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記事 29件
  • 【堀口vsDC徹底解説】コールドウェルはなぜパウンドを打てなかったのか?■水垣偉弥

    2019-06-16 22:41  
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    世界最高峰UFCで強敵と戦い続けた水垣偉弥が徹底解説するダリオン・コールドウェルvs堀口恭司! どうしてコールドウェルはパウンドを打てなかったのか? そして全世界が待望するセフードvs堀口の展開予想から、水垣選手の今後の目標についても激白しています!【1記事から購入できるバックナンバー】・噂のメイウェザー興行、北岡vsサトシのジャッジ、朝倉未来ライト級GPは?■笹原圭一RIZIN広報・判定・新時代は到来している!! これでわかったジャッジ最前線■松宮智生 日本MMA審判機構・「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」問題……ボクシングを冒涜してるのは誰か?・フジメグ15000字】藤井惠インタビュー「あの頃の女子格闘技は“この先”がずっとなかったんです」・“アイスクリーム”・クロン・グレイシー、UFCデビュー戦を語る…サイレンの入場に込めた意味とは?・【格闘技実況新時代】西達彦アナウンサー「格闘技を伝えるということ――」――今日は水垣選手に、ベラトールバンタム級タイトルマッチ「コールドウェルvs堀口恭司」と、UFCバンタム級王座決定戦「セフードvsモラエス」の2大バンタム戦争について語っていただきます。
    水垣 よろしくお願いします!
    ――その前に水垣選手! DAZNのコールドウェルvs堀口恭司解説をやられたあとにこんなツイートを……。

    「堀口選手に挑戦するっていうのが自分の格闘技人生の大きな目標の一つになりました!!!頑張るぞー!!!!」https://twitter.com/takeya_miz/status/1139772023318536192

    水垣 はい(笑)。ボクの目標は北米MMAのチャンピオンになることだったんですけど、日本人がそのベルトを取るとは考えてもなかったんですよね。今回堀口くんがベラトールのチャンピオンになったことで、目標する選手が日本人なんだ……とあらためて思いまして、それでツイートしてみました。いまはどこの団体とも契約はしてないんですが、北米のチャンピオンという目標はずっとブレてないので、堀口くんと戦えるチャンスがあるならば、そこを目指したいと思ってます。
    ――それは興味深いです!
    水垣 ボクはずっと北米で戦ってきて、いまでもそこを目指してずっとやってきましたし、下りかけのオジサンの一発逆転じゃないですけど(笑)、堀口くんはRIZINとベラトールのチャンピオンですからね。
    ――水垣選手は2009年からWECやUFCという世界最高峰の舞台で戦い続けてますから、ずっと追い求めてきたことでもあり、実現すればキャリアとしても集大成の一戦になりますね。 
    水垣 まだどうなるかはわからないですけど、堀口くんと戦えるなら、その道が見えるなら……どこでも上がります!
    ――期待しています! さて、今回のテーマですが、コールドウェルvs堀口は半年ぶりの再戦になります。前回を大晦日決戦を踏まえて、水垣選手はどのような試合になると思われましたか?
    水垣 コールドウェルのテイクダウン狙いというのは変わらないと思ってましたね。前回の試合でコールドウェルはギロチンをもらうまでやりたいことはできていたと思います。途中でバテてしまいましたけど、そこは慣れない日本、慣れないリングだったところもありますよね。
    ――今回はコールドウェルのホームリングですから勝手知ったるところあはあったでしょうね。
    水垣 なので前回と同じようにテイクダウンを軸に攻めると見てましたし、堀口くんがどう対処するのか……というポイントがひとつ。そういう意味で序盤は堀口くんは劣勢でしたよね。
    ――1ラウンドはコールドウェルのテイクダウンからのヒジ攻撃が効果的でした。
    水垣 1ラウンドは間違いなくコールドウェルが取りました。ただ、コールドウェルは試合を見てるぶんには疲れる展開ではなかったのに、3ラウンドに突然引き込みだして。あの引き込んだ瞬間に今回は堀口くんが勝つな……と思ったんですよね。
    ――堀口KO勝ちの雰囲気に染まりましたよね。
    水垣 はい。でも、4ラウンドになると、コールドウェルがテイクダウンに成功して、やや持ち直したんですけど。
    ――腰が強い堀口選手から何度もテイクダウンを奪うコールドウェルも只者ではない、ということですね。 
    水垣 やっぱり凄いですよ。抑え込むだけで精一杯だったのは、攻めようとしてスペースを空けると立たれちゃうんじゃないか……という堀口くんのプレッシャーが強かったんだと思って見ていましたね。
    ――コールドウェルがテイクダウンに成功しても、しがみついたままでパウンドを打たなかったのは、少しでもスペースを空けると堀口選手に立たれちゃうんじゃないかと。
    水垣 実際にコールドウェル本人に話を聞いてみないとわからないことではあるんですけど。ボクの予想ではバックを狙ったり、次の手に行こうとすれば立たれちゃう恐れがあったからじゃないかと。1ラウンドはアタックしていたんですけど、2ラウンド以降は攻め手に欠けましたよね。 何かビックインパクトを作るよりも押さえ込むだけで必死だった。そこで力を使っているうちに、だんだんとスタミナもキツくなっていったのかなと。
    ――なるほど。そこは堀口選手のプレッシャーが本当に凄かったということなんですね。
    水垣 堀口くんには余裕があったとまでは言わないですけど、試合後のコメントで「前半は疲れさせるイメージ」と言っていたので、これは肝が据わってるなと思いました。――肝が据わってるとはどういうことですか?この発言の意味は? セフードvs堀口の展開も予想! まだまだ続く!

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  • 熱すぎるクロスプロモーション! ベラトールの狙いは何か?■石井史彦

    2019-06-16 21:05  
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    MMAシーンを盛り上げるベラトールとRIZINのクロスプロモーション。しかし、ベラトールの旨味がいまいち見えてこないところもあるのはたしか。多くのMMAファイターをマネジメントし、ベラトールCEOスコット・コーカーとも親交の深い石井史彦氏に話を聞いた(この取材はベラトール222の前に収録したものです)【1記事から購入できるバックナンバー】・【プロレス歴史発見・特別編】望月成晃×小佐野景浩〜空手家がプロレスラーになるまで〜
    ・浜崎朱加×アミバ……雷神女王と女マネージャー(?)の女子格対談!

    ・俺と剛竜馬とパイオニア戦志12000字■松崎和彦インタビュー

    ・壮絶過去の天才ファイター、ローズ・ナマユナスは、本当に引退してしまうのか?・オマエの目的はなんだ? ZERO1GM三又又三「プロレスも人生もやり直せる」・都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される■斎藤文彦INTERVIEWS・村田夏南子インタビュー「MMAに転向した理由? ロンダ・ラウジーがキラキラしすぎて」

    ・ボクシングとキックを知り尽くした男、鈴木悟が語る那須川天心vs亀田興毅

    ・狂犬ディーン・アンブローズと呼ばれた男、その過去・ 噂のメイウェザー興行、北岡vsサトシのジャッジ、朝倉未来ライト級GPは?■笹原圭一RIZIN広報
    ――石井さん!日本におけるベラトールの注目度がグッと上がってますが、ストラッサー起一選手のベラトールデビュー戦の相手が決まりましたね。
    石井 はい、相手はエド・ルース、7月12日のオクラホマで戦います。
    ――エド・ルースといえば、近年のレスリング転向組では最高の実績を持つスーパーエリートですね……。MMA戦績は6勝1敗。
    石井 いやあ、いきなり厄介な相手をぶつけてきますよね(苦笑)。でも、ベラトールのウェルター級にはこんなバケモノはゴロゴロしてますからね。
    ――現在ベラトールはウェルター級GP開催中ですがタレントがホント豊富で。
    石井 もともとは6月23日のイギリス大会でポール・デイリーとの試合が内定してたんですよ。でも、そのイギリス大会には寝技系のファイターが多いということで、急遽ポール・デイリーの対戦相手が打撃系の選手になったんですよね。
    ―― 大会全体を見てそんなバランスを取るんですね。
    石井 マッチメイカーからすれば、寝技ばかりの試合になったら困るということと、ポール・デイリーは寝技の展開になったらおしまい……みたいなところはありますからね。これが逆に立ち技系の選手が多かったら、ポール・デイリー戦が組まれたと思います。 
    ――ポール・デイリーの代わりがエド・ルースってまったくタイプが違いますねぇ。
    石井 強敵ではありますが、ベラトールには名前がないけど、強い若手はたくさんいるじゃないですか。それよりは名前のあるエド・ルースでよかったと思いますよ。
    ――エド・ルースは素材は超一流ですが、唯一の敗戦となったネイマン・グレイシー戦を見るかぎり、MMAファイターとしてはまだ未完成ですよね。
    石井 そうなんですよ。エド・ルースはテイクダウンは凄いんですけど、立ち技はそこまででもないし、サブミッションゲームはあんまりなさそう。ストラッサー選手はグラップリングが強くてUFCではデイアンマイアの黒帯選手から極めてますし("Performance of the Night” & “Submission of the Week”を獲得)、なによりMMAのキャリアも上ですから。
    ――ストラッサー選手はRIZINでは連勝しましたが、ウェルター級の層が薄いこともあってマッチメイクの機会がなくて。そんな矢先のベラトールとの契約でしたから、こういった強敵との試合は願ったりな一戦になるわけですね。
    石井 ストラッサー選手は38歳ですが、世界に再挑戦の場がベラトールのウェルター級という激戦区ですからね。マネジメントの立場からしても、知らない外国人選手に勝っても評価を得られづらいですからエド・ルースでよかったと思います。ボクもどんな試合になるのか楽しみですよ。
    ――ところでそのベラトールはRIZINと積極的に交流していますよね。RIZINからすればベラトールに絡むメリットはたくさんありますが、ベラトールの狙いが見えづらいんですね。
    石井  もともとはボクとスコット・コーカーが知り合いだったこともあって、大晦日の堀口(恭司)選手の対戦相手としてベラトールから選手を派遣できないのか?という話から進んだんですね。今年になってボクは堀口選手のマネジメントから離れたので、いまRIZINとベラトールのあいだでどんな話し合いがされているのかはわかりかねますが……最初にベラトールから提案されたのはダリオン・コールドウェルじゃなくてジョー・ウォーレンだったんですよ。
    ――うーむ。ジョー・ウォーレンは堀口選手の師匠・山本KID徳郁選手を倒してて日本でも名前はありますけど、ピークは過ぎてますね……。

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  • 決勝戦が途中で中止!? GCW血まみれの奇跡■アメプロインディ通信「フリーバーズ」

    2019-06-16 10:56  
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    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは決勝戦が途中で中止!? GCW血まみれの奇跡です
    <1記事から買える関連記事>・狂犬ディーン・アンブローズと呼ばれた男、その過去・WWEのトップヒール、ケビン・オーエンズ……あの頃、クラブハウスで・平成アメリカンデスマッチベストバウト5・新日本、DDT、スターダム…過去最大「裏レッスルマニア」大解説!!・葛西純がアメリカで吠える!「GCWのクソ野郎ども!お前ら日本に来たいのか?」・虐待から救ってくれた一筋の光、それは大日本プロレス
    そこに集まっていた観客約850人とスタッフ関係者、そして選手たち全員が、目の前で起きたハプニングにざわつき始めた。
    これは今、何が起きているんだ???
    6月1日米ニュージャージー州アトランティックシティ、カジノホテル「SHOWBOAT 」のイベントルーム。この日は、日本からもザ・グレート・サスケ、木高イサミ、佐久田俊行も参戦し、GCW(ゲーム・チェンジャー・レスリング)のデスマッチトーナメント「Tournament Of Survival トーナメント・オブ・サバイバル 4」が開催されていた。
    日本人3選手が活躍する中、決勝に進んだのは、佐久田、イサミを倒したアレックス・コロンと、ニック・ゲイジ、ジミー・ロイドを倒したGレイバーの2人の顔合わせとなったが、この決勝が始まってわずか40秒で、ハプニングが起きてしまった。
    決勝戦は、全部のロープを外し、3本の有刺鉄線を二面だけ向かい合わせに張ったリングで行なわれたのだが、エルボーの打ち合いから、レイバーを押し込んだコロン。レイバーは有刺鉄線にもたれかかろうとしたが、有刺鉄線が切れてしまい、危険な角度で頭から場外に真っ逆さまに落ちてしまった。
    有刺鉄線が絡まり、目を見開いたまま、ピクリともしないレイバー。リングドクターも駆けつけ、診察する。場外に落ちてから、およそ1分半、ようやく体を動かしたレイバーだったが、ぐったりとしたその様はとても試合ができるような状態ではなく、バックステージへ担がれ退場してしまう。
    この日、試合のなかったマーカス・クレインは、ダニー・ハボックと一緒に会場で決勝戦を見ていた。レイバーが、場外に落ちて動かなくなったのを見て、正直、本当に気を失っているのかクレインには判断がつかなかった。レイバーが退場すると、観客の誰かがシュラックの名前をチャントし始めた。クレインとハボックは、すぐにバックステージへ向かい、自分たちも何かできることはないか探したのだが、リングドクターと救急救命士が、レイバーをメディカルルームに連れて行き、部屋に誰も入れないようにしたため、レイバーの状況が心配な反面、「もしやこれは、自分が知らないだけで、アングルなのか?」と疑ってしまった。<続きは会員ページへ!>

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  • 追悼・青木篤志さん■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    2019-06-16 10:24  
    97pt
    作/二階堂綾乃
    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は、先日お亡くなりになった青木篤志さんを語ります。




    <1記事から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>望月成晃×小佐野景浩〜空手家がプロレスラーになるまで〜三銃士、四天王、UWF、邪道…平成のプロレスを変えた5つの勝負ジャイアント馬場没20年追善興行と飯塚高史引退試合北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」多発するプロレスラーのケガを考える愛すべき元横綱・輪島が戦った全日本プロレスの2年間全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話プロレスラーが憧れたプロレスラー、マサ斎藤さんあの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩最後まで全日本プロレスを愛した馬場元子さん
    中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼……新・闘魂三銃士最後のムーンサルトプレス……天才・武藤敬司縁の下の力持ち!! 坂口征二の荒鷲人生WARからイッテンヨンへ! ライオン・ハート時代のクリス・ジェリコ
    「情」で生きる佐々木健介の激烈人生! 
    プロレスラーで初めて大臣になった男、馳浩大森隆男のワイルドな全日本プロレスLOVE 暴走親方、諏・訪・魔!!嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…完全無欠のプロレスラー!! ジャンボ鶴田超獣ブルーザー・ブロディ【涙のカリスマ】大仁田厚の邪道プロレス人生“四天王プロレス”の光と影――三沢光晴
    癌に勝った絶対王者・小橋建太“プロレス巨大組織”NWAとは何だったのか?呪われたIWGPが最高権威になるまで悲運の闘将ラッシャー木村、耐えぬき続けた人生 燃える男、アニマル浜口――!!“天龍番”が感傷に浸れなかった天龍源一郎引退試合全日本プロレスを二度は裏切れない……」秋山準馬場死去、三沢離脱……その後の全日本プロレスジョー樋口、和田京平…全日本プロレスを支えたレフェリーたち 我らが英雄ザ・ファンクスの凄み! 猪木を超えられなかった藤波辰爾――プロレス職人と野心の時代レスラーの野心が謎を生み出す……SWSに狂わされた男たち!
    「俺のほうがUWFより強い!」 誇り高き仮面貴族ミル・マスカラスプロレス史上最も過酷な闘い! G1クライマックス『週刊ゴング』の創刊と休刊まで……闘いのゴングはこうして鳴った!80年代タイガー、90年代ライガー! ジュニアヘビー級の歴史!!“リングの現実”に殉じたNOAHの栄枯必衰昭和のプロレスを支えた影の実力者! さらば永源遥――!!史上最も愛されたヒール! 黒い呪術師アブドーラ・ザ・ブッチャー

    輪島、北尾、曙……プロレスラーになった横綱たち!!
    全日本プロレスのすべてを知る男、渕正信
    鈴木みのるを変えた“全日本プロレスイズム”
    高山善廣が「帝王」と呼ばれるまで
    「プロレス取材の難しさ」
    一寸先はハプニング人生! アントニオ猪木!!オシャレでスマートな昭和の頑固親父! グレート小鹿

    ――全日本プロレスの青木篤志選手がバイク運転中の事故でお亡くなりに……。

    小佐野 信じられられないです……。亡くなる前日の6月2日に全日本プロレスの試合が神戸であって、私も解説の仕事で会場に行ってて。青木の試合の解説をしてるんですよ。彼は翌日の3日に東京に帰ってきて、夜にメディア出演の仕事に行くときに……こんなに突然、人っていなくなっちゃうんだって。彼はエネルギーの塊、生命力に溢れていた人だったから余計に。

    ――病気で衰えながら亡くなったわけじゃないですもんねぇ。

    小佐野 プロレスラーとしてもチャンピオンカーニバルでは五分の戦績を残して、ジュニアのベルトにも返り咲いて防衛戦も決まっている中で……本当に言葉も出ないですよ。身内だけでお葬式は執り行われたんですけど、私の場合は神戸で会ったっきりですから、実感がまるでないのでお悔やみの言葉もツイッターで書けてないんですよね。  

    ――小佐野さんは青木選手との付き合いは長いんですか?

    小佐野  私は彼のデビュー戦のときから取材してるんですよ。2005年NOAHのクリスマスイブ興行。この日のNOAHは毎年趣向を凝らした企画でファン感謝デー的なノリなんだけど。試合の組み合わせはクジ引きで決めて、青木は同じデビュー戦になった太田一平と組んで、三沢光晴&田上明と戦ったんだよね。

    ――ビッグネームとのデビュー戦だったんですね。

    小佐野 太田一平も山梨学院大学でレスリングをやっていたんだけど、青木もレスリング出身。これは本人から聞いた話なんだけど、中学の頃はサッカーをやっていたんだけど、鶴田vs超世代軍の試合を見てプロレスラーになりたいと思うようになって。それで高校からレスリングを始めたんですよ。 高校卒業後は自衛隊に入ってレスリングは続けていたけど、身体は小さいし、体重もないからプロレスラーは諦めて。レスリングは続けつつ、その頃は総合格闘技に興味を持ってたそうなんです。

    ――その頃は総合格闘技ブームでしたもんね。

    小佐野 総合は階級別でしょ。99年のレスリング社会人オープンのフリー69キロ級で優勝してるから。体格的にプロレスは無理だけど、総合ならできるんじゃないかと。その自衛隊時代には、のちにNOAHで一緒になるマイバッハ谷口と1年間、同部屋だったりしたんですね。

    ――マイバッハ谷口選手とは同じ2005年にNOAHに入門してますよね?

    小佐野 そうなんだけど、2人とも入り方は別々だった。 谷口のほうはアテネオリンピック出場がダメになったところでプロレス入りを杉浦(貴)に相談してね。

    ――自衛隊のレスリング繋がりですね。

    小佐野 谷口はひとりでテストを受けて合格した。青木の場合は、じつはレスリングを一度やめてるんだよね。青森駐屯地に転勤になって自衛隊の仕事だけは続けていて。その青森に赴任する前に杉浦から「ここまでレスリングを頑張ったな」ということで酒を飲みに連れて行ってもらったときに、青木が「じつは子供の頃からプロレスラーになりたかったんですよ」と口にしたら「じゃあNOAHのテストを受ければいい」と。でも、青木は踏ん切りがつかなくて青森駐屯地で1年を過ごして、また何かの機会のときに杉浦と飲んだら「おまえ、なんでテストを受けないんだ!?」と怒られて。 その店の外に出たら、たまたま丸藤がいて「試験を受けてみたらいいんじゃない?」と。それでようやく青木も「……じゃあ受けさせてください」と決意したんだって。

    ――いろんな人との出会いがプロレスラーの道を切り開いたんですねぇ。

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  • ヘンリー・セフードはUFCフライ級を救ったのか? 米MMAメディアはこう見ている!

    2019-06-14 17:00  
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    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマはヘンリー・セフードはUFCフライ級を救ったのか? 米MMAメディアはこう見ている!です!!
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    ・間もなく旗揚げ!AEW『Double or Nothing』情報まとめ
    ・壮絶過去の天才ファイター、ローズ・ナマユナスは、本当に引退してしまうのか?・トマソ・チャンパ/ジョニー・ガルガノのスラッシュストーリーとは何か
    ・ロンダ・ラウジーが去ったWWEで女王の座を継ぐ者、ベッキー・リンチとは何者か日本時間6月9日(日)にシカゴで開催されたUFC 238は、トニー・ファーガソン対ドナルド・セラーニの大げんか、ワレンチナ・シェブチェンコ対ジェシカ・アイの背筋が凍り付くKO劇など、見どころ満載、満腹大満足の大会となったが、そのメインイベントをフィニッシュ勝利で締め、UFC史上4人目の同時2階級王者となったのが、北京五輪フリースタイルレスリング金メダリスト、“ザ・メッセンジャー”ことヘンリー・セフードだった。そこで今回は、セフードを巡る米MMAメディアの報道内容をまとめてみたい。
    1. 負傷欠場のウワサは本当だった! セフードがやむなく選択したドッグファイト!
    UFC 238のファイトウィーク、水曜日の公開練習の直前に、「セフードが負傷をしたらしい」というウワサがTwitterで流れた。セフード陣営はこのウワサを「右膝をちょっとぶつけただけで、問題はない」と直ちに否定、そしてセフードは実際に試合に出場したわけだが、試合後にセフードは、負傷のウワサが本当であったことを打ち明けた。
    「火曜日の夜にやった」とセフードは大会後記者会見で述べている。「ホテルに着いた初日に、マットの上で練習していたら、マットを床に固定するテープが不十分で、マットがずれて左足首をくじいてしまった」
    試合後に公表された写真では、セフードの左くるぶしのあたりが紫色に変色していたことが分かる。負傷直後には、足首がグレープフルーツ大に腫れあがっていたのだという。
    欠場になる可能性も実はかなりあったと振り返るセフードは、患部を攻められることを避けるべく、負傷箇所についてわざと間違った情報を流したわけだが、試合が始まると第1ラウンド早々から、患部をモロに蹴られてしまう。「第1ラウンドは本当にサバイバルのラウンドだった」とセフードも苦戦を認めている。
    「元々はもっとレスリングを使うゲームプランだったんだけれど、足首の負傷のせいでそれができなくなった」というセフードは、第2ラウンドからゲームプランを変更、リスクを承知の上で、距離を詰めて殴り合うドッグファイトに切り替えたのだった。
    エリートレスラー戴冠の決め手となったのは、実は根性だったわけである。
    大会後記者会見で、車椅子から満足そうにそんな話を語るセフードは、エリートファイターらしからぬ、なかなかのバッドアスだったのだ。
    2. セフードはUFCフライ級を救ったのか
    マルロン・モラエスを下してセフードがUFCフライ級およびバンタム級の2冠王者になったことを受けて、大会後記者会見で記者がデイナ・ホワイトに、セフードの勝利がフライ級の今後に影響を与えるのかと尋ねたところ、ホワイトは次のように語った。

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  • 「ハッスルがなかったら日本は原始的なプロレスのままだったかも」■証言ハッスル:木原のオヤジ

    2019-06-13 18:21  
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    ゼロゼロ年代のプロレス界を席巻しかけたファイティングオペラ『ハッスル』とは何だったのか――制作にもタッチしていた木原のオヤジこと木原文人インタビューです!【1記事から購入できる関連記事】・ファイティングオペラ『ハッスル』とはなんだったのか■中村祥之インタビュー・【黒歴史ファイティングオペラ】若鷹ジェット信介――ハッスルの最期を看取った男・総監督が語る「ジャイアント馬場没20年追善興行」■木原のオヤジ・全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話■木原文人✕小佐野景浩――今日は木原さんが運営として関わっていた『ハッスル』のお話を伺います。
    木原 わかりました。『ハッスル』ってもうないですよね?
    ――活動停止してますが、オフィシャルサイトは辛うじて息をしています(笑)。木原さんは『ハッスル』の前身ともいえるイベント旧W-1でもお仕事をされてたんですよね。
    木原 そうですね。旧W-1には全日本プロレスが関わってましたから。
    ――旧W-1は石井館長や谷川(貞治)さんらK-1が武藤さんたちと手を組んでプロレスのイベントをやるというものでした。
    木原 ボクは旧W-1の運営には関わってないんですが、全日本と同じように現場ですよね。リングアナはやってないですけど、音響や外国人選手の送り迎えとか。全日本のバスにK-1や格闘家を乗せて、神楽坂の三宝に連れていった記憶がありますよ。
    ――元女子プロレスラーの栗原あゆみさんの実家の焼肉屋!(笑)。
    木原 好きなだけ焼肉を食べさせましたね(笑)。ボクは運営に入っていたわけではないので、全日本がどういう経緯で旧W-1と関わったのかはよくわからないんですけど。主導権はK-1さんじゃないですか。 K-1さんからのアプローチに武藤さんや当時全日本のブッカーだった渡辺(秀幸)さんが乗っかったイメージはあります。 渡辺さんは頭が凄く切れる方でしたね。
    ――渡辺さんはもともとは新日本の取締役だった方で、武藤さんと一緒に全日本に移籍して。全日本にいた方々からすると、K-1との絡みに抵抗感はなかったんですか?
    木原 ボクは全然なかったですよね。何か力になればいいなあぐらいしか思わなかったんですよ。それは旧W-1に限らず昔からそのスタンスで。そこは馬場さんの影響が強いですよね。「あれもプロレス、これもプロレス」。そのときに面白いものをやるのが馬場さんでしたから。武藤さんもいろんな顔を持つ方じゃないですか。いまもW-1をやりながらプロレスリングマスターズもやっていたり。旧W-1にはグレート・ムタでしか上がってないですから、武藤さんの別の顔を出すイベントというイメージですね。
    ――関わってみた旧W-1にはどんな印象がありますか?
    木原 それまでのプロレス界にはなかった発想でやられていて、いろいろと勉強になりましたよ。たとえば横浜アリーナ大会の次は東京ドームでやったじゃないですか。あそこに繋がってる感があったんです。
    ――繋がっている感ですか?
    木原 覚えているかわからないですが、横浜ではサップがムタに勝ったんですが、 最後にリングが大爆発。リング上にいたサップは黒幕に包まれて終わりましたよね。東京ドームが始まるときリング上は黒巻で包まれてたんですけど、そこから爆発と共にサップが現れて。
    ――あー、なるほど。横浜の“続き”という演出ですね。
    木原 ボクらの世界では考えられない演出の仕方ですよね。時代は流れていきますから、新しいことにトライしていく必要性を感じましたね。
    ――新しいチャレンジがプロレス界にとっての経験値になるということですね。
    木原 馬場さんもその時々の時代に合わせたプロレスをやっていたと思うんですね。70年代は完全なNWAプロレス。ファンクスもコテコテのNWA プロレスだったのに、全日本のブッチャー&シークの抗争になると大ベビーフェイスになりましたからね。 
    ――80年代になると、新日本から長州さんのハイスパートレスリングを受け入れて。
    木原 選手の半分以上が新日本系だったときもありますからね。90年になったら流血戦や場外リングアウトの不完全決着を排除した四天王プロレスの時代になって。あのスタイルはアスリートプロレスの世界ですよね。馬場さんは時代に合ったものを提供してたんだと思いますよ。
    ――柔軟の頭を持つ馬場さんは、もしかしたら旧W-1的な世界をやっていたかもしれない。
    木原 その可能性は充分ありましたね。旧W-1と『ハッスル』の違いをいえば、旧W-1の方が格闘家に気を遣ってました。武藤さんたちも気を遣っていて、あんまり踏み込まなかったような気がします。もっとやらせればできたのかなって。 逆に『ハッスル』は、のめり込めませましたからね。
    ――プロレスは、どっぷり浸かるもんだと。そこが『ハッスル』。
    木原 『ハッスル』に関していえば、『ハッスル1』と『ハッスル2』って別物だったじゃないですか。
    ――端的にいうと『ハッスル1』は普通のプロレスイベントでしたが、『ハッスル2』からファイティングオペラとしての世界を作っていくようになりましたね。
    木原 そうなんですよ。あの『ハッスル2』の横浜アリーナ大会って70・80年代の全日本プロレスらしい雰囲気だったんですよね。タイガー・ジェット・シンや和田京平さんもいて、ルチャの試合があったからかもしれないですけどね。後楽園ホールでやっていた『ハッスルハウス』もそう。 フザ・フライング・バンパイア25世やザ・ピラニアン・モンスターとかのモンスター軍から、昔の全日本の外国人レスラーの匂いがしたんですよねぇ。
    ――ブラックハーツやキマラじゃないですけど(笑)。非アスリートの世界観。 言い方は難しいんですが、ハッスルって試合の攻防はどうでもいいくらい、のスタンスで。
    木原 そうですね。それと言ったら昔の全日本なんかも、両者リングアウトとか不透明決着が多かったですけど、プロレスラーがそれぞれの光るものが見せられればいいってことですよね。 
    ――『ハッスル』が始まった頃のプロレス界は、アスリートプロレスの次を模索していた雰囲気がありましたよね。
    木原 やっぱりあのスタイルは、ケガや身体のダメージなんかであれ以上続けることは難しかったと思うんですよね。だから元子さん体制の全日本もNOAHさんに選手がたくさん移りましたけど、集客や内容もNOAHさんには負けてなかったと思うんですよね。それはありとあらゆる手を使って盛り上げていましたから。 
    ――それはリング上以外での仕掛けで。
    木原 そういう意味では、いまはどこの団体の会場にもスクリーンがあって煽りVが流れてますよね。いまのかたちを作ったのが『ハッスル』だと思います。
    ――スキット映像を使っていた団体は本格的にやり始めたのは『ハッスル』ですね。
    木原  『ハッスル』以前にもスクリーンを使っていた団体はあるかもしれないですが、映像がメインのプロレスではなかったと思うんですね。いま後楽園ホールの北側のスクリーンに映像が流れない時点で違和感を感じません?
    ――たしかに物足りないですねぇ。
    木原 そこをスタンダードにしたのは『ハッスル』の最大の功績だと思いますね。『ハッスル』はカード発表からして映像ありきでしたから。全日本も試合前のカード発表を映像で流すようになったのは『ハッスル』の影響はが強いんですよ。
    ――木原さんは旧W-1では現場の担当でしたが、『ハッスル』はどのように関わってたんですか?

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  • あえて言おう! 非難轟々のRIZIN神戸地上波は「王道スポーツ中継」だったと!

    2019-06-11 10:42  
    87pt
    この記事は「RIZIN神戸大会」を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【RIZIN16関連記事】・RIZINで魚井フルスイングが炸裂! 大沢ケンジ絶叫セコンドの裏側!・フジメグはをこう見た!藤井惠「浜崎朱加が冷静に打撃勝負したことが勝利に繋がった」・原因不明の難病からの復活勝利! 征矢貴インタビュー「やっとスタート地点に立てた」【1記事から買える関連記事】・『那須川天心ボクシング1000万円』青木真也ドタキャンは不穏試合的ではない・ONE Championshipのことが130倍好きになる方法・生贄だったミルコ・クロコップはかくして総合格闘技のアイコンとなった・史上最高の引退試合……飯塚高史、無言でリングを去る・タイムトンネルからやってきたクロン・グレイシーという男のロマン・高田延彦RIZIN統括本部長の「迷走解説」問題・川尻達也vs北岡悟が生きた時代……「やれんのか!」は「でも、やるんだよ!」である・「今日もダメだけど、まあいいか」と諦める……みんなボブ・サップを抱えて生きているのだ7月のRIZINのカードが発表されましたが、楽しみなカードが並びましたねぇ! 朝倉未来vs矢地祐介もヒリヒリしますが、石渡伸太郎vs佐々木憂流迦と扇久保博正vs元谷友貴の2カードは、堀口恭司の挑戦権を懸けた「見えないバンタム級トーナメント」が始まってると言えますよね。この勝者同士が10月大阪大会で挑戦者決定戦をやるのが理想。そして大晦日に堀口戦と……。
    リザーブマッチじゃないですけど、覚醒したマネル・ケイプと山本アーセンの再戦、もしくはマネル・ケイプvs魚井フルスイングのKO必至対決も面白そうです。2人ともフライ級適性なのかもしれませんが、朝倉海と征矢貴もいますし、今年は「見えないバンタム級トーナメント」ですけど、来年はバンタム級GPが再び開催できるほどメンツが充実してますよね。
    そこで気になるのは、大晦日までのあいだ堀口恭司は誰と戦えばいいのか?といえばですね、たしかに対戦相手選びは難しくなってますよねぇ。「元UFC」という構図はこないだ使ってますから刺激は薄くなっちゃいますし、DEEPバンタム級王者ビクター・ヘンリーという手もありますが、ビクターにはもうひとつ壁を乗り越えてから戦ってほしいところもあって。
    そこでふと思ったのは……

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  • 原因不明の難病からの復活勝利! 征矢貴インタビュー「やっとスタート地点に立てた」

    2019-06-11 09:23  
    91pt
    RIZIN.16神戸大会で衝撃的なKO勝ちを飾った征矢貴インタビュー。クローン病という難病と戦いながら復活を遂げたその裏側を12000字でお届けします(聞き手・松下ミワ)【RIZIN16関連記事】・RIZINで魚井フルスイングが炸裂! 大沢ケンジ絶叫セコンドの裏側!・フジメグはをこう見た!藤井惠「浜崎朱加が冷静に打撃勝負したことが勝利に繋がった」【1記事から購入できるバックナンバー】・浜崎崎朱加×アミバ……雷神女王と女マネージャー(?)の女子格対談!・村田夏南子インタビュー「MMAに転向した理由? ロンダ・ラウジーがキラキラしすぎて」・ボクシングとキックを知り尽くした男、鈴木悟が語る那須川天心vs亀田興毅
    ・イリー・プロハースカvsキング・モーはどうすれば地上波で流れるのか?

    ・『那須川天心ボクシング1000万円』青木真也ドタキャンは不穏試合的ではない
    ・UFC、ONE……最新MMA舞台ウラ1万字!!■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

    ――RIZIN初参戦にして素晴らしいKO勝利、おめでとうございます!
    征矢 ありがとうございます!
    試合動画 https://gyao.yahoo.co.jp/player/11087/v00032/v0000000000000000653/――2年ぶりの復帰戦ということでしたが、征矢選手が欠場を余儀なくされたクローン病というのはかなり大変な病気だったんですね。
    征矢 はい。試合をするどころか、生活すらままならない病気で。どういう病気かというと、クローン病は口から肛門までの消化器官のどこかに炎症が起きるというもので。自己免疫疾患といわれる病気の一つなんですけど。
    ――病気の原因もまったくわからないんですか?
    征矢 いまの医学ではわかってないみたいです。原因がわからないと治し方もわからないので、病気が発症してしまったら症状を抑える薬を飲み続ける対処療法しかできないという。だから、何か起きたらこうしましょう、症状がヒドくなったら今度はこうしましょうと。ボク自身もその繰り返しでした。
    ――具体的な症状としてはどういうものが多いんですか?
    征矢 消化器官に炎症が起きるので、ご飯を食べたりすると下血したり。そのせいで、ヒドいときにはトイレに1日20~30回行かなきゃいけないので、なかなか普通に仕事もできないんですよね。
    ――たしかに試合どころではないですね……。
    征矢 ボクは鶴屋(浩・パラエストラ松戸代表)さんにトレーナーとして雇ってもらっているんで、まあどうにか配慮してもらっていたんですけど。一番ツラかったのは、炎症が起きると大腸が腫れるわけなんですよ。そうすると便が通る道が狭くなるので、そこを便が通るときに激痛が走るというか。それで食欲もなくなっちゃって。もっとヒドくなると、医者から「何も食べるな」と言われるので、1袋300キロカロリーぐらいの粉をもらって1日6袋飲む。そういう生活を1ヵ月ぐらい続けていました。
    ――流動食でなんとか済ませるわけですか。
    征矢 それがちょうど去年の7月、RENA選手との再戦を迎えた浅倉カンナのセコンドについていたときぐらいで、そのときが一番体調がヒドかったですね。じつは、その試合の前日には医者に入院しろと言われていて。
    ――そんなに体調が……。
    征矢 でも、入院するのはイヤなので、無理やりセコンドについたんですけど(苦笑)。CRPという血液検査をすると、炎症を示す数値が測れるんですけど、その数値が高かったんですよ。
    ――そもそも身体の異変はいつ気づいたんですか?
    征矢 初めはとにかくお腹が痛くて便が出なくなったんです。頻繁にトイレに行くようになって便意をもよおすんですけど、なぜか少ししか出ないという。そうしているうちに下血するようになったので「これはヤバいな」と。それで内視鏡検査をやったんですけど、カメラの映像を見ると素人が見ても腫れてて異常だなとわかるぐらいでした。
    ――それは真っ赤になっていたということですか?
    征矢 赤いし、なんか普通じゃないんです。炎症が起きているのは素人目にもわかりましたね。内視鏡検査の時点で先生には「これはクローン病です」と言われました。
    ――そこから薬を処方されて。
    征矢 最初はペンタサというクローン病に効くといわれる薬を服用するんですけど、これが僕にはあんまり効かなくて。なので、いまとなっては「よくなかったなあ」と思うんですけど、ステロイドの薬を使うようになったんですよね。
    ――ステロイドというとスポーツ界では筋肉増強のイメージがありますけど、目的としては違うわけですよね。
    征矢 ステロイド薬は炎症を抑えるための薬ですね。でもあれは魔法の薬で。それを飲むと、じつはすぐに体調が改善するんですよ。だから、その瞬間は「あれ? もう治ったぞ。これなら復帰できる!」と思うんですけど、だんだん効かなくなるんです。最終的には飲む前よりも体調が悪くなっていくんですよね……。
    ――身体が慣れてきちゃうからなんですかね。
    征矢 そうなんです。すぐ効く薬ってやっぱりデメリットもあるんだなって。ステロイド薬はまさに一時的によくなるだけの薬でした。
    ――となると、病気を治すどころか、症状を軽減させるだけでも難しいという。
    征矢 じゃあ、次はどうするかとなったときに、今度はヒュミラという注射を打つんです。たぶん1本7万円ぐらいするんですけど。
    ――1本7万円!
    征矢 まあ、難病の人は国に申請するとその薬が月1万円とかで使えるようになるんですけど。ボクも申請して国から手帳をもらったんですけど、その手帳を見たときは「オレ、普通の人じゃないんだな……」と。なんか、病人というのを実感させられましたね。国のお金をもらわないと普通に生活できない人間なんだなって。
    ――経済的負担が少なくなるとはいえ、複雑ですよね……。そのヒュミラというのはどういう薬なんですか?
    征矢 これはちょっと面倒な話になっちゃうんですけど、人間ってウイルスが入ってくると免疫が働いてウイルスを退治してくれるじゃないですか。でも、クローン病はウイルスが入ってきてないのに免疫が勝手に反応して暴走する病気で、要はウイルスが入ってきたときに鳴る警報が壊れている状態なんですよね。ヒュミラはその警報を切っちゃう薬なんです。つまり、免疫機能を反応させなくするんですよ。ただ、警報が鳴らないから、いざインフルエンザとかのウイルスが入ってきたときは凄く感染症にかかりやすくなるんです。でも、症状は抑えられるので、使ったときは「あ、これは治ったな」と。
    ――ん? それはステロイド薬のときと同じリアクションのような……。
    征矢 そうなんです。やっぱりだんだん効かなくなるんですよね。
    ――それは不安になりますよねえ。まだ充分に対策法があるならいいんでしょうけど。
    征矢 でも、そこが難しくて。ヒュミラが効かなくなると、先生から「また違う薬を使うか、あとは治験に参加するかになるけど、どうする?」と。
    ――治験というのはなんですか?
    征矢 要するに新しい薬ですね。
    ――なるほど……。
    征矢 治験の場合、薬の効果を調べるために投与するグループをいくつかに分けるんですよ。ボクが言われたのは、まず普通のグループ、その2倍投与するグループ、半分しか投与しないグループ、あとは生理食塩水だけを投与するグループの4つで。
    ――生理食塩水だけというグループもあるんですか?
    征矢 一応、効き目を比べるためにそういうグループも必要みたいなんですけど、普通に生理食塩水だけを投与されるグループに入れられても困っちゃうんで、そんな確率にかけてられないなと思って。だから、ボクの中で治験はダメだなと。なので、別の薬を試そうと思ったんですけど、クローン病の薬って認可されているのは3種類か4種類で、その一つがヒュミラなんですよ。そうなると、これ使って、次はこれ使ってと進めて、最終的に何も使うものがなくなったときに、大腸を切除するしかなくなっちゃうんですね。
    ――それが最終手段なんですね……。
    征矢 そうなんです。でも、ボクは最終的にメスを入れたら戦えないなと思ったんで。だから「ちょっと考えます」と言って自分でいろいろ調べていくわけなんですけど。
    ――ちなみに、その間はずっと同じ病院に通い続けていたわけですか?
    征矢 ボクはそうですね。というか、その病院はクローン病に関しては有名で、いいお医者さんがいる病院だったんですよ。もちろん先生も親身になって治そうとしてくれていたので。でも、薬で一時的によくなったり悪くなったりというのの繰り返しでした。
    ――どのくらいの間隔で通院していたんですか?
    征矢 月1です。薬をもらいに行くときと、本当にヤバいときと。
    ――そのあいだは、トレーナーの仕事や練習は?
    征矢 練習もできる範囲でという感じでした。でも、どんどん自分が弱くなるというか、いままでできていた動きができなくなったりして。それが悲しかったですね。
    ――じゃあ、ギリギリ入院はせず?
    征矢 入院は1回だけでした。でも、ヒュミラも効かなくなったので、自分なりにいろいろ調べていくと「この食べ物がいい」「このサプリが効く」とか、やっぱりいろんな情報があふれているわけなんですよね。困っている人が多いぶん。
    ――うーん、難病にありがちな話ですよね。
    征矢 ただ、けっこう共通しているのが「身体の免疫力を上げる」という内容で。身体を温めたり、ビタミンを摂ったり、根本的な部分はすべて身体の免疫力を上げるといい方向に向かうのかなあと自分なりに考えて。ちなみに、ステロイド薬というのは身体の免疫力を抑える薬だったんですよね。そして、ヒュミラも免疫機能の警報を切っちゃう薬で。
    ――あ、それって逆ですよね!
    征矢 そう、どっちも真逆だったんです。だから、薬を使いながら免疫力を高める努力をしてもまったく意味がないなと。そこでたどり着いたのが、大阪・高槻にある松本医院というところだったんですよ。
    ――それが、試合後のコメントでおっしゃっていた東洋医学との出会いなんですね。
    征矢 松本医院を詳しく調べたら、薬を一切使わずに漢方と鍼で身体の免疫機能を上げて治すという治療方針で。それはボクの考えと合っていると思ったので、両親に援助をしてもらって松本医院に通うようになったんです。
    ――回復の兆しは、その松本医院だったと。
    征矢 ボクは本当に松本医院の情報は広めてほしいと思っているんですよ。 その先生はかなりの天才肌で変わり者のおじいちゃんなんですけど、「オレは原因がわかるから。だから治し方もわかるんだ」と。
    ――スゴい自信です!(笑)。
    征矢 その先生が言うには、人間って肉体的にも精神的にもストレスを感じると、コルチゾールという副腎皮質ホルモンが出るんですけど、それが免疫機能を下げるらしいんですよ。それが出続けていると、結局ステロイド薬を飲んでいるのと一緒なんですよね。だから免疫機能をあげることが大事ということで。で、ちょっと難しい話になるんですけど、免疫機能が反応するものにはウイルスのほかにも、化学物質があるんですよね。
    ――たとえば、食品添加物とか。
    征矢 免疫細胞にはそういう化学物質を身体の外に出す働きもあるんですけど、化学物質はウイルスと違って死んでいる物質なので、倒さずとも身体から排出すればいいんです。この「ウイルスは倒す」「化学物質は排除する」というバランスがとても大事で、免疫機能が化学物質まで倒そうとして暴走しているからダメなんだ、と。先生は「オレは日本で唯一そのことに気づいた」と言っていて、実際にそれで治った人がたくさんいるんですよ。
    ――先生によると、その具体的な治療法が漢方と鍼なんですね。
    征矢 とにかく免疫機能を上げて身体の機能を元に戻せば治るということだったので、去年の9月に初めて行って漢方をもらって。あとは1週間に1回、鍼の治療をして免疫を上げるというのを続けています。鍼治療は松戸で受けているんですけど、漢方と鍼はいま現在も続けています。
    ――そこから復調に向かうわけですか。
    征矢 ただ、それですぐに治ってくれればいいんですけど、薬をやめていままで抑えていた免疫をボンッと上げるんで、その反動が凄くて。こういうのを薬のリバウンドと言うんですけど、これがまたキツいんですよ。
    ――薬のリバウンド……。ちょっと厄介そうですね。
    征矢 いや、本当に厄介です。去年の9~10月ぐらいは39度ぐらいの熱が1ヵ月ぐらい続きましたし。
    ――39度が1ヵ月ずっと!
    征矢 それでもボクは短いほうですね。人によってはもっと続く人もいるみたいで。あとは下血も凄いしお腹も痛くて。これは合併症だと思うんですけど、関節とかも腫れてきちゃってペットボトルの蓋も開けられなくなったことがありました。だから「……これ、本当に治るのかなあ」って。
    ――でも、信じるしかないんですもんねぇ。
    征矢 そうなんですけど、やっぱり終わりが見えないんですよ。ここまで頑張れば治るよと言ってくれたら頑張れるんですけど。でも、それに耐えられずに薬を使っちゃうと、また元に戻っちゃうんで。だから、初めて松本医院に行ったときは「絶対に家族の人と一緒に来てくれ」と言われました。とても1人じゃ治せないから。いま実家で生活していますけど、本当に両親のおかげというのはありますね。
    ――その1ヵ月後はどうなったんですか?
    征矢 それが、ある日、急に体調がよくなってきまして。
    ――おお!
    征矢 それでもガッツリと練習を再開したのは今年に入ってからですけど、4月末とか5月頭ぐらいには「いけるぞ」と。なので、鶴屋さんに「もう試合ができます、試合したいです」と言いました。
    ――それって本当にごくごく最近の話なんですもんね。闘病中は、ジムのみんなが一生懸命練習しているのが励みになったというコメントもされていましたね。
    征矢 まあ、みんなの試合前の練習を見てて「悔しいなあ」と思うときもあるんですけど、選手はもの凄く努力していて追い込んでいるので、それを見たらこっちもヤル気になって。カンナだって、3つ年下の女の子が本当に追い込んだ練習をしているわけですし、扇久保(博正)さんも試合前は壮絶な練習をしているので。やっぱりこの人たちを見たら「また頑張ろう」と思いましたね。

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  • 【フジメグはRIZINをこう見た】藤井惠「浜崎朱加が冷静に打撃勝負したことが勝利に繋がった」

    2019-06-07 10:16  
    87pt
    RIZIN実況解説でおなじみ、伝説の女子格闘家フジメグこと藤井惠さんがRIZIN神戸の女子2試合を解説!フジメグは浜崎朱加 vsジン・ユ・フレイ、浅倉カンナ vs山本美憂をこう見た!
    【RIZIN17関連記事】・RIZINで魚井フルスイングが炸裂! 大沢ケンジ絶叫セコンドの裏側!【1記事から購入できる関連記事】・【フジメグ15000字】藤井惠インタビュー「あの頃の女子格闘技は“この先”がずっとなかったんです」
    ・元祖・女子総合格闘家 高橋洋子がジョシカク黎明期を語る「いまは普通に試合があるから幸せですよね」・浜崎崎朱加×ジェシカ・アンドラージ「格闘技を続けない理由なんか、どこにもない!」

    ・朱里インタビュー「チャンピオンになって、ASUKA選手とプロレスのリングで再会したいです」・【爆勝MMAデビュー】世志琥「プロレスラーとして、いつでも戦えるように準備していました」

    ・RENA×浜崎朱加 SBとMMAの女王対談 
    ・浅倉カンナ“初代女王”インタビュー「MMAとの出会いが人生を救ってくれました……」――フジメグさん!今日はRIZIN神戸大会の浜崎朱加vsジン・ユ・フレイと、浅倉カンナvs山本美憂の2試合について聞かせてください!
    藤井 わかりました。2試合とも凄く面白かったですよね。GyaOの無料動画はこちら浜崎朱加 vs.ジン・ユ・フレイhttps://gyao.yahoo.co.jp/player/11087/v00032/v0000000000000000644/
    浅倉カンナ vs山本美憂
    https://gyao.yahoo.co.jp/player/11087/v00032/v0000000000000000645/――まずは浜崎vsフレイの再戦ですが……InvictaFC世界アトム級王者のフレイはやっぱり強かったですねぇ。
    藤井 浜崎選手がフレイとInvictaで対戦したときは、だいぶ攻め込まれて苦しい戦いだったんですが、パンチでカットして逆転TKO勝ちでしたよね。あのときは距離も悪くて詰めすぎていたことろもあったんです。フレイはフィジカルや体幹が強いですし、打撃などでアドバンテージを取ってからテイクダウンに行かないと、元気のままだとすぐに立たれてしまって消耗戦になってしまう危険があったんですね。
    ――スタンドで削っておかないとグラウンドで勝負できない。
    藤井 はい。なので、打撃でまずアドバンテージを取ってから寝技の展開に行けたらいいな……とは思って見ていました。 
    ――1ラウンドと2ラウンドは打撃戦になりましたね。その局面ではフレイが優勢だった……という見方もあります。
    藤井 RIZINの判定基準はラウンドマストではなく全体評価ですよね。でも、なんとなくラウンドマストの感覚で見てたんですけど、1ラウンドはやや浜崎選手が打撃で押していて。2ラウンドになると、フレイのビッグパンチが当たったり、ローキックもかなり効かせてましたね。
    ――3ラウンド目は確実に浜崎選手が制してましたから、フジメグさんの見方では仮にラウンドマストだったとしても浜崎選手の勝ちになりますね。
    藤井 1&2ラウンドはどちらもフレイが優勢だったいう見方はあると思うんですが、近くで見ていたら浜崎選手のパンチがしっかり当たっていたんですよね。とくにカウンターはうまかったですし、ハイキックもいい感じで当てていたので押されていたという印象はないんです。ただ、浜崎選手はフレイのパンチに対してディフェンスがオーバーアクションだったところはありますよね。「これだとパンチをたくさんもらってる印象に見えてしまうのかな」って解説席からは見えました。 
    ――実際はともかく被弾している印象に見えてしまう。
    藤井 2ラウンドだけで見ればかなり危なかったですけどね。 でも、あそこで慌ててしまって、テイクダウンを狙って組みにいったら相手の思う壺になっていたかもしれないんですよ。フレイは組みに関して入りのスピードはそこまでないので、浜崎選手が組んでこないかぎりはテイクダウンができなかったと思うんですよね。
    ――あー、なるほど。浜崎選手が組みにきたときが、フレイにとってテイクダウンできるチャンス。
    藤井 だから浜崎選手が打ち合いだけで勝負してくるのはイヤだったんじゃないのかなと勝手に思ってるんですけど。そこは浜崎選手は冷静に打撃勝負して、焦って組みにいなかったことが功を奏しましたね。いままでの浜崎選手の戦い方を見てると、投げや組みを狙いに行こうとすると、距離が狭まってしまう傾向があるんです。そうなるとフレイのパンチがかなり当たりやすい距離になって被弾が多くなる。フレイの打撃を封じ込めた浜崎朱加のテクニック、そして投げが成功した理由は? 浅倉カンナvs山本美憂をこのあと徹底解説! 
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  • 「WWEのクリエイティブ・プロセスはクソだ、問題はビンスにある」 新日本プロレスデビュー記念、ジョン・モクスリーがWWE離脱理由を激白

    2019-06-07 10:07  
    81pt

    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマは「WWEのクリエイティブ・プロセスはクソだ、問題はビンスにある」 新日本プロレスデビュー記念、ジョン・モクスリーがWWE離脱理由を激白です!!
    【1記事から購入できるDropkickバックナンバー】

    ・狂犬ディーン・アンブローズと呼ばれた男、その過去・壮絶過去の天才ファイター、ローズ・ナマユナスは、本当に引退してしまうのか?
    ・ロンダ・ラウジーが去ったWWEで女王の座を継ぐ者、ベッキー・リンチとは何者か

    ・トマソ・チャンパ/ジョニー・ガルガノのスラッシュストーリーとは何か
    ・間もなく旗揚げ!AEW『Double or Nothing』情報まとめ

    6月5日(水)開催の『BEST OF THE SUPER Jr.26 ~優勝決定戦~』で新日本プロレス・デビューを飾った元WWEのディーン・アンブローズことジョン・モクスリー(33)。ルックスといい、ファイトスタイルといい、筆者の目にはどことなく往年のディック・マードックを彷彿(ほうふつ)とさせたモクスリーは、西部劇風のハードコアなケンカマッチでジュース・ロビンソンを破っていきなりIWGP USヘビー級タイトルを獲得してみせた。日本時間5月26日(日)開催のAEW旗揚げ戦『Double or Nothing』でも、メインイベント終了後にサプライズ乱入、クリス・ジェリコ、ケニー・オメガをまとめて完全KOして怪気炎を上げるシーンがPPVのラストを飾るなど、日米をまたいで一気に台風の目になった様相だ。
    このモクスリーが米国プロレスメディアに相次いで出演、WWE離脱の背景について赤裸々に語り、大きな反響を呼んでいる。複数メディアでの発言をまとめてみよう。
    ***
    「オレがWWEを離れた理由は、AEWができたからではない。AEWがあろうがなかろうが、オレはWWEを離れていた。仮に世界中にWWE以外のプロモーションがなく、WWE以外のプロレスラーが存在しないのだとしても、オレはWWEを離れ、自分で団体を作り、プロレス学校も作って対戦相手を育てようと思っていた。必要なら、プロレスビジネスをゼロから作り上げるつもりだった」
    このような語るモクスリーは、離脱理由はAEWからの勧誘ではなく、自らの意思であったことを強調している。そしてその理由として、一職人プロレスラーとしての創造性や独自性を発揮する余地がまったくなかったことを上げている。
    「煽りについては心配するな、ちゃんとライターがいるから。試合で新しいことをしようと考えなくてもいい。どんな動きをすればいいのかは、プロデューサーが考えてくれるから。ストーリーラインも任せておけ、もう作ってあるから。WWEのやりかたは要するに、全部面倒は見てやる、キミは姿を見せるだけでいい、というものだった」<続きは会員ページへ>

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