年のバンタム級トーナメントで優勝した扇久保博正選手とも練習して。
    鈴木 めちゃくちゃ勉強になります。まだ、回数はそんなに行けてないんで、そこまで馴染めてはいないんですけど。でも、どんどん練習してコミュニケーション取っていきたいです。
    ――ただ、鈴木選手の場合、キックとMMAを行ったり来たりなので大変ですよね?
    鈴木 でも、これがやりたかったんですよ!(ドン)。ボクはこの二刀流をやりたかったんです。
    ――そういう気持ちはいつ芽生えてきたんですか?
    鈴木 それこそ、キックに転向して1、2戦やったぐらいですね。そのときに、MMAとキックで戦える選手になりたいなと思いました。
    ――じゃあ、キックに転向したあとも、MMAへの気持ちはあったんですね。
    鈴木 ありました。でも、そのときに会長に「中途半端な気持ちじゃ、絶対にベルトなんか獲れないから」と。甘くない世界だと釘を刺してもらえたので、そのときにチャンピオンになるまではキックの練習に専念しようと決めました。だから、ボクはキックのチャンピオンになるまでMMAの練習は一切やってなくて、MMAの練習を再開したのはチャンピオンになってからですね。
    ――となると、最近は次の試合のルールによって、練習の比重を変えているということですね。
    鈴木 そうです。大変です。でも、だから面白いんですよ!
    ――そもそもKNOCK OUTの看板選手である鈴木選手のキャリアはMMAからなんですよね? パンクラスで8戦されてネオブラッドトーナメントでも優勝されて。

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  • ネオ柔道・小見川道大“引退直前”インタビュー「すべて柔道で戦ってきた」

    2022-02-04 15:01  
    110pt
    DEEP後楽園ホール大会で引退試合を迎える小見川道大インタビュー! 柔道から転向、連敗から始まった格闘家人生を振り返っていただきました!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・笹原圭一の大晦日“RIZNサファリパーク”13000字振り返り
    ・【MMA2戦目迫る】平本蓮「みんなが手のひら返すことはわかってる」
    ・“すべての戦いを知り尽くした男”船木誠勝が語るシバターvs久保優太
    ・【UFC契約更新!!】ラストワン佐藤天が語る「UFCと北米シーンの過酷な現実」
    ――小見川選手がDEEPの中村大介戦を引退試合を行うことになりました。
    小見川 デビューしたのはPRIDE武士道なんですけど。そのあとDEEPさんに出させていただいて。DEEPさんはホームじゃないですけど。そこからDREAMやUFCに出させていただいてるなって感じです。
    ――ホームで引退試合という感覚なんですね。引退の決断はどういう理由だったんですか?
    小見川 UFCが終わって、日本で試合するようになって。何戦かしてるうちに、だんだんとチャンピオンを狙うぞ、チャンピオンになるぞ!っていう気持ちが以前よりなくなってしまって。そういう気持ちのまま、試合で戦ってる自分にちょっと酔ってるところもあって。そうなると自分で自分の気持ちに疑い始めたというか。やっぱりチャンピオンを目指さないのに、自分がカッコイイとか思っちゃってる時点で……。
    ――内面に迷いが生じたんですね。
    小見川 あと同時並行して自分の柔道場をやってますので、そっちの指導がメインになってきてまして。練習する時間も昔ほどガッツリできないし、それはべつに言い訳になんないんですけど。そういうことが合わさって。
    ――ここで、ちゃんと踏ん切りをつけようと。
    小見川 ここに出たい、あそこに出たいっていう気持ちもとくになくなってしまった。そういう欲がない。並行して、どうしても自分の道場だったり、これからの子供たち育てることをメインにやってこうかなと。
    ――道場教育に情熱が移ってるってことなんですね。相手の中村大介選手は小見川選手のほうからの指名なんですか?
    小見川 そうです。次の試合をラストにしようと思ったときに、誰とやりたいのかなって考えて。やっぱり一番強い選手とやってみたいというところで、いまのDEEPのチャンピオンは牛久選手なんですけど。その牛久選手にKO勝ちしたのが中村選手で。その後のリマッチでも、ボクの中で中村選手が勝ったんじゃないかなっていう印象だったので。中村選手は43歳でしたっけ。ボクと3つしか変わらないんですけど、ずっとDREAMだったりとか、上の舞台でやってきて。40超えて、ここでまた上の選手を食うのは本当に本物だと思っていて。
    ――同じ40代として思うところがあるんですね。
    小見川 ボクと同じ階級の中では、年齢問わず、この人が本物だなっていう。やるんだったら、本物とやりたいですから。
    ――柔道vsUWFという構図は先輩である吉田秀彦さんも田村潔司さんと……。
    小見川 あー、UWFってよくわかんないですけど。ボクは本当に中村大介って男を本物だと思ってるんで。本物とやりたいんで、最後は。
    ――引退試合を見守らせていただきます! PRIDEに参戦した吉田道場の柔道転向組では小見川選手が最後の現役というか。
    小見川 吉田道場の生き残りでいえば和田(竜光)がいますけどね。
    ――和田選手はPRIDE消滅後のデビューですよね。小見川選手はデビュー戦は黒星で、2戦目も敗戦。先を危ぶまれたんじゃないですか。
    小見川 最初はホントに負け込んでましたから。デビュー戦で負けて1勝4敗とかだったんで。まあ、相手も相手でしたけど。
    ――デビュー戦がアーロン・ライリーで2戦目がJZカルバンですからね(笑)。そこで聞きたかったのは、MMAに転向するときはどういう認識だったんだろうと。柔道で強ければやっていけると思ってたのかなっていう。
    小見川 正直、ボクは柔道で強かったので。オリンピックは行けなかったとしても、武大(国際武道大学)でやっていた柔道は強いし。どこまでこの柔道が異種格闘技戦的なところで強いのかなってちょっと試したかった。それで転向したんですけど、まあ、そんなに甘くはなかったです。
    ――アーロン・ライリーとはキャリア差があるとは考えなかったですか?
    小見川 考えないっていうか、考えますよね(苦笑)。成績を見たら、相手はもう23戦とかしてたんで当時で。
    ――オファーを断れなかったんですか。
    小見川 いや、1回断りました。1回断ったんですけど、吉田(秀彦)さんが「大丈夫だよ」って。「ああ、そういう感じなんだ」と思って「わかりました」と。
    ――まあ、吉田さんは大丈夫だったから(笑)。
    小見川 でも、ボクも大丈夫でした、おかげさまで(笑)。
    ――いまとなってはですか(笑)。
    小見川 第1戦目アーロン・ライリー、第2戦目でJZカルバン。あれで鍛えられたっていうか。どちらかっていうと、ボクはゲームで説明書を読まないタイプなんで。柔道でも感覚的で。説明書を読まないで飛び込んで、そこから成長していくって感じだったので。最初に負けこんだことで「くそったれ!!」って火が付いたいうか。絶対に追い付くんだっていう気持ちになったのかな。
    ――絶望はしなかったですか。
    小見川 しなかったです。さすがに3連敗したら「どうしよう!?」って焦ったけど(笑)、こっから這い上がってやるっていう気持ちでしたね。
    ――吉田道場の選手たちって最初からプロ契約だったから、戦績が厳しく問われるわけですよね。
    小見川 そうです。毎月、給料いただいて。なので、第1戦目も断ることができないんです。給料が発生してて仕事だから。
    ――ああ、そうなっちゃいますよねぇ。戦績を残せば待遇もよくなるわけですけど、逆に負けがこむと……。
    小見川 そこはもう伝わってきますね。口をきいてもらえない。
    ――なるほど、過酷ですね。
    小見川 ホントにそんな感じなんで。言葉では出さないけど「次に負けたらもう終わりだ……」みたいな雰囲気だし。それでまた火が付くんですよ。
    ――小見川選手と同日のPRIDE武士道でデビューした村田龍一さんも大久保一樹選手に負けて、試合後の控室で相当、絞られたって話が聞きましたけど。
    小見川 詳しいっすね(笑)。懐かしいなあ、村田。
    ――PRIDEに参戦したときって、将来設計はどういうふうに考えてたんですか。
    小見川 正直、将来のこと考えてなかったっす。
    ――いいですね!(笑)。
    小見川 ボクはALSOK所属で柔道をやらせてもらってたんですけど。そこでも柔道だけで給料いただいてたんですけど、選手によってランクがあって、オリンピックの可能性がなくなったり、大きな大会で勝てなくなると「もう柔道はそこまでにしろ」みたいな感じになって契約のランクが落ちるんです。そうするとALSOKの仕事しなきゃいけない。
    ――柔道以外の仕事を。
    小見川 まだ試合をやりたいのに。高校の同級生だったマッハ(桜井マッハ速人)もそうだし、吉田さんもそうでしたけど、総合格闘技をやってたんで。ボクもやってみたいなって。将来設計っていうよりも、まだ戦いたい。将来も何もないです(笑)。「どうにかなんだろ!」みたいな感じで、とりあえず、やんなきゃ意味ない。
    ――無頼の格闘家って感じで最高です! 
    小見川 負けから始まったところでDEEPさんにはお世話になって。ようやく勝てるようになりましたね。ボクは徐々にですけど、やりながら勝ち方を覚えてくってタイプで。完全にアジャストしたのは、石渡伸太郎戦。あそこからようやくつかんできたかな。
    ――引き分けに終わった2009年の修斗の試合ですね。柔道で実績があっても4〜5年かかったと。

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  • 【シバターvs久保事件】Uインター・PRIDEから続くRIZINの「まだら」■菊地成孔

    2022-02-04 14:21  
    150pt
    かつて『紙のプロレス』誌上で毎月のようにマット界内外の時事ネタを評論してもらっていた、音楽家にして文筆家の菊地成孔氏インタビュー。今回はRIZIN大晦日のシバターvs久保優太問題について伺いました!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】
    ・朝倉兄弟とYouTube論■菊地成孔・プロレスラー、SNS、リアリティショー……この3つを背負うのは重すぎる■菊地成孔

    ・菊地成孔☓佐藤大輔■「ローリング20」におけるRIZINと東京オリンピックの行く末

    ・鬱と宗教とUWF……プロレスの信仰心はどこに向かうのか■大槻ケンヂインタビュー


    ――菊地さんに大晦日RIZINのシバターvs久保優太の感想を伺いに来ました。
    菊地 昨年末は特別に忙しかったという事情もあって、大晦日のRIZINは録画はしましたけど、見れてもいないっていう状態で。今回の取材で資料なんかをもらってようやく騒動を把握した感じですね。そもそもボクは基本的にネットでニュースを見ませんし、あいかわらずガラケーユーザーで、SNSを一切やってないので、情報も能動的に取らないと取れない。なのでシバターさんの騒ぎは先日まで全然知りませんでした。
    ――そういう環境だと八百長疑惑の情報は入ってこない、と。八百長の疑惑がかかった試合だという前提でご覧になった感想は……。
    菊地 <完全にはっきり、八百長の試合に見えた>ってほどではなかったです。それが八百長の怖いところで。誰もがはっきりわかるんだったら、それはそれで楽しいわけだし、同時に貧弱でもあるんですけど。いきなり総論めいちゃいますけど、今回のことはSNS自体の強度が強いから、あからさまになっただけであって。人間そのものは昔からまったく変わってないというか。たとえばパパラッチが使ってた小型のカメラとか、それまでなかったものがテクノロジーの進化によって生み出されている。そのツールの強度が上がってるので、目の前に突き出されるもののリアリズムが強くなっているだけなんです。事実なんてすべてが百鬼夜行。エンドユーザーとガバメントの知恵比べはずっと続けているだけのことですし、情報漏洩やリークがあったり、ブラックジャーナリズムがあったりすることもなんら変わってないわけで、ただツールが変わっている。今回もLINEのスクショとかが表に出て「これが動かぬ証拠だ!」ってなるんだけど、「どういうつもりで言ったのか?」「これはどれほどの悪行か?」という解釈が生じ始めて、結局、人の心の中に還元されるじゃないですか。そもそも一個人が「私は嘘はついておりません」「これは嘘でございます」と主張しても実際には本人すら本当のところはわからない。どういうつもりで言ったのかを当事者説明しても、また藪の中に入るんですよ。それは昭和どころか、古代から変わってないんじゃないですかね。
    ――実際に八百長か否かの議論は分かれてますし、シバター選手や久保選手もどこまで本心なのかはわからないですね。
    菊地 ギャラクシー賞を受賞したNHKの『光秀のスマホ』という番組がありまして。続編として『土方のスマホ』も制作されたんですけど、明智光秀や土方歳三の生きた戦国時代や幕末にスマホがあったら?という翻訳ドラマで。スマホという魔法の機械がタイムリーブで過去にポンと出てきたんじゃなくて、最初からスマホがあるという前提です。新選組で揉め事が起きたらグループLINEでみんな知ったり、裏アカで文句を言ったりとかいろいろとあるわけですよ。要するに、いま我々が掌中に収めてるスマホは、幕末や戦国時代であろうと無理なくアダプトできるし、ちゃんと収まっているってことが面白味になってる番組なんですけど。やっぱりネットを通すことで視聴覚に訴える情報が強烈になってきてる。「キチガイに刃物」って言いますけど、キチガイにスマホで、あれはとんでもない道具ですよね。少なくとも刃物と同程度には。
    ――今回の件にかぎらず、ネットが事件を怪物化させた面もあるってことですね。
    菊地 今回の事件の流れをテキストで追っていくと、ボクだけじゃなくて誰もが「大した話じゃないよ、これは」って思うはずですよ。そもそもボクは少なくとも日本の総合格闘技はプロレスの範疇に入ると思ってるんですけど。
    ――それは真剣勝負云々ではなく、プロレスという概念を通して格闘技を見ているということですね。
    菊地 RIZINファンの方々に申し上げたいのは、あなた方が見てるものは広い意味でプロレスですよってことですし、プロレスであることは全然恥ずべきことじゃない。みんなプロレスに感動してるんです。プロレスは素晴らしいと思ってます。もちろん、特定プロレス団体のことを指しているんじゃなくて、原理的に、ですが。いまの新日本プロレスとRIZINは違うものですけど、RIZINも新日本も同じ遺伝子を持ってる兄弟みたいなもんなんだよね。それはコンプライアンスやエビデンスではとても斬れない価値観の中、豊かさを謳ってきたもので。技術論もけっこうだし、SNS等々で選手の日常を知って追ってくのもけっこうだけど、みんなプロレスとして楽しんでいるし、プロレスを愛でているのだ、という。個体別の話にしていくと、これは斉藤さんのほうがご存じだと思いますけど、結局RIZINはUWFインターナショナルですよね。
    ――榊原さんの原点はUインターで、興行における表現方法がいまはMMAになってるだけですね。
    菊地 いまは「Uインターの遺伝子」と言って理解できる読者も減ってるでしょうけど。結局RIZINはUWFインターナショナルの流れをくむもので、完成形に近い「まだら」だと思いますよね。それはUインター、PRIDEという流れで最初から一貫している。リングスやパンクラスの遺伝子でもいいんだけど、Uインターが一番プロレスに近かった。ガチ寄りの「まだら」として完成しています。RIZINというのは、その遺伝子を受け継いだPRIDEからブリッジオーバーしてるわけで。あるときから完全に清廉潔白な団体になりましたってわけではなく、人脈は変わることなく続いてるわけですよね。
    ――プロパガンダ省は煽りV制作の佐藤大輔さんですし。
    菊地 RIZINはなんていうか、「PRIDEの浦島太郎」みたいな感じで、まだキング・カズの息子がどうとか言ってるわけだから、何か懐かしいですよね。何歳からオールドファンなのかはわからないけど、40代のファンの彼らはきっとRIZINを見ててもPRIDEと景色的にそんなに違いないと思ってるはずで。女子がいるってことだけが新しくて、あんまり景色が変わってない。だってPRIDEのときだって、YouTuberではないけど危なっかしい人はリングに上がってたわけですよ。ボクはシバターさんにはなんの思い入れも文句も一切ないですけど、完成された格闘家としての動きや身体つきはしてないように見えました。それがYouTube格闘家っていうことなのかなと思うし。ただ、ジムに通って練習すればいいってことになっちゃうと、朝倉未来もYouTuber格闘家になっちゃうから。とにかくシバターさんはUFCを頂点とする格闘家の身体とムーブではないというふうに見えたわけで。この感じってのは懐かしいというか、PRIDEを最初から最後まで見ていれば、UFCファイターのような格闘家もいるけど、サーカスの団員みたいな身体や動きの選手もいた、というだけのことなので。皆さんもう忘れてますけど、PRIDEがあったときに並行して榊原さんは『ハッスル』をやってたんです。
    ――最近のファンは知らないと思いますけど、『ハッスル』とはファイティングオペラを名乗ったエンタメ色の強いプロレスイベントですね。
    菊地 『ハッスル』とPRIDEが両方ともウォークしていた時代が、ほんのわずかありましたが、あのときはすごく万能感があったと思います。あのときが一番帝国的というか。<『ハッスル』というサーカスがある><がゆえに、PRIDEは格闘技なんです>というやり方。でも。これだって単なる方法論であって、『ハッスル』の中にガチが入ったり、PRIDEの中に八百長が入る可能性はあったわけで。いまのRIZINにはYouTuber格闘家が出たり、今回カズ・ジュニアという2世タレント的選手も出て、お父様やお母様がリングサイドで祝福したりする。これはRIZINもPRIDEも一貫して<芸能界に色目がある>とも言えるんですが、PRIDEの頃からそこをコトコトコトコト煮込んでる感じはあるんですよね。
    ――「まだら」的なものが煮込まれてるわけですね。
    菊地 一方で堀口恭司選手が戦ったりするし、朝倉未来選手の試合もガチンコだと思いますけど。まあ、ボクはどっちでもいいんだけど。ただ、メインで朝倉未来選手がシリアスな試合をする中、常にチラチラチラと芸能に色気があるわけじゃないですか。榊原体制でそれがなくなったことはないし、それをやってるかぎりは、いずれこういうことに起きるわけで。それも俳優や、他ジャンルのスポーツ選手とかと、なんらかのかたちで結びつこうとしてるぶんにはよかったんだけど、要するにYouTuberから競技者を出すとなったとき、いままでと同じルートだと思ってたんだけど、まあ静かにパンドラの箱が開いちゃったと。YouTubeというのは、八百長もガチンコも入れられる包括的な箱で、前田日明さんの動画の完コピを神無月さんがやって、等価でしょ。そして個人がどんどんバックヤード撮るし、ほかのメディアにない生々しさですから。
    ――その生々しさが衝撃だったわけですね。
    菊地 いま作った言葉ですが(笑)、プロレス界には、<告発カルチャー>がありますよね。告発本の歴史がいっぱいあるし、っていうか、格闘技における書籍っていうのは濃淡の差こそあれ、結局すべて告発本なんですよね。派手にショッキングな告発の場合もあるし、地道に告白する場合もある。佐山聡さんの『ケーフェイ』以来、格闘技が言葉を持ったとき、基本的に仕事は告発になったんです。そのエネルギーが書籍よりも何倍も早く強くSNSで到来してるわけで。SNSは人間の質を変えたわけじゃなくて、ただ目の前に突き出される速度や、物量が圧倒的に増えただけなんで、要するに量的還元だけなんですよ。質の差じゃないです。
    ――人間の持つ危うさがSNSによって、よりあらわになりやすくなったということですね。
    菊地 結局、誰でもある程度おかしいわけですよね。だけど、生活ができなくなるほどおかしくなったら、そこからは「症状」と呼ぶことになるわけで。世の中には常人と狂人がいるわけじゃないし、健常者と異常者がいるわけではないですね。全員異常者の要素、因子を持ってるんだけど、それが症状化して仕事ができなくなったり、大変に生きづらくなってしまった場合は治療しましょうという発想で。危うさがゼロって人はいないですから、「なんでこんな行動を取るのか、まったく意味わかない」というケースはないと同時に、「この行為は、100%間違いなく、この目的のためだけに行われた」というケースもないです。試しにキスしてみるとわかりますよ。それが「生々しいリアル」で、人間原理に沿ってるんですよね。人は傷つきたくさえあります。SNSで傷つけられたり揉め事が起きると、生きた心地がするわけじゃないですか。管理社会になって、平和で何も問題がもなかったら生きてる心地がないから、こういうことが周期的にあったほうが楽しい人もいるわけですよね。人類には「やめたくてもどうしてもやめられない」ことがいっぱいありますよね。それはすべて「自分を傷つけて、生きた心地にしてくれるから」です。
    ――シバターvs久保に怒りながらも、正直、血が騒いでる人もいたでしょうねぇ。
    菊地 もちろん(笑)。でも、これを「ゆゆしい問題だ!」と怒るよりは、いろんな角度で分析したり評価したりする時代になりましたよね。ボクがどう評価するかと言われれば、そんなに特別、分析したり評価するに値する対象じゃなくて。さっきも言ったように、RIZINの座組みは結局PRIDEであり、Uインターであり、常に芸能界に色目があったんだと。そもそも「まだら」の遺伝子がある。それが長ずるにYouTuberまでリングに上げてしまえば、こういったことが必ず起きる決まってるし。久保選手がアスペルガー症候群がどうかは置いといて、あんな素直な感じな方がシバターさんのようなスマートな方とマッチメイクされれば、ああいうことが起こっても不思議ではないよなと。こんなもんどこの世の中でも起こっていることですよ。
    ――社会の縮図だと。
    菊地 「これすべて榊原さんの仕掛けじゃないの?」と陰謀論的に言う人もたぶんいると思うんですけど。これはベランダのプランテーションみたいなもんで、水を上げて放っておいたら、あんなふうに育っちゃっただけで(笑)。
    ――ハハハハハハハ。
    菊地 ボクは自然発生説を取りますね。それでも心の中に残ってしまうのはさっき言ったネットの強度によるもので。たとえば世の中には不倫や殺人が起こったりしてて、概念では理解してるけど、目の当たりにできないじゃないですか。一般的なニュースになってないだけで、いまもどこかで殺人事件が起きてるかもしれない。でも、何も感じないじゃないですか。それが動画で見せつけられると生々しいし、人間はこわごわと危険なものを見るのも好きだから。ネットはその事実を目の当たりにさせてしまう可能性を持ってるツールなので。人々の心に残ったのはやっぱり久保選手の電話音声。ボクもまだ残ってるんだけど、「えっ、ホントですか」というあの声。<15000字インタビューはまだまだ続く>

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  • 血を流すとはなんて残酷なんだ!WWEが流血プロレスを批判

    2022-02-02 00:00  
    110pt

    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは「血を流すとはなんて残酷なんだ!WWEが流血プロレスを批判」です!
    <1記事から買えるバックナンバー>・反同性愛デモ集団の目の前で、ボーイフレンドとキスを交わしたプロレスラー

    ・ファンがWWEスーパースターを番組中に襲った恐ろしい理由
    ・名前は前田日明、北斗晶、憧れは葛西純…デスマッチファイターAKIRA
    ・視聴率戦争から見えたAEWの厳しくも明るい“現実”
    「AEWのテレビ放送で女子プロレスラーが行った“グロい自傷行為”を見ましたか?テレビ会社やスポンサー、会場、そしてテレビを見ている子供たちはもちろん全世代の人々にとって、女性選手のあんな血まみれの残酷な映像を流すなんて、今の時代には言語道断です。我々とAEWとは目指す方向性の違う、全く別物であるということがご理解いただけるのではないでしょうか」
    ライバル団体AEWで行なわれた女子選手の流血戦を槍玉に挙げ、一刀両断にぶった斬ったのはWWE。
    「血はリングに咲く花である」と言われ、プロレスの代名詞だった流血試合も、コンプライアンスに厳しい現代の世の中では、テレビ映像的には良しとされない。とくにWWEのように全世代向けの娯楽スポーツとなれば、鮮血淋漓な試合は当然ご法度となる。
    “グロい自傷行為”とWWEから糾弾されたのは、昨年12月31日(現地時間)にAEWのテレビ番組「ランペイジ」で放送された女子ストリートファイトタッグ戦だ。AEWのお膝元フロリダ州ジャクソンビルのデイリーズ・プレイスで、放送2日前の12月29日に収録されている。

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  • プロレスに言葉が必要なのか?金剛ノーコメント批判を考える■斎藤文彦INTERVIEWS

    2022-02-02 00:00  
    120pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは金剛ノーコメント批判を考えるです!

     

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー
    ■対抗戦?交流戦?新日本vsNOAHから見えてくる2022年
    ■アメリカで英語化されたPURORESUプロレス
    ■AEWはWWEのライバルになりえるのか


    ■コロナに散った『ワールドプロレスリング』海谷ディレクターを偲ぶ
    ■前田日明の「噛ませ犬」だけではないポール・オーンドーフの功績
    ■WWE☓新日本プロレス業務提携の噂、その出元
    ■ドラマが現実化するプロレス版・星野源&新垣結衣は?■NWAの最期を看取った男ジム・クロケット・ジュニア
    ■ビンスの黒衣、猪木の親友パット・パターソン

    ■晩年のロード・ウォリアーズ
    ■ロード・ウォリアーズの衝撃

    ■追悼! 佐山タイガー最大の難敵・初代ブラックタイガー

    ■全女消滅後の女子プロレス新世界

    ■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった

    ■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた

    ■新日本プロレスの“ケニー・オメガ入国妨害事件”という陰謀論■WWEvsAEW「水曜日テレビ戦争」の見方■WWEペイジの伝記的映画『ファイティング・ファミリー』■AEWチャンピオンベルト盗難事件■「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■ウルティモ・ドラゴンの偉大なる功績を再検証する■都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される ■【追悼・爆弾小僧】すべてはダイナマイト・キッドから始まった
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」



    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る



    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑
    ――今日はフミ斎藤さんに電話でつながってまして。月イチの連載の配信版を行ないますので、よろしくお願いします。
    フミ こんばんは、フミ斎藤です。
    ――新年1発目の今回は、1・8の新日本プロレスvsノアの対抗戦についてお伺いします。
    フミ よろしくお願いします。試合や対抗戦そのものについては、各方面ですでに報じられているので、今回はボクなりに考えたいくつかのポイントを中心にお話ししていきたいと思います。
    ――フミさんはどういうかたちで対抗戦をご覧になったんですか?
    フミ ボクは知人と一緒にスマホとにらめっこしながら初めてABEMA TVのPPVを購入しました。3000ABEMAコイン、現実のお金だと3600円でした。
    ――ABEMAのPPVは初購入なんですね。
    フミ ボクらのようなおじさん世代にとっては購入動作そのものがわかりにくいところがあって、画面に入っていって、どんどんボタンをクリックしていくわけなんですが、まずABEMAコインというバーチャル貨幣が必要だということを知らなかったんです。
    ――そこからなんですね。
    フミ この番組を視聴するには3000ABEMAコインかかりますと画面に表示される。そして、3000ABEMAコインを買うにはどうやら円レートで3600円が必要ですと。そもそもクレジットカードがスマホやパソコンに連動していないと料金を支払うことさえできない仕組み。この場合は1番組の視聴料金が3600円。新日本ワールドやWRESTLE UNIVERSEの月額1000円程度の料金システムとは違って、1番組ごとの料金設定があり、しかも一度しか視聴できない形態ですね。まず、この3600円を高いと受け取るか、安いと受け取るかですね。
    ――フミさんは高いと思ったんですか、安いと思ったんですか。
    フミ 安くはないと感じました。映画よりは高いですね。でも、コンサートのチケット代よりは安い。まあ、外で食事ができる値段ではあります。ネットPPVがプロレスの一番新しいビジネスモデルなんだろうなということがなんとなく認識できた段階です。
    ――最近は国内ボクシングのPPVも大々的にやりだしたことで、PPVビジネスが議論になってるんです。MMAシーンはPPV自体の歴史が長いのでもう慣れちゃってるんですけど。
    フミ そんな感じなんでしょうね。
    ――日本プロレス界初のPPVは新日本の長州力vs大仁田厚の有刺鉄線電流爆破デスマッチで、その後もいくつかの団体がやりましたが定着せずで。
    フミ 今回はABEMAで観れば生配信で3600円だけど、1週間待てば新日本ワールドやWRESTLE UNIVERSEの会員であればまた観ることができるわけですから、そこの判断もちょっと難しい。
    ――1週間ちょっとガマンするという選択肢はある。
    フミ 新しいビジネスモデルとして消費者に提示されているということは理解しています。プロレスだけの動きではなくて、映像ビジネスは実際にネット上のストリーミングにすごいスピードで変換されつつある。ありとあらゆるジャンルにおいて最新映像がテレビからネットに移行されていくプロセスは遅かれ早かれかならずあったと思いますが、新型コロナのパンデミックがそのスピードをぐっと早めたというか、実用化を早めた。ボクのなかでは、これもまたコロナのひとつの副産物なのだろうという感覚があります。
    ――ネット配信をどう駆使するかが問われてるわけですね。
    フミ 話題は対抗戦からちょっと外れるかもしれませんが、今回の大会を報じた一部スポーツ紙の記事が大炎上しましたね。
    ――スポーツ○○の……。
    フミ その記事をYahooニュースが拾ったことによって拡散され、いつもはスポーツ○○を読んでいないであろう多くの人たちの目にも触れた、ということですね。その記事は最後まで読むとわかるのですが、試合リポートではなくて「記者コラム」だった。試合リポートとコラムの根本的なカテゴリーの違いはボクらだったらわかるんですけど、読者によっては、とくにネット読者層はその違いをあまりよくわかって読んでいなかったのかもしれない。実際、そこに書かれていたコラムの内容そのものが大炎上を呼んだわけですが。
    ――コラムを要約すると、試合に敗れてノーコメントだったノアの金剛はどうなのか、というプロの姿勢を糺すものですね。
    フミ そこの判断はプロレスファンとしてのキャリアによっても大きく異なるところです。マイクアピールがなければ、あるいは言葉によるフォローがなければプロレスが伝わらないと本気で信じている層が確実に存在する。そのあたりは、近年の新日本プロレスの長編ドラマとその登場人物のキャラクター設定だけを通じてプロレスと接している人たちの一種の常識みたいなものが基準になっているのかもしれない。
    ――比較的新しいファンだと、マイクがあるのがプロレスだと捉えている。
    フミ ボクのこの感覚がオールドファッションなんだよと言われてしまえば、それまでのことなのかもしれないけれど。そもそも、マイクアピールは決してプロレスに必要不可欠なものではないんです。今回の対抗戦で、プロレスリング・ノアと新日本プロレスがちょうどうまい具合に何から何まで比較される一枚のお皿の上に並べられたことはたしかですよね。アントニオ猪木、長州力の流れを汲み、いまの現在進行形の新日本プロレスがあるとすると、たしかに試合と言葉の両方が必要なプロレスという流儀のようなものがあります。しかし、プロレスリング・ノアは、全日本プロレス、ジャイアント馬場さんからジャンボ鶴田さん、三沢光晴さんをリーダーとする四天王の流れを汲むプロレスです。その歴史を紐解けば、そこにはマイクワークは存在すらしないわけです。馬場さんは試合後にマイクで誰かを挑発したことはないし、ジャンボさんもマイクをつかんで対戦相手やタイトルマッチの次期挑戦者をなじったりしたことはないんです。基本的な所作に違いがあるんです
    ――天龍さんは「何も話すことはない」が代名詞だったときありますね。
    フミ 天龍さんの場合は控室に戻ってからボソボソとしゃべって、その言葉を番記者が拾って、それこそ阿吽の呼吸で記事にするというお作法もあることはありました。むしろ天龍さんよりもさらに一世代若い四天王世代はコメントさえあまり出さない。マイクワークは一切やらずに四天王プロレスが成り立ってきた歴史もあるわけです。流儀のちがいとか哲学のちがいとか言っちゃうと、ちょっと大げさかもしれないけれど、馬場イズムを受け継いでいるプロレスリング・ノアと、アントニオ猪木の流儀を受け継いでいる現在進行形の新日本プロレス。今回の対抗戦は、このまったく異なるプロレス哲学、プロレス道がぶつり合ったという実感はすごくありました。その部分を、言葉がなければお客さんには伝わらないという結論づけでは、中立的な分析、価値観の比較にはならない。新日本のスタイルを基準にして見ちゃうとノアの選手たちが無言で帰っていったのは理解しにくかったのかもしれないけれど、ノーコメントはプロとしておかしいというような論点だったり、またはなぜコメントをしなかったのかという点を追跡取材もせずにコラムに書いてしまったのは、ファンの感想文と同じだということでネット上で一気に炎上したのでしょう。
    ――スポーツ紙とか新聞系の人にありがちなのは「コメントしないとは何事だ」っていう姿勢があるんです。マスコミの存在を否定されたように受け取っちゃうんですよ。
    フミ でも、試合後に選手が必ずコメントを出すという不文律はないですよ。それがプロレスの試合の一部分だという大前提なんてないですよ。ここ10年ほどの新日本のやり方をすべてのプロレスの基本形として捉えている人たちにとっては、マイクもプロレスのひとつのパーツだと思いがちなのかもしれないけれど、実際はそうではない。そもそも、マイクワークやコメントがなかったらプロレスが成立しないとなったら、プロレスというジャンルには「言葉の壁」があることになってしまいます。
    ――あと最近のネットの風潮でいうと、なんでも説明がないと納得がしない人が増えてんだろうなって。行間を読むことを放棄してるという。
    フミ それはもうプロレスを観るスタート地点にさえ立っていないのではないか。そう感じます。プロレスというスポーツエンテーテインメントは観る側のイマジネーションがすごく大切なのです。イマジネーションを膨らませる、どうしてだろう、なぜだろう?とあれこれ考える感性の作業を放棄している思考停止状態がコメント主義なんです。最近プロレスを観はじめたビギナーならわかりますけど、選手たちのコメントからいま見た試合の意味を知ろうなんて、どうなんですか。プロレスはプロレスラーが言葉でもって提示するものではないでしょう。

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  • 三浦孝太インタビュー「格闘技と家族、男はつらいよ」

    2022-02-01 00:00  
    110pt
    日本で最も有名なサッカー選手の息子がサッカーボールキックで勝つ! 大晦日に衝撃デビューを飾った三浦孝太インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・笹原圭一の大晦日“RIZNサファリパーク”13000字振り返り
    ・“すべての戦いを知り尽くした男”船木誠勝が語るシバターvs久保優太
    ・【MMA2戦目迫る】平本蓮「みんなが手のひら返すことはわかってる」
    ・ライフ・イズ・ビューティフル!! 扇久保博正“優勝記念”インタビュー
    ――大晦日の激勝から時間が経ちましたが、勝利の余韻はいかがですか。 
    三浦 試合当日と翌日までは嬉しかったんですけど、  1月2日ぐらいから切り替えていこう、と。 
    ――ああ、もう正月中に。 
    三浦 はい。お父さん(三浦知良)からも「すぐに切り替えてやっていこう」って言われて。 反響もすごく大きかったので、ここから先がホントに大変になっていくからと。 
    ――なるほど。プロスポーツのなんたるかを知り尽くしている父親からのアドバイスは心強いですね。
    三浦 そういう考えを聞ける機会は多いですね。 
    ――試合の反響は絶賛一色ですけど、RIZINデビューの発表されたときは逆でしたよね。
    三浦 ああ、そうですね。  批判の声には「やっぱりな」っていう感じで、 それで落ち込むってことはそんなになかったんですけど。やっぱり誹謗中傷がたくさんくると傷つくんだなって。 
    ――やっぱり心に刺さりますよね。
    三浦 傷ついたというか、やっぱりショックでしたね。「なんでこんなこと言われないといけないんだろう?」っていうようなことも言われたし。いきなり RIZINに出ることになったら、そういう風になるかなって覚悟はしていたんですけど、実際にやられてみるとショックでした。
    ――「アマチュアからやるべきだ」という意見ならまだしも人間性や家族について言われたら耐え難いですよね。
    三浦 そうですね、はい。 
    ――ネットの批判についてご家族から何かアドバイスはあったんですか?
    三浦 そこは自分が見たくないんだったら、べつに見なくていいものだから、見なきゃいいよっていうふうに言われてから、なるべく見ないようにしましたね。 自分はもともとSNSとか見たことがなくて、コメント欄みたいなものもあんまり見たことがなかったんですけど。自分がRIZINに出るとなったときに、興味で今回、初めて見てしまって。 それがけっこう悪い言葉で言われていたので、やっぱり見ないほうがいいんだな……って。
    ――三浦選手がやってるのはインスタだけですよね。
    三浦 はい。ツイッターはコメントがメインというか、そういう声が目立ってしまうところもあるので、自分はやりたくないなって思ったんですけど。インスタしかやってないのは、今回の試合で応援のメッセージが増えているので、そういう声を ひとつにまとめたほうが 吸収しやすいというか、聞き取りやすいのかなっていう考えもあって。いろんなものに手を出して分散されてしまうよりも、インスタでたくさんの声を聞けるほうがいいのかなって。それでインスタしかやってないって感じですね。
    ――RIZINでデビューするか、それともアマチュアからやっていくかは迷われたんですか? 
    三浦 けっこう迷いました。 やっぱりイチからやっていきたいっていう考えは自分の中にあったんですけど。 ただ、こういうチャンスってみんながみんな来るわけではないですし、チャンスを掴んでいける選手はごくわずかだと思うんで。 RIZINに出たいっていう気持ちもありましたし、そこにはいろんな葛藤はありました。 
    ――ご家族はどういう意見だったんですか?
    三浦 お父さんもお母さんもRIZINに出ることに関して最初は否定というか反対はしていたんですけど。いきなりそういう大舞台よりも、イチからしっかりやってほしいと。 でも、BRAVEの宮田(和幸)さんを通じてRIZINと話をしているうちに、 家族の意見も変わっていったというか。 親としては自分がRIZINに出たいという意思に感づいて、そういうプラスなほうに言葉を変えてくれたんじゃないかなって。
    ――ああ、なるほど。つまり三浦選手の意向を尊重してくれたわけですね。
    三浦 自分はRIZINや格闘技の団体のことは知っていたし、実際に「こんなチャンスねえな」って気持ちはありました。でも、先のことを考えると……下からやっていったほうがいいんじゃないかなっていう。自分の中でも2つの意見に分かれていましたけど、自分のやりたいことを後押ししてくれる家族の存在は大きかったですね。
    ――デビュー前から、なかなか重い決断を迫られるという。
    三浦 でも、これも貴重な経験でした。
    ――ご本人を前にしてあれですけど、「どうせだったら親の力を利用してやれ」ぐらいの開き直りはありました?
    三浦 いやあ、そこまでは正直ないですけど。 でも、自分はそのことを恥ずかしいとは思ってないです。カッコいいことでもないなとも思っているんですけど。でも、なんだろう。 言ってしまえば誰だって親がいて、自分の場合は親が偉業を成し遂げてきたから、自分がこういう舞台に立てるので。親の力を使ってやろうって気は一切ないですけど、親のすごさを感じる機会になりましたね。
    ――RIZINに出ることで両親の存在感をあらためて知ったと。……ちゃんとした考え持ってますね!
    三浦 いやいや、全然です(笑)。
    ――そもそも総合格闘技をやろうとしたのはどんな経緯なんですか?
    三浦 最初に興味を持ったのはボクシングです。マイク・タイソンがすごい好きで。お父さんがタイソンのDVDセットを持っていたことからタイソンに魅了されて。 総合格闘技は最初は知りもしなかったんですけど。那須川天心選手の動画がYouTubeに流れてくるようになって、そこからキックや総合の存在を知って。あとはコナー・マクレガーですよね。
    ――なるほど、もうPRIDEで総合を知る世代じゃないですね。
    三浦 PRIDEのことはちょっとわかんないです。 
    ――憧れのファイターが金太郎選手で。
    三浦 やっぱり自分にないものを持っているというか、 不良とかになりたいといっても絶対になれないですし。 金太郎選手は不良だったからカッコいいというよりも、いまはアスリートとして大舞台で活躍してる姿がカッコいいです。何回かお会いさせてもらったことがあるんですけど、すごい優しい方で。そこのギャップや人柄にも惹かれています。
    ――理想の選手像はありますか? 
    三浦 それこそ金太郎選手のようなファイトスタイルの格闘家ですね。 どの試合も面白いなって思ってもらえるような試合をしたいですね。 
    ――最近はSNSのセルフプロデュースが問われたりして、 たとえばトラッシュトークが求められたり。 
    三浦 ああ、自分はあんまりトラッシュトークとかは……。 自分がやるのは違うなって思うし、競技が 危険なぶん、リング外のところでもそういう感じにしちゃうと、子供にやらせたいと思える競技にならないかなって。リングの下ではちゃんとして、試合になったら爆発する格闘家を体現していきたいなと思ってます。 
    ――これから試合を重ねていくにつれ相手もいろいろと言ってきそうですけど。
    三浦 そうですね。まあでも何を言われても自分はブレずに 集中してやっていきます。 相手にしないってわけじゃないですけど、自分のやり方を貫いていきたいです。
    ――いまはBRAVEの寮住まいではないんですよね。
    三浦 はい。あそこは地方から出てきたり、バイトだったりをせずに格闘技に打ち込むための寮なので。自分は家から通えない距離ではなかったし、 自分が寮にダラダラと住んでいると新しく入れない人も出てくるので。寮生活は数ヵ月間でしたけど、格闘家の生活というハングリーな部分を体験できて、すごい勉強になりました。 
    ――大晦日のお話も聞きたいんですけど。 相手のYUSHI選手はキャラクターが強い選手でしたけど、どんな印象でした?
    三浦 地下格闘技でチャンピオンにもなっていて、 ある程度は強いんだろうなって思いました。ただ、格闘家ではないので、自分にとってリスクがあるというか。言ってしまえば格闘家を本気で目指している自分が格闘家じゃない人に負けるのは……。 そういうリスクはあったんですけど、いろんなことで成功されている方で、何に対しても本気でやる人だなとわかったのでリスペクトするようになりました。 
    ――数ヵ月前に榊原さんと一緒にリングに上がってRIZIN参戦の挨拶をされたときと比べて、顔つきも精悍になって見違えるようでした。リングから見える風景も違ったんじゃないですか?

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