記事 25件
  • インバース・オモプラータはサンボか柔術か/中井祐樹の「東奔西走日記」8月1日〜14日編

    2016-08-16 00:00  
    55pt
    日本格闘技界の礎を築いたレジェンド、中井祐樹先生@yuki_nakai1970 が日常を綴る連載! 今回は8月1日〜14日編です!8月1日 月曜日 晴れ 殺到 昼柔術に今年の全日本柔術王者、シュレックこと関根秀樹選手初参加。グラップリング大会や柔術マッチの出場が決まったという久々に会う青木真也も来たり、参加者も多く賑やかな稽古となった。 青木とシュレックの10分を二度にわたる絡みも白熱していた。私もシュレックさんとはじめて手合わせした。佐々ともやっていた。稽古は楽し。 そりゃそうと今年のアジア柔術選手権にむけたパラエストラTシャツのロゴ入れの申し込みが殺到している。デザイン上の数の限りからいくつも断らなければならないかも…。嬉しくも辛い。しかし感謝です。8月2日 火曜日 曇り 人の営み 地元の中学校の柔道部の午前練習に久しぶりの参加。夏休みゆえに実現した。技もレクチャー、良い時間。 午後は大前研一を読んだり増村保造が監督した映画『動脈列島』を観たりしてのんびり過ごす。 生きることの、幸せの本当の意味を。 よかれと思ってやることとそれを受け取る側のすれ違いを。 互いに尊重しあう関係の心地よさを。 そんなことをじっくりと一日考えた。8月3日 水曜日 晴れ 格闘技として正しく 池袋支部指導。リクエストにより、クローズドガード(胴絡み)の解き方の深層に迫った。 さらにズボン持ちの基本とパス、さらにそのカウンターへの対処にも言及。 クラスの密度が濃くなるような質問力はやはり大事だ。さすがに柔術マニア館ことパラエストラ池袋だ。 ドリルはクローズドガードから。中井メソッドではポジション取りのみならず決めるまで追求可である。目的意識の違いからポジションまでで止めても、フィニッシュまでいってもポジション取った側の意志を尊重するのだ。 バックやマウントを取ったのに、「そこまででいい」と剥がされる光景や抑えられた側がすぐ諦めタップする姿は極力いらない。 ひょっとしてこれはまだ浸透していないのだろうか?お願いだ。格闘技として正しくありたいのだ。8月4日 木曜日 晴れ 無題 UFC収録。またしても王座交代劇。なかなか防衛がままならない状況がいまの群雄割拠ぶりを物語っている。 午後からは埼玉へ治療に向かう。大切な時間。いつもありがとうございます。 そろそろオリンピック開会なんだね。今年は昼夜逆転だろうから見るのは辛いかもな~。8月5日 金曜日 晴れ 歌手・池田聡さん30周年 歌手の池田聡さんのデビュー30周年祝賀パーティーに出席させて頂いた。『モノクローム・ヴィーナス』の発売日がまさに、8月5日。 池田さんの歌への想い。そして人としての魅力。4、5曲のライヴもあり、感動しました。 伊勢正三さん、竹本孝之さん、中西圭三さんらもおられましたね。目移りしました。 柔術も再開されたそうでそちらでの再会も楽しみでなりません。本当に30周年おめでとうございます。これからもずっとずっと応援していきます。この続きと、ハンカチ王子とベーマガ、アジャ・コング、AbemaTV、カール・ゴッチ特集、ドン・フライ殿堂スピーチ、ケニー・オメガ「DDT発言」などの記事がまとめて読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1095857 
  • Dropkickメルマガ好評インタビュー一覧

    2016-08-12 00:00  

    Dropkickメルマガロングインタビューの一覧表。試し読みもできます! 名前をクリックすると記事に飛びます!

    【最新追加インタビュー記事】塾長ドン・フライ、堂々のUFC殿堂入り! 万感のスピーチを読め!汚れたハンカチ王子騒動……ベースボール・マガジン社の黒歴史ターザン山本インタビュー「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯「斎藤文彦INTERVIEWS⑤」小佐野景浩のプロレス歴史発見プロレス史上最も過酷な闘い! G1クライマックス事情通Zのプロレス点と線G1優勝! ケニー・オメガの「DDT発言」とはなんだったのか?AbemaTV格闘技チャンネル担当者インタビュー「格闘技ファンの力で大きくなりました!」あびる優、絶叫再び!才賀紀左衛門「奥さんが格闘技やることに基本反対。連敗したらやめるとか約束付きですRIZIN親子参戦!山本アーセン「話題が絶えない家族ですよ。いつも何かありますよ(笑)」
  • 暴力柔術 is back! ニック・ディアスは開口一番に何を語ったのか■MMA Unleashed

    2016-08-11 23:00  
    55pt
    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマはニック・ディアスが帰ってくる!?
    「オレはカルマに従う。もう理由もなく誰かを痛めつけたりしない」
    出場停止期間満了のニック・ディアスは開口一番に何を語ったのか
    2015年1月のUFC 183(アンデウソン・シウバ戦)当日の薬物検査でマリファナ代謝物の陽性反応が検出され、ネバダ州アスレティックコミッションから5年間の出場停止処分を受けていたニック・ディアス(32)。その後処分の不当性を訴えた裁判で勝訴し、出場停止期間は18か月に短縮され、2016年8月1日に無事、出場停止期間が明けることとなった。同じ試合でステロイドが検出されたアンデウソン・シウバがそれ以来すでに2試合もこなしていることを思うと、ニックに対する処分は短縮されたとはいえ、なお不当に重い処分であったとの印象は残る。そのニックはさっそくESPNの番組に出演、久しぶりにファンに肉声を届けてくれた。おりしもウェルター級は戦国時代に突入しており、さっそくにもニックの活躍を期待したいところなのだが、果たして本人はこの出場停止期間をどのように過ごしていたのか、そして次の試合についてどう考えているのか、本人の発言内容をじっくり紹介してみたい。言葉の端々に引退すらちらつかせつつ、その実まだまだやる気満々でいながら、マネーファイト・ビッグファイトに照準を合わせていきたいとの意向が読み取れることだろう。
    (出場停止期間中、早く試合をしたいと思っていたのか、それともこのまま引退でも構わないと思っていたのか)
    出場停止はまるで呪(のろ)いのようなものだった。オレはプロになってからというもの、どうしてもMMAファイターを続けていきたいと思ったことなんてないんだよ。みんなはオレがMMAに情熱を持っているなどと言うが、オレが情熱を持っているのは女性だけ。それも1人で落ち着けばいいんだがな。MMAは糧を得るための仕事にすぎない。
    出場停止期間には、良いこともあったし、悪いこともあったが、オレにとってはちょうどいいバケーションだった。バケーションというのは金がかかるもんだなあというのは実感だが、一歩下がって人生を楽しむのも悪くなかった。以前のオレは、試合以外のことで友だちと出歩いたり、飲んだり、人に会ったり、新しい場所に行ったりということがなかったからな。それが今では生活を楽しんでいる。出場停止中もいつも何かをしていて、忙しかったんだ。この続きと、ハンカチ王子とベーマガ、アジャ・コング、AbemaTV、カール・ゴッチ特集、ドン・フライ殿堂スピーチ、ケニー・オメガ「DDT発言」などの記事がまとめて読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1095857
     
  • 【無料記事】AbemaTV格闘技チャンネル担当者インタビュー「格闘技ファンの力で大きくなりました!」

    2016-08-11 23:00  
    今年の春より開設されたインターネットテレビ局「AbemaTV」。テレビ朝日とサイバーエージェントの共同事業によるネットテレビは、ニュース、バラエティ、映画、アニメ、麻雀、音楽……ありとあらゆるコンテンツを取り揃えて放送されていることはご存知だろう。そしてうれしいことに総合格闘技も、世界最高峰の舞台UFCのみならず、未知の強豪感があった海外団体ベラトールやONE、国内では修斗やDEEPなどを中継! しかも無料で見れる!! そのうえ格闘技専門だけの特設チャンネルを開設! これまで有料ないしは取り扱っていなかった団体を「AbemaTV」が無料放映することで、格闘技との距離をグッと縮めてくれた。格闘技ファン支持率ナンバーワン、それがAbemaTVなのであるが、ここまで格闘技にチカラを入れてくれるのはなぜか? 担当者の方に話を聞いてきました!
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
  • 【あびる優、絶叫再び】才賀紀左衛門「奥さんが格闘技やることに基本反対。連敗したらやめるとか約束付きです」

    2016-08-11 23:00  
    77pt
    9月RIZINのスペシャルワンマッチで山本アーセンと対戦する才賀紀左衛門インタビュー! キックボクシングからMMAに転向して4戦目を迎えた心境と、年末RIZIN所英男戦で大きな話題を呼んで奥さんで女優のあびる優の絶叫声援について聞いてきました!才賀 いやあ、遅れてしまって申し訳ありません!ポケモンGOで手間取ってましたねぇ。
    ――まるでミルコ・クロコップですね(笑)。
    才賀 ミルコ、ホンマにポケモンGOやってるんですかね? カタブツみたいな顔して。たぶん俺のほうがレベルは高いですよ(ニヤリ)。

    ――いまどれくらいのレベルなんですか?
    才賀 もうちょっとでレベル20なんですけど。始まったばっかりにしては高いと思いますね。俺、めっちゃゲーマーなんです!ポケモンGOもそうですけど、あらゆるゲームをやってますよ。
    ――ポケモンGOの前はどのゲームで遊んでいたんですか?
    才賀 ポケモンGOの前はポケットモンスターですね。
    ――それ、ポケモンが好きなんじゃないですか?(笑)。
    才賀 ポケモン、超好きです。だからポケモンGOはめっちゃ嬉しくてハマってますよ。レアキャラが出ると聞いて昨日は歌舞伎町まで行きましたから。ま、ガセネタでしたけどね。
    ――あらら(笑)。
    才賀 どうしようもないっすよね、そんなガセネタを書く奴は。
    ――格闘家でポケモンGOにハマってる方はいますか?
    才賀 どうなんですかね。一緒に練習してる人には薦めてますけど。格闘家ってみんながやってることをやらないでしょ?
    ――「時流に乗らない俺、カッコイイ……」みたいな(笑)。
    才賀 格闘家は真面目で社交的じゃない人が多い気がするから。まあ俺も格闘家だから、あんまり言うとね(笑)。
    ――跳ね返ってきますね(笑)。9月のRIZINは2度目の参戦ですけど、対戦相手の山本アーセン選手にはどんな印象がありますか?
    才賀 どんな印象…………KIDさんの甥っ子? 山本家!みたいな感じですね。
    ――間違ってはないです(笑)。アーセン選手の大晦日の試合は見ました?
    才賀 2回見ました……あ、いや、ウソついた。1回だけですね。
    ――なぜウソをつくんですか(笑)。
    才賀 いや〜、もうちょっと対戦相手を研究してる風のほうがいいかなって。
    ――研究するタイプなんですか?
    才賀 そうですね。相手によっては研究するんですけど。今回は研究も何もネタがないじゃないですか。
    ――アーセン選手はMMA1試合しかしてないですもんね。
    才賀 そう。どうなるかわからない。逆に難しいというか、不気味といえば不気味なんですけど。問題は体重ですよ。俺はフライ級でやりたいけど、向こうはフェザー級でやりたいわけじゃないですか。最低でもそのあいだのバンタム級でしか俺はやらないですけど。
    ――まだ体重契約は決まってないんですね。
    才賀 そうなんですよ。最悪ファイトマネーを上げていいただけたら、まあまあ譲歩しますけど(笑)。
    ――そこは関西人(笑)。
    才賀 やっぱり負けはつけたくないけど。そこはギャラ次第でしょうね。はい!
    ――記者会見に出たアーセン選手は「カード決定を聞いてなかった」とビックリしてましたけど。
    才賀 いや、そこは俺も「あれ……?」って感じなんですよ。体重もどうするのかなって。「知らない」と言いながらもきっと知ってましたよ……、ねぇ?だって会見やるのに知らんわけないでしょ……。
    ――そこは駆け引きなんですかね?(笑)。
    才賀 俺は駆け引きしないタイプなんで。知ってようがなんだろうが関係ありませんよ。
    ――キザエモン選手はこれで4戦目のMMAですね。
    才賀 4戦目と言っても、パンクラスでの2試合は総合の練習をやっていなかったんですよ。「MMAもイケるかな」ってノリでね。
    ――ノリでやってみた(笑)。練習はしなかったんですか?
    才賀 総合の練習をしてないってのはウソかな?
    ――またウソ!(笑)。
    才賀 いや、してないな、総合の練習は。
    ――ええと、どっちなんですかね?
    才賀 総合のスパーはやりました。でも、寝技の練習はしていない。これはしてないと言えるでしょ?
    ――いや、してますよ(笑)。
    才賀 いやいや、してないでしょ〜(笑)。
    ――自分の中で総合の練習をした感覚はないってことなんですかね?
    才賀 あー、そうですね。1戦目は1ラウンド3分形式だったから、最初の2分間はプレッシャーをかけ続けて、ラスト1分は攻撃しようって決めてたんです。そうしたら案の定、相手は打撃を警戒してグルグル回ったから作戦通り。じつは寝技が全然できへんのになって。
    ――そのデビュー戦は判定勝利でしたね。
    才賀 2戦目はまんま打撃に付き合ってくれて、相手は打撃をイヤがったところでタックルに来たけど、イヤイヤのタックルなんか切れるから楽勝ですよ。
    ――3戦目の所英男戦のときはどうだったんですか?
    才賀 ちゃんと総合格闘技の練習をやり始めたのは、大晦日RIZINのオファーが来てからでした。3ヵ月間くらい練習したんですけど、寝技になったら、全然話にならないですから、とりあえず蹴って立つ練習だけやりました。
    ――寝技は向こうの庭ですもんね。
    才賀 あのときは判定のことは考えてなかったから。自分が仕掛けよう仕掛けようとしたところを所さんは合わせてきましたね。最初に打撃を効かせてきたときに無理に狙いすぎたかなって。もちろんフィニッシュは狙うんですけど、慌てずにジャブを打ちながら戦ったら、テイクダウンも取られずに打撃で倒せたんじゃないかなって思いました。
    ――そこは経験の差なんですね。
    才賀 完全に経験の差でした。でも、次やったらマジで倒せる自信はあります。いま総合の練習めっちゃやってますからね。
    ――キザエモン選手はアメリカのチーム・アルファメールでも練習してるんですね。
    才賀 はい、練習してます。打撃だけなら全然勝負できる。レスリング能力、寝技の細かい技術はやっぱ凄いですけど。あとそんな長いこと練習しないんです。1時間、1時間半でピタッと終わる。俺もダラダラやるほうじゃないから、そこは間違いないなって。
    ――またチーム・アルファメールに行かれるんですよね。
    才賀 なんなら試合が終わってからも行きたいですね。英語を覚えたいんですよ。いろんな国の言葉を覚えれば、いろんな国の文化にもふれて勉強になるし。日本におると日本語でしゃべるのが当たり前やけど、アメリカに行くとなんとか伝えようと頑張るから。
    ――アルファメールには石原夜叉坊選手も練習してますよね。
    才賀 夜叉? 夜叉もいますよ。夜叉からすれば、俺はイヤな先輩やと思うけど(笑)。
    ――イヤな先輩?(笑)。
    才賀 夜叉とは地元が一緒やし、アイツは俺の後輩と仲がいいですからね。「キザエモンくん!」って感じで。
    ――キザエモン選手は地元で悪かったんですよね(笑)。
    才賀 いやいや、ちょっとヤンチャしてただけですよ〜。夜叉、アイツはめっちゃいい奴ですよ。明るくて繊細で。でも向こうでは住んでる家も違うし、練習中はひっつかないようにしてますね。お互いのためにならんから。
    ――日本人同士でくっついていると、語学習得できませんし。
    才賀 そこは夜叉も「間違いないですね!」って。でも、ムカつく奴もいるから「おい、夜叉。スパーやから、アイツをちょっと痛めつけたるぞ。まずは俺が蹴りまくるわ」「キザエモンくん、それは間違いないですね!」ってね(笑)。
    ――どんな会話ですか(笑)。夜叉坊選手は「女好き」キャラでブレイクしてますね。
    才賀 いやいや、アイツはむしろ女性がめっちゃ苦手ですよ〜。
    ――あら、そうなんですか?
    才賀 基本はディフェンシブじゃないですかね。も〜う怯む怯む。そのぶん努力家ですけどね。俺も最初はただのアホなんかなと思ったら、ちゃんと考えてるし、思いやりもあるし。夜叉も「キザエモンくんがこんなに優しいとは思いませんでした」って言ってくれましたし。そこは「でしょ〜!?」ってことですよ。
    ――キザエモン選手ももう総合にドップリと浸かってる感じですね。
    才賀 じつは、所さんとの試合が決まるまでの8ヵ月間は、格闘技自体の練習をしてなかったんですよ。これはホントです!
    ――どこかケガでもしていたんですか?
    才賀 格闘技をやめようと思って。
    ――……ウソじゃないですよね、また(笑)。この続きと、ハンカチ王子とベーマガ、アジャ・コング、AbemaTV、カール・ゴッチ特集、ドン・フライ殿堂スピーチ、ケニー・オメガ「DDT発言」などの記事がまとめて読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1095857
     
  • 【RIZIN親子参戦】山本アーセン「話題が絶えない家族ですよ。いつも何かありますよ(笑)」

    2016-08-11 23:00  
    55pt
    昨年大晦日RIZINのクロン・グレイシー戦で衝撃的なMMAデビューを飾った山本アーセン。9月25日のRIZIN GP開幕戦では才賀紀左衛門相手に待望のMMA第2戦を迎えるが、なんと同大会に母親である山本美憂がMMA電撃デビュー! 現在は叔父の山本KID徳郁の指導のもと、母と共にMMAトレーニングを積んでいるアーセンに話を伺った。
    ――ご飯を食べに行かれていたそうですが、YSA(Yamamoto Sports Academy)周辺に食事処ってあまりないですよね。
    アーセン いや、日本で住んでる家がここの近くなんですけども。歩いてだと20分、チャリだと5分くらい。ご飯はハンガリーから来てる彼女が作ってもらってるんです。全部自炊。安いし、栄養価も高いし。
    ――アーセン選手はレスリング修行でハンガリーに長期間滞在してるんですよね。
    アーセン いまは日本とハンガリーを行ったり来たりで。ハンガリーにいるほうが長い。6年も住んで言葉もペラペラになっちゃったから。
    ――ハンガリーにMMAはあるんですか?
    アーセン ありますよ。たぶんバケモノが隠れていますね(笑)。 
    ――東欧系は人材の宝庫ですね(笑)。アーセン選手は9月の才賀紀左衛門戦でMMA2戦目を迎えますが、先日の記者会見で発表された際「カードが決まってるとは聞いてなかった」と驚いてましたね。
    アーセン ねえ。ビックリしましたよ。あのときは座ってるだけって聞いてて。油断してたから「ホントっすか?」って。薄々は聞いてたんですけど。
    ――本決まりとは知らなかった。
    アーセン はい(笑)。
    ――相手にはどんな印象がありますか?
    アーセン いやあ、もう変則だし、凄くやりづらいだろうなって。でもクロン(・グレイシー)のときは寝技に持っていかれるのが怖いから、重心が引き気味だったんですけど。今回は重心を前にして軸をまっすぐに置けるから、もしかしたらやりやすいかもしれない。面白い試合になると思いますよ。どっちかが倒れてるんじゃないですか。
    ――大晦日のデビュー戦の反響は大きいですね。ツイッターでもほかの格闘家から対戦要求されたり。
    アーセン 気にしてませんよ。軽く流す感じで。ボクはオールドスクールというか、いまのボスが「こいつとやれ!」って言うならやりますけど。簡単に「大晦日盛り上げよう」なんて甘い甘い。だいたいボクが出られたのはラッキーだったし。第1試合目がRIZINの大晦日なんて奇跡。ボクがバッと出たから、簡単に出られたり、盛り上げられると思ってる奴が多いんですかね。
    この続きと、ハンカチ王子とベーマガ、アジャ・コング、AbemaTV、カール・ゴッチ特集、ドン・フライ殿堂スピーチ、ケニー・オメガ「DDT発言」などの記事がまとめて読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1095857 
  • プ女子がプロレスを好きになったきっかけ■二階堂綾乃

    2016-08-11 23:00  
    55pt
    新日本プロレスの選手イラストを描いてキャッキャしていたプオタ女子・二階堂綾乃がいつのまにかMMAジムに通いだし、ついに格闘技デビューをしてしまったこのコーナー。今回は「プ女子がプロレスを好きになったきっかけ」です。
    先日、私がお世話になっているジムの飲み会に参加しました。そこにちょうど、私が毎週通っているコンディショニングクラスには謎にプロレスファンが多いのですが、その中でもプ女子がプ女子と呼ばれるずっと前からプロレスファンの女性が2人いたので、せっかくなのでプロレスを好きになったきっかけを伺ってみました。
    まずは小島聡選手を愛してやまないAさん。Aさんは年間100試合は生観戦するという猛者であり、巨乳です。もしプロレスラーになるとしたら全身ピンクのマスクマンになりたいそうな。
    なんとAさん、プロレスを好きになったきっかけである初めてテレビで観た試合が東京ドームのグレート・ムタ対新崎人生戦だったのです……そう、前回の私のコラムをご覧になった方はお気づきかと思いますが、私が初めて観た試合も東京ドームのグレート・ムタ対新崎人生戦です。年齢も、プロレスファンになった時期も違うのに、数あるプロレスの試合の中で初めて観た試合が同じだなんて! 私はこのとき、Aさんが男性だったら好きになっていたかもしれないレベルで運命を感じました。
    「キャー!うそー!?あれでしょ!拝み渡りの試合でしょ!!」「卒塔婆に血文字で『死』って書くやつぅ!!」女子が3人集まって卒塔婆や血文字の話でキャーキャー盛り上がったのは初めてです。もしかして初めて観るプロレスがこの試合だと、そのままプロレスファンになる人が多いんですかね。マグル(プロレスファンではない人間)が見てもいろんな意味で楽しめる試合ですものね。この続きと、ハンカチ王子とベーマガ、アジャ・コング、AbemaTV、カール・ゴッチ特集、ドン・フライ殿堂スピーチ、ケニー・オメガ「DDT発言」などの記事がまとめて読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1095857
     
  • 「好評記事・詰め合わせセット」シリーズ一覧

    2016-08-11 13:09  
    Part.30まで続いているDropkickメルガマ好評記事をまとめた「詰め合わせセット」の一覧表はコチラです! 懐かしのレスラーや格闘家インタビュー、傑作コラムをまとめて読もう!http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/tag/%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88%E8%B2%A9%E5%A3%B2
  • 田村潔司にぶつけたい若手MMAファイター■MMAオレンジ色の手帳

    2016-08-05 11:36  
    55pt
    格闘技ブログ「MMA THE ORANGE」の管理人オレンジがディープなエピソードをお届けする「MMAオレンジ色の手帖」! 今回のテーマは「田村潔司にぶつけたい若手MMAファイター」回を重ねる毎に予想だにしないズンドコ劇場を繰り広げてきた巌流島。先日行われた「巌流島 WAY OF THE SAMURAI 公開検証 Final」も失礼ながら邪な期待を胸に有明コロシアムへと向かいましたが、良くも悪くも至ってまとも(これまた失敬)ではありませんか。ロクク・ダリのダブルブッキング出場という一悶着はあったものの、大きな混乱やツッコミどころもなく、つつがなく大会は終了しました。そんな中、唯一と言っていいほど波乱含みだったのが猪木×アリ40年目の公開検証特別ルールに出場した田村潔司。パンチ、ローキック、タックル、パウンドは田村のみ禁止。おまけにグラウンドは30秒間のみで場外に手が出ればブレイクが適用される不公平感満載のルールに挑戦。おまけに対戦相手のエルヴィス・モヨは体格差で田村を大きく上回るヘビー級ボクサー(しかもMMA経験あり)とくれば田村に有利な要素は皆無と言っていいでしょう。案の定、蓋を開けてみれば唯一許された伝家の宝刀・左ミドルを積極的に放つも、初回からモヨの重たいパンチを被弾しダウンを喫する田村。その後も相次いでダウンを奪われ、最終ラウンドにはパウンドをもらって立ち上がる事が出来ず、ついにレフェリーが試合を止めました。試合前に田村自身が語っていた「ソフトボールのホームランバッターに、硬式野球のピッチャーがストレートだけで勝負するイメージ」という言葉の通り、まさしく特大ホームランをかっ飛ばされる結果に終わりました。この続きと、ハンカチ王子とベーマガ、アジャ・コング、AbemaTV、カール・ゴッチ特集、ドン・フライ殿堂スピーチ、ケニー・オメガ「DDT発言」などの記事がまとめて読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1095857 
  • 汚れたハンカチ王子騒動……ベースボール・マガジン社の黒歴史/ターザン山本インタビュー

    2016-08-05 09:40  
    110pt
    汚れたハンカチ王子を汚れたターザン山本が切る! 『週刊文春』が報じた斎藤佑樹(日本ハムファイターズ投手)とベースボール・マガジン社の利益供与・金品授受騒動。「ベーマガとカネ」といえば「金権編集長」の出番だ! 全国3000万人のプロレスファンが注目するジミー鈴木新団体のアドバイザーに就任したばかりの山本さんに、ベースボール・マガジン社のタブーについて聞いてきました!◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part30は大好評インタビュー11本、コラム9本、13万字オーバーで540円!!(税込み)  試し読みも可能です!http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1076915■修斗初代王者/仮面シューター・スーパーライダー 渡部優一 ロングインタビュー修斗黎明期から「東映呼び出し事件」、高野拳磁の秘話、同級生・三沢光晴の思い……■「斎藤文彦INTERVIEWS④」は超獣ブルーザー・ブロディ! 壮絶! アントニオ猪木との7度のシングルマッチ、プエルトリコの非業の死を振りかえる―― ■マスコミは何が起こるのかを知っていた?安生洋二の前田日明襲撃事件〜カミプロとFAKE〜松澤チョロインタビュー
    ■西村修が語るプロレスの神様――「ゴッチさんはもう一度、日本に来たがってたんです。でも……」■小佐野景浩のプロレス歴史発見「俺のほうがUWFより強い!」 誇り高き仮面貴族ミル・マスカラス――!!■金原弘光、整骨院をオープン! 格闘家のセカンドライフとは何か?
    ■事情通Zの「プロレス 点と線」
    新日本プロレスはなぜ青木真也をスルーしたのか/天山広吉とプロレスファン、真夏の真剣勝負/
    5選手も!? W−1選手退団劇!■大沢ケンジ師匠の格闘技が10倍面白くなる方法復帰2連勝も……ヒョードルはもう通用しないのか?/「五味隆典が復活する方法」「チェ・ドゥホ魔法の右ストレート」「レスナー薬物アウト!」■オマスキファイトのMMA Unleashed
    ・アンダーグラウンドの王、エディ・アルバレス ついにメジャーベルト獲得!
    ・スタン・ハンセンの謎かけ?  プロレスの「カーペンターズ」とは何か
    ・浅田真央も所属するUFC新オーナー「WME-IMG」とは何者か
    ・米MMAがボクシング化? モハメド・アリ法がMMAにやってくる?■二階堂綾乃コラム
    ・飲み会で上司がするメンドくさい話題1位が「昔のプロレス」だった件
    ・鍛える女子のモテ講座♡■MMAオレンジ色の手帳
    ・「パンクラスイズム横浜」「natural9」「リバーサルジム新宿Me.We」…ジム飯2016〜2ndRound
    ・格闘技 実況・解説アレコレ〜AbemaTV時代のオススメ解説者〜■中井祐樹の「東奔西走日記」http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1076915




    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
    ターザン 今日は何を聞くんだよ?
    ――「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹とベースボール・マガジン社の件です。『週刊文春』のスクープによれば、ベーマガの池田哲雄社長が斎藤佑樹にポルシェを買い与えていた。これはかつてベーマガの大黒柱だった山本さんに話を聞かないといけないなあ、と(笑)。
    ターザン 『週刊文春』ってスキャンダル雑誌として乗りに乗ってるというか、最近の出版業界の中では奇跡を起こしてるじゃない。普通の雑誌ではやらないことを暴き出し、えぐりだしている。それがまさかね、たかがこんなネタを巻頭にぶち込むとは、パワーダウンしてるんじゃないかと思ったよ!
    ――ベーマガより『文春』が心配(笑)。
    ターザン 今年のハンケチ王子はいまだ0勝だし、スキャンダルとしては弱いですよ!
    ――でも、その出版社がベースボール・マガジン社だったことに衝撃を受けてるプロレス関係者やファンは多いんですよ。ベーマガってそんなに経営状態が良くない話も聞こえてますから。
    ターザン ベースボール・マガジンは今年4月に水道橋の自社ビルを売り払ったでしょ? その前には社員の希望退職も募ってるからねぇ。
    ――『週刊プロレス』で山本さんの部下だった宍倉(清則)さんや安西(伸一)さんも会社をやめてますね。
    ターザン 安西は「肩叩き」に等しい。肩叩きよりは希望退職のほうがお金はもらえるよね。その見計らいって重要ですよ!
    ――そんな経営状況なので「タニマチ行為をしてる場合か?」という批判の声が飛んでますね。
    ターザン いやあ、『週刊文春』を読んだらさ、ポルシェはリースなんだよね。買って与えてるわけじゃないから、そんなにお金はかかってませんよ。
    ――月10万円程度みたいですね。
    ターザン だからドしょっぱい話なんだよぉ。舛添(要一)さんのスキャンダルと比べたらガタ落ち! どうせなら3000万円のポルシェをポーンとプレゼントするならカッコイイけどさ。いまの出版社の景気ではタニマチ的な行為なんかできないよね。
    ――山本さんは池田哲雄氏と面識はあるんですか?
    ターザン 彼は面白い男だよ。3代目社長。ボクが『週刊プロレス』編集長のときに、哲ちゃんは『週刊ベースボール』の編集長だった。隣の編集部だったけど、当時は1回も話したことないけどね。
    ――仲が悪かったんですか?
    ターザン いや、哲ちゃんは社長の後継者で、俺は外様の人間だから、牽制しあってところがあるんだよね。あとさぁ、哲ちゃんは俺に対してコンプレックスがあったわけですよぉ。
    ――後継者が山本さんに? そんなバカな(笑)。
    ターザン 当時の『週プロ』はバンバン売れていたでしょ。俺は『週刊ベースボール』編集部の隣で、ダイナミックに『週プロ』を編集してたわけ。
    ――池田哲雄氏は自由に編集できなかったと?
    ターザン うん。その背景にはベースボール・マガジン特有のお家事情があるんよ。ボクがベースボール・マガジンに入ったのは1980年。それまでは大阪の田舎者だったわけですよ。
    ――山本さんは『週刊ファイト』の記者だったんですよね。
    ターザン 辺境から中央に来た。生まれて初めてまともな仕事についたわけですよ!
    ――『ファイト』はまともじゃないんですか(笑)。
    ターザン まともじゃないですよ! その前のボーリング場、映画館の仕事も当時は市民権のない職業だった。ベースボール・マガジン社は一流じゃないけど、東京の出版社で働くわけだから、いままでとは違うよね。でもね、入ってビックリしたんよ。あの会社にはまるで自由がない!!
    ――自由がないってどういうことですか?
    ターザン 創業者は池田恒雄会長。哲ちゃんのお父さんね。この人が絶対的権力者だったんだけど。要するにワンマンの極地というか、会長以外はその他大勢。すべてイエスマン。会長が編集権と人事権を一手に握ってるわけよ。
    ――ベーマガって、プロからアマチュアからまで多くのスポーツの雑誌を出してますよね。
    ターザン 野球もあるし、サッカーもあるし、ラクビーもあるし、ありとあらゆるスポーツ雑誌が山ほどあるわけじゃない。でも! どこも編集長が目立っちゃいけないんですよぉ。たとえば編集後記ってあるでしょ。そのコーナーがほとんどなかった。
    ――つまり編集長の独自性が出せないってことですか。
    ターザン そう。入社してわかったことは、池田会長がすべての雑誌の編集長だいうことですよ。それくらい各方面に目を配らせてる。そうするとさ、やる気のある人、能力のある人はベースボール・マガジンから出て行くわけよ。外に出てライバル誌を作ったりするんだよね。
    ――竹内(宏介)さんの『ゴング』がそうですよね。
    ターザン そう! 竹内さんはプロレスに対してもの凄く情熱的な人で、それでいて反体制的でもあった。猪木さんの東京プロレスを応援してたくらいだからね。だからベースボール・マガジンの『プロレス』編集部のやり方に飽きたらないというか。若くして編集長になったんだけど、自分のやりたことをやるということで、ベースボール・マガジンの懐刀と言われた経理や営業たちと一緒に出て行った。
    ――うわあ!(笑)。
    ターザン 『ゴング』だけじゃなくて、ベースボール・マガジンのライバル誌は、ほとんどがベースボール・マガジンから出て行った人間が作ってるんですよ!
    ――それほど圧迫された空間だったんですね……。
    ターザン 池田会長のもとでは勝手に目立つことができない。編集長になるということは、ある意味ではスターになるということじゃない。でも、頭を押さえつけられるわけですよ。ガーンと。
    ――だからなのか、編集部間の異動が頻繁にあったそうですね。
    ターザン 池田会長はね、異動させるのが好きなんだよぉ(苦々しい声で)。ちょっと気に入らなかったらどこかに飛ばすというか。猫かわいがりしてる途中で飽きて飛ばしたりさ。だからえらい会社に入ったなと思ったもんだよ! それに加えて社内には派閥が2つあるんよ。池田会長は新潟出身なんだけど、新潟派閥が凄いんですよ。
    ――新潟にはベースボール・マガジンの支社や、ネーミングライツで「ベーマガSTADIUM」というスタジアムもあって。
    ターザン 新潟出身者が非常に多い。それは会長が面倒を見るわけですよ。なぜかというと、明治維新で新潟の越後長岡藩は賊軍になったでしょ。明治以降、会津と越後出身者はしばらく政治家にはなれなかった。
    ――あー、ボクは福島県出身ですけど、幼心にも賊軍意識がありましたね(笑)。
    ターザン 政界の道が閉ざされていたところもあるから、新潟出身で知恵のある人、野心のある人は文化方面に行くしかなかった。それでいて同郷意識が強いから、池田会長も頼まれたら「よっしゃ、わかった!」と社員として受け入れるんですよ。
    ――縁故採用的に。
    ターザン ベースボール・マガジンは新潟県人の会社なんですよ。新潟県出身以外は外様。あとはスポーツ関係のコネ。相撲部屋の親方や、野球関係から頼まれたら入れるわけ。
    ――山本さん編集長時代の『週刊プロレス』の編集部員も、初めは社員じゃなかったんですよね。
    ターザン 正規入社の人間だと、『週プロ』の世界について来れないんですよ。でも、単なるプロレス好きは、入社試験を受けても通らないから全部途中入社。たとえば市瀬くんは千葉大学だったから、最初はアルバイト、そのあとは嘱託にして、最後に社員にするという道で入ったんよ。
    ――そうしないと雇えない。
    ターザン あとは早稲田出身が強い。会長が早稲田大学出身で、いまの社長も早稲田。ベースボール・マガジンの70周年パーティーがあったとき、最初の挨拶は早稲田実業出身の王(貞治)さん。その次は早稲田関係の先生。長嶋茂雄さんじゃないんだよ!
    ――池田会長と長嶋さんは親しかったんですよね。
    ターザン うん。『週刊ベースボール』は長嶋茂雄さんの登場が黄金時代を迎えたんです。もの凄く売れた。30万部40万部。でも、最初の挨拶は王さんなんだよね。
    ――じゃあ、いまの社長が斎藤佑樹をかわいがるのも……。
    ターザン 早稲田出身の斎藤佑樹は子供みたいなもん。やっぱりかわいいわけだよ! で、俺はさ、立命館大学中退、途中入社、34歳、越後長岡藩を潰した長州出身!
    ――役満だ(笑)。
    ターザン 俺、会長に説教されたことあるよ。そんな内部事情を知らないで「ボクは長州藩です!」って言ったらさ、会長がキレちゃってさあ。「明治維新は間違ってるんだよっ!」って怒った怒った。
    ――「明治維新は間違ってる」(笑)。しかし、昭和の出版社社長って感じでパワフルですね。話を聞いてるぶんには嫌いじゃないです(笑)。
    ターザン 会長は凄い人だったよ。会長はスポーツを文化にしたいという野心があるんだけど、根っこの部分はスポーツよりも芸術や文学に熱意があってさ。文学を中心とした恒文社という出版社を作ったんよ。ベースボール・マガジンもそこから派生してる。
    ――自分の名前を付けてるんですね。
    ターザン そうそう、恒雄の「恒」に、文化や文学の「文」。この会社がドえらい赤字を出すんですよ!(バンバンバン)。
    ――あらま(笑)。
    ターザン 新潟出身の有名な詩人の全集を出したり、東ヨーロッパのチェコ、ポーランドの文学集を出すわけですよ。そんな本が売れるわけないじゃない。でも、会長は頼まれたら引き受けるし、東欧の国から勲章をもらったりするんだよねぇ。そんなもの出す出版社はほかにないから。
    ――ワンマンだから赤字を垂れ流していても誰も口を挟めないんですね。
    ターザン そんなこと誰も言えないですよ! 恒文社の存在はタブー。だから恒文社はずっとお荷物のままで、ベースボール・マガジンの売り上げで補填しているような状態ですよ。でも、ボクがベースボール・マガジンに入れたのは、その恒文社のおかげだから。恒文社が儲かってないでしょ。恒文社を儲けさせるために『プロレス』編集部にあった写真を使って「プロレスアルバム」を作った。
    ――「プロレスアルバムは」ヒットシリーズになりますね。
    ターザン あれは恒文社から出てたんだけど、恒文社の人間が編集したんじゃないんだよ。『プロレス』編集部が恒文社を儲けさせるために作った。その前に「ベースボールアルバム」というものが売れたんよ。そこに杉山(頴男、のちに『週刊プロレス』初代編集長)さんが目をつけて、「プロレスアルバム」を出すためにひとり人間を入れたいと会社と交渉した。
    ――それで入社したのが山本さん。
    ターザン そうですよ! 俺は恒文社サマサマなんですよ! 
    ――新潟や早稲田出身ではないのに入社できたのはそんな理由があったんですね(笑)。
    ターザン そうそう。「恒文社を儲けさせるために」という理由、その一点。それで俺がブッチャー、マスカラス、猪木さんの「プロレスアルバム」を作ったら、これがバカ売れですよ! 経費はほぼゼロ。どれだけ儲かったのかはわからないよ。最終的に70冊くらい出したからね。
    ――だいぶ儲けたわけですね。
    ターザン そうやって杉山さんは会社に恩を売ったわけですよ。恒文社が「プロレスアルバム」で潤ったら、杉山さんの意見が通りやすくなる。杉山さんの政治的駆け引きのセンスは抜群だったんよ。
    ――山本さんの編集手腕も評価されたんですか?
    ターザン されない。あくまで杉山さんの功績であって俺は単なる下働き。でも、俺が作った「プロレスアルバム」はベースボール・マガジンにあるまじき発想と破廉恥さで編集してあるからみんなビックリした。杉山さんはそこでわかったんだよ。「山本という男はプロレスに関しては潰しが効くな」ということで、一気に片腕のポジションを獲得したわけ。
    ――杉山さんってプロレス自体には興味はなかったんですよね?
    ターザン うん。ただし、編集者としては有能。だから池田会長が『ゴング』潰しのために『プロレス』編集部に送り込んだんですよ!
    ――池田会長はプロレスに興味はあったんですね。
    ターザン いや、会長はプロレスなんて眼中にないんですよ。どうでもいい存在。ところがベースボール・マガジンから出て行った連中が日本スポーツ出版を作って、そこから出ている『ゴング』のほうが『プロレス』より売れていることを知ったんだよね。
    ――途中で気がついたんですか(笑)。
    ターザン そう! だって池田会長からすればプロレスなんて本当にどうでもいいんですよぉ。野球や相撲のほうが重要。
    ――メジャースポーツですもんね。
    ターザン でも、気がついたら『ゴング』は売れていた。それまでの『プロレス』編集長はサラリーマン根性でやってるからつまらないんだよ。売れるわけがない。
    ――組織的にプロレス好きで入社した人間はいなかったでしょうし。
    ターザン いない。ベースボール・マガジンに入社して配属されたのが『プロレス』編集部だったりするわけよ。一方の『ゴング』は、竹内さんがプロレスファンの心を知っているし、編集者もプロレスが好きな人間を集めてるから、プロレス雑誌としては最高だったんですよ。こっちはサラリーマン根性でやってるから、竹内ワールドにはとても歯が立たなかったわけ。
    ――そこでプロレスは詳しくないけど、編集能力に優れた杉山さんを編集長に据えた。山本さんはその傭兵として雇われたようなもんですね。
    ターザン 俺は実行部隊。向こうは当時『ゴング』と『別冊ゴング』を月2回出してたんですよ。こっちは月刊誌がひとつしかないから、杉山さんは『デラックスプロレス』を創刊し、『東スポ』から内勤だった人間を引き抜いて、ボクのアイデアで『ゴング』のアルバイトだった宍倉を引っ張ってきた。この業界のスペシャリストを集めたわけですよ。そうやって『ゴング』に対抗したんだけど、やっぱり向こうは強いんだよ、これが。この続きと、アジャ・コング、AbemaTV、カール・ゴッチ特集、ドン・フライ殿堂スピーチ、ケニー・オメガ「DDT発言」などの記事がまとめて読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1095857