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記事 115件
  • 【プロレス記事9本6万字詰め合わせ】齋藤彰俊、長井満也、小川良成、AKIRA、『極悪女王』…

    2024-09-30 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! プロレス記事9本6万字で550円!!(税込み)

    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉クビから再雇用……苦しかった頃のノア■齋藤彰俊
    ◎長井満也インタビュー
    ・魔界倶楽部/柴田勝頼K-1参戦
    ・幻の新日本プロレスvs北朝鮮軍人
    ◎上谷沙弥のヒールターンは女子プロレスを変えるか
    ◎考察系YouTuberとケーフェイ■事情通Z
    ◎小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ・孤高のプロレスラー、小川良成引退
    ・小川良成…孤独と苦難から生まれた「孤高のテクニシャン」
    ◎プロレスと「お芝居」の違いとは?■AKIRAインタビュー⑤
    ◎なぜ『極悪女王』で“ブック”というネットスラングが使われたのか
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
    齋藤彰俊インタビュー第9弾はクビから再雇用……苦しかった頃のノアです(聞き手/ジャン斉藤)
    ――遅くなりましたが、ZERO1世界王座奪取おめでとうございます!
    彰俊 ありがとうございます。この年齢になって、初めてシングルのベルトを獲りました(笑)。
    ――じつはそうなんですよね。ベルトに挑戦する機会はありましたけど……。
    彰俊 タッグのベルトばっかりでしたからね。
    ――何か感慨深いものはありますか?
    彰俊 ふと気づいたらデビューして33年3ヵ月目、今年の3月に第33代王者が獲れたんです。全部3の繋がりだったので、上にいる方のおかげもあるのかな……。
    ――ああ、なるほど……。
    彰俊 そういう縁を感じちゃいましたねぇ。
    ――ベルト奪取後にケガをされて休まれてましたが、彰俊さんの負傷欠場は珍しいですよね。
    彰俊 ああ、そうですね。仙台でGHCタッグ選手権(2002年/森嶋猛&力皇猛vs秋山準&齋藤彰俊)のときに胸骨やアバラが折れて、頸椎もケガしたことがありましたけど。
    ――聞いてるだけで痛いです……。
    彰俊 あのときはリングサイドのお客様にも骨が折れる音が聞こえたらしくて、自分も「あ、これは大ケガだな」と思いましたね(苦笑)。
    ――プロレスだとアバラにヒビが入ったぐらいでは欠場しないと言いますよね。
    彰俊 アバラはですね、ヒビが入っても自然治癒でくっつくんですよ。ヒビで休むことはあまりないです。
    ――いったいどこからケガになるんですかね?(笑)。
    彰俊 いやあ、どうなんですかね。自分も手の甲を骨折したときにプロテクターみたいなやつをつけてやりましたけどね。
    ――プロレスラーの欠場はよっぽどのことであると。
    彰俊 ひとついえることは、身体だけじゃなくて心までケガしたときですね。「このまま試合したら迷惑をかける」となったとき休むという感じだと思います。
    ――いまは団体側もそのへんのケアには気を遣ってますし。
    彰俊 そうですね。やっぱり選手は商品なので。でも、平成維震軍のときに鎖骨を骨折して箸も持てないときがあって。越中(詩郎)さんに欠場の話をしたら「彰俊、みんな頑張ってるからさ」って休めなかったことはありますね(笑)。
    ――それは6人タッグだから、他の維震軍メンバーが彰俊さんをフォローしてくれるってことですか?(笑)。
    彰俊 いや、そういうわけでもないですね。そんなときでも自分が率先して行けっていう(笑)。
    ――ハハハハハハハ! ベテラン中心の平成維震軍の中では彰俊さんが一番若いですし。
    彰俊 そうなんですよね(笑)。なので、まあ自分が行くしかないっていう。いまはそういうムチャをすることはないかもしれないですね。
    ――いい時代です! 前回の続きなんですけども、三沢光晴さんが亡くなられて、田上(明)さんがノアの社長に就きます。田上さんの社長就任を聞いたときはどう思われました?
    彰俊 副社長が百田(光雄)さんだったんで、そのまま社長になるのかなって思いましたね。でも、田上さんも四天王の一人ですし、キャリア的にも年齢的にも田上さんなんだっていう感じがしましたよね。
    ――百田さんの名前が出ましたけど、百田さんは小橋(建太)さんを社長に推薦したけど、それが却下されたから退団する……というちょっとしたゴタゴタがありましたね。
    彰俊 そこはあまり詳しくは……そういうことがあったんですね。自分は会社の経営にはまったく関わってないですし、ノアがそうなった原因が原因ですので、自分はそこまで気が回ってなかったところはありましたね。何がどうなっても「申し訳ないな」っていう気持ちだったので……。
    ――三沢さんが生前の頃からノアの日本テレビ中継が終わったり、経営のほうもだんだん苦しくなっていった印象があるんですけども、現場はどうだったんですか?
    彰俊 皆さんご存知のどおり、三沢社長はたとえ苦しくてもそういうところは一切、表に出さない方なんで。だから選手たちは試合に集中できるような環境ではありましたね。
    ――あの頃からノアに関する暴露本が立て続けに出てましたけど、どういう風に見てたんですか?プロレス記事9本6万字の詰め合わせセットはまだまだ続く…… 

     
  • 【格闘技記事10本14万字】浅倉カンナ、安保瑠輝也、ドーピング問題、くるみ……

    2024-09-30 23:59  
    550pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! 格闘技記事12本13万字で550円!!(税込み)
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◎浅倉カンナ、第二の人生へ「これで終わるんだ、これで最後なんだ……」
    ◎恐怖のRIZIN開国と世界戦略■笹原圭一
    ◎令和のスポーツ冒険家! 安保瑠輝也「一歩踏み出しても、死ぬわけではない」
    ◎ヒロヤ“MMA人生チャレンジ”12000字インタビュー
    ◎トレーナーから見た「2024年のドーピング問題」■タケダイグウジ
    ◎もう手が付けられない!! 久保優太“大覚醒”インタビュー
    ◎RIZINアンバサダー蒼瀬くるみちゃん12000字インタビュー
    ◎真夏のUFC査定試合出陣! “最後のピーズラボ戦士”内藤由良
    ◎シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・UFC日本大会の可能性/独禁法訴訟に急展開
    ・リングス公認「リングス東大」とは何か■宇留野修一
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉伊澤星花戦で引退する浅倉カンナ1万字インタビューです!
    ――いったい何があったんだろう?と。
    浅倉 ハハハハハハハ。ホントに何があったんだろう?(笑)。そうですねぇ。このあいだの記者会見でも言ったんですけど、これというきっかけは正直、なくて。自分はいままで「何かをやめる」という選択をしてこなかったんで、引退をするって決めることもけっこう難しかったんですけど。きっかけがなさすぎて……まあ、それはありがたいことなんですけどね。試合をしたいのにケガで引退する人もいる中で、自分は自分で引退をすることを選べたので。
    ――何か決定的な理由があったわけではないんですね。
    浅倉 そうです。だから「何があったんだろう?」と聞かれても……何か大きな理由はないんです。
    ――いつぐらいから引退を抱えていたんですか?
    浅倉 2連敗したことがあったじゃないですか。浜崎(朱加)さんと大島(沙緒里)さん……。
    ――けっこう前のことですね。2021年ですよ。
    浅倉 そのあとのSARAMIさんとの試合(2022年4月17日)が自分の中ではしんどかったんですよ。「これで3連敗したらどうしよう?」って。そこでは勝てたんですけど、けっこうやり切ったあとにトーナメントがあって。パク(・シウ)ちゃんとの試合でけっこうボコボコにやられて。あのへんの流れはけっこう大きかったかもしれないです。「これから、どうなるのかな……」ってモヤモヤしてましたね。
    ――勝ち負けのジェットコースターに乗ったことでいろいろと考えることがあったと。決意したのはいつぐらいなんですか。
    浅倉 去年の秋頃、冬に入るくらいですか。V.V Meiさんとの試合が4月にあったじゃないですか。そこから試合はしてなくて……自分で決めました。
    ――秋頃にRIZIN事務所に行かれて榊原さんと会われたじゃないですか。榊原さんがSNSにアップしてましたけど。あのときは引退のことを伝えてたんですか?
    浅倉 そうですね。やめるにしても自分の中では「終わり」を決めたかったんですよね。ここまでやると決めて、それまではおもいきり頑張る。榊原さんには大晦日ともう1試合、2試合やりたいですって伝えました。大晦日に勝って最後に伊澤(星花)選手……っていう考えだったんですけど、結局大晦日の相手が決まらず。それでラストに伊澤選手とやらせてくださいとお願いして今回の試合が決まったって感じですね。ホント自分のわがままなんですけど、RIZINや伊澤選手には感謝しています。
    ――浅倉選手はRIZIN女子部門を支えてきたんだから、RIZINとして最後の花道を飾ってあげたいってことだと思います! 伊澤選手とは超RIZIN3でやる話もありましたよね。
    浅倉 じつはそうなんですよね。伊澤選手のケガでどうなるかわからなくなって。とりあえず練習は続けていたんですけど、7月に入ってから伊澤選手がもしかしたらできるかもってなって。でも、その頃には超RIZIN3のチケットがほぼ売り切れてたんですよ。
    ――つまり引退試合に応援団を呼べないという(笑)。
    浅倉 そうなんです(笑)。最後の試合になるから、いろんな人に見てもらいたいじゃないですか。応援団が呼べないのはちょっと寂しいなと思って。
    ――超RIZIN3でやろうと思えばできたってことなんですかね。
    浅倉 そこは超悩みましたねぇ。準備してきたし、やりたいんですけど、チケットはない。
    ――超RIZINで超悩んだと(笑)。超RIZIN3ほどのビッグイベントであれだけカード揃うと話題性っていうところでも……。
    浅倉 そうです、薄まる(笑)。もしかしたら9月になってよかったのかもしれないなって。でも、これも経験ですよね。自分はいままで試合が流れることなかったんですよ。最後に一気に来たなって。
    ――浅倉選手はまだ26歳と若いじゃないですか。引退はビックリしたんですよ。
    浅倉 これはもうずっと言ってきたんですけど、普通に結婚して子供を産むとか、格闘技とは別の普通の人生を楽しみたいところはもともとあって。ここまで長くやる考えはなかったんですけど。そのモヤモヤと被ったことで、やめることにしましたね。
    ――あの……いますぐ結婚という話があるわけでもないんですね。
    浅倉 それが全然ないです!(笑)。
    ――なるほど(笑)。
    浅倉 いまのところ全然見込みないんですけど、格闘技のない普通の人生を楽しみたいですね。
    ――いろんな人から結婚引退だと誤解されてないですか?
    浅倉 いや、ホントすごいです。誰かに会うたんびに「結婚?」って聞かれるんですよ。本当はそれで理想だったんですけど、全然(笑)。
    ――女子格闘家が引退される理由って結婚や出産が多いですよね。
    浅倉 そうですよね。自分も寿退社が理想だったんですけど……残念ながら叶わなくて(笑)。何も決まっていないし、何か大きな理由があったわけじゃないし、自分の中では格闘家って常に燃えているイメージだったんで。燃えるものがない中、年1試合とかしかしてなくて、これじゃあ格闘家は名乗れないなって。
    ――RIZINでのマッチメイクも一周しちゃったところはありまけど、他の団体で試合をする考えはなかったですか?
    浅倉 ちょっと前は海外の試合に出てみたいなって思ってたんですけど、最近はそこまでも……。
    ――そんな中でも伊澤さんと戦うことは燃えるものがあるわけですか?
    浅倉 やっぱり伊澤選手とはずっと戦いたかったんで。やらずに終わっちゃうのは引退したあとにモヤモヤしそうだし、いままでどおり集中して練習できている感じですね。
    ――超RIZIN3で所(英男)さんは「負けたら引退」という形式でやってましたけど、勝ったら続けるという選択はないんですかね?
    浅倉 いや、それはないですね。勝っても気持ちは変わんないと思います。
    ――ある女子プロレスラーが引退試合の10カウントゴングの途中に急遽、引退撤回したことがあって。
    浅倉 えーーーーっ!?
    ――最後の最後に「やっぱり続けたい」って気持ちが沸き上がったんですよね。その選手はまだ現役です。
    浅倉 いや、自分の場合ははないですねぇ。
    ――引退ではなくちょっと休む考えはなかったんですか?
    浅倉 鶴屋(浩)先生に引退することを伝えたときに「一旦休んでまたやりたくなったらやればいいんじゃないの?」って言われたんですけど、自分の中ではそれは違くて。格闘家って毎日練習することが仕事だし、それがあたりまえにできないのは、自分の中では違うなっていう感じです。
    ――ということはもうジムにも通わない?
    浅倉 ……そうなるんですかねぇ。それはやめてみなきゃわからないです。毎日練習して生きてきたんで。
    ――それこそ、ちっちゃい頃からレスリングをやっていたわけですもんね。
    浅倉 汗をかかないとモヤモヤしちゃうかもしれないんで、もしかしたら練習に来ちゃうのかなあ……。いまでも「ああ、今日も練習に行かなきゃ……」って憂鬱まではいかない気持ち抱えながらジムに来てたんですけど、その気持ちがもう味わえない。それがどんな感じなのかは、試合が終わってみないとわからないですよねぇ。
    ――引退後の「普通の生活」はワクワクしたりしてます?
    浅倉 そうかもしれないですね(笑)。引退ってマイナスなイメージがあるかもしれないですけど、自分はそんな感じではないです。「格闘技のない人生ってどんな感じなんだろう……」って楽しみではあります。
    ――次のお仕事は何か考えてるんですか?
    浅倉 ……次はまだ決まってないです。
    ――結婚もしなければ、仕事もない!!
    浅倉 痛いところを突かないでください(笑)。
    ――けっこう不安じゃないですか?
    浅倉 不安ですよ(笑)。でも、自分で何かできればいいなと思ってて。
    ――しばらく休んでから、新しい何かに動き出す感じですかね。
    浅倉 休むヒマはないのかなって焦りもありますけど。本当は引退前に決まってるのが理想だったんですけど、結婚もダメだったので。一旦試合に集中してます!(笑)。
    ――「ここまで長くやろうって考えてはなかった」とのことでしたが、気がついたらデビューしてから10年近く経っていたわけですよね。
    浅倉 何も知らないままこの世界に入った感じだったんで。高校のときにレスリングをやめて「これからどうしよう」ってときに新しく頑張れることを見つけて。浅倉 でも、よくわからないままやり続けて。こんな自分がこうやって格闘技人生を歩めるなんて思わなかったんですけど。もう25歳くらいには結婚して引退して子供を産んで……みたいのが理想で。
    ――「よくわからないままやり続けて」というのはよくわかるんですよ。浅倉選手がデビューした頃って、格闘家という職業としてそこまで成立してないところはあったじゃないですか。10本14万字の格闘技記事詰め合わせセットはまだまだ続く……
     
  • 【プロレス記事9本7万字詰め合わせ】長井満也、JJジャックス、リンダマン、都電プロレス…

    2024-08-31 23:59  
    500pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! プロレス記事9本7万字で500円!!(税込み)◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◎GLEATはなぜ「日本プロレスリング連盟」でグレイトさせてもらえないのか■鈴木裕之

    ◎エル・リンダマンのグレイトなプロフェッショナルインタビュー
    ◎掣圏道SAプロレス、馬場元子さんの思い出■長井満也

    ◎【プレイバック】“日本の陽気な奴ら”JJジャックス解散の理由■AKIRAインタビュー③
    ◎昭和・新日本なら小川直也vs橋本真也の事件は起きていない■AKIRAインタビュー④
    ■事情通Zの「プロレス点と線」
    ・プロレススポンサー撤退騒動/新木場1stRINGの現在
    ・7月13日ノア武道館&マリーゴールド両国
    ・都電プロレス炎上/女子プロレスサイン会誹謗中傷
    ・「乱入・反則への反発」「観客動員」「ダイナマイト・キッドの甥」「丸森レア」
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉GLEATはなぜ「日本プロレスリング連盟」でグレイトさせてもらえないのか? 鈴木裕之代表インタビュー!(聞き手/ジャン斉藤)――3周年大会のビッグマッチ前(7月1日)に申し訳ないんですけど、GLEATさんが各プロレス団体が連なる「日本プロレスリング連盟」に誘われていないことが話題になってます。
    鈴木 あ、そこから?(笑)。旗揚げ3周年がどうだったとかじゃなくて?
    ――すいません、急すぎますか(笑)。鈴木 まあ「グレイトします!」と宣言してから4年なんですけどね。
    ――ここまでの手応えはいかがですか?鈴木 正直コロナが明けても、どこのプロレス団体も集客に苦戦してるように見えるじゃないですか。
    ――コロナが明けでも客足が戻ってこないと言われてますね。鈴木 そうなんですよね。お客さんが戻ってこない。もしかしたらコロナ後半の時期のほうが集客がよかったんじゃないか……っていう見方もあると思うんですよ。要は徐々に規制が緩くなってきたから久しぶりに会場に行ってみよう、配信で見て面白かったから行ってみようとなった。コロナ禍でもなんだかんだやってきたジャンルでもあったんで。
    ――コロナ禍でも楽しめる数少ないエンタメだったからこそ集客もあったと。鈴木 そうそう。でも、飲み屋さんを含めて復活しちゃったから、選択肢として選びづらくなっちゃってるかもですね。コロナのときは5の中の1だったけど、いまは1000の中の1になっているというか。
    ――配信に慣れたせいで「無理に会場に行かなくてもいいのかな」というハードルの上がり方はないですか?鈴木 それも昭和の新日本さんで考えると、ゴールデンタイム中継で試合を見せておきながら、それでも会場にお客さんを引っ張ってきたんで。いまだってRIZINさんはすべての大会ではないけど、会場を埋めてますよね。だから配信はむしろ言い訳でしかなくて。
    ――言い訳(笑)。鈴木 はい(笑)。配信で見ることができたうえに会場まで行きたいまでにはならないだけなのかな。そこはコンプライアンスがたぶん一番ネックだなと思います。
    ――コンプライアンスですか?鈴木 たとえば昔のプロレスって“なんでもあり”で、いろいろとできたじゃないですか。たとえば実際の人間関係の悪さ、先輩後輩の確執なんかをリング上に転換していたから感情が出やすかったんだと思うんですよね。でも、いまはかつてのようなスクワット1000回とかの過酷な練習をさせたら、パワハラ、いじめ扱いになるわけですよ。誤解しないでほしいのは新弟子をイジメたほうがいいという話じゃないですよ(笑)。
    ――わかります!(笑)。昔のプロレスと比べてやっちゃいけないことがめちゃくちゃ増えている話は聞いてますね。鈴木 それはコンプライアンスが厳しくなったからですね。そういう意味でいえば、ブレイキングダウン的なものをプロレスでやったら大ブレイクしたかもしれない。
    ――あー、なるほど。ブレイキングダウンはコンプラ全盛の中で無法地帯ですね。鈴木 ブレイキングダウンがうまいのは「社会のドロップアウト組が人生再生のために集まってきます!」みたいなスタンスだってことを最初から謳っちゃってるじゃないですか。あれはノーコンプラってことですよ。
    ――じつは格闘技の乱闘やトラッシュトークにプロレスがわりを食ってるんじゃないかって思ってたんですよ。警察沙汰にもなった猪木さんの伊勢丹襲撃事件も、騒動自体はブレイキングダウンっぽくはありますよね。鈴木 いまのプロレスはああいうことはできないですよね。やっぱり人生って正しい道だけじゃない。ノーコンプラの中から生まれる憎悪をリングで消化するから面白い。いちばんお金を持っている団塊ジュニアと呼ばれている世代はまあノーコンプラなエンタメの中で育ったわけで。そういう層に向けた内容にしたいんだけど、いまはなかなかできないですね。
    ――ノーコンプラ世代が見たくなるものがつくりづらいと。鈴木 コンプラがあって選手はムチャできないのに、一部のファンはネットで凶暴化しがちなんですよね。憧れのはずだった選手にクソだなんだとマウントを取るし、もしくはモンスターペアレントとして見るようになっちゃってる。ネットだと選手よりファンのほうが強く見えるかもしれないですよ(笑)。でも、それは仕方ないところもありますよね。リングの神棚にいた選手たちが会場の物販ブースでファンを出迎えているわけですから。
    ――そこで選手と距離を勘違いしてしまうファンが出てくると。鈴木 いまGLEATがやっていることは、選手たちを神棚に戻すことです。簡単に会えないにしていく。お客様の特典としてサイン会をやるときもあるんですが、どこでもなんでも会えるようにはしないほうがいいし、プロレスラーの神々しさをどう作っていくか。幻想を作り直そうと。
    ――その作業を行なううえでもコンプラが厄介なわけですね。鈴木 そうですねぇ。コンプラによってニュージャンルになることを求められているのがこの5年ぐらいなんだと思います。プロレスという側の看板は変わらないんだけど、もう中身が違う。あり方を変えるにはいわゆるブレンキングダウンみたいに最初からノーコンプラを謳うか、もしくは2.5次元のお芝居みたいなアイドルチックなものに仕上げていくか。
    ――手っ取り早いのは2.5次元。鈴木 2.5次元は最初から2.5次元としてやってるから敵うわけないんですよ。その世界観が仕上がっているし、いわゆるシナリオがあるわけじゃないですか。だけどプロレスってプロレスラー同士の察知と想像力で作っていかなきゃいけないので。WWEはいわゆる世界トップレベルのシナリオライターが入ってると思うんですよ。日本はそうじゃなくて、そこは日本のプロレスの良さではあるんですけど、選手に任しているところがすごく多いので、選手が仕掛けないと動かないときもある。しかもそこは2人3脚じゃないですか。戦う者同士は憎悪を持ち合わなきゃいけないのに、相手と運命共同体になっちゃうんですけど。片方は頑張っても片方が乗らなかったら損するわけですから。
    ――ヘタすると仕掛け損、乗っかり損になってしまうこともあると。鈴木 そうそう。あといまはお客さんをなかなか驚かせることがむずかしいですよね。「こういう人が出るんだろうな」ってだいたい読めるっていうか。昔は「まだ見ぬ強豪」がプロレスの醍醐味としてあったわけだけど、いまは順当になってきちゃってるので。
    ――サプライズが起きてもプロレス内の出来事だったりしますね。鈴木 いまのプロレス界は朝倉未来なんか絶対に上げないですよね。
    ――ああ、たしかに。いまのプロレスはそういうモードは一切ない。鈴木 でも、これがWWEだとレッスルマニアに朝倉未来を上げちゃうんですよ。
    ――メイウェザーやローガン・ポールを上げちゃうWWEならやるでしょうねぇ。鈴木 朝倉未来のことを上げると思います。そこがいまの日本プロレス界にちょっと欠けちゃってることだと思う。今度未来選手と戦う平本蓮のことも上げないんですよね。
    ――これが20年前30年前なら、猪木さんが「なんか面白い奴がいるんだろ?ちょっと呼んでこいよ」って言いそうですね。かつてそういう仕掛けをやりすぎてプロレス界がグラついたこともあって、朝倉未来や平本蓮なんかをプロレスに上げるようとする企みが消え失せたんですけど。鈴木 平本選手はXでいつも炎上してるじゃないですか。いまのプロレス界だと、すぐにやめさせると思うんですね。でも、RIZINは泳がせるじゃないですか。
    ――まあ泳がせるというか、制御不能というか(笑)。鈴木 あれは平本選手の本当の感情が吐露した部分。そこはいちばんビジネスになるところなんですけど、そうなる前にいまの日本プロレス界は選手のことを制御しちゃってるんで。日常のトラブルを活かしているRIZINとブレイキングダウンはプロレス界の未来を考えるうえでけっこうポイントですね。ただ、プロレスとの違いでいえば、格闘技の場合は選手が何か起こしたらジムの責任になるじゃないですか。団体にも批判は起こるけど、選手個人やジムの責任になる。プロレスは団体の責任になりますからね。
    ――だからコンプラを重視しないといけないところはあると。鈴木 そこは枠組みの違いもありますし、やっぱりコンプラの壁がありますよ。
    ――GLEATの選手はそのへんはどういう雰囲気なんですか?鈴木 GLEATっていわゆる血の違う人間たちが集まった団体じゃないですか。プロレスの歴史的に外様の集まりって全部潰れているんですけど。全員が一蓮托生でGLEATの人間になるってことで3年間やってきて、これからは競争ですけど、そこはファンのニーズ次第。プロレスって勝ち負けだけじゃないですよね。負けても人気が出るのがプロレスだったりするわけで。
    ――この3年間、予想どおりにできてるところ、できなかったところはあるわけですよね。鈴木 おおむね予想というか、理想以上ではやれてますよね。当初は「GLEATなんか速攻終わるよ」みたいな声も多くて、ボクそこに異論なかったんですよ。「たしかにそうかもしれないな……」って(笑)。
    ――ハハハハハハハ。鈴木 コロナ禍から始まって、よく3年もったなみたいな。それも売上げ、動員数もどんどん上がって、最初は数千万だったのがもう億を超えていたり。成長率でいえば、プロレス業界で一番高い団体になるかなって思ってるんですね。
    プロレス記事9本7万字の詰め合わせセットはまだまだ続く
     
  • 【格闘技記事12本13万字】超RIZIN3、川尻達也vs鈴木芳彦、朝倉海、ケイト・ロータス…

    2024-08-31 23:59  
    600pt
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! 格闘技記事12本13万字で600円!!(税込み)◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
    ◎愛憎の終着駅、新章の始発駅、超RIZIN3■笹原圭一
    ◎“奇跡の復帰戦”関原翔インタビュー 空白の726日間
    ◎UFCはなぜ堀口恭司との契約を見送ったのか
    ◎川尻達也vs鈴木芳彦「RIZIN開国の不毛な議論」23000字
    ◎井上直樹vsスーチョルを超RIZIN3でやらなかった理由■シュウ・ヒラタ
    ◎セコンド大塚隆史が見た朝倉未来戦「蓮くんは五輪アスリート級の取り組み方だった」
    ◎所英男46歳 ヒロヤに負けたら即引退SP
    ◎朝倉海というUFC日本大会実現へのラストピース
    ◎キラキラ?クヨクヨ? ケイト・ロータス12000字インタビュー
    ◎朝倉未来vs平本蓮に見えた打撃のプレッシャーとブランク■水垣偉弥
    ◎【KNOCK OUT代々木】五味隆典にやられた!■山口元気
    ◎斎藤裕は「格闘家・斎藤裕」をどう見ているのか
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉大会後恒例!RIZIN広報・笹原圭一さんの超RIZIN3総括17000字です!(聞き手/ジャン斉藤) *8月4日にDropkick note版に掲載された記事です
    ――笹原さん! 13年ぶりのさいたまスーパーアリーナスタジアムバージョン超満員の光景はいかがでしたか?
    笹原 まず一言いいですか? ……超RIZINが失敗すると思ってたヤツくたばれーー!!!
    ――ハハハハハハハ! いまはなんのオマージュなのか説明しづらいやつですよ!
    笹原 いやでもとにかくすごい熱気でした。RIZIN史上最大規模の大会で、最上級の熱狂を作り出すことができて、正直ホッとしています。
    ――超RIZIN3は試合も面白かったですよね。ボクはPRIDE直撃世代なのでいちばん大好きな団体は永久にPRIDEなんですけど、あの頃のMMAって技術的にも膠着になりがちで。今回はどの試合もスイングしていたし、大会場だけど試合に入り込めたのはちゃんとドラマも見えたからですよね。
    笹原 ですね。なかには「超RIZIN3より6月のRIZIN47代々木のほうが超RIZINじゃん!」とか「これのどこが『超』なの?」とか言っている人がいましたが、もう1回いいですか?くたばれーー!!!と(笑)。
    ――どっちのRIZINも笹原さんたちが作ってるんですけどね(笑)。超RIZIN3もRIZIN47も「どっちもRIZIN!」ということで。
    笹原 そうです。「RIZINはこうじゃなきゃダメだ」みたいな意識はないし、なんならそういう「かくあるべし」みたいなものって積極的にぶっ壊したいと思ってまし。
    ――感想としては「スタジアムバージョンに勝った」という感じがしましたね。あの大会場に勝てるコンテンツってなかなかないですよ。
    笹原 おっしゃるとおりです。ちなみにRIZINの前に宇多田ヒカル(7月24日)がスタジアムバージョンでライブをやってるんですよ。
    ――しかも2DAYSやって両日ともに超満員と聞きました。
    笹原 なので宇多田ヒカルさんは我々のことなど1ミリも視野に入っていないと思いますが、こっちは「宇多田に負けるか!」と勝手に力んで準備してたんです(笑)。
    ――久保優太選手の入場で熱唱していたサラちゃんが「RIZINの宇多田ヒカル」に見えてきました(笑)。今回のRIZINはパリ・オリンピックの真裏ですけど、これが20年前だったら「こちらが格闘技のオリンピック!」とか「対世間!」とか煽ってたはずなんですけど、対オリンピックのムードが1ミリもなし。そういう時代なんだなって思いましたね。
    笹原 社内では「オリンピックの影響はあるかな」なんて話はしてたんですけど、いまやそれぞれが独立した世界を築いて、みんなそれぞれ楽しんでいる。オリンピックはオリンピックで楽しめばいいし、RIZINはRIZINで楽しむ。タコツボ化しているなんて声もありますけど、これだけ趣味が多様化していると、「はい!全員注目!」と言ってもなかなか声が届かないですよね。
    ――いまでも「対世間」というか、ジャンルを世の中に届けようとする姿勢は必要なんですけど、そこに引っ張られてバランスをおかしくすることは過去のプロレス格闘技ではよくありましたね。
    笹原 まあウチの場合はいつもバランスを崩してますけどね(笑)。
    ――でも、まったく懲りていないと(笑)。
    笹原 「対世間」とか「対コア層」とかって要はバランスじゃないですか。状況によってホームランを狙うために大振りするときもあれば、格闘技ファンの熱を冷まさないように確実にミートすることもあると。前者が超RIZINで、後者がRIZIN47みたいな大会ってことです。
    ――50万件のTHE MATCH超えを目論んでいたPPVの手応えはありますか?
    笹原 社長も大会後の総括で「肉薄している数字」と言ってましたけど、RIZINの記録としては過去最高の数字になると思います。ただ、あらためて50万件という大台は、プロモーションしてどうこうなる数字じゃないって、実感しましたね。
    ――たしかに天心vs武尊の大きなトリガーって、直前で地上波放送がなくなったことですよね。
    笹原 もちろん天心選手はRIZIN地上波で何度も試合をして、テレビ番組に出てましたし、「やる・やらない」という話題を含めて長い時間かけて熟成されたことは大前提ですけど。
    ――天心vs武尊はやる・やらないを口に出すこともタブーだったりもしたから、スキャンダラスだったわけですよね。そこに直前で地上波放送中止というスキャンダルが起きて掛け算になったと。
    笹原 なので朝倉未来vs平本蓮はそういうスキャンダルという手段を使わずに4万人以上のお客さんを集めて、PPVもTHE MATCHに肉薄してるんだからとてつもないんですよ。そこは平本蓮の存在も大きいですけど、朝倉未来が築き上げてきたもの、RIZINと未来選手が築き上げてきたものってこんなに大きかったんだと感じました。だってボクも未来選手が負けたことに思いのほか、ショックを受けてますもん。
    ――そういうと「笹原さんが平本蓮に勝ってほしくなかったんだ!」と切り取られて怒り出すのがネットですよ!(笑)。
    笹原 そういう短絡的なことをいうアホには「くたばれーー!!!」しかないですね(笑)。未来選手が負けて「ひとつの時代が終わるのか……」とひさしぶりに心が揺さぶられたんですよね。
    ――そんな感情が湧き出たのはいつぶりですか?
    笹原 いつ以来だろう。パッと思い浮かばないくらいですけど……高田(延彦)さんがヒクソン・グレイシーに負けたときや、桜庭(和志)さんが負けたときともまた違う感覚ですね。
    ――高田さんや桜庭さんとははまた違ったショックがあった。
    笹原 2015年にRIZINが立ち上がった当初は年に3~4回のペースでしたし、知名度も全然なかった。RIZINがようやく世間に届き始めかけたところに朝倉未来が現れて、一緒にRIZINを大きくしていった感覚はありますね。一緒に築き上げた選手の中には、もちろん天心選手や堀口恭司選手とかたくさんいるんですけどね。
    ――そして、さいたまスーパーアリーナのスタジアムバージョンを超満員にするまでに至ったけど、その栄えある日に朝倉未来は勝ち名乗りを挙げられなかったという悲しさですね……。ボクのツイッターにもファンからいろんな意見が届くんですが、歴史認識が違うと思ったのは「RIZINは朝倉兄弟が出てから人気が上がった」というやつで。朝倉兄弟が出場したからRIZINが急浮上したわけではなく、時間をかけてコツコツ積み重ねて爆発に至ったところはありますよね。
    笹原 だって2018年の大晦日は天心vsメイウェザー、堀口恭司vsコールドウェルがありましたけど、朝倉兄弟の2人は午前中にやった「RIZIN 平成最後のやれんのか!」に出ていたわけですからね。最初からメインイベンターだったわけじゃないんですよね。
    ――だからこそ一緒にRIZINを作ってきた実感があるわけですね。
    笹原 未来選手と腹を割って何時間も話し合ったことがあるわけじゃないですし、「俺たち仲間だよね」なんて口に出しては言わないんですけど、やっぱり一緒にRIZINっていうのを作ってきた感情はしっかりある。彼が負けたことによってその「未来選手ともうこの先一緒に何かを作れない」という現実を突きつけられた感じです。
    ――喪失感は当然ありますよね……。朝倉未来って一国一城の主なんだけど、RIZINに対する献身性は感じますよね。そこはRIZINの企画が面白いし、決して安くないファイトマネーとかそれ相応の待遇を用意するから乗ってくるんでしょうけど。
    笹原 根っこは、やはりRIZINのことが好きなんだと思いますよ。変な話ブレイキングダウンや自分のYouTubeは自分の庭だから自由にできるけど、RIZINは自分でもどうなるかわからないスリルがあるじゃないですか。その不自由さがあるにもかかわらずRIZINに上がらずにはいられないのは、抗えない魅力があるからでしょう。
    ――FIGHT CLUB(オープンフィンガーキックのYA-MAN戦)にも出てみたけど、何か違うと。
    笹原 ちょっと浮気してみたけど、正妻はRIZINだと(笑)。
    ――未来選手は平本蓮に負けたら引退を表明してましたが、試合後のインスタで「自分が戦うのは一旦終わりにします」とメッセージ。ネットニュースは「朝倉未来引退!」と報じてますが、「一旦」ですもんね。
    笹原 まあそこは本人が決めることですからね。当然しばらくは休んだほうがいいと思いますし。
    ――榊原さんの「ファンをドン底に突き落としてこのまま終われるのか」という記事の見出しだけを読んで怒ってる人がいますけど。
    笹原 「金になる朝倉未来を辞めさせたくないんだろ。どこまでこき使えばいいんだ!」みたいなことを言っている人もいましたけど、表層の言葉だけ見て脊髄反射するんじゃなくて、もうちょっと思考を巡らせればあの言葉の真意が簡単にわかるんですけどね。
    ――「プロモーターがファイターを搾取している」みたいな構図を信じ込んじゃう人っていますよね。笹原さんの前でこういうのもなんですが、プロモーターは最終的にみんな負けるんですけどね……。
    笹原 不吉なことを言わないでください! 社長があんなこと言っているのはあえて口にしてるんですけどね。だってファイターなんて同情されたらおしまいですよ……って、まぁどれだけ説明してもわからない人には永遠にわからないと思うので、やめときます(笑)。
    ――諦めないでください!
    笹原 どんな格闘家も大一番で負けたときは「やめたい」という感情にとらわれることが多いんですが、時間が経つとその感情って変わってくる。でもだからと言って、朝倉未来はこの一戦に進退を賭けて臨んだわけで、その決意を翻意させようとか思っているわけじゃないですよ。しばらく身体を休めて、じっくり考えてくれればと思います。我々の意向どうこうじゃなくて、最優先されるのは彼の決断ですから。
    ――超RIZIN3が神がかっているなと思ったのは、朝倉未来vs平本蓮ポスターの「愛で殺せ」のコピーどおりのドラマになったことですね。このコピーは笹原さん考案ですよね?格闘技記事12本13万字の詰め合わせセットはまだまだ続く…
     
  • 【8万字・プロレス記事詰め合わせ】馬場元子、長井満也、“Show”大谷泰顕、曙、AKIRA……

    2024-05-31 23:59  
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    ◎「海外修行で感じた異様な新日本プロレス」■AKIRAインタビュー②
    ◎K-1参戦、安生洋二の前田日明襲撃……リングス退団後の長井満也
    ◎ALL TOGETHER不入り/ロッシー小川に「ジャニー問題」はない■事情通Z
    ◎最高のプロレスラーだった曙さん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ◎最後まで全日本プロレスを愛した馬場元子さん■小佐野景浩
    ◎7月は「超サイバーファイトフェス」か■事情通Zの「プロレス 点と線」
    ◎00年代の怪しい目撃者“Show”大谷泰顕■松澤チョロの「脱線プロレス」◎ヒクソン来襲!! 安生道場破り、幻の長州戦真相――中村頼永インタビュー後編

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    UWFやリングス、K-1まで、様々なリングで戦ってきた長井満也インタビューシリーズ第8弾!  今回はリングス退団後の長井満也です (聞き手/ジャン斉藤)






    ――前回の「リングス退団編」は大好評でした!
    長井 今回は若い世代のプロレスラーも読んでいたみたいで「課金しちゃいましたよ」って言われましたよ(笑)。
    ――ありがたいお話です(笑)。長井さんが懸念されていた批判のほうもそこまでなかったみたいで。
    長井 私のほうにはないですね。そこは斉藤さんが波風が立たないように書いてくださったからだと思います。どうしても自分が信じてる人、大好きな人のことがよく言われなければ波風は立つだろうし、何か言われても仕方ないなと思ってたんですけど。斉藤さんが編集後記でも気を使って書いていただいたんで、ボクは今回すごく助かりました。
    ――そこは時間が経っていることも大きいんじゃないかと思います。どこまで踏み込んでいけばいいかって年代によって違いますし。
    長井 ボクも「どこまで話されますか?」って相談を受けることがあるんですよ。やっぱりリングスに関わってきた人間ってどこまで言っていいのか、ダメなのか。線を引くところってすごく難しいのかなって思いますね。
    ――ボクは後ろ向きなかたちじゃなかったら、ある程度はいいんじゃないかなってスタンスなんです。それでプロレスや格闘技、リングスの凄さが伝わればいいんじゃないかなと。
    長井 誹謗中傷する内容でなければいいのかなと思っているんですけどね。
    ――まあどんな言い方をしても悪く受け取る人もけっこういるのかなと思います(笑)。
    長井 今日は話を膨らませられなかったら申し訳ないんですけど(笑)。斉藤さんが編集後記でドン・中矢・ニールセンの名前を出されてましたけど、俺もニールセンとの試合が飛んだことがあったなと。
    ――ニールセンとはリングスでやるはずだったんですよね。
    長井 競技としてやろうという話があったんですよ。ケガで流れて数ヵ月経ってからまたマッチメイクされて。日にちも決まってたんですけど、乗るはずだった飛行機にニールセンが乗ってなくて。
    ――ああ、当時はそんなことってよくありましたよね(笑)。
    長井 あったんですよ。乗らなきゃいけない飛行機が着いたらニールセンが乗ってなかったことがあって。向こうのばっくれで試合が流れちゃったからショックだったんですよね。それから数年後だったのかな。それがK-1の会場だったのか、キックボクシングの会場だったかは思い出せないんですけど、会場にニールセンがいたんですよね。「あ、ニールセンだ」と思ったら、向こうもこっちを見てたんでペコリとしたら、ニールセンが私のほうに来てくれて「あの日リングスの会場に行かなくて申し訳なかった」と謝ってくれて「試合が怖かったんだ」と言ってくれました。
    ――そういう理由ですか!あれだけの猛者が……。
    長井 ぶっちゃけボクにネームバリューがあるわけでもなかったところもあったのかなと。
    ――ニールセンは総合格闘技自体のキャリアはほぼなかったですけど、日本格闘技界の鍵となる試合をやってますね。
    長井 新日本プロレスで前田(日明)さんとやって名前がガッと上がったから、キック界が使ったところもあったんでしょうね。
    ――佐竹雅昭さんがニールセンに勝ったことがK-1誕生に繋がってますし、ニールセンという存在がUWFやキックを盛り上げたところはあって。
    長井 当時のスターでいえば、リングスに出てくれたロブ・カーマンもお亡くなりになりましたね。カーマンはリングスで角田信朗さんとやったじゃないですか。
    ――カーマンがリングスルールに挑戦して圧勝したという。K-1以前のスーパースターがよくやるなと。
    長井 あれ、私が木村浩一郎選手とやったNKホールの大会だったんですよ。カーマン、めちゃめちゃかっこよかったですねぇ。あの時代にスマホとかあったら私も写真を撮ってもらいたかったくらいかっこよかったです(笑)。時代が違ったりしてたら、もっと世の中に出ていたのかなと思います。あのときカーマンの履いてたキックのパンツに虹や魚のマークが入っていたのかな。あの日はゴルドーも佐竹選手とやったんですが、ゴルドーも同じパンツを履いてるんですよ。どうやらゴルドーはパンツを忘れてきたカーマンに借りたらしいんです。
    ――そんなオランダの交流が!(笑)。当時は“まだ見ぬ強豪”が続々と来日してましたね。
    長井 モーリス・スミスもそうですよね。私がリングス在籍中に全日本キックの試合に出てたじゃないですか。あれはシアトルのモーリス・スミスのジムに練習に行ったときにモーリスのトレーナーから「挑戦してみたらどうだ?」って勧められたからなんですよね。
    ――それで全日本キックのライセンスを取ったんですね。
    長井 そのときにパンクラスの柳澤(龍志)選手も同じ日にライセンスを取りに来てたんですよね。ボクはそのときまで柳澤選手とまともに喋ったこともなかったですね。
    ――当時のリングスとパンクラスは超険悪な関係でしたねぇ。8万字・プロレス記事詰め合わせはまだまだ続く…… 
  • 【9万字・格闘技記事詰め合わせ】鈴木千裕、川尻達也、篠塚辰樹、笹原圭一、手塚裕之……

    2024-05-31 23:59  
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    part122◎RIZINフェザー級王者・鈴木千裕「RIZINを舐めるな!」◎「RIZINに潰れてほしくないから箱庭のままでいいよ!」■川尻達也
    ◎渡辺華奈は「世界」とどうやって戦ってきたのか■上田貴央のコーチ論
    ◎手塚裕之1万字インタビュー「田舎と米をナメるな!!」
    ◎笹原圭一のRIZIN46を「バーンといってドーン!!」と語ろう!
    ◎鈴木千裕vs金原正徳から見えた「スーパータイガーセンタージム」■塩田“GoZo”歩
    ◎篠塚辰樹の自由すぎるインタビュー「ベアナックルは怖くて面白い」
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    川尻達也が振り返るRIZIN46有明!……のはずがPRIDEやDREAMの昔話を含めて2万字クラッシャートーク!(聞き手/ジャン斉藤) ☆Dropkickニコ生で配信されたものを再編集したテキストになります。
    ――今晩の配信のゲストは、お久しぶりの川尻達也さんです!
    川尻 こんばんは!
    ――ツイッターによれば、いまのいままでジムのお掃除をされていたそうで。
    川尻 はい。21時に終わって40分近く掃除してました。
    ――そんなに時間をかけるんですね。
    川尻 めっちゃきれいにしてますよ。毎回消毒もするし、やっぱり汚いジムに人は来ないですよね。
    ――こう言っちゃなんですけど、いまから20年前の2004年頃、ボクが初めて川尻さんを取材したときのジムはかなり汚かったです!(笑)。
    川尻 あー、どこですか? 総合格闘技TOPSかな。あそこは年3回くらいしか掃除してなかったですからね(笑)。
    ――ハハハハハ! そこは経験が活きてるわけですよね。
    川尻 やっぱり女性の会員さんも多いし、汚かったり変な匂いがするところには来づらいじゃないですか。
    ――ちなみに女性会員はどれくらいいるんですか?
    川尻 女性会員は4割くらいじゃないですかね。ほとんどの方は格闘技のことをよく知らないです。「朝倉未来の名前は聞いたことがある」「那須川天心のことはテレビで知ってます」と。知られているのは平本蓮選手ぐらいまでですね。
    ――じゃあ、川尻さんのことなんてご存じないわけですね!
    川尻 全然知らないですよ(笑)。むしろそれが嬉しいです。ボクがジムを開くときに自分の名前で入会するんじゃなくて、格闘技を知らない人でも楽しんでほしいという目標があったんで。入会してから格闘技に興味を持ったりする人もいるし、超ド級の朝倉未来ファンもいますね。未来選手のグッズが出たらすぐに買うし、未来選手がPRしていた水も飲んでます(笑)。
    ――じゃあ「俺は朝倉未来がやっているブレイキングダウンの解説をやってるんだぞ!」と自慢できるじゃないですか。
    川尻 こないだのRIZINの解説席で未来選手と並んだんですよ。モニターに映った未来選手とボクの写真を撮って、その朝倉未来ファンに「いいでしょ」ってLINEしました(笑)。
    ――普通にツーショットを撮ればいいのに。
    川尻 いや、もう怖いじゃないですか(笑)。
    ――何を言ってるんですか(笑)。川尻さんがジムをオープンしたときにお祝いを持って行きたかったんですけども、あまりにも遠いので。近くで取材したついでに寄ろうと考えているうちに、ずいぶん時間が経ってしまいました。
    川尻 もう4年経ちましたよ。
    ――経営は安定してるんですか?
    川尻 まあまあ、ぼちぼち。皆さんのおかげでなんとか生きていけてます。格闘技ジムの経営って、いきなりは大金持ちにはなれないじゃないですか。たとえば、会員がいきなり10倍になったりしない。でも、在庫を抱えるわけでもないし、ちゃんとやれば赤字になることはないなって感じですよね。
    ――でも、元UFCファイターの川尻さんには近々泡銭が入ってくるじゃないですか。
    川尻 あー、UFC集団訴訟のやつですよね。あれ、どうなってんすか。ジャンさんのせいでさ、めちゃくちゃ期待してたんですよ。ヘタしたら何千万円も入ってくるんじゃないかと思って、嫁と「どうする?」って話をしていたんですよ。そうしたら賠償金は思ったより低いんですよね?
    ――ですね。UFC集団訴訟に関してはボクが繰り返し発信していることで、水垣(偉弥)さんからも「ジャンさんのツイートで期待していたら……」と苦情が入ってますね(笑)。
    川尻 いい迷惑ですよ。いくらくらい入るんですか?
    ――うーん、100万円ぐらい入ればいいほうかもしれないですね。
    川尻 ですよねぇ。ジャンさんのツイートからすると、正直3000万とか入るのかなってワクワクしたんですよ
    ――原告側が妥協しちゃっただけでボクは何も悪くないですよ(笑)。川尻さんもUFCでそれなりに試合しているからけっこう入るかもしれないですよ。
    川尻 いやいや、水垣くんに比べたらボクは10分の1ぐらいですよ。
    ――水垣さんはこの話を振ってくる川尻さんに迷惑がってましたよ。
    川尻 水垣くんさ、配信番組に一緒に出たときにこの話を振ってもまったく乗ってこないんですよ。あの男は固いんですよねぇ。
    ――川尻さんや水垣さんの今後の生活ぶりから、賠償金の金額を判断しようと思ってます。
    川尻 お金の話でいえば、ジャンさんに聞きたいことがあったんですよ。
    ――なんですか?
    川尻  Dropkick、儲かってるでしょ? 
    ――は?
    川尻 ぶっちゃけ儲かってるんでしょ!?
    ――どうしたんですか、急に。
    川尻 ボク、Dropkickに出るのは4年ぶりぐらいでしょ? 以前より出演料が増えてるんですよねぇ。
    ――べつに5倍10倍に上がってるわけじゃないですよ(笑)。
    川尻 知りたいのはいま会員は何人いるかってことですよ。
    ――32人ですよ。
    川尻 そんなわけないでしょ!
    ――本当は値段を上げたいくらいですよ。ただシステム上、値上げができなくて。
    川尻 たしかに550円って安すぎません? それでも絶対に儲かってるよ、これ。
    ――ひとつだけ言えることは毎週2~3人取材して、1万字超えのインタビュー原稿を延々とまとめ続けるのは精神的変調をきたしかねないです。かれこれ12年間ホテルで缶詰作業している感じですよ!
    川尻 コメント欄に「こんなに金の話ばかりする川尻達也は新鮮」ってコメントありますね(笑)。
    ――川尻さんはPRIDEに上がったら億万長者になれると思い込んでいた銭ゲバですよ。
    川尻 そうですよ。五味隆典を倒したら、ファイトマネー3000万円になって年間3試合で9000万、スポンサーで1000万、年収1億円になると計算してPRIDEと契約しました。
    ――雑な計算!(笑)。
    川尻 実際はそんなことなかったですよ。若さって恐ろしいですねぇ。
    ――今回のRIZIN46はそんな川尻さんだけしか語れないテーマも内包されていたんじゃないかなと。
    川尻 えっ、どういうことですか? なんでも答えますからDropkickの会員数を教えてくださいよ!
    ――だから32人ですよ! まずRIZIN46のメイン、鈴木千裕vs金原正徳ですけど、川尻さんはどっちの勝利を予想してましたっけ?
    川尻 ボクはさんざん金ちゃんとの古い関係を説いたあとに、鈴木選手の「1ラウンドKO勝ち」でした。今回はほぼ当てました。
    ――まあ、予想って2分の1じゃないですか。鈴木千裕の勝利予想はどこまで確信いていたものだったんですか?
    川尻 いやあ、そこまで自信はなかったですね。どっちも勝つ可能性あるけど……ここで鈴木千裕にすると、また金ちゃんに怒られるじゃないですか。クレベル・コイケ戦のときもそうだったんですよね。で、今回も金ちゃんが勝ったら、またYouTubeの事前番組でネタになるのかなって(笑)。
    ――そんなヨコシマな理由! まあ実力は拮抗していたってことですね。
    川尻 鈴木千裕が時代を作るんであれば、PRIDE武士道で10連勝した五味隆典みたいにどんな状況でも鈴木千裕は勝つだろうなって。もうひとついうと、金ちゃんのインスタを見たら、ケン・ヤマモト先生の治療を受けてたんですよ。
    ――あー、みんながお世話になっているケン・ヤマモト先生の治療を受けていたってことは……という読み!
    川尻 そのあとのストーリーで「できることやろう」みたいに書いてあったので、これはどこかをケガしたのかなと。コンディションに不安があるってことを含めて、鈴木千裕の予想にしましたね。鈴木千裕はもう万全で絶好調だったと思うんで。
    ――じつは金原選手は身体のある部分を痛めていたっていう話を聞きましたね。
    川尻 ああ、やっぱりそうなんですね。ヤマモト先生のところに行くってことは緊急ですからね。
    ――しかも金原選手は年齢も年齢ですしね。
    川尻 41歳ですね。ボクも最後の試合が41歳ですけど、その前にアリ・アブドゥルカリコフとやったじゃないですか。試合後に動画を見たら、あまりにも動きが遅くてビビりましたもんねぇ。「ああ、俺、こんなに遅いんだ。これはもう無理だな」と思いましたね。
    ――自分の動きを見て判断したんですね……。
    川尻 それでやめどきっていうのをずっと考えてて、誰かにぶっ飛ばされてからやめたいじゃないですか。
    ――それがRIZINライト級GP開幕戦のパトリッキー・ピットブル戦だったと。
    川尻 PRIDE、DREAM、RIZINと3つのライト級GPに出ることになるし、そこで優勝できたらまた続けられるし、ぶっ飛ばされたらやめようと思ってましたね。
    ――40代になると身体だけじゃなくて、戦うモチベーションも重要ですよね。
    川尻 自分の41歳のときでいえば、日本一を目指すことにはまだ自信はありましたけど、正直世界一を目指して格闘技に振り切ってやってきたから。そこで日本人ファイターと試合をすることは自分の中で考えられなかったですね、当時は。そしたらさ、フェザー級に朝倉未来選手が出てきて。もう1年ぐらい早く出てきてくれれば、俺も間に合ったかもしれないのに(笑)。
    ――戦う動機を探していた川尻さんは堀口恭司との対戦をぶち上げて、バンタム級のテストマッチをやったり。いまは階級を落とすことがトレンドですけど、川尻さんの意見を聞きたいなと。9万字・格闘技記事詰め合わせはまだまだ続く…… 
  • 【16万字・記事16本詰め合わせ】鈴木千裕、久保優太、今成正和、ロッシー小川、ブル中野、鉄の爪…

    2024-04-30 23:59  
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    part122◎【RIZIN神戸総括】笹原圭一の関東大会場4連戦やってやるって!
    ◎MMAでも天才か? 久保優太「斎藤裕選手を乗り越えられる自信はあります」
    ◎【金原正徳戦直前】鈴木千裕13000字インタビュー
    ◎【鈴木千裕戦!】金原正徳「ボクに勝ったら大したもんだと思う」
    ◎業界再編ならず? UFC集団訴訟は和解へ…■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ◎この“次”は堀口恭司vsデメトリアス・ジョンソンだ!
    ◎朝倉海vs井上直樹、もし戦わば……■水垣偉弥
    ◎寡黙な足関十段の過去とは? 今成正和インタビュー
    ◎ジョビンチャンネルでできなかった髙田延彦の「八百長」「搾取」の話
    ◎ロッシー小川が悪いのか■事情通Zの「プロレス 点と線」
    ◎映画『アイアンクロー』…“呪い”はいまだ消えていない
    ◎令和の女子プロ! 小佐野景浩の東京女子プロレス講座
    ◎日本とアメリカの女子プロレスを変えたブル中野■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎前田日明vs長井満也で藤波辰爾が最高だった話
    ◎【プレイバック】新日本プロレス入門、野上彰だった頃/AKIRAインタビュー
    ◎【プレイバック】平成のテロリスト・村上和成…格闘家が挑んだ命懸けのプロレス道!!
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    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。今回も12000字で語ります(この記事はニコ生配信されたものを編集したものです)
    ――シュウさん、今日もいろいろとお話をおうかがいします! まずは業界大注目のUFC集団訴訟の件はどうやら和解のほうに進みそうですね。
    シュウ 私からしたら、はっきり言ってガックリですねぇ。14年近く訴訟をやっていたのに結局お金の額も大したことなければ、あの和解案は選手のための業界再編まで至らなかったわけですよね。たとえばランキングを第三者でコントロールできないとか、チャンピオンでも1年以上は拘束できないとか、選手のためのルールを全部ギブアップしたわけですから。
    ――そこまでの権利を勝ち取るにはまた時間がかかるから、今回の決断はベストじゃないけど、ベターみたいな感じですかね。
    シュウ それは「誰にとってベターなのか」って話ですよね。その昔、それこそすごい安いお金で試合させられた選手たちにとってはいいかもしれないですけども。全体的に選手たちの立場がアンフェアだからということで始めた訴訟なわけであって、その肝心の部分をギブアップしたということは、この決断を下したの原告側は、これからの選手のケアは「皆さんでまたやってくれ」「また訴訟を起こせばいいじゃん」って感じなんじゃないですかね。今回は判例が作れたのではなく示談なんで、今後の訴訟はまた可能なのかもしれないですけど、そのあたりは専門家に聞かないとわからないですね。
    ――賠償金は約500億円のようですね。
    シュウ いまのUFCからすれば大したことないですよ(笑)。
    ――そうなんですよね(笑)。
    シュウ 想定されていた額と比べたら大したことないですよ。これを原告の選手1200人でどうやって割るんですか?って話じゃないですか。
    ――話によると均等ではないらしいですけどね、試合数やキャリアによって金額は違ってくるとか。
    シュウ それに税金も引かれるんですよ。
    ――UFCもこの賠償金は税金として処理できる話も出てますから、そこまでダメージはないという。
    シュウ まあ思ってるよりダメージはないですよね。税金の処理でいえば、原告サイドの水垣(偉弥)さんにもどれくらい戻ってくるかで、税金はどうなるのか。しかもその年の分はもう申告しちゃってるわけですからね。経費として扱えるのか、そこはちょっと気になりますね。税理士の先生に任せるしかないと思っています。
    ――これを受けてUFCが多少なりとも何かやり方を変えることはありえますか?
    シュウ 結局この裁判に関してはこれでもう決着、おしまいだと思うんですよ。将来的に何か不満を感じた選手や関係者たちが集まってアクションを起こすことはあるのかもしれないですけど、エンデバー体制となる2017年までのことは一応これで決着ってことなのかもしれない。ぶっちゃけのところいまや政治家の須藤元気さん。彼がUFCでマイク・ブラウンとかやったときなんて2000ドル+2000ドルでしたからね。
    ――めちゃくちゃ安すぎます(笑)。当時のUFCってPRIDE以下の規模で。
    シュウ そうなんですよ。しかもそこから3割の連邦税が引かれますし。2000ドル+2000ドルでやってた人にとっては、たとえば1000万という金額がポンって入ってくるのは悪くないなとは思うんですね。実際に1000万円かはわからないですけど。業界のルールを変えるという軸の部分はもう全部ダメになっちゃったってことですよ。
    ――ただでさえ現在のUFCは「ダナ・ホワイト・コンテンター・シリーズ」や「Road to UFC」(以下RTU)で勝ち上がってきた選手を安く契約して使う戦略になっているから、選手たちにとっては良くない流れですね
    シュウ そうなんですよね。これはボクが前に言ったように、UFCがチャンピオンでも何年も拘束することができなくなって、たとえば榊原さんや他のプロモーターがお金さえあればUFCの王者を簡単に引っ張ってこれる夢はもう当分なくなりますよね。
    ――榊原さんがダナ・ホワイトと何か交渉をしてますけど、その企みもあまり良くない方向に進む可能性もありますね。
    シュウ 結局UFC一強じゃないですか。UFCがどこかと対抗戦をする必要なんてまったくないんですよね。UFCが「どこかのチャンピオンがほしい」と思っても、契約がまだあるなら待つ。わざわざその団体にお金を払って選手を引っ張るてみたいな政治的なビジネスはやらないと思うんですよね。以前オランダのゴールデングローリーというチームの勢いがすごかったじゃないですか。あのときゴールデン・グローリーがUFCに要請していたのは日本の芸能事務所と同じように、ファイトマネーはいったんグローリーに払いなさいと。そしてグローリーが選手に払うと。でも、UFCは絶対にOKしなかったんですよ。UFCは選手としかやり取りしない。面白い例があるんですけど、選手が税金対策で自分の会社を作ったりしますよね。その会社にファイトマネーを振り込んでもらうとしても、UFCは「その会社の株式を100%あなたが持っていることを証明しなさい」と言ってくるんですよ。
    ――100%!
    シュウ そうなんです。そういう会社って10%お父さん、10%お母さんが持っていることがあるじゃないですか。それだったらUFCは「払いません」って言われます。それぐらい徹底している会社なんで、何かルールをちょっと曲げて他団体とイレギュラーなことをやるってことは「ない」と思ってるんですよね。しかも親会社は上場企業、パブリック・カンパニーですから、たくさんいる株主の利益を最優先に考えないといけない中、特定の会社や個人のためにルールを曲げる可能性は極めて低いと思います。
    ――UFCはヒョードルvsレスナーをやりたがっていたけど、当時ヒョードルをマネジメントしていたM-1のワジムさんがいろいろと要求してきたこともあって、UFCは断念したわけですよね。合同興行はまだわかるんですが、ロシアのスタジアムを建設しろとか(笑)。
    シュウ あれと同じですね。とにかく他の団体には基本的に噛ませないんですよ。逆にそのM-1と合同で大会開催するから、そしてヒョードルだけでなくM-1にもお金払うからということで、ヒョードル獲得に成功したのが、もうみなさん忘れているかもしれないボードッグ・ファイトですしね。
    私はあのとき、ボードッグファイトのファイトチームでマッチメイキングの仕事をしてたので契約書を読んでいますけど、UFCの出したオファーよりも低い額のファイトマネーで合意できたのは、そういう理由もあったからなんです。
    ですから日本のファンにとって気になってる堀口恭司選手や朝倉海選手も、自分のマネジメントがUFCと交渉して合意したら契約するっていう流れにしかなくなっちゃうことですよね。1年に1回ぐらいRIZINに戻ってきて試合したりとかは厳しいってことです。この訴訟問題でしっかり頑張って戦っていれば、いま言ったような団体の行き来も可能だったと思うんですよ。そういった夢も一気に潰れたなって思います。
    ――RIZIN神戸の話ですが、シュウさんがマネジメントしている井上直樹選手が佐藤将光選手に競り勝ちました。
    シュウ 直樹くんは途中で目にアクシデントがありまして。佐藤選手はベテランですし、オールラウンダーなんで。そんな相手に勝てたことは大きいと思います。この試合の1ヵ月前に直樹くんと「どうやって勝つの?」と聞いたんですよ。そうしたらチェール・ソネンと同じことを言ったんです。どういうことかといえばソネンは「試合前は常に判定で勝つことを考えてる。チャンスがあったらフィニッシュするんだ」と。直樹くんも同じこと言ってたんですよ。今回は判定でしっかり勝つことを考えて、フィニッシュを狙える場面があればフィニッシュすると。
    ――1ラウンド飛ばし過ぎだった反省が活かされてるわけですね。
    シュウ 直樹くんが失速するって扇久保(博正)選手とやったときのイメージがみんな残ってるじゃないですか。でも、これって試合途中に鼻を骨折し、指をケガしちゃったからだし、アーチュレッタ戦に関しては、いいのを一発もらっちゃったから流れが変わって。スタミナだけに問題があるわけではなくて、そっちだとボクは思ってるんですよね。要は戦いの中でダメージをもらったのがスタミナの失速に繋がった。だから「勝負でも負けた」ということかと。
    ――今回もアクシデントがあったけども、3ラウンド目にテイクダウンを取って勝負を決めることができたってことですね
    シュウ あそこでテイクダウンが取れて肩固めのようなかたちに持っていけたことが、ジャッジにとって一番大きかったんじゃないですか。今回は「チェール・ソネン化」がちょっと嬉しかったかもしれないですね。冷静に戦えるように成長できているってことですから。
    ――井上選手は控えめに朝倉海選手の王座挑戦を表明しましたけども。朝倉海選手はRIZINで防衛戦をするかどうかちょっとまだ不明ですけど、シュウさんにはどういったお話が入ってるんでしょうか?16万字・記事16本詰め合わせセットはまだまだ続く

     
  • 【15万字・記事15本詰め合わせセット】鶴屋怜、スターダム、武尊本、佐藤将光、ビンス、中嶋勝彦…

    2024-02-29 23:59  
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    part120◎【UFCと契約】鶴屋怜の可能性が恐ろしいよ!
    ◎セージ・ノースカット問題とは何だったのか?■シュウ・ヒラタ

    ◎「これがRIZINか……」佐藤将光、センターラインを超える◎【大人のMMAトーク】日本格闘技界がよくわかる15000字■DEEP代表・佐伯繁
    ◎嗚呼、矢地祐介! ああ、ヤッチくんよ!!
    ◎リングスジャパンは仲が悪かったのか?■長井満也
    ◎やりすぎくらいがちょうどいい……武尊『ユメノチカラ』を読んで
    ◎【閲覧注意】ビンス・マクマホンおぞましき性的虐待・性的人身売買の全貌
    ◎ボクシング界は安全面を議論していないのか■山田武士
    ◎続・全日本プロレスで何が起こっているのか

    ◎【ロッシー小川電撃解雇】スターダムは分裂するのか◎中嶋勝彦を見よう/「プロレスの仕組み」論■小佐野景浩の「プロレス歴史発見
    ◎冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…■小佐野景浩のプロレス歴史発見

    ◎武尊、青木真也、三浦彩佳vs平田樹、ABEMA格闘技の光と…
    ◎ABEMAvsU-NEXT、スターダム岡田社長に言いたいこと

    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉プロレス格闘技業界のあらゆる情報に精通する事情通Zのコーナー。今回のテーマはスターダムは分裂するのかです!
    ――Zさん、スターダムの創業者にしてエグゼクティブプロデューサーのロッシー小川さんがスターダムを電撃解雇されました! スターダム側の発表によればロッシーさんが「多数のスターダム所属選手・スタッフに対する引き抜き行為があった」からだと。事実ロッシーさんは新団体設立を宣言しています。Zさんは事前にこの噂は聞いてたんですか?
    Z 全然聞いてなかったです(キッパリ)。
    ――事情通なのに!
    Z そこが今回のポイントのひとつだよ。水面下でこんな大掛かりな動きがあったのなら、なんでもかんでも書き殴る海外サイトが放っておくわけないでしょう。私が知らなかったりしただけかもしれないけど(笑)。
    ――たしかに海外で先に報じられていても不思議じゃない。
    Z 今回の件を受けて情報収集したら「ロッシーさんが新団体を作る」という話はスターダム周辺の人たちは知っていた。では、なぜその噂が広まらなかったのか。これは情報を整理したうえで、あくまで私の見立てなんだけど……。スターダムは2019年にブシロードに事業譲渡。それまではロッシーさんの個人商店だったスターダムという女子プロレスはブシロードのビジネスとなった。そのブシロード体制最初の社長が原田克彦氏。
    ――しばらく原田氏が社長でしたが、トラブルが多発したことを受けて昨年11月に岡田太郎氏が就任。両者ともにブシロードからの派遣人事です。
    Z ロッシーさんはエグゼクティブプロデューサー職に就いたが、一般的には会社をどこかに売り渡したら、元オーナーは身を引いたり、相談役的なポジションに落ち着く。そして時が来たらフェードアウトするでしょ。でも、プロレスは特殊な仕事というか、女子プロレスビジネスに関していえばブシロードは素人ですからロッシーさんに頼るしかなかった。
    ――WWEやUFCなんかも親会社が変わっても現場の人間はそのまま雇用されてますね。
    Z 同じブシロードグループの新日本から誰か呼んでくるわけにもいかない。やっぱり男子と女子では、飯伏幸太じゃないですけど「プロレスの仕組み」が違うわけですよ。ロッシーさんはあくまでも裏方でプロレスを作る部分を担当してもらっていたはずだけど、ブシロード側の意見も取り入れなければいけない。関係者によれば先代の原田氏はロッシーさんに意見が言える人だったらしい。そうなるとロッシーさんとして不満があったんだと思う。で、さっきも言ったように昨年のスターダムはいろいろとトラブルが起きたことで社長が変わった。それが昨年11月のことなんだけど、どうやら今回の新団体云々の話が出てきたのはこの時期らしい。
    14万字・記事15本詰め合わせセットはまだまだ続く…
     
  • 【11万字・記事14本詰め合わせセット】RIZIN大晦日、ブラックローズ、堀口恭司、全日本プロレス…

    2024-01-31 23:59  
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    part119◎笹原圭一の「泣いて、笑って大晦日RIZIN」を語ろう【17000字!!】◎ブラックローズ大晦日の裏側■証言:セコンド大塚隆史◎夢とトラウマを与えたアントニオ猪木の「死」■菊地成孔◎ざまあみろ大晦日……格闘“技”は憎しみを浄化させる◎大晦日の大混乱を締められる朝倉海は“持っている”■水垣偉弥◎2冠、結婚、プロモーター…堀口恭司「あれが本当のオレだから」◎堀口恭司、朝倉海はUFCと本戦契約できるが…■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク◎K-1のONEチャトリ批判は何が狙いだったのか?◎「これは中毒になりますよ……」佐々木憂流迦、プロレスデビューを振り返る◎全日本プロレスで何が起きているのか■事情通Zの「プロレス 点と線」◎キラー・カーン伝説を語り継ぐ■斎藤文彦INTERVIEWS◎クリス・ジェリコ性的暴行疑惑騒動の顛末◎ロック様のマーク・ケアー物語…MMAが「みじめな戦い」だった時代

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    大晦日RIZINで4選手のセコンドについた大塚隆史インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)
    ――かつて「暴言スーパールーキー」と呼ばれていた大塚さんが大晦日、若さあふれるブラックローズをサポートする姿には感慨深いものがありました!
    大塚 いやあ、ホッとしました。ボクは平本蓮くん、芦澤竜誠くん、篠塚辰樹くん、平本丈くんのセコンドについたんですけど。今回の4選手はまったくタイプや試合のテーマが違うこともあって、それで考えることが多かったですね。辰樹くんはキックルールなんで、ボクは何も言うことはなかったんですけど。
    ――大塚さんがセコンドについた試合は3勝1敗でしたね。
    大塚 エネルギーを注いだぶん勝ってくれたときの嬉しさは倍増で。まだ勝利に酔ってますよ(笑)。
    ――試合後の打ち上げも楽しそうにしている姿がSNSに流れてきました。
    大塚 あ、そうなんですか。全エネルギーを使いはたしたんですけど、打ち上げは俺も参加しようと。ただ、大晦日のサポートでエネルギーを使いはたしてしまったのか、そのまま酔い潰れましたね(苦笑)。
    ――しかし、大晦日に4回も花道を歩くことってなかなかないですよね。
    大塚 試合当日も忙しかったんですけど、試合前もけっこう疲れましたね。選手の練習に付き合いながら、寝る前にいろいろと考えたり。「もっとなんかいい方法はないか」「違う技術がないかな」とか映像チェックしていたら、脳と身体が全然休まらなくて。
    ――他人の勝ち負けを支えるからプレッシャーはありますよね……。
    大塚 そうですね。やっぱり責任感は感じてましたね。とくに蓮くんと丈くんはここ(T・GRIP TOKYO 雑司が谷)と渋谷ファイトクラブがメインの練習場所なので。大塚 たとえば中原(由貴)くんとは長い付き合いで試合のセコンドにつくんですけど、ここには週に1~2回くらい。あとはアライアンスや世田谷ロータス、横田(一則)さんのKクランに行ったりして、自己マネジメントで自分で考えながらやってるんですけど。蓮くん、丈くんに関してはほぼすべての練習にボクもいるので、彼らの勝敗には責任感を感じてました。2人とも才能とセンスがすごいから逆にやりがいもありますけど。
    ――大塚さんと平本選手たちのつながりは、岩﨑(達也)先生の剛毅會空手なんですよね。
    大塚 はい。そこから始まって、いまは先生が別の仕事で来られないときはボクが見たりしています。
    ――そうしたら強烈なキャラクターをもった格闘家が次々にやってきたと(笑)。
    大塚 先生はそういう若い子を惹きつけるんですよね(笑)。
    ――岩崎先生って知識も深いし、話も面白いですからわかります!
    大塚 言葉に力がありますよね。
    ――大塚さんはヘッドコーチ的存在なんですかね。
    大塚 うーん……コーチと言われると偉そうな立場になるので好きではないですね。「大塚コーチ」って言われるときもありますけど、上から何か指導してるわけじゃないし、みんなと一緒に戦っている感じですよね。みんなに勝ってほしくて一緒に戦っている意識は強いです。でも、蓮くんたちの注目度が高いから、試合後インスタに「大塚コーチありがとうございます!」というファンからのDMがたくさん送られてくるんですよね(笑)。
    ――いい話です!(笑)。いつぐらいからサポートするようになったんですか?
    大塚 蓮くんのドミネーター戦のときはそこまでじゃなくて。あの頃は数回来たくらいで全然喋ったこともないですし、それに足の指を骨折したことで試合中止になりかけたじゃないですか。
    ――メインイベントだったことでRIZINがキャッチウエイトを提案したことで中止は免れて。
    大塚 そうです。榊原さんと話し合ってやることになって、試合まで2週間も切ったあたりで先生から「見てやってくれないか」と。そのときは接点がほとんどなかったんで「……困ったなあ」と(苦笑)。
    ――しかも手負いの状態ですもんね。
    大塚 ドミネーターの映像をチェックして自分の中で思った対策を伝えて、数回練習した程度で。蓮くんが勝ちましたけど、そこまで深く関わってないです。斎藤(裕)戦のときはテイクダウンディフェンスに関して見て、練習メニューや戦略にはそこまで関わってない感じです。テイクダウンされて最悪な状態になったときにどう対処するかという部分だけで。最初は蓮くんとも信頼関係もあるわけではなかったんですが、蓮くんからセコンドをお願いされたことで、これをもう勝たせなきゃダメだなと。でも、この試合は戦略というよりはテイクダウンディフェンスのほうを任されていたので、その成果は出たんですが、斎藤戦はスピリットの判定負け。あの試合以降、いままで以上に先生とコミュケーションを取るようになったし、ボクも試合そのものに関わるようになりました。今回はYA-MANとの試合が決まってからは、先生から毎晩のように電話がかかってきて「今日はどう思った?」「明日の練習は……」「試合の戦略はこれでいいか?」という話をめちゃくちゃしてましたね。もう「また先生から電話だ」って感じでした(笑)。
    ――斎藤戦の負けを経て、チームとしてレベルアップしてるんですね。
    大塚 蓮くんはMMA3年目ですけど、K-1ではあの若さでゲーオやゴンナパーを倒してるわけで、とてつもない才能ですよ。そこは普通の選手とは違った感性を持っているから、自分の考えも大事にしてほしい。自分の考えや戦略があるときはどんどん言ったほうがいいよとは伝えてます。
    ――今回の大晦日は4人も試合に出たわけだから、岩崎先生も大塚さんも考えることは尽きないですよね。
    大塚 ここのジムの指導もあるし、脳と身体が疲れすぎてあんまりいい方向にマインドも働かなくなって、鬱になるじゃないかって(苦笑)。
    ――平本選手はYA-MAN選手に判定勝ちでしたが、どういうプランがあったんですか?
    大塚 YA-MAN戦に関してはしっかり打撃で勝負しながら、その中でテイクダウンを取るという作戦です。実際にしっかりスタンドで勝負できていたので。あと試合の中で打撃が交差をする場面でテイクダウンできたし、もっとトップキープができたらよかったはよかったんですけど、YA-MAN選手も耐えて耐えて立ってきましたよね。
    ――強打のYA-MANに対して打撃で勝負できると見てたんですね。
    大塚 蓮くんも試合1週間前に「よく考えたら打撃で負けるわけないすよね」って。実際に打撃で勝ってましたからね。さすがですよ。
    ――平本選手はYA-MAN対策の一環として梅野(源治)選手と首相撲の練習をしてましたよね。
    大塚 ボクはその練習には立ち合ってなかったんですけど、YA-MANは圧をかけてくるので首相撲やクリンチからのヒザで対応すると。ボクはテイクダウンに入る練習、トップを取ってからの抑え方やバックコントロールの練習を重点的にやってました。
    ――斎藤裕戦はテイクダウンディフェンスがポイントだったけど、今回はオフェンス。
    大塚 自分から仕掛けると。怖かったのは練習ではテイクダウンをやってるんですけど、試合ではこういうアタックはやってないことですね。実戦で組みで攻めるときはすごいエネルギー使うんですよ。ディフェンスするよりも使いますね。テイクダウンとトップコントロールで力んでしまってエネルギーが消耗する状況が怖かったんです。ちょっとそうなりかけてしまったんですけど……。RIZIN大晦日、ブラックローズ、堀口恭司、全日本プロレス…11万字・記事14本詰め合わせセットはまだまだ続く…… 
  • 【13万字・記事14本詰め合わせセット】金原正徳、佐藤将光、長井満也、万智、猪木映画……

    2023-10-31 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part117大好評記事14本13万字で600円!!(税込み)
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    part117◎【クレベルに完勝】金原正徳インタビュー「みんなもっとMMAの練習をしよう!」
    ◎【RIZIN初参戦】佐藤将光センターラインな12000字インタビュー
    ◎RIZIN44とLANDMARK名古屋を語ろう■笹原圭一
    ◎万智がいろんな意味でヤバイ! 女子格NEXTスターインタビュー
    ◎暗黒時代の先にあったクレベルvs金原正徳という希望■余談で語るRIZIN44
    ◎至近距離から見たクレベル・コイケvs金原正徳■八隅孝平
    ◎UFC☓USADAの提携解消とは何か
    ◎【7戦全勝】UFC契約まであと1勝!! 原口伸インタビュー
    ◎長井満也インタビュー「いつのまにか解散してしまった新生UWF」
    ◎評判の悪い映画『アントニオ猪木をさがして』について
    ◎問題児マット・リドル、WWEを解雇…JFK空港狂言事件の顛末
    ◎2010年代を駆け抜けたスーパースター、ブレイ・ワイアット■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎熾烈を極めるWWE(NXT)vsAEWの「火曜テレビ戦争」
    ◎追悼“テキサスブロンコ”テリー・ファンク■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉クレベルに完勝した金原正徳インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)
    金原 試合後、初めてのインタビューですよ。
    ――それは嬉しいです! 今日は事前のインタビューの答え合わせじゃないですけど、金原さんは「クレベルとは相性がいい」とおっしゃってましたよね。見る側からすると「ここまで相性がいいんだ!」という驚きがあったんですが、本人的にはどうだったんですか?
    金原 正直「組んでみなきゃわからない」というのが本音で、自分の寝技が通じるのか、通じないのか……。そこは実際に組んでみなきゃわからないんですけど、自分の信じていたものが通用しなかったときの怖さってあるんですよね。あのときの絶望感、それを日沖発との試合で味わっているんですよ。
    ――戦極のときの日沖発戦(2009年8月2日)。金原さんの判定負けでしたね。
    金原 日沖発との試合中に「ホントに強え」って感じたんですよね。寝技に自信があったのに、この男にはまったく通用しない絶望感。あの試合のイメージがどこかの頭の片隅にあって……。
    ――トラウマじゃないですけど。
    金原 トラウマまではいかないですけど、戦いながら「これは勝てねえや」って思っちゃったんですよね。そういう経験もあったからこそ、クレベルと組んでみたときに絶望感を感じるのかどうか?という怖さがあって。そこであまりネガティブになりたくないから「俺は強い、俺は強い」とメディアに発言するように心がけていたんですけど。でも、クレベルの試合映像を見たら「うわあ、やっぱり強いわ……」って。どこまで俺の組みが通用するのかなという不安も出てきたので、映像はそれ以降は見ないようにして(苦笑)。
    ――というと「相性がいい」は半分、強がりだったんですね。
    金原 そう(笑)。正直、強がりな部分はありますね。
    ――ボクがインタビューしたときも前半は威勢よかったんですけど、後半は「自信がない」とか言い出して。
    金原 ハハハハハハ。インタビューも最初は強気なんですよ。でも、喋っていくうちに「でもな……」って弱気になっていく自分もいたりして。あのときの精神状態はけっこう上下してましたねぇ。
    ――格闘技って絶対に勝てる試合なんてないわけだから、「俺は勝てる!」「いや、やっぱりダメかな」という自問自答の繰り返しだったりするでしょうね。
    金原 どんな弱い相手でも1%でも負ける可能性がありますもん。どんなに有利に試合を勧めていても、ゴングに鳴るまでわからないし。
    ――実際に戦ってみて、ここまでクレベルを圧倒できたのは、自分でも驚きだったりするんですか?
    金原 びっくりしてます。周りがびっくりする以上にボクが一番びっくりしてます。「俺、強いやん!」って(笑)。
    ――ハハハハハハ!
    金原 自分の持っているものがクレベルにこんなに通用するんだって。でも、これは終わったから言えることかもしれないですけど、クレベルとは練習で一度、組んだことがあるので。そのときは対戦するなんて1%もないと思っていたんですよ。クレベルはKSWに出ていたし、対戦するイメージもないまま普通に練習してて。でも、クレベルとやったイメージがないってことは、俺がやっつけてた可能性があるなって。やっつけられてたら「コイツ強いな」っていうイメージが残るじゃないですか。
    ――いま振り返ると、練習の時点で行ける感触があったと。
    金原 そうです。でも、クレベルはRIZINに出た当初より明らかに強くなってきてるし、伸びしろという部分でも怖さはありましたよね。
    ――試合前に「付け焼き刃でクレベル対策しても意味がない」と言ってましたけど、金原さんがいままで積み重ねてきたものがあっての勝利だったわけですよね。
    金原 そうですね。一番警戒していたのは三角とバックチョーク。そこは対策をするというよりも、組み手争いをちゃんとやろうと。細かいことをいうならば、いつもボクは脇を差してパスをするんですけど、あんまり脇を差しちゃうと三角が取られやすくなるんですよね。そういうイメージをしながらずっとスパーリングをしてました。
    ――対策はしないけど注意点はいくつかあったと。
    金原 組み手争いの段階でしっかり勝負する。そこでネガティブにならなかったのはけっこう大きいかもしれないですよね。クレベルと向かい合ったときに下がらない、引かない気持ち。技術という土台がちゃんとあれば、気持ちでどうにか立て直すこともできると思うので。もしクレベルの技で圧倒されたとしても弱気にならない。いつか右手を当てれば勝てる……と最後まで信じきれたところはありましたね。
    ――メンタルってやっぱり重要なんですね。相手に流れを持っていかせないのは精神と技術。
    金原 自信と覚悟ですよ。これで負けたらしょうがない。いままでコツコツ20年間やってきて、それは付け焼き刃の練習なんかじゃなくて。それで負けたら、ボクが弱かったよりもクレベルが強かったって褒めるしかない。そういう開き直りの部分もけっこうあったんですよね。だからさっきの脇の差し方とか簡単なミスで負けるのだけはイヤだったんですよ。「なんであそこであんなことしたんだよ」「もっとああしとけばよかったよ」って終わってからダラダラ言うような負け方だけはやめようと。小さなミスで負けるのだけはやめようっていう集中力はちゃんとありましたね。
    ――負け方にもいろいろあるってことですね。負けるにしても納得できる負け方。
    金原 そうですね。自分は「なんであんなことしちゃったんだ……」っていうミスで負けることがいままであったんで。前田吉朗戦やマイケル・マクドナルド戦もそうだったし、それだけはやめようって思いながら。
    ――戦った本人としてクレベルの敗因ってなんだと思います?
    金原 うーん、ボクをナメてたことじゃないですけど。
    ――クレベルはナメてました?13万字・記事14本詰め合わせセットはまだまだ続く