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記事 28件
  • ベラトールで暴れまわるフランス生まれの日本人MMAファイター!! 加藤久輝インタビュー

    2016-11-16 09:56  
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    加藤久輝はいま北米で最もアグレッシブな試合を魅せてくれる日本人ファイターではないだろうか。フランス生まれで元ハンドボール選手。大道塾空道の北斗旗無差別4連覇という実績を引っさげてMMAにチャレンジし、現在参戦中のベラトールではキックボクシングを含めて3勝1敗、いずれもKO決着だ。今年はRIZINにも参戦して元DEEP王者を秒殺。恐るべしキャリア3年のファイターである加藤選手は現在は愛知在住。電話インタビューしました!――もしも〜し、加藤さんでしょうか。加藤 はい、加藤です。――今日はよろしくお願いします! さっそくですが加藤選手の経歴って凄く変わってますよね。加藤 よく言われますね(笑)。なにより格闘技を始めるのが遅かったですし、10代20代前半はずっとハンドボールをやってましたし。
    ――格闘家でハンドボール出身者って聞いたことありますか?
    加藤 あー、クリス・サイボーグも若い頃はハンドボールをやってて、たしかブラジル代表になってるはずですね。
    ――あのおっかないサイボーグが! ハンドボールは格闘技に通じるものが何かあったりするんですかね。
    加藤 ハンドボールもけっこうコンプリートなスポーツですよね。日本でも「ボールを使った格闘技」と言われますし。ジャンプ力、スピード、パワーも必要になるから、全身をバランスよく鍛えるんです。
    ――加藤選手は小さい頃、フランスに住んでいたんですよね。
    加藤 お父さんが日本人でお母さんがフランス人。高校卒業するまでフランスに住んでました。日本には夏休みのとき遊びに来る程度で。
    ――日本語はかなり流暢に喋れますね。
    加藤 お父さんは、ボクが1歳になる前に交通事故で亡くなってしまったので、家ではずっとフランス語を使ってたんですね。おばあさんとは片言の日本語で喋ってたんですけど、そんなに上手ではなかったです。高校卒業してから日本のハンドボールチームに入ってから、だいぶ上達したんですけどね。
    ――ハンドボールで来日したんですね。
    加藤 自分を日本のチームに売り込みに来たんです。呼ばれたわけじゃなくて、いろんなチームの練習に参加して「どうですか?」と。それであるチームに入ることが決まって。
    ――格闘技には興味はあったんですか?
    加藤 ありましたね。ウチのお父さんは柔道関係でフランスに来てたんです。それでボクのお母さんとも出会ったし。
    ――フランスは柔道が盛んで日本より競技人口が多いそうですね。
    加藤 学校の授業で普通に柔道をやらされますね。小さい頃は柔道以外に合気道や空手もちょこちょこやってて。まあそんなに真面目にはやってなかったんですけどね。ハンドボールもうまくいってましたし、格闘技のことは考えてなかったです。この続きと、NOAH新体制、アジャ・コング、谷津嘉章、シュレック関根、藪下めぐみ、斎藤文彦の記事が読める「14万字・詰め合わせセット」はコチラです! 
  • 格闘技レガシィー?〜会場の変遷から見る日本の格闘技〜■MMAオレンジ色の手帖

    2016-11-16 09:51  
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    格闘技ブログ「MMA THE ORANGE」の管理人オレンジがディープなエピソードをお届けする「MMAオレンジ色の手帖」! 今回のテーマは「会場の変遷から見る日本の格闘技」です。巷を騒がせている東京オリンピックの会場問題。五輪関連予算の適正化を掲げる小池東京都知事が3つの会場(「オリンピックアクアティクスセンター」、「有明アリーナ」、「海の森水上競技場」)の見直しを行うとブチ上げた事が連日のように報道されています。
    オリンピックがどうなろうがどっちでもいい派の私としては、正直知ったこっちゃありませんが、ちょっとだけ気になるのが各会場のオリンピック後の使用方法。1964年の東京オリンピックの際に建設された代々木第一、第二体育館は要所要所で格闘技イベントで使用されているので、あわよくば2020年でも格闘技界がそのおこぼれにあずかる事が出来たらなと。特にバレーボールの開催が予定されている「有明アリーナ」なんて有明という立地といい、15000人収容というキャパといい格闘技イベント向きだと思うんですけどね。そもそも建設が白紙に戻る可能性は大いにありますが、小池都知事のいうレガシー(レガシィー?)を次世代の格闘技界にも残してくれたらと外野の俗物根性丸出しで淡い期待を抱いてます。
     
    そんなこんなでにわかに注目を集めているイベント会場。少し角度を変えて格闘技の視点から見てみると、意外と面白い傾向が見えてくるではありませんか。そこで今回のMMAオレンジ色の手帖はイベント会場から見えてくる日本の格闘技の変遷について。電波と充電の続く限り綴っていきたいと思います。
    ウォッチしたのは日本の格闘技の絶頂期と言うべき2003年、PRIDEやK-1どころかDREAMも風前の灯火で大きく停滞した2012年、そして復興の風が吹きつつある2016年。これらの年に格闘技イベントで使用された会場とその使用回数を定点観測してみました。対象は首都圏で開催されたPRIDE(RIZIN)、DREAM、修斗(VTJ)、パンクラス、DEEPの各大会。さてさてどんな傾向が見られますか。
     
     
    まずは2003年。大晦日にはDynamite!!、PRIDE男祭り、猪木祭りという3つの興行がバッティングして、その全てが地上波のゴールデンタイムで放送されるという格闘技バブルを象徴する1年でした。この年の会場の使用回数ランキングは次の通りです。
     
    後楽園ホール:15回
    北沢タウンホール:4回
    さいたまス―パーアリーナ:3回
    ディファ有明:3回
    横浜アリーナ:2回
    両国国技館:2回
    横浜文化体育館:2回
    東京ドーム:1回
    東京ベイNKホール:1回
    大田区総合体育館:1回
    西調布アリーナ:1回この続きと、NOAH新体制、アジャ・コング、谷津嘉章、シュレック関根、藪下めぐみ、斎藤文彦の記事が読める「14万字・詰め合わせセット」はコチラです! 
  • 西冬彦、AERA、UFC TIME/中井祐樹の「東奔西走日記」11月1日〜14日編

    2016-11-16 09:12  
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    日本格闘技界の礎を築いたレジェンド、中井祐樹先生@yuki_nakai1970 が日常を綴る連載! 今回は11月1日から14日まで!11月1日 火曜日 晴れ 人ヲ選バズ 朝からとある野暮用を済ます。そして野暮でない用事にもとりかかる。実際はどちらも同じくらい重要で同じ価値なんだが。「人生は用足し」、いたってシンプルだな(笑)。楽しくやろう。 町田支部へ。今週の中井クラステーマは「ディフェンス」。なんて大雑把な(苦笑)。ガードワークの足の使い方、更にリクエストにより上四方からのエスケープを段階的に解説。このリクエストを引き出すために大雑把なテーマを掲げてるんです。 後半からは4分刻みでの自由稽古へ。とにかくレベルを問わず受け入れますよ。本当に強くなるには基本的には人を選んでちゃダメだからね。11月2日 水曜日 曇り リアリスト フジテレビ・UFC TIME収録。私は3回目だが、お馴染み宇野薫選手とのW解説。元師弟コンビである。今回は席の配置を変えてみた。発言の頻度や内容に少し違いがあったような気がする。仕事に工夫と変化を。 いったん江古田に少年クラスをしに戻り、池袋支部指導へ。今回は朝倉支部長不在。初めてかな。 ここでも今週の中井クラステーマ「ディフェンス」よりガードワーク時の足の使い方の型を練習。その後やはり昨日の町田支部同様、上四方からのエスケープを紹介した。 続いてフリーのドリルを6セット。格闘技としてのリアルに目を向けることからは絶対に外れませんよ。これからもお楽しみに。11月3日 木曜日 晴れ 本郷グリップ 祝日。イベント日和。本郷グリップです。文京総合体育館、はじめて来ました。最近できた、のかな。前は同名の体育館が湯島にあったらしい。 実は今回、AERAの撮影を兼ねています。来年の1月掲載と聞いています。皆さんお楽しみにね。 事前にメールでご要望頂いたシッティングガードと二重絡みの解き方を解説。まったく未経験の方も居り、組み合わせに工夫しながら進めました。 以後おひとり10分の持ち時間でマンツーマンに移行、全員とセッションしました。次回グリップは11月23日(水祝)、茨城県古河市・パラエストラ古河にて。100万人とスパーしますよ! アフターは飲みニケーション。ここにもカメラがはいりました。たぶんへべれけ。そんなにいつも飲んでるワケじゃないんだけどそういう風に写ってるかもしれませんね。ま、いいでしょう。11月4日 金曜日 晴れ 生きながらブルースに葬られ ジャニス・ジョプリンを流して朝を過ごす。俺も生きながらブルースに葬られよう。。 とは言いつつ中学校の合唱コンクールを見に行く。まあまあ上手かったよ(エラソーに)。 昼の稽古。東北柔術選手権とデラヒーバ杯を兼ねたタイムで進行。まずは試合前の人に合わせる。そうすると周りが協力モードになり互いに成長していけるんだ。11月5日 土曜日 晴れ 戦いの時 セントラルウェルネスクラブ新浦安・キッズレスリングスクールおよびリリオセントラルフィットネスクラブ・亀有キッズレスリングスクール、さらに町田支部という指導ざんまいの日。 キッズは『戦いの時間』(=スパーリング)が多かった。やりたいなら、思う存分やらせてあげたい。技やトレーニングは要望に応じて入れていきますから。 町田は今週の中井クラステーマ「ディフェンス」より横四方からのエスケープを紹介し、初参加の方のイントロダクションに決め技を特集した。異論はあろうがとっかかりには有効だ。後半からは11/20DUMAU JAPAN OPEN・平塚大会(平塚大士ではない笑)にむけ5分刻みの自由稽古で〆。この続きと、NOAH新体制、アジャ・コング、谷津嘉章、シュレック関根、藪下めぐみ、斎藤文彦の記事が読める「14万字・詰め合わせセット」はコチラです! 
  • UFC新オーナーの打ち手を読み解く!! 投資家向けプレゼン資料の内容が明らかに■MMA Unleashed

    2016-11-11 13:49  
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    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは投資家向けプレゼン資料の内容からUFC新体制を読み解きます!

    米MMAメディアのMMA Junkieが、UFCが売却の際に作成した投資家向けプレゼンテーション資料を入手し、その内容を紹介している。資金の出し手に対するアピール資料であるので、基本的には自画自賛型の内容しか書かれていないが、それでもいろいろな統計や、UFCの戦略が明らかになっている。今回はその内容を紹介し、ナゾに包まれたUFCの経営実態をかいま見てみよう。
    (1)WME-IMGによるUFCの買収額について
    WME-IMGによるUFCの買収価格はざっと40億ドルと報じられてきたが、正確には39億7,500万ドルであり、うち2億ドルは金融機関への手数料だったので、ズッファの前オーナーに渡った額は37億7,500万ドルだったことが明らかになった。さらに、この先2年間でUFCが利益目標(年間利益額2億7,500万ドル)を達成すると、1年につき2億5,000万ドルのインセンティブボーナスが支払われることも明らかになった。これを合算すると、確かに買収額は40億ドル強となることになる。
    WME-IMGはこの買収資金のうち、24億5,000万ドルをパートナー企業から共同出資を募り、15億ドルを外部から借り入れで調達している。
    (2)UFCの売上とその内訳
    上場企業ではないUFCの財務データはこれまで、なかなか明らかにはされてこなかったが、この投資家向け資料によると、2015年のUFCの売上は6億900万ドル、その内訳は次の通りだったという。
    • コンテンツ 4億6,200万ドル 76%
    • ライブイベント 7,600万ドル 12%
    • スポンサーシップ 5,200万ドル 8%
    • 商品販売 1,900万ドル 3%
    • 合計  6億900万ドル
    また、売上内訳で最大の比率を占めている”コンテンツ”の具体的な内訳は次の通りである。
    • PPV 2億3,600万ドル 51%
    (うち一般住宅向け 42%、商業施設向け 9%)
    • 米国内放映権収入 1億2,900万ドル  28%
    • 海外放映権収入 8,300万ドル 18%
    • Fight Pass 1,400万ドル 3%この続きと、NOAH新体制、アジャ・コング、谷津嘉章、シュレック関根、藪下めぐみ、斎藤文彦の記事が読める「14万字・詰め合わせセット」はコチラです!
     
  • 川尻達也はどうやってUFCと契約解除したのか?

    2016-11-11 13:19  
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    皆さん、こんにちは。ジャン斉藤です。先日更新した川尻達也選手のRIZIN参戦テキストがご好評をいただいてますが、ほかにも付け加えたかった過去のインタビューや発言がありました。あまりにも長文になるので入れられなかったんですが、書ききれなかった一部をここで垂れ流しにしてみます。
    ◯川尻達也「自らUFCにリリースを希望、契約解除」
    最初に聞いたときは「えっ、ちょっと待って。そんなことできるの?」ってビックリしました。レプロテンタテインメント所属の芸能人・髙田延彦さんが「川尻達也は自分からUFCにサヨナラして〜」だのと誇らしげに口にするたびに「あなたと同じ事務所の能年玲奈ちゃんはいまだにレプロと契約解除できてないんだぞ!」と世界の片隅で毒づいていたんですが、高田さんが憎悪するアベ政治より言論の自由が許されない芸能界のことは放っておくとして、希望して契約解除できるなら独占契約の意味が持たなくなりますし、ジョゼ・アルドも契約解除を希望するも叶いませんでした。川尻選手の場合はどうだったのでしょうか。 なにぶん海の向こうの出来事なので調査範囲は限られてきます。川尻達也選手に好意的な関係者だけではなく、とにかく煮ても焼いてもRIZINが大嫌いな関係者のほうにも探りを入れてみたところ、おそらくUFCでは珍しい(もしかして史上初?)「自らリリース」というケースだったそうです。凄い! 
     一部で指摘されてるように、UFCが川尻選手のことを絶対に必要としているのであれば契約解除に応じることはなかったはずですが、今秋勃発したUFC大量リリースのリストに川尻選手の名前は入っていなかったそうで、UFCとすれば残しておきたいファイターだったことはたしか。いったいどうやって川尻選手は自らのリリースできたのか。能年ちゃんにも教えてやってほしい!  その裏側は、来週土曜日16日22時からマネジメントのシュウヒラタ氏を迎えてお届けするDropkickニコ生配信で明らかにされるかもしれません(宣伝)。前半は非会員でも聞けますのでぜひ!
    ◯PRIDEよりDREAMだった」川尻達也 「ボクはあんまりPRIDEに思い入れはないんですね。思い入れに関して言えばやっぱりDREAMなんで」と語っていた川尻選手ですが、DREAMといえばプロデューサーだった加藤浩之氏のことが思い起こされます。以下、UFC行きが決まった直後のインタビューからの引用です。この続きと、NOAH新体制、アジャ・コング、谷津嘉章、シュレック関根、藪下めぐみ、斎藤文彦の記事が読める「14万字・詰め合わせセット」はコチラです! 
  • ベラトール参戦? ヒョードルはバレンティンか■事情通Zのプロレス 点と線

    2016-11-10 00:00  
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    事情通Zがプロレス業界のあらゆる情報を線に繋げて立体的に見せるコーナー「プロレス 点と線」。今回はベラトール参戦が報道されたヒョードルについて!

    事情通Z ヒョードルがアメリカMMA団体ベラトールと契約するとかしないとかニュースになってるけど、「MMAぼんやり層」の俺からすると、ヒョードルってどうしてRIZINに来ないのか疑問なんだよ。
    ――ロシアで行なわれた復帰第2戦後に「ヒョードルはRIZINには出ない。次はUFCかベラトール」って言われてましたよ。この続きと、NOAH新体制、アジャ・コング、谷津嘉章、シュレック関根、藪下めぐみ、斎藤文彦の記事が読める「14万字・詰め合わせセット」はコチラです! 
  • 【ゼロゼロ年代のジョシカク】藪下めぐみ「私、総合格闘技の練習をしたことが一度もないんですよ」

    2016-11-09 23:00  
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    アマチュア時代は柔道の国際大会に出場し、吉本女子プロレスJd'でプロレスデビュー。プロレスと並行しながら「リミックス」や「スマックガール」など、数多くのジョシカクイベントで活躍した藪下めぐみインタビュー。UFCやRIZINなどで女子格闘技が盛り上がるいまだからこそ、ゼロゼロ年代のジョシカクシーンを振り返ってみよう!――今日はわざわざ都内まで出向いていただいて申し訳ありません。藪下 全然大丈夫です。いま住んでる場所は30分くらいで都内まで出て来られるんですよ。
    ――しばらく都内に住まわれていないんですか?
    藪下 ここ5年くらいですね。その前は都内に住んでいたんですけど、手伝うことになった友達の仕事場所の関係で引っ越して。
    ――友達の仕事といいますと?
    藪下 家の基礎屋っていうんですか。鉄筋とかで家の土台を作る仕事の手伝いです。まあ、仕事を手伝っていたのか、邪魔していたのかはわからないですけど(笑)。
    ――その仕事の合間にプロレスや格闘技の試合をやってるんですね。
    藪下 はい。あくまで試合優先です。試合があるときは仕事を断る感じで。あと、いまは秋葉原の近くのラーメン屋さんでもバイトしてるんです。そこのラーメン屋さんから「人がいなくて困ってるから手伝いに来てくれ」ってことで。週2〜3回、手伝ってるんですけど、もう1年以上は経ちますね。
    ――意外な仕事をやられてるんですねぇ。
    藪下 ところで、なんでまた私に取材なんですか? 
    ――最近はUFCだけじゃなくて日本の女子格闘技も注目されているので、女子格のスターだった藪下さんに話を聞きたいなと思いまして。
    藪下 ありがとうございます。かなりいい加減にやってきたんですけどね。ウフフフフフ。
    ――つい先日も韓国のMMAイベントに出られてましたね。
    藪下 韓国でやってきました。何年振りだろ、総合の試合をしたの。……っていうくらい総合をやってなかったですけどね。
    ――練習はどちらでやられてるんですか?
    藪下 練習はしてないです。
    ――練習ができないくらい急なオファーだったんですか?
    藪下 いや、こんなことを言うと「頭がおかしい……」と思われるかもしれないですけど、私、総合の練習ってやったことないですから。
    ――えっ、それはつまりデビューしてから総合の練習はしたことがないと?
    藪下 はい。やったことないんです、私。
    ――それなのに40戦以上戦ってきたんですか!……でも、ちょっとはやったことありますよね? 話を盛ってますよね?(笑)。
    藪下 いや、本当にやったことないんです。私くらいだと思いますけどね(笑)。
    ――間違いないです(笑)。藪下さんって対戦相手の体重も気にしないですよね。無差別級志向で。
    藪下 全然気にしないですねぇ。私、柔道のときにさんざん階級別でやってきたので、なんかもう体重に拘る必要性はないのにな……っていう変な考えがあるんです。その階級でしか戦えないつまらなさってあるじゃないですか。いつも相手が決まってくるし。
    ――たしかに対戦相手は限られてきちゃいますね。
    藪下 柔道のときは大きい人と戦いたくて無差別の試合に出たこともあるんですけど。あと減量するのもイヤだったし(笑)。
    ――自分の体重にも拘りたくない(笑)。
    藪下 柔道のときは10キロ減量があたりまえで。でも「落としたくない。もっと食べたい!」(笑)。いっつも「おまえ体重落ちたのか?」って怒られたし。
    ――柔道をやること自体は好きだったんですよね?
    藪下 好きというか、小さい頃から自然とやっていたんですけど。ずっと柔道をやっていこうなんて気はさらさらなかったんです。私、中学校を卒業したらプロレスに行こうと決めてたし。
    ――最初からプロレスラー志望だったんですね。
    藪下 そう。勉強したくないからプロレス!(笑)。
    ――ハハハハハハハ。どこの団体や選手を熱心に見てたんですか?
    藪下 それが女子とかじゃなくて、ミゼットプロレスが楽しくて好きだったんです。
    ――きっかけはミゼットですか。
    藪下 もともとおじいちゃんがプロレス好きで、ひとりで会場に行かせると危ないから誰かついていけってことで私が一緒に見に行ってたんですけど。一緒に行くと、おじいちゃんが作ってくれるおいなりさんを食べられるんですよ。それが楽しみで。
    ――女子プロというよりミゼット、ミゼットというより、おいなりさん!(笑)。
    藪下 アハハハハハハ。そのときに面白いなと思ったのがミゼットプロレス。プロレスの印象ってぶっちゃけミゼットしかないんです。
    ――ご家族にはプロレス志望は伝えてたんですか?
    藪下 言ってましたよ。でも、知らないあいだに高校の推薦入学が決まってました、柔道で。学校の先生から「決まったから」って。
    ――それくらい柔道で優秀だったんですね。
    藪下 北海道ではかなり優秀でした、私。だから何校か推薦入学の話が来てたみたいで。まあ、北海道のレベルがそこまで高くなくて、柔道をやってる女の子も少なかったから。それで取ってもらったこともあったんですけどね。
    ――そこでプロレスの夢は消えたんですか?
    藪下 高校卒業後に……と思ってたんですけど、当時ってプロレスラーになる条件が厳しかったじゃないですか。私の身長や体重だと絶対に無理かなって。あと高校3年のときに担任の先生から渡されたのはミキハウスの資料で。
    ――ミキハウス柔道部入り。
    藪下 全校で一番最初に就職が決まりましたね。ミキハウスの人が私のことを見に大阪から来てることは知ってたんです。大学推薦という話もあったんですけど、学校の先生とミキハウス柔道部の監督に繋がりがあったのかなあ。それで決まりですね。
    ――やっぱり優秀な柔道家だったんですね。
    藪下 それはね、たまたま私のことを目につけてくれたみたいで。それで大阪からわざわざ北海道まで見に来てくれたし、先生を通じてミキハウスから贈り物も届いてたんですよ。服やら、なんやら(笑)。
    ――あら、そんなものまで(笑)。
    藪下 でも、お母さんから「アンタ、それを使ったらそこに行かなきゃいけないんだよ」って釘を刺されてて。私はべつにミキハウスに行きたくないから未開封だったんですよね。就職が決まった瞬間に全部、空けましたけど(笑)。
    ――就職先のミキハウスはどんな1日だったんですか?
    藪下 ええと、私の場合、午前中は仕事だったんです。各店舗から足りない商品のリストがFAXされてくるので、その商品をダンボールに詰めて配送するまでが仕事ですね。柔道の練習は午後1時から6時半まで。
    ――部員はどれくらいいたんですか?
    藪下 私はミキハウス柔道部の2期生なんですけど、入った頃は8人くらいですかね。そのあと20人くらいまで増えて。1期生にはオリンピックでメダルを獲った田辺陽子選手がいました。私は世界選手権に出たのが最高だったんですけど。
    ――給料はどういうかたちだったんですか?
    藪下 高卒の基本給という感じでした。会社員なのでボーナスももらってたんですけど、柔道の成績で何かがプラスアルファされたかどうはおぼえてないですね。
    ――藪下さんは23歳のときにミキハウスを退社されましたね。
    藪下 そのまま会社に残ろうと思えば残れたんですけど、私は柔道で入ったので、柔道をやめたら残る必要性はないと思ったんです。
    ――退社後のアテは何かあったんですか?
    藪下 まったく何もないですね。知り合いから誘われて道路の看板を作る会社で仕事をしてましたけど。「水道工事してます」みたいなカッテイングシールとか作ったり。プロレスをやろうにも年齢でアウトだったじゃないですか。
    ――23歳でプロレス入りは難しい時代ですねぇ。
    藪下 そんなときに、知り合いが働いてる飲食店に吉本興業の人が来るって話から、吉本がプロレス団体(吉本女子プロレスJd’、のちにJDスター女子プロレス)を作ることを知って。「オーディションを受けてみたい」ってことで紹介してもらったんです。
    ――JDからスカウトされたんじゃないんですね。
    藪下 はい。自分から受けに行きました。
    ――オーディションはどんな内容だったんですか?
    藪下 大阪の府立第2でJDの大会があったときにオーディションがあって。受けたのは私と、もうひとりの2人でしたね。試験官はジャガー(横田)さん、(バイソン)木村さんだったかなあ。腕立て、腹筋、背筋、受け身をやらされました。柔道をやめてから1年くらい経ってましたけど、普通の子よりはこなせますし。その場で合格と言われて入団ですね。
    ――あっさり入団できたんですね(笑)。
    藪下 そこから寮に入りました。寮は横浜にあったんですけど、場所は凄く良かったんですよ。横浜駅から歩いて10分15分くらいののどかな住宅街の中にあって。倉庫っぽいところの1階にリングがあって。若手は2階に住んでいたんです。
    ――何人くらい住んでいたんですか?
    藪下 当時は小杉(夕子)さん、阿部(幸江)さん、私には同期が4人いて、外国人選手もいたので10人は住んでたんじゃないですかね。
    ――けっこう大人数ですね。
    藪下 3人部屋と2人部屋が2つ、ほかに1人部屋がいくつかあったので、かなり広かったですね。先輩のガウンやグッズが置いてあっても全然じゃまにならなかったし。
    ――道場のコーチはジャガーさんや木村なんですよね。
    藪下 そうですね。練習は基本中の基本、まず受け身からでしたね。
    ――あの2人がコーチだと全女式ですね。練習は厳しかったですか?
    藪下 ……それがわっかないんですよね、私。
    ――わからないとは(笑)。
    藪下 こんな言い方はアレなんですけど、柔道の厳しいところにいたので正直「……こんなんでいいの?」って。
    ――それは柔道のほうが厳しいと?(笑)。
    藪下 柔道をやめてから1年間くらい空いてたんですけど、基礎トレーニングは「こんなもんでいいの?」って感じで。「こんなことを言ったら殺される」と思ったから口にしませんでしたけど(笑)。
    ――ハハハハハハハ!
    藪下 当時の全女も厳しかったと思うんですけど、私はたまたま柔道をやっていて一般人とは違うから。あと減量や体重制限がないじゃないですか。「いいの? いくら太っても?」って天国でしたね(笑)。
    ――プロレスは「太れ、太れ!」の世界ですからね(笑)。ジャガーさんたちは全女の押さえ込みルールを通過してきた世代ですけど、練習もレスリングは重視されてました?
    藪下 普通にスパーリングもやってましたよ。ジャガーさんやトモさん(ライオネス飛鳥)ともやったことありましたし、身体が大きい人と戦えるのでやってて面白かったです。偉そうな言い方になっちゃいますけど、ジャガーさんは体重の乗せ方とかは本当にうまかったですね。この続きと、NOAH新体制、アジャ・コング、谷津嘉章、シュレック関根、藪下めぐみ、斎藤文彦の記事が読める「14万字・詰め合わせセット」はコチラです!
     
  • あやしい新体制! NOAHに何が起きているのか?■事情通Zのプロレス点と線

    2016-11-05 00:00  
    76pt
    事情通Zがプロレス業界のあらゆる情報を線に繋げて立体的に見せるコーナー「プロレス 点と線」。今回のテーマは電撃発表されたNOAHの事業権譲渡! いったい何が起きてるのか?◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉


    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part33は大好評インタビュー13本、コラム9本、13万字オーバーで540円!!(税込み)  試し読みも可能です! http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1130438●現在焼肉店店主・谷津嘉章インタビュー
    流浪のプロレス人生のすべてを語る! 
    「ガチだったら楽だけど、そうじゃないから」
     
    ●大反響!アジャ・コングインタビュー②
    恐るべし全女の異種格闘技戦/ダンプ松本、究極の親分肌
     
     
    ●狂乱のデスマッチファイター竹田誠志が語る「広島カープ25年振りのリーグ優勝」
     
     
    ●好評連載「斎藤文彦INTERVIEWS⑦」
    ヤング・フミサイトーは伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』の構成作家だった
     
     
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    ●事情通Zのプロレス 点と線
    プロレスメディアに「エアインタビュー」はあるのか/「アンチヨシタツ」とは何なのか?
     
     
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    ●敏腕マネジメントがMMAシーンを激語り! シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
     
    ・ドゥテルテ旋風!フィリピン麻薬撲滅運動がUFCを吹き飛ばした
    ・4100億円が動いた! UFC売却の端緒は『ハスラー2』にあった!?
    ・「元UFCファイター」に勝ってもUFCには近づけない?
     
     
    ●金原弘光のゼロゼロ年代クロニクル
    生涯獲得ファイトマネー10億円? 生まれ変わったらダンヘンになりたいよ!
     
     
     
    ●オマスキファイトのMMA Unleashed
    ・中邑28連勝、アスカ79連勝、イタミはGo 2 Sleep解禁!日本人旋風が吹き荒れるWWE
    ・GSP、UFCと決別か!? コナー・マクレガー、ペットボトル投げの罰金ナゾの50%オフ!/ UFCに大リストラの嵐
    ・UFCに残されたフロンティア、中国市場は酸いか甘いか
    ・RIZINレビュー:けなげさに胸が詰まるJ-MMAのすばらしき世界
     
     
    ●格闘技界の事件・騒動を分析! 「MMAオレンジ色の手帖」
    ・異論!?反論!? 選手・関係者の証言から考えるチケット手売り問題
    ・続発!?外国人選手規定体重オーバー問題■「MMAオレンジ色の手帖」
     
     
    ●二階堂綾乃のイラストコラム
    過敏ワード化? 「プ女子」論争再び/カビとの闘い!!
     
    ●中井祐樹の「東奔西走日記」
    http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1130438◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉

    ――今回はプロレス界に大激震を走らせたNOAH新体制についてです。NOAHの事業権がIT企業エストビー株式会社に譲渡されました。団体売却というわけではなくあくまで事業権の譲渡。今後はエストビー社内のプロレス部門がNOAHを運営していくことになりますが、驚くことに元・全日本プロレス社長だった内田雅之氏がNOAHの会長に就く、と。エストビーとNOAHを繋げたのは内田氏だったようですね。
    事情通Z 内田氏は、新体制発表後一発目の大会となった後楽園ホールのリング上で挨拶したけど、「どこかの傘の下や風下に立つ団体ではございません」と意味深な言葉が飛び出したね。
    ――これにはビックリしましたねぇ。経営不振に陥っていたNOAHはここ1〜2年、新日本プロレスの力を借りて興行を続けていましたね。選手を派遣してもらい、現場の仕切りも新日本が管理していて業務提携というかたちだった。内田氏の発言は、新日本プロレスに対しての発言とも受け止められますが……。
    Z 「NOAHぼんやり層」のアナタはどう聞いてるの?
    ――うーん、NOAHの業績が一向によくならないから新日本は手を引きたがってるという話は以前から耳にしてましたし、NOAHは内田氏が連れてきたIT企業という“新しい傘”に入ったのかなあと思ったんですよ。で、後ろ足で砂をかけられた新日本プロレスはNOAHから怒りの撤退をする、と。
    Z なるほど。
    ――でも……内田氏の挑発的な発言を聞いて「あれ? これはなんだか変じゃない……?」と。
    Z でしょ? 凄く変だよね。
    ――あ、Zさんもやっぱり変だと思いました? 初っ端からケンカ腰なのがあまりにも不自然すぎて、これはつまり新日本と今後の話がちゃんとついているか、もしくは内田氏が“白石級”かのどっちかしかないんですよ。でも、内田氏は“白石級”じゃないから……。
    Z 白石級(笑)。大会終了後にも念を押すかのように「どこかの子会社じゃない」とコメントしてたね。その関係性はともかくとして、新日本とNOAHは結びつきが強いことは明らかに、なぜここに来てそんなことを強硬に主張するんだろうって。
    ――もっと無難なコメントが用意できたのに、逆にあやしいですよね。それと、大きな発表がある場合、リーク先のスポーツ新聞がお昼に記事を配信して、プロレスファンの騒ぎになったところで団体が正式発表……というのがプロレス界お決まりパターンだからいいとして。事業譲渡という案件の性質上、譲渡先の代表が出席したうえでの記者会見があってしかるべきだと思うんです。でも、今回はオフィシャルサイトでの発表だけで、エストビーの人間は誰も姿を見せず、その次のアクションが内田氏がリング上からの挨拶。「あれ……?」って感じですよね。
    Z どこかのホテルで記者会見をやるべき案件ではある。最近新体制となったゼロワンだって会見をやったし、新日本を引き継いだユークスもやってるし、ユークスからブシロードに移ったときもそうなんだから。
    ――まあ、緊急すぎて記者会見の準備ができなかったのかもしれないですけども……そこには違和感があったし、そしてトドメは内田氏の風下発言なんですよ。そもそも今回の事業譲渡の話は事前に流れてたんですか?この続きと、NOAH新体制、アジャ・コング、谷津嘉章、シュレック関根、藪下めぐみ、斎藤文彦の記事が読める「14万字・詰め合わせセット」はコチラです! 
  • UFCファイターは何を食べているのか〜悪童は菜食主義者■MMA Unleashed

    2016-11-05 00:00  
    55pt
    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは「UFCファイターは何を食べているのか」

    UFCが3週間も小休止していることもあり、ややネタ切れの今週のMMA Unleashedでは、UFCファイターの食事についての考え方やこだわりについてのコメントやレシピをまとめてみた。身体が資本の商売だけに、それぞれにきちんとした考え方があることが見て取れる。やはりいまどき、巨大な肉の塊に食らいついているだけの原始人はもはや存在しないようで、そのことは少し残念ではある。多少なりとも、読者諸氏の食生活の参考になれば幸いである。
    ●ロンダ・ラウジー、食事へのこだわりについて語る
    食べ物についてのこだわりは強いわね。昨晩もイカのフライを食べたのだけど、ソースを付ける前にフライの衣は全部落とした。デザートでは私がラズベリーを全部もらって食べた。他のみんなはケーキやアイスを食べていたけど、私は上に乗っているラズベリーだけ。トレーニングキャンプ中にはそれすらしないしね。トレーニング中のメニューを見せてあげましょうか(スマホを取り出す)。ほら、見て。午前8時:オートブラン小さじ2杯、チアシード小さじ2杯、ヘンプシード小さじ2杯。午前10時:練習。午前11時45分:練習後のスムージー。午後0時:全卵1個に、白身だけ2個のスクランブルエッグ。ターキーのベーコン2きれ。午後4時:おやつ。リンゴ1個、生アーモンド4分の1カップ、生カシューナッツ4分の1カップ。午後6時:練習。練習後:スムージー。就寝前:カモミールティー。何から何まで、時間と分量が決まっている。この続きと、NOAH新体制、アジャ・コング、谷津嘉章、シュレック関根、藪下めぐみ、斎藤文彦の記事が読める「14万字・詰め合わせセット」はコチラです!
     
  • 【無料記事】川尻達也、あがき続けた先のRIZIN参戦/ジャン斉藤のMahjong Martial Artas

    2016-11-03 10:41  
    “クラッシャー”川尻達也が日本に帰ってくる。今年の年末29日&31日に行なわれるRIZINへの出場が発表され、ヒクソンの息子クロン・グレイシーとの試合が決定。川尻達也にとって日本での試合は2012年12月31日『DREAM18&GLORY4』小見川道大戦以来、4年ぶり。凱旋の舞台は奇しくも同じ年末格闘技興行となる。
    クロン戦が発表された記者会見で、川尻は今回のRIZIN参戦を「最終章」と位置づけたが、2013年10月にUFCとの契約を結んだ当時のインタビューを振り返ってみると、そこでも「最終章」という言葉を口にしており、UFC参戦がファイター人生最後の挑戦という雰囲気を漂わせていた。当時34歳という決して若くない年齢に加えて、その左目は2度の網膜剥離という“爆弾”も抱えていた。川尻達也を長年渡って指導してきた山田武士トレーナーは、無事白星スタートを飾ったUFCシンガポール大会のデビュー戦を