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記事 24件
  • <今日の菊地成孔>2013.12.14

    2013-12-15 10:00  
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     12月14日(土曜) 
     明日(実質上の今日)の夜電波は、ここにも書きました通り、大友良英さんと薄毛の話しをするつもりが、盛り上がりすぎて急遽2週連続に成り、薄毛コーナーは翌週の後半からになったので、補完的にコチラで展開します(笑・何言ってんだ)。 

     とにかくワタシが申し上げたいのは、「ハゲ」という言葉は、「阿呆」「蛸」等と同じで、実際に禿頭かどうかは問題ではなく、怒りに任せてすべての対象に向けられる、万能罵倒語の側面もあるので、という事をワタシは充分承知しております。ワタシの実家が、毎夜客同士のケンカが繰り広げられるバトルフィールドであった事は御存知の通りですが、特に毛髪の状態と関係なく、やたらと興奮した御仁が「るっせえハゲ!!」等とシャウトしておった事を、目を細めて懐かしく思い出します。 

     然るに、しかしですなあ、何事にも中央分離帯というか、グレーゾーンというか、そういった存在がありますし、何せワタシが思うに、ここ数十年で、日本人が最も研ぎ澄まし、定着させた観念/単語は「微妙」だと思います(その反動で、ネット内の自我が――どんなに斜に構えても、結局の所――どんどん退行して純化し、つまり「微妙でない」状態に追い込まれる事でバランスする訳ですが)。英語だとデリケートとかセンシティヴだとか当てたく成りますが、どちらも「微妙」に違いますね(ワタシの経験ではSUBTLE(サブトゥル)――A SUBTLE DIFFERENCEは、厚いガラスと、薄くはないガラス、の違い等に用いられるので――ですが)。

     そんな「微妙」という微な妙を愛で、初めて恋人に作って貰ったオムライスに対し「どう?美味しい?」と言われて「うーん微妙」と(あまりに正直に)答えてしまう。といった微妙の国のお子様ランチ達が、薄毛という、明らかにインデペンデンスな状態、まあ、独立国家ですね。それを「ハゲ」という、これまた完全に独立した王国と乱暴に同一視してしまうのは、糞味噌一緒というよりも(ここでは特に)ケニアと南アを一緒にしてしまったり、オランダとベルギーを一緒にしてしまう愚に等しいと言えるでしょう。長きに渡り「はげと薄毛は殺人と殺人未遂ほど違う」という修辞によって訴え続けて参りましたが、先日の番組収録では自粛せざるを得ませんでした(無念)。
     ワタシの考えでは「薄毛」という国の中でさえ「猫っ毛(一本一本が細く、腰が弱い)」という地域と、毛髪自体の本数が少ない「ハゲ未満」という地域があり、そして、その双方をあらゆるパーセンテージの中で共有している、広大な地域があります。 

     そこで、さて自分の住所は何処だという事ですが、ワタシは薄毛国の猫っ毛県の県庁所在地から自家用車で僅か40分ほどに位置する、ハゲ未満県の県境に住んでいます。写真をご覧下さい。
     

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  • <ビュロ菊だより>号外No.21

    2013-12-15 07:18  
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    <12月25日モーションブルー横浜公演に関するお知らせ>
    菊地です。皆さま今年のクリスマスには何をしてらっしゃいますかね?ま、勿論ですよ。こんな凄まじいご時世「クリスマスにひとりぼっちだから負け組」とかですね、こうしてキーパンチしていても寒々しい、日本の戦後を総動員した結果、もう何の色合いも無い様な事を考えている御仁はもはやいらっしゃいますまい。そんなもう勝ちだの負けだの言ってる場合ではないですよねー。次おっぱじまったりしたらですよ。そんときゃ本当に勝ち負けしか、、、おっと口が滑りました。フィギュアスケーターのように。一句詠みましょうか。 

         滑る口 ローション相撲のスリルと似て 

     ダメですね。どの新聞にも載せてもらえない。ま、そんなワタシですが、どういう訳だかここ10年ほど、クリスマスにライブのオファーがあった試しがなかったんですが、今年はどういう風の吹き回しか、

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  • <今日の菊地成孔>2013.12.13

    2013-12-14 10:00  
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    12月12~13日(木~金曜)

     また反日斬れ、おっとっと間違えた半日切れになりそうですが、殺気まで、おっと間違えたさっきまで冨永監督と事務所で過去のペペ映像を見ていました。

     「戦前と戦後」(絶対「戦争と平和」と憶えてしまう人がいるよね。ネットでタイトルだけ見た人が。雑な人たちにキクチエフスキーにされちゃうよ。と噂中→仲間内で)に、30分のDVDが付くからです。ペペトルメンとアスカラールは結成から一貫して、ほとんどすべての(本当に、例外的な1~2回と地方公演、あと、契約上不可能なブルーノート公演を除いてすべて)公演を複数のカメラで撮影しているので、約10年取材の記録映画が出来るだけのソースがあるのにも関わらず、長らく高見元PCに眠っており、手つかずの状態だった物を、今回、僅か30分の付帯プロダクツの為に全開放して観ることになったのですね(「闘争のエチカ」の時に、小さく開けてみましたが)。
     

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  • <今日の菊地成孔>2013.12.12

    2013-12-13 10:00  
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    12月12日(木曜)

     昨晩はロイホに行かず、荒木町のcontrast(コントラスト)に行きました。カメラを忘れたので、写真は中村君です。コントラストは所謂ワイン割烹で、和食にワインを合わせるので「おふろ」と一緒ですが、日本酒や焼酎もある「おふろ」と違い、女将が日本ソムリエ協会認定のシニアソムリエールなので、圧倒的にワインが中心で、料理も創作系ではなく、古式ゆかしき割烹です(シャラン鴨のはりはり鍋とかあるけどね、鴨がシャラン産なだけですよ)。

     さすが協会認定シニアソムリエールでして、ワインリストを置いておらず、好みを言うと数本出して来て説明する。というスタイルです。八寸と天婦羅と西京焼に合わせるので、ハチミツ感のある太い白を冷やさずに、といったらテールダルザスが出て来たので、ええ?ドライじゃないの。と思ったら、かなりスイートだったので、非常に素晴らしかった。八寸とアルザスの最強区域が、お節とお神酒のようで、早めの正月気分を味わった感じです。そのあとも天婦羅合わせでゲヴェルツ、鴨のはりはり鍋合わせでグラスのピノノワールと進み、もう荒木町なら、寝ながらでも歩いて帰れますので、実際に半分ぐらい寝たまま帰宅しました。荒木町開拓し始めたらヤバいよなー。そこそこにしておかないと。今の所「山灯」「うぶか」「コントラスト」だけで、既にどこも素晴らしいんですが、あと20軒ぐらいあるんですよね。行きたい所が(笑)。
     

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  • <今日の菊地成孔>2013.12.11

    2013-12-12 10:00  
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    12月11日(水曜)

     美学校で今年最後の授業を終え、増田さんは怖い人でも真面目な人でもなく、どっちかというと子供っぽいぐらいの人だったので、当て身(柔道の打撃)も喰らわず、喰らったのはエビスビールでした。そもそもビール自体が飲めない所に持って来て、生まれて初めて「缶ビール」を飲みましたが、まあ、話しがたいへん楽しく盛り上がったので、その勢いで2缶飲みましたが、寝る前になんかちょっと変にダルくなったりなんかして、やっぱ麦酒はダメですねえ。味はそんなに、嫌いでもないんですが(いわゆる定番の、餃子や唐揚げといったアテとはそんなにマリアジないんじゃないかなあ、と思いました。麦酒は何も喰わないか、ナッツみたいのが良いのではないかと推測しています)、やっぱどうしても酔い心地がねえ。同じ泡物でも、シャンパンがワタシと合い過ぎるようでして、今年はあと何本、何を何処で飲むのか、既に手帳にびっしり書き込んでいます(涎を垂らしてニヤニヤしながら)。
     

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  • <今日の菊地成孔>2013.12.9&10

    2013-12-10 20:00  
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    12月9~10日(月~火曜)
     

     「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」「大山倍逹正伝」「東京アンダーナイト」の3冊を再読/精読していたら、ついうっかり昨日の分を書くのを忘れていました(汗)。今日はこれから美学校に行って、終わってから事務所で「木村政彦は~」の増田先生とゴン格で対談するので緊張しています。あんな真面目な方が、というか、そもそもノンフィクションの価値を信じておられ、名作を放ってダブル受賞されるような方が、正拳突きを喰らわす以外、ワタシに何の用件があるというのだろうか。今、キーパンチしながら必死にスエーバックの練習をしています。
     

     いやあそれにしても昨日は楽しかったなあ。SIMI LABは大変尊敬しているし、ラッパーとしては兄さん姉さんなのですが、もう可愛くて可愛くて仕方が無いです。何を喋ったかはほとんど覚えてないんですが(笑)。いけねえもう出る時間だ!す

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  • <今日の菊地成孔>2013.12.8

    2013-12-09 10:00  
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    12月8日(日曜)
     毎度変わらぬ晩飯記ですが、実に久しぶりに、下高井戸の「奇蹟の居酒屋」こと「おふろ」にコーラくんと行ってきました。コーラくんは当ブロマガの有料購読者でありまして、写真が意気消沈して見えるのは、ワタシが断筆でもするかの如き煩悶を綴ったからですが(笑)、大変正直に申し上げて、一昨夜の煩悶はセメントであって、そしてそれは「時事ネタ嫌い」の、あまりの売れなさ過ぎ、その一点のみに端を発しているので、意気消沈も止むべきかな、といった所なのですが、まあイーストプレスという会社自体が統合失調とアルコール依存症のひりひりするようなリアルで(巧まずして?いや企んで?)、大いに業績を上げているので、元・神経症のレトリカルな本など、病の強度において敵いっこないのでしょう。というよりも、ここで完治すべき病は、統合失調でもアルコール依存症でもパニック障害でもなく、30代のワタシ担当の編集者における「スペインの宇宙食依存症」だと思われます。次の担当さんは60代の、ワタシの事なんか知らない人がいいなあ。。。。というか、合致ガチで、書籍はしばらく良いんじゃないかなあ。とか思いながら秘かに映画評とグルメエッセイをちょっとずつ書いているオレです。
     

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  • <今日の菊地成孔>2013.12.7

    2013-12-08 10:30  
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    12月7日(土曜)
     最近、夕食前にこの日記を書き、正に「朝飯前」ならぬ「晩飯前」となって、翌日の冒頭が「昨夜の食事」から始まる事が増えていますが、昨夜はプレゴに行きまして、特に意味もきっかけもなく、何となく、ですが、差し入れでもしようという気分になって、伊勢丹の向かいにある丸井の1階で23時までやっているジェラテリアのGROMに行きました。ここは旨い。私が喰った最高のジェラートは、過去3度赴いたローマの町中の物ですが、比べ物になりません。新宿にいてジェラートが食べたくなったら、是非ここに&私の掌中には売り出したばかりのミシュランがあったのは昨日書いた通りですが、ミシュランの言う通り、東京は世界一の食都ですね、若干の寂しさよ。 

     まずは自分の分をイートインで喰い(ディナーの前にデザートを喰う不格好になるのですが、まあこれはワタシの汚い食い意地に寄る物で致し方無し)、写真では見えづらいでしょうが、砕いたマロングラッセが入った栗味、フランス語で言うとキャラメルブールセルですが(イタリー語の品書きがありましたが、ぎりぎりで憶えられませんでした)、いわゆる「塩キャラメル」という奴、そして16世紀からあると言われているクラシコのフレイヴァーですが、生卵とレモンピールを使った物で、それで黄色い訳ですが、モデルノよりも粘りが強いです。3味ともとんでもない、仰け反るような旨さでした。店には16フレーヴァーを専用の可愛い保冷バックに入れてもらいました。
     

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  • <今日の菊地成孔>2013.12.6

    2013-12-07 10:00  
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    12月6日(金曜) 

     今日はミシュランの東京/横浜の発売日でしたので、紀伊国屋書店で買い求めました&紀伊国屋書店と言えば、ワタシの「時事ネタ嫌い」刊行を記念してフェアをやって下さっているそうで、しかも会期を延長し、今年一杯やっているそうなので、お礼かたがた様子を見に行きました。

     最近は、頂いた本の中で読みたい奴と、未読の蔵書(ほとんど古本)を読むので手一杯で、気がつけば震災以降ぐらいから新刊は全く読まず、書店にも行かず、新刊という意味ではコンビニで買える雑誌ばかり買って読んでいたので(ワタシの部屋から出る最も多いゴミは古雑誌です。次がセブンイレブンのセルフドリップコーヒーのカップで、次がキューサイの青汁の袋です)、結構久しぶりに紀伊国屋さんに行きまして、写真なんかもブロマガアド用に撮ったりしたんですが(ミシュランを買う時に、ダウンを利用してミシュランマンのコスプレをしている

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  • <今日の菊地成孔>2013.12.5

    2013-12-06 10:00  
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    12月5日(木曜)

     昨日の晩、また鍋屋に行って、ここ数年恒例の、「ボジョレーヌーヴォーは鍋屋で」を実践してしまいまして、春巻きの写真はありませんが、やはり春巻き、次が餃子、次が焼鴨ですね、マリアジは。


     
     

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