• このエントリーをはてなブックマークに追加
古賀茂明氏:コロナと五輪で機能不全ぶりを露呈した政府がそれでもなお権力の座に居座り続けられるカラクリを斬る
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

古賀茂明氏:コロナと五輪で機能不全ぶりを露呈した政府がそれでもなお権力の座に居座り続けられるカラクリを斬る

2021-07-28 20:00
    マル激!メールマガジン 2021年7月28日号
    (発行者:ビデオニュース・ドットコム https://www.videonews.com/)
    ──────────────────────────────────────
    マル激トーク・オン・ディマンド (第1059回)
    コロナと五輪で機能不全ぶりを露呈した
    政府がそれでもなお権力の座に居座り続けられるカラクリを斬る
    ゲスト:古賀茂明氏(元経産官僚・政治経済アナリスト)
    ──────────────────────────────────────
     ある程度予想されていたこととは言え、直前になって開会式の担当者が次々と解任や辞任に追い込まれるなど、東京五輪は麻生財務相の言葉を借りるまでもなく「呪われた」大会になることが開催前から確定的になりつつある。いや、呪いというのは誰かの恨みなどを買ったことで、本来身に覚えのない人の上に災厄が降りかかる場合に使う言葉だろうから、これは呪いでさえない。東京五輪についてはむしろ「自業自得」とか「馬脚を現した」と言った方がより正確だろう。
     コロナ対策も世界一多くの病床を抱える日本でコロナ病床への転換が一向に進まないため、感染者数としては国際的にはまだそれほど高いとはいえない水準にあるにもかかわらず、日本国民、とりわけ東京は今年に入ってからほぼ毎日、緊急事態宣言下に置かれ、行動を厳しく制限されている。コロナ病床が全病床の数パーセントしかないため、僅かでも感染者が増えればたちまち医療崩壊の淵に立たされる危険性がある状態にあるのは、1年半前から何も変わっていない。
     五輪では国立競技場のやり直し問題に始まり盗用エンブレムの採用、竹田恆和JOC会長の贈賄疑惑による辞任、森喜朗組織委員長による女性蔑視発言を始めとする数々の問題発言と相次ぐ責任者の辞任、そして箱物を含めると当初7000億円台だったはずの「コンパクト五輪」が、いつのまにか箱物を含めると3兆円超にまで膨れあがった五輪経費等々、これでもかというくらいの不祥事や失敗が続いている。
     政府がここまで機能不全に陥ったことは決して偶然ではないと、元通産官僚で公務員制度改革などにも関わった経験を持つ古賀茂明氏は言う。長年にわたる政治改革の結果、首相官邸に権力が集中した結果、その権力を能力の低い政治家が握った場合、政府自体が機能不全に陥ることは避けられない。また実質的に権力を操縦している官邸官僚も、首相の能力が低い方が操縦がしやすく、思うがままに権力を行使できるので好都合なのだと言う。
     特に安倍政権では首相の信任が篤く陰の首相とまで異名を取った今井尚哉首相補佐官が経産省の出身であったことから、経産官僚が官邸の実権を握った。古賀氏によると、古賀氏の古巣でもある経産省は高度経済成長以降は事実上省庁としての仕事がなく、経産官僚の主な仕事は補助金を配ることになっていた。
    そのため経産官僚は中身のない政策をもっともらしく見せ、面白いキャッチフレーズや話題作りで世論の目を引くことにかけてはどの省も真似できない高度なノウハウを身に付けているという。安倍政権下で使われた「アベノミクス」「一億総活躍」「働き方改革」等々、数々のキャッチフレーズが思い出されるが、その経産省の性格こそがまさに安倍政権の性格そのものになっていたと古賀氏は指摘する。
     そして、菅政権になってからも、その路線は基本的には何ら変わっていない。
     そこにコロナ禍が降りかかり、日本の真の実力が露呈してしまった。キャッチフレーズだけではコロナは乗り切れなかった。そのような状態にある日本が、思いっきり背伸びをして五輪を主催しようというのだ。あちらこちらでボロが出るのも無理はない。
     古賀氏は実際は国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2を支配できているところに問題があるとも言う。そしてその主要因の一つが、低い選挙での投票率にある。投票を義務化でもしない限り、その問題は容易に解決しないのではないかと、古賀氏は言う。また、安倍政権以降、官邸がメディアの抑え込みに成功したことも、日本の実態を分かり難くしている一要因になっていることも事実だろう。
     今週は古賀氏と、コロナと五輪で露わになった現在の日本の明らかな機能不全とその原因、そしてその処方箋を、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

    ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
    今週の論点
    ・「呪われた」ではなく「馬脚が現れた」東京五輪
    ・それでも余裕で構えている菅政権
    ・あらためて考える、医療法の改正ができない理由
    ・やはり日本は一度、早く終わるべきなのか
    +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

    ■「呪われた」ではなく「馬脚が現れた」東京五輪

    神保: 今日は2021年7月23日の金曜日。一応、歴史上の日であるはずで、二回目の東京オリンピックの開会式が行われる日です。

    宮台: 64年の当時は国威発揚を担わされたオリンピックが、実際にその機能を果たしました。評論家の松本健一さんがおっしゃるように、それまで日本人は、日本はアジアの一員だと考えていたところが、西側先進国の一員だと考えるように集団的自己意識が変わり、自分たちはもはや弱者ではないという意識を持つに至った。しかし今回のオリンピックは真逆で、むしろ貫徹することにより世界に恥をさらし、日本人は深く傷つきます。
    僕はそういう意味でオリンピックが開催されることには意味があると思っており、つまり世界に恥を晒し、我々の集合的な自意識が尊厳を奪われ、日本はもはや先進国ではないどころか国としての体もなしていない、という儀式になるでしょう。 
    この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
    ニコニコポイントで購入

    続きを読みたい方は、ニコニコポイントで記事を購入できます。

    入会して購読

    この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。