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【記事14本13万字】福田龍彌、高木凌、木村柊也、モハメド ヨネ、前田日明炎上……
2025-04-30 23:59800pt非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! 記事14本13万字で800円!!(税込み)
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◎MMAの狩人・福田龍彌13,000字「ワンチャン見せたら、狩る」
◎「憎き」格闘技の現実……RIZIN香川を語ろう■笹原圭一
◎【RIZIN男祭り】高木凌「秋元強真はバンタムの選手だから勝ってあたりまえ」
◎堀口恭司の勝利にかかっている? UFC日本大会の可能性■シュウ・ヒラタ
◎いま最も幻想がある格闘家!日本拳法“史上最高傑作”木村柊也
◎契約の怖い話/チャトリ、ヤバくない?■川尻達也
◎「練習をする」「試合をする」「ケガをしない」元谷友貴の10年■川尻達也
◎【ONE日本大会】武尊選手は壊れていないです■鈴木秀明
◎モハメド ヨネ1万字インタビュー「リング下に懸けた青春」
■プロレス事情通Z
・内藤哲也の新日本プロレス退団と2つの派閥
・ボクらの「アキラ兄さん」の説教は何が問題なのか
・女子プロレスラーよ、全女を愛で殺せ!
・試合を見ずともSNSで批判したくなるプロレスラー、海野翔太
・ヒコロヒーと有刺鉄線電流爆破バット
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3試合連続1ラウンドKO勝ち、MMAの狩人福田龍彌13,000字インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)
――福田選手は京都の山奥にお住まいで、電波も届いてるか怪しいとか。
福田 そうそうそう。停電が起きたら圏外やし、Wi-Fiはなくなるから“陸の孤島”になるんすよ(笑)。
――京都に“陸の孤島”!(笑)。
福田 まあまあ停電が普通に起きるんですよ。大雨や大雪なんかで普通に起きちゃうから、けっこう定期的にね。だから圏外にいることが多いですね。
――いまの世の中、圏外になったら超不便じゃないですか?
福田 なんか焦らんっすね、べつに。俺のこと、知ってる人はみんな思ってるかもしれないですけど、めっちゃレスポンス遅いんですよ(笑)。圏外にいるから時間差になるんです。
――LINEだと既読したのかはわかるから、返信が義務になりがちですけど、そこから解放されているわけですね(笑)。
福田 そうなんですよ。なかなか大変な時代やなと思いますね、ハハハハハハ。
――今日はそんな山奥からいろいろと伺いたいと思います。
福田 はい、よろしくお願いします。
――福田選手は気づいてなかったかもしれないですけど、ちょっと前に福田選手のことをお見かけしまして。
福田 ……マジで? どこですか?
――変な場所じゃないですよ(笑)。DEEPの計量会場で佐伯(繁)さんから大晦日の芦澤竜誠戦のオファーをされたときに、じつは近くにいまして。
福田 あー、いたんや。(青井)人の計量についていったときやな。
――そのあと佐伯さんと話しまして「ちょっと怒ってたから、芦澤戦はやらんわ」みたいな感じで言っていて。
福田 そのこと言ってました?(笑)。いや、怒ってはないんですけどね。なんかびっくりしたというか。もともと大晦日のRIZINは「あるかも、ないかも」みたいな状態だったんですよ。
――マッチメイクが難航していたと。
福田 「あるかも」って言われて「やっぱりないわー」と言われて、そうしたら「このカードやったらあるかも……」って話になったけど、「やっぱなかったわ」と。
――二転三転したわけですね(笑)。
福田 そうなんですよ。で、「あー、大晦日はないか」ってことで、人の試合があるから東京に来たら、佐伯さんを通してオファーがあってびっくりしちゃいまして。しかも想像してへんかった相手やったんで「マジで?」が率直な感想。だから怒ってるようには見えたかもしんないし、「勝負論あります?」って聞きましたし。
――芦澤選手はMMAキャリア2戦ですね。
福田 向こうは勢いあって見せ方の上手な方。ボクは地道に試合内容で積み重ねてるタイプやけど、それが入り混じる時代なんですけど、「勝負論あんの?」みたいな。で、佐伯さんは「やるんだったら絶対にMMAで勝負してね」と言ってくるんですよ。それもまた自分の中で火がついたというか。「俺が負けると思ってんすか?」みたいな。
――芦澤選手は打撃が本職だから、相手の土俵は勝負しないでほしいって意味ですかね。
福田 そうなんですよ。佐伯さん、計量のときも言ってきはったから「ほんま、めっちゃ心配してますやん」みたいな(笑)。まあMMAって絶対がない競技やから、万が一負けたらすごいDEEPの株をすごく下げてしまうことになるんで。まあまあ、そういうことも踏まえてオファーがあったときは、びっくりしたんですよ。
――マッチメイクは「二転三転した」ということは、何パターンかあったわけですよね。ボクもいろいろ噂は聞いてるんですけど、びっくりするカードがあって。
福田 そうなんです。オファーはいただいて、それはかたちにならんかったんで、口外はしないですけど。だからなんというか、自分でもうまいこと把握しきれてへんぐらい「いまそんな話をくんの?」みたいなことが連発してる時期だったんで。自分でも処理が追いついてなくて(笑)。
――圏外にいるから流れについていけない(笑)。
福田 そうそう。流れについていけてないです。
――そして久々に東京に行ったら「芦澤とやってくんないか」と言われるわけですもんね(笑)。
福田 東京に行ったときもいつもビックリしますね。俺の住んでる町の山より、建造物のほうがでかいんですよ。「怖っ!!」ってなります。
――東京には住めないですか?
福田 そう、高校で初めて東京に行ったときに思いました、「ここは住まれへんなー」って。都会、苦手です。
――結局、芦澤戦を受けたじゃないですか。そこは悩みました?
福田 めっちゃ悩んだっすよ。めっちゃ葛藤したし、ボクの身内からも「やる必要あるの?」っていう人もいるわけですよ。「そこでそんなリスクを背負う必要ある?」「勝ってもあたりまえで終わるやん。勝っても何も得えへんやん」という声もあれば、「知名度も上がるし、おいしいんちゃう?」という声もあるし。ボクとしてはやっぱり家族との生活もあるし、戦いたい気持ちももちろんあるんですけど、そういうことをぐるぐる考えてたら、俺がやらへんとなって「逃げた」って言われるの嫌やなって。
――ああ、なるほど。「オファーを受けなかった」という事実だけ残っちゃいますもんね。
福田 はい。もし断るんやったら「準備期間が短いから無理」みたいな感じで断ることになるみたいな話も聞いたりして。それも自分の中では違うじゃないですか。べつに「来週、試合して?」って言われたら俺はできるし。たった1人にでも逃げたって言われるのが嫌だから、いろいろ考えたうえで出ようと思って。やっぱり格闘家は戦うことでしか証明できないんで。「勝ってあたりまえ」って思われるけど、だから仕留め方にはこだわったって感じです。
――そこは「MMAでやってくれ」という佐伯さんの言葉にも火がついたわけですね。
福田 そうです(笑)。ほんまにぶちかましたろとは思いました。それがDEEPのベルトを持ってる人間として、DEEPの看板を背負って出るからには。「芦澤くんに俺でも勝てるわ」って思ってるDEEPの選手も多いと思います。「おいしい試合を組みおったな」みたいに思われてる人もいるかもしれへんけど、だから倒し方というか、勝ち方にこだわる。漬けて勝つとかやったらイージーやから。それやったらべつにチャンピオンじゃなくてもできると思います。だから絶対ぶちかましたろって、失礼のないように全力で仕上げて臨みました。
――ただ勝つわけではないと。
福田 ほんまに隙を見せたらすぐ狩る。それが打撃やろうが、テイクダウンして起き上がり際にサカボしようが。RIZINやし、4点ヒザありやからグラウンドでガチガチに固めてサイドからヒザでガンガンやってもいいし。他の選手じゃあ、できひんような倒し方で勝ってやろうって思ってました。
――そして54秒でKOしたわけですもんね……勝敗予想は福田選手が圧倒的優位だったんですが、佐伯さんじゃないけど「打撃戦になったらヤバイんじゃないか」みたいな声はあったんですよね。
福田 いやまぁ、そう思うのは仕方ないかもしれへんけど……「1回じゃあやってみたら俺と?」って(笑)。
――やれないです(笑)。
福田 ほんま、そんな感じっすよ。普段からキックボクサーと殴り合いはいっぱいするし、WIZARD(京都のキックボクシングジム)にもたまに遊びに行くんですよ。そこにはKrushのチャンピオンとか、トップの子がいたりして、選手はめっちゃ集まるし、そんなところでみんなとヒリヒリしてるんでね。ボクを知ってる人は「打撃になったらヤバイ」と思ってた人は少ないんちゃうかな。
――あの日の大晦日ってキック転向組が全員負けちゃったんですけども。それ以前って転向組がそこそこ勝ってたんで「日本のMMAファイターの打撃はレベルが低い。キック転向組がテイクダウンをおぼえたら4~5年でトップに立てる」みたいな意見が賛同を集めていて。
福田 そうなんですか(苦笑)。MMAがほんまに強かったら、ある程度打撃も強いやろから。MMAで実績を残せる選手は立ち技やっても強いと思います。ムエタイやろうがボクシングやろうが強いと思いますよ。打撃もそれなりにトップいけるようなレベルやと思うし。
記事14本13万字の記事詰め合わせセットはまだまだ続く…
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堀口恭司の勝利にかかっている? UFC日本大会の可能性■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
2025-04-26 06:26200pt
多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー!18000字でお送りします! この原稿はニコニコ生放送で配信されたものです(聞き手/ジャン斉藤)
【1記事から購入できるバックナンバー】・75億円はGFLではなくRIZINに投資したほうがいい■シュウ・ヒラタ・北岡悟の格闘哲学18000字「どれくらい格闘技に懸けているのか?」
・佐藤大輔☓笹原圭一■格闘技の煽り方にまつわる雑談24,000字
・井上直樹、シェイドラエフはUFCに行ってしまうのか■シュウ・ヒラタ
――今日は月に一度のお楽しみシュウ・ヒラタさんのMMAマシンガントークです!
シュウ よろしくおそらく願いします。
――まずはRIZIN香川大会の振り返りからお願いしたいんですけども。シュウさんがマネジメントしている井上直樹選手が判定勝利で防衛をはたしました。おめでとうございます!
シュウ 直樹選手は初のメインだったんですけど。セミ(鈴木千裕vsダウトベック)のほうで盛り上がっちゃったんで、ちょっと観客の盛り上がりがイマイチだったようなように見えましたけども。あと元谷(友貴)選手のほうが声援が多かったような感じがしたんですけど。そこはストーリーが彼を後押ししていたのかなと。
――戦前の予想では直樹選手勝利が多かったので、後半追い上げた元谷選手を応援したのかもしれないですね。
シュウ ファンのあいだでは、このジャッジに関して議論は起きてるんですかね。
――第3ラウンドは元谷選手が優勢だったので、「元谷が勝った!」という声は多かったんですけども、よくよく試合を振り返ると直樹選手の勝ちで妥当だなっていう。
シュウ RIZINはトータルマストですけど、ラウンドマストとはえらい違いですからね。
――でも、これってラウンドマストでも難しいですよね。
シュウ たしかにラウンドマストだったら1、2ラウンドは確実に直樹くんが取って、最後のラウンドは元谷選手。そこで10-8をつけるとドローになっちゃうんですよね。そうなったときの議論としては、タイトルマッチは5ラウンドにするべきなのか。DEEPさんみたいに5人でジャッジをするべきなのかと(笑)。
――5ラウンド制って死闘感は出るんですけども、ダラダラと長引くこともあるので、必ずしも興行的に締まるわけでもないですよね。
シュウ たしかに5ラウンド制のリスクもあると思います。タイトルマッチを2つ組んで判定になったら10ラウンド、3つ組んだら15ラウンドになっちゃいますから、お客さんは疲れちゃますよ(笑)。
――たしかパンクラスでタイトルマッチを3つ4つ並べて全部判定になったことがあったような……。
シュウ 試合後に直樹くんとやりとりしたんですけど、1ラウンド目の途中にオーバーハンドのパンチをもらって、目が見えなくなったそうなんですね。ですから扇久保(博正)選手に負けたときもそうですけど、ケガに対する対応が厳しかったところがあったんですね。
――ケガをしたときにどう軌道修正していくか、ということですね。
シュウ こういうことをいったらRIZINさんに失礼かもしれないけど、直樹くんがRIZINで何回か防衛してまたUFCに行くとなったとします。対世界を考えたときにガチガチのレスリングタイプでスクランブルの強い奴とやったときにどうなるか?っていう課題はまだ残ったままなのかなと思いますね。(キム・)スーチョルをノックアウトしたり、打撃はすごくよくなってるんですけど。UFCに限らず、どこのマッチメーカーも選手の良くない部分を突いてくるんですよ。ボクはマネジメントとしてどうやって売り込もうかってことを考えちゃうんですよね。だからディベートに向かう討論会に向かうみたいな感じで「井上直樹のここがすごい!」ってことをいろいろ考えなくちゃいけないんです(笑)。
――それなりの立場になると、ただ勝つだけじゃダメで、インパクトを残さないといけないってわけですね。
シュウ 試合前に両選手のプロフィールが出ましたけど、直樹くんはまだ27歳ですからね。だけど、もう27歳なんです。
――30歳手前のファイターとしては、ここ1年が勝負ってことですね。
シュウ そうなると「次の挑戦者は誰がいるのか?」という課題がありますよね。クロスゲームになったことで、ファンからすると「元谷選手との3戦目を見たい」のかもしれないですし。じゃあ「ランキング2位の奴がいるの?」って。
――東京ドームのダニー・サバテロvs太田忍はひとつのポイントにはなりますよね。
シュウ そうですね。太田(忍)選手の名前は何回か挙がったことがあるんですよ。一度はやると発表されたけど、直樹くんの病気で中止になったことがありましたし、近くの位置にはいるってことですよね。
――RIZINがサバテロと契約したことはどう思いました?
シュウ 本当は(セルジオ・)ペティスを取りたかったんだと思うんですけど、サバテロがほしかったのかは微妙ですよね。今度(チャーリー)柏木さんに聞いてみようかな。「本当にほしかったの?」みたいな感じで(笑)。
――野球でいうとドラフト1位の抽選で外れたから、外れ1位で指名したみたいなところありますよね。
シュウ ベラトールを離れる選手って行き先としてまずUFCを考えるんですよね。(パトリシオ・)ピットブルもそうでしたけど。
――UFCとしてもそこまでサバテロはほしくなかったのかもしれない。
シュウ もしかしたらUFCからするとサバテロの評価は高くないかもしれない。マネジメントの私としては、直樹選手の価値が上がるような相手として、オリンピックアスリートの太田選手か、ベラトールに出ていたサバテロのどっちがいいか。セールスマンとしてそういうことを考えちゃうんですよね。
――どっちがいいですか?
シュウ いやあ、どっちも微妙ですよね(笑)。
――ハハハハハハ!東京ドームの試合ぶりで機運が高まるかもしれないです。UFCがサバテロを取らなかったのは、強いんだけど、試合があまりスイングしないってふんだんですかね。
シュウ それもあると思います。直樹選手はいつも「やりたい奴いる?」って聞くと、強い奴の名前を出すので。やっぱり(セルジオ・)ペティスや(パトリック・)ミックスを必ず出すんですよね。榊原さんのことだから、まったく諦めずにしぶとく交渉するはずなので、ペティスの可能性もゼロではないと思っちゃうんですよね。
――ミックスはPFLで試合が組まれないことにSNSで不満をもらしてるじゃないですか。RIZINがPFLからレンタルできないことはないけど、お金が相当かかるという。
シュウ ペティスもミックスも安くないですけど、まだペティスのほうが呼べるんじゃないですかね。
――おそらくミックスは考えられないぐらい高いはずですよね。ペティスは堀口恭司との再戦のときに借りてるからけっこう現実的な金額。それでも高いって聞いたんですけども。
シュウ やっぱりペティスはRIZINにも出てますし、この前は負けたけど1回堀口くんに勝ってますし、RIZINでストーリーは作りやすいですよね。
――ただ、それでもPFLから借りるとなると設定されたファイトマネーを払わないといけない。それだったらペティスがフリーになってディスカウントして使いたいってことですよね。
シュウ ペティスとミックスの2人はPFLと明らかに揉めてますよね。コーチ陣もインスタで文句を言っていたり、試合も全然組まれてないと。ここまでやるとリリースしてあげればいいじゃんってボクは思っちゃうんですけど、そうじゃないってことは来年あたりに使いたいんじゃないですか。もしかしたらフライを始めるかもしれないですけど、PFLが何を考えてるか、ちょっとイマイチわかんないですよね。
・東京ドーム・幻の堀口恭司vs井上直樹
・海人vsチャトリ計量バトル
・チャトリの「格闘技に大谷翔平を!」問題
・出場基準が変わったRoad to UFC
・「RIZIN経由UFC」は遠回りではない
・UFCが堀口恭司を再獲得したのは
・UFC日本大会の可能性……18000字インタビューはまだまだ続く
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内藤哲也の新日本プロレス退団と2つの派閥■プロレス事情通Z
2025-04-22 10:45200pt
プロレス格闘技業界のあらゆる情報に精通する「週刊プロレス事情通Z」のコーナー。今回のテーマは内藤哲也の新日本プロレス退団です!
【1記事から購入できるバックナンバー】・リッキー・フジ「今の俺からじゃ想像できないけど、UWFに憧れて……」
・【追悼】ウォーリー山口「プロレスなんでも屋」インタビュー
・ZERO1お家騒動、終結■プロレス事情通Z
・雪妃真矢、ウナギ・サヤカの自主興行後楽園ホール2連戦■プロレス事情通Z
――Zさん! 「プロレスラーもどき」発言で物議を醸した前田日明さんが批判を受けてまた動画を出しました。
Z 動画の冒頭で「高梨将弘選手について前田さんがお気になさった部分」をYoutubeスタッフがカットしたせいで誤解を与えてしまったことがわかった。まずそこにビックリした。なんでカットしたんだろう……。まあ前田さんが受け身を大事だという発言は正しいけど、そのへんはどこの団体も理解して取り組んでいるし、いまのプロレスを全否定されたら反論する選手は出てくる。結局は前田さんの言い方に尽きたわけだけど、そのキャラクターに親しみがあるオールドファンは「さすがアキラ兄さん!」「前田日明の愛情表現!」と受け取る一方で、前田さんをあまり知らないと「馳浩の東京在住」や「万博タクシー」なんかのデマの件もあるから「炎上YouTuber」に見えてしまうのかも。
――分断の時代らしい騒動。「紙のプロレス」の亡霊的仕草と言える「アキラ兄さん」呼び問題は前回のコラムでも触れましたね。
Z 達観してるわけじゃないけど、プロレスというビジネスやカルチャーは80年代からどんどん加速していったことで、いまでも続いているし、そのぶん悪いこともたくさん起きている。それでもお客さんのために身を削って戦うプロレスラーにはリスペクトしかないうえで、プロレスラーになるためのハードルを設定するにはどうしたらいいか。危険な技を制限するにはどうしたらいいか。団体が増えすぎたというなら、どう整理していくべきなのか。昔のやり方は本当に正しかったのか……悲しいことが二度と起きないように、実際に団体に関わる人たちにしっかりと取り組むことが求められる。実際に事故は起きているから、いまのプロレスを叩きたい人は「だからダメなんだ!」と言い切れちゃうし、どうしてもネガティブなニュースのほうがネットでは拡散されやすい。でも、やっぱり理想と実践は違うから。
――そこで気になったのは内藤哲也の新日本プロレス退団もネガティブなニュースなんですけど、プロレス外にはさほど届いてないんですよね。
Z いまのプロレス界って、大物が団体を抜けたところで受け皿になる場所はある程度は見当がつく。野心や野望があっての離脱じゃないからスキャダラスに見えないところもあるんじゃないかな。内藤選手は「新日本プロレス愛」に溢れていたことはファンのあいだでも知れ渡っていたから「内藤哲也が新日本プロレスを抜けるなんて!」という驚きはあったけど。内藤選手1人が抜けたところで新日本プロレスが倒産危機に陥ることはないってことはファンもわかってる。
――いやいや、「非常ベルが鳴っている!」と心配されてますよ。
Z 新日本プロレスは旗揚げ以来、非常ベルがずっと鳴りっぱなしだろ!あと危険ワードとして「非常ベル」はもうやめない?長州力が口にしたのは40年近く前のこと。「アキラ兄さん」より手垢つきすぎた思考停止用語だろ。
――いっそのこと「非常ベル兄さん」と呼びましょう!
Z いまの新日本はたしかに陰りは見せているが、一時期の全日本プロレスのように社内的にも混乱して、「もはや潰れるんじゃないか……」という雰囲気ではない。内藤選手の件を受けて「非常ベルが鳴っている!」って騒ぐ人は本当の非常時を知らないよ!
――でも、タイチ選手は内藤選手の離脱の件を受けて「バラバラじゃねえかよ、全員!」と「非常ベル兄さん」になってますよ。
Z たしかに新日本にも派閥があるそうだ。
・革新と伝統を繋げる「大物裏方」の存在
・内藤哲也のフル参戦は難しいのか?
・新日本の他団体派遣はギャラ以外にも…
・外国人レスラー招聘コスト
・BUSHIのリリースは異例
・新日本の若手はチャンス……まだまだ続く
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【RIZIN男祭り】高木凌インタビュー「秋元強真はバンタムの選手だから勝ってあたりまえ」
2025-04-21 23:38200pt「RIZIN男祭り」秋元強真戦を控える高木凌インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・鈴木千裕vs金原正徳から見えた「スーパータイガーセンタージム」■塩田“GoZo”歩
・「レスリング虎の穴」のストライカー野村駿太インタビュー
・RIZINフェザー級王者・鈴木千裕インタビュー「格闘家は安定を求めたらおしまい」
・RIZINアンバサダー蒼瀬くるみちゃん12000字インタビュー
――5月4日RIZIN男祭りの秋元強真戦まで2週間ちょっとですけど、もう追い込み時期は終わってるんですか?
高木 いまは調整というか、無茶はせず、それでもハードに……って感じですね。
――先程はスタンドからテイクダウン、フィニッシュの流れを入念に繰り返してましたね。
高木 あれは試合前じゃなくても、ずっとやってることですね。やっぱり、ああいう基本的な練習が一番強くなるんで。打撃も入念にやってます。スパーリングだけで終わると雑な部分が残ったりするんで。撮った練習動画を見直すと、やっぱり自分のイメージとは違ったりするので、この差を徐々に埋めていく感じですかね。
――高木選手といえば、派手なKO勝ちに目が行きがちですが、こういう積み重ねの裏に成り立ってるわけですね。
高木 地道にやっていかないと、打撃も当てられないです。
――それぐらい毎日地道にやっていて若いからこそ、年に2試合ペースだともの足りないんじゃないですかね。
高木 まあ、もの足りないですねぇ(笑)。でも久々の試合がこういう大きい舞台だったんで「やっとだな」って感じで楽しみですね。
――試合が決まってないときでは練習に違いはありますか?
高木 まあ、変わらないようにはしてますけど、やっぱり熱量は違いますよね。試合が決まってると、その対戦相手に合わせた練習はするし、その練習が試合では出なくても、その次の次の試合で活かされることもあるので。
――相手に合わせた練習を強いられることで自分のレベルアップにもつながるわけですね。練習スケジュールはどういったものなんですか?
高木 朝と夜ですかね。3部練はあまりしてないです。たまにしますけど、よほどじゃないと……「絶対にこの人に教わりたい」というパーソナルがあればやれますけど。スパーリングをガンガンやって強くなるのかといったら そこまで変わんないと思うんで。だったら朝にやったことを修正して夜やる。また次の日の朝に修正して、まだ見直して夜に……という練習のほうが合ってるんで。まあそこは人によりますけど。
――詰め込みでレベルアップする人もいるけども、高木選手の場合は徐々に修正していくやり方なんですね。
高木 一時期、3部練とか量をやりこんだ時期があったんですけど、ケガも多かったし、それで行き着いたのがいまの練習スタイルです。また変わっていくかもしれないですけど、いまはこういう感じでやってます。
――試行錯誤してるわけですね。いまは試合が決まってなくても、来たるべき試合に向けてドライブし続けている感じですよね。
高木 自分は格闘技をやること自体が好きなので、あんまりつらいって感じはしないですね。遊びに行くにしても朝練してから遊びに行けばいいし。あまり努力している感覚ではないです。減量は仕事って感じなんで、嫌な部分はあるんですけど……。
――減量はもうひとつの試合みたいな。
高木 そうっすね。
――練習場所はパラエストラ八王子だけなんですか?
高木 ここと、あと最近は永末“ニック”(貴之)さんのところで、フィジカルとパンチの技術を教えてもらってます。
――バンテージ職人のニックさん。井上直樹選手も見てもらってますね。
高木 そうですね。井上(直樹)さんはいまケガしてるんで一緒に練習できてないですけど。
――今回の秋元戦のオファーはどう思いました?
高木 「おお、そうきたか」っていう感じで。コンディションを整えれば問題なく勝てる相手だと思います。向こうはバンタムでやっていくと思ってたんで、「フェザーに来るんだ」みたいな。
――秋元選手という格闘家にはどういうイメージがありますか?
高木 秋元選手はこのあいだ初めて負けたじゃないですか(元谷友貴戦)。負けたあとの選手って強くなると思ってるんですよね。自分もある程度までは無敗だったけど、負けたあとはすごく悔しくて。格闘技の向き合い方がすべてが変わったんですよね。
――秋元選手も初めて負けたことで意識が変わり、強くなってるんじゃないかと?
高木 格闘技の考え方を変えて練習をすると思うので、いままでより強い秋元選手で来るんじゃないかなと思ってます。負けてそのまま落ちる人もいますけど、秋元選手は負けて何かを得られるタイプの選手だと思うので。前よりも強い秋元選手のイメージで試合に挑もうと思ってますね。しかも今回は減量はあんまりないから、ある意味いいコンディションになるんですよね。
――減量幅がないことは高木選手のアドバンテージにならないってことですか?
高木 前回は極めましたけど(萩原京平戦)、自分はストライカーなんで。レスラーだったら組み力に差が出るんですけど、ストライカー対ストライカーのときは、普段体重ちょい下げぐらいのほうが一番調子いいと思うんで。自分もコンディションはバッチリで臨みますし、まあ組んじゃったら話にならないと思うんで。
――組んだら話にならないですか?
高木 秒で極めると思いますよ。
――秋元選手はJTTでは寝技が強いほうだという話なんですけど。前の試合では元谷選手の組みに封じられてしまいましたね。
高木 まあ元谷選手はうまいですし、やっぱり練習だと……秋元選手は打撃が強いじゃないですか。打撃が強い人って練習で相手に苦手意識を植え付けさせるじゃないですけど、苦手にさせちゃうことがあるんですよね。打撃を警戒しすぎて、タックルするときも弱気になってすぐ潰れちゃうとか。秋元選手も練習では強いんでしょうけど、試合とは違いますよね。
――萩原選手が高木選手に一本負けしたときに「ストライカーにこの負け方は……」という声があったんですが、高木選手には寝技で勝ち切る力があるわけですね。
高木 あの試合を見て、みんな「ストライカーに極められた」って言いますけど、萩原選手ってカイル・アグォン、牛久(絢太郎)選手、武田(光司)選手、朝倉未来選手にも極められてないですよね。でも、千裕は極めましたよね。千裕は組みも強いですよ。
――ああ、千裕選手も高木選手も萩原選手のことを極めているんですね。
高木 八王子の選手はだいたい全部できるんですよ。自分も組みには自信あるのは、自分と千裕はちゃんと打ち込みをやっているからで。自分の場合、相手が打撃を警戒するから、タックルも入りやすいですよね。打撃のプレッシャーあるからテイクダウンできるし、テイクダウンのプレッシャーあるから打撃も入るし。それがMMAだと思ってるんですけど、JTTにそういう引き出しはなさそうですよね。
・コレスニック戦の気づき
・秋元選手はバンタムの選手
・大学を休学して格闘技に
・塩田館長には選手への愛がある
・「なんでオマエがRIZINに出てるの?」
・ROAD TO UFCのオファーがあったが…まだまだ続く
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ボクらの「アキラ兄さん」の説教は何が問題なのか■プロレス事情通Z
2025-04-17 10:24200pt
プロレス格闘技業界のあらゆる情報に精通する「週刊プロレス事情通Z」のコーナー。今回のテーマはボクらの「アキラ兄さん」の説教は何が問題なのかです!
【1記事から購入できるバックナンバー】・猪木が泣いている!新日本プロレスは終わった!ドームから撤退すべき■事情通Z
・前田日明を信じ、前田日明に失望したU世代の愛憎■小説家・樋口毅宏
・【男たちのプロレス屋形船】友情とカネが砕け散ったWJ……■髙田龍インタビュー後編
・汚れたハンカチ王子騒動……ベースボール・マガジン社の黒歴史/ターザン山本インタビュー
――Zさん、大変です!アキラ兄さん(前田日明)が高梨将弘選手の試合中の事故を受けて、現在のプロレスのあり方を猛批判したことが物議を醸してます!
事情通Z それで現役レスラーたちが猛反発しているね。でもまあ前田さんはおかしなことは言っていない。
――ボクたのアキラ兄さんはやっぱり正しかった!
Z ……いや、受け身が大事だってことはそりゃあ間違いではないですよ。誰もが重視している。話を面倒くさくしてるのは、前田さんの発言に乗っかって「待ってました!」とばかりにプロレスを叩く棍棒派の人たちでしょ。
――いやね、Zさん、アキラ兄さんは愛があるゆえの叱咤激励なんですよ。そこはわかってあげてください。
Z その「アキラ兄さん」って言い方もさ、思考停止なんだよな! どんなに大放談してもキャラクターとして済まそうとしちゃってる。最初は「そうだ、そうだ!」と拳を突き上げていたくせに、何か批判が返ってくると「アキラ兄さんはああいう人だから……」と本質から目をそらす。それじゃあ前向きな議論にならないじゃん。いい加減にやめてくれよ、90年代の「紙のプロレス」的手法はさ!
――ガハハハハハ!こりゃあ痛いところを突っ込まれましたね。
Z 踏み込んだ発言が飛び出しても「ガハハハハハハ!」でウヤムヤにする「紙プロ」的手法がよくないって話だよ!「アキラ兄さん」呼びはこの騒動のポイントのひとつだと思うよ。今回のYoutubeも昔からのファンは「アキラ兄さん」らしいものとして捉えるんだろうけど、いまのファンは「YouTuberの炎上商法」にしか見えない。
――いまのファンからすれば「ガハハハハハハ!」も堀口恭司の笑い方ですもんね。
Z だから「前田日明らしいよね」と言われたところで、ピンとこない人が多いってことは認識してほしいですよ。話はちょっと脱線するけど、プロレスのYouTubeって基本的に昭和モノや事件系しか回らないんですよ。いまのプロレスのどんないい試合をアップしてもそこまで回らない。
――新日本ファンは新日本の動画、ノアファンはノアの動画チェックするけど、他団体を横断しにくい。一方、年配層は昭和というジャンルのターゲットになるってことですね。
Z だから前田さんの「いまのプロレスはなっとらん!」の動画はウケるに決まってる。その反面、「炎上商法」と見る層もいる。あのサムネは明らかに炎上を狙ってるつくりだよね。
――冒頭でZさんはアキラ兄さ……いや、前田さんが間違ったことは言ってないという感想でしたよね。それなのになぜ炎上狙いに見えるのか、見えてしまったのか。
・不毛な議論になってしまう理由
・高梨将弘のことをよく知らない人たち
・空手系のキック技は許されるのか
・ダメージ蓄積という時限爆弾
・道場の憧憬……まだまだ続く
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いま最も幻想がある格闘家!日本拳法“史上最高傑作”木村柊也インタビュー
2025-04-15 17:42200ptRIZIN香川大会の裏メインと呼ばれた横山武司戦で衝撃KO勝利を飾った木村柊也インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】
・「レスリング虎の穴」のストライカー野村駿太インタビュー
・久保優太「シェイドゥラエフに挑戦しないなら、格闘家でいる意味はない」
・朝倉海とパントージャはどこに差があったのか■水垣偉弥
・【RIZIN48 15,000字語り】川尻達也「嫌な練習をしているかは試合を見ればわかる」
――練習は今日(4月8日)から再開されたんですね。
木村 そうですね。試合のダメージはなかったんですけど、減量だったり身体に疲労が溜まっていたので抜かないと、ということで。
――木村選手はキャリア5試合すべて1分ちょっとで終わらせてるじゃないですか。ずっと準備してきた身としては、やや物足りないところもあったりするんですか?
木村 いやあ、自分は1秒でも早くリングを下りたいです(笑)。もう手っ取り早く終わらせたい。何か試合で試したかったと思ったことはないですね。だから打撃が当たると思ったら、もう「行っちゃえ!」みたいな。
――やっぱり余計なリスクを背負いたくないですよね(笑)。
木村 もちろん試合に向けていろいろと準備はするんですけど、それを試すというよりは感覚で動いて倒すという感じです。相手のクセはわかったうえでやってますけど、その中で自分の動きを出せないと勝てないんで。
――今回の横山武司戦も凄まじいフィニッシュというか、とんでもない打撃音が……。
木村 最後のフィニッシュも感覚では当てに行きましたけど、ずっと練習していました。自分の得意なかたちでもあるんで、そこにどう持ちこんで、どう出していくか、と。
――あの瞬間は手応えがありました?
木村 ありましたね。まあ毎回手応えはありますけど、毎回違った手応え。結局、相手は倒れてるんですけど、タイミングや当たりどころは毎回違うんですよね。とくに、今回はそこまで振り抜いたパンチではなく、ポイントでガンと当てる感じだったんで、振り切って倒したときの感触とはまた違いましたね。
――それでもあんなふうに倒せてしまう。
木村 それはもう距離感やタイミングがすべて合ってたんで。でも、横山選手は組まれたら危ない選手だったので、何も考えずに突っ込んでいくとたぶん寝技の餌食になる。そこはいろいろ考えながらやってました。
――横山選手も当然、組みを狙ってきましたけど、怖さは感じましたか?
木村 いや、危ないとは思った瞬間はなかったし、予定どおりでした。グローブタッチしてからすぐに飛んでくるということ、そのあとも普通のタックルを混ぜながら狙ってくることはすべて予想してたんで。あとは自分の距離を大事に保って動けば、当たるだろうと。試合時間も1分以内ではあったんですけど、自分としてはけっこう長かったですね。
――もう内容が詰まっていたわけですね。
木村 そうですね。いろいろフェイントをかけたりして、頭を使って戦っていたから、1分でも凄く長く感じます。あの一発を当てるために、じつはいろいろやってるんで。
――まったくわかりませんでした!(笑)。
木村 いや、たぶん見る側だとわかんないと思いますね。実際にボクも横山選手の圧をかなり感じていたし、そこはリングの中にいるふたりにしかわからない駆け引きもあるというか。ボクもどう言葉で伝えていいかわからないです。そこを詳しく言える人はいないんじゃないですか? 独特の間合いとか、何もしてないのにフェイントにかかったりするので。
――何もしてないのにフェイント!心理戦ですね……。
木村 目線だけでもフェイントになるので、それはもうカメラから見ただけでは絶対わからないと思います。そのフェイントも感覚だったりするし、その駆け引き自体も自然にやってるので。
――格闘技って相手に主導権を取られると簡単には取り戻せない……と言われますけども、その駆け引きという流れの中で戦ってるからこそなんですね。
木村 ああ、そこはあります。
――でも、その感覚も日々の練習で身体に染み込んでるというわけですか。
木村 試合が決まってからずっとそのことしか考えてなかったです。それに初めて戦うタイプだったんで。いままでは自分が強引に前に出てもし組まれても、対処できるという自信があったんですけど。今回ばっかりは強引に行くと狙われる。「そこだけは絶対に注意しよう」と自分に言い聞かせてましたね。本当に冷静に冷静に距離を保って……みたいな。
――寝技に特化してるタイプだからこそ、よけい慎重に。
木村 レスラーのテイクダウンじゃなくて、自分から引き込んでくるタイプはなかなかいないんで。
――木村選手が所属するBRAVEでもそういう選手はいないわけですね。
木村 基本的にはレスラーが多いし、みんな突っ込んでくるタイプですよね。いまのMMAだと引き込みはパウンドを打たれるリスクもあるから誰もしないじゃないですか。引き込んでからの極めの力はどの選手も勝てないんじゃないか、というものを持っているので。そこは本当に注意してましたね。
――今成(正和)選手なんかもそうですけど、特化型のやりづらさはありますよね。
木村 まあ、やりたいとは思わないですよねえ(苦笑)。
――そんな横山戦のオファーがあったときはどう思ったんですか?
木村 まさか完全なグラップラーで日本のトップ選手といきなりやるとは思ってなかったんですね。試合まで期間があったのでやれることはやろうという感じでした。
――あんまり断る理由もなかったというか。
木村 もう即答でした。RIZINデビュー戦だし、もう相手が誰であろうとKOするしかないんですけど。じつは、もうひとり候補の選手がいたんですけど、「たぶん横山選手になると思うけど、選べるならどっちがいい?」みたいな感じだったんで。
――その選手は誰だったんですか?
木村 ◯◯選手ですね。
――あー、そのカードも絶妙! 宮田(和幸)先生から選択のアドバイスはありました?
木村 まあ、宮田先生も「正直どっちも変わんないよ」みたいな感じだったんで。ただ、「横山選手は寝技は本当に強いからそこだけ気をつけないと」とは言われましたね。
――たしか実力は遜色ないですけど、横山選手には一発がありますよね。
木村 ボクは総合はよくわかんないんで「どっちでもいいです」と。
――木村選手は総合格闘技はあんまり詳しくないんですか?
木村 わからないです(キッパリ)。
――えー! ……UFCはわかりますよね?(笑)。
木村 もちろんわかります(笑)。でも、本当に有名選手しか知らないですね。自分の試合や対戦相手の試合は見るんですけど、いまは他の選手の試合を見る段階にまだいないと思っているんで。
――「段階」ですか?
木村 ボクはまだ総合の初期段階にいると思っているんで、強い選手の動画を見て吸収する前に、まずは基礎を学ばないと何もできないじゃないですか。だから、余計な情報を入れたらぐちゃぐちゃになるかなって。自分の目で見て体験した練習には学びはあるんですけど、動画を見ての勉強はまだないですね。
――いまってSNSの時代で情報があふれてますけど、そこは取り残される感覚ないですか?
木村 ないです。試合動画を見て「これ、いいな」みたいに感じることもないですし。
――そこは将来を見据えて取り組んでいるんですね。木村選手といえばバックボーンが日本拳法。日本拳法の幻想がまさか令和によみがえると思わなかったんですけど……いまは日本拳法自体をよくわかってない人も多いですよね。
木村 9割くらいは知らないんじゃないですか?(笑)。
・最もMMAに近い武道、日本拳法
・なぜ日本拳法は一撃必殺なのか
・ノア拳王も日本拳法ですごかった
・BRAVEでよかった
・日本拳法の距離感に相手は慣れない……1万字インタビューはまだまだ続く
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「練習をする」「試合をする」「ケガをしない」元谷友貴の10年■川尻達也
2025-04-14 18:18200pt川尻達也が振り返るRIZIN香川大会13000字です(聞き手/ジャン斉藤)*配信されたものを再構成したテキストになります【1記事から購入できるバックナンバー】・【元・静岡県警のマル暴刑事】 関根“シュレック”秀樹 薬物犯罪捜査を語る【12,000字】
・鈴木千裕vs金原正徳から見えた「スーパータイガーセンタージム」■塩田“GoZo”歩
・セコンド大塚隆史が見た朝倉未来戦「蓮くんは五輪アスリート級の取り組み方だった」
――アオシン(DEEP佐伯社長夫人がつけた青木真也のあだ名)に「解説・乞食」呼ばわれされている川尻さんにRIZIN香川大会の感想を伺います。
川尻 「解説・乞食」ってなんなんですかね?よくわかんないですけど、青木も「note乞食」ですからね(笑)。
――アオシンは「RIZIN note乞食」ですよ(笑)。
川尻 たしかに(笑)。Youtubeをやっていた格闘家を散々バカにしたのに、自分もYouTubeを始めるしさ、めちゃくちゃですよ!
――そこもアオシンらしいんですけど(笑)。ところで、川尻さんは朝倉未来の対戦相手に立候補しないんですか?
川尻 しましたよ。笹原さんに「5000万円で朝倉未来戦をやってやりますよ!」って言いましたよ(笑)。
――5000万?(笑)。
川尻 「じりラジオ。」で、ボクと笹原さんと佐伯さんでお酒飲んでるところで録ったときに。「朝倉未来の相手誰になるんですか?」「川尻くんでしょ」「じゃあ、5000万ならやります」って。
――真面目な話、誰になると思います?
川尻 いやぁ……平本蓮がダメで、YA-MANと鈴木千裕が負けて、皇治が書類送検でしょ。萩原京平が本命だとしても、ボクは五味隆典がいいなぁと思いますね。困ったときの五味隆典です。もしものときのために絶対に練習してると思いますよ。
――五味ちゃん、66キロまで落とせます?
川尻 66(キロ)は無理じゃないですか。73(キロ)でいいんじゃないですか。それしかないでしょ、PPVが売れるの。見たいのは俺ら世代だけかな、若い子は見たくないのかな。
――PRIDE世代のボクでも全然ピンとこないなぁ。
川尻 マジっすか?ボクはめっちゃ面白いけどね。
――五味ちゃんのことは大好きなんですけど、スーパーファイトをやりすぎちゃって新鮮さがないかなって。那須川天心、皇治、鈴木千裕ともやったし、正直どの試合もインパクトは残してないじゃないですか。だから、選びづらい。
川尻 そうなると萩原か、金ちゃん(金原正徳)か。その2人のどっちかじゃないの?
――萩原京平がどうしても無理だったら、金原選手じゃないですか。
川尻 それで東京ドーム5万人が埋まるかどうかですよね。
――そこはもう狙ってないんじゃないですか。とりあえず大会を成立させることが第一で。そもそも平本蓮vs朝倉未来の再戦だから東京ドームという箱を押さえたわけで。
川尻 格が合う選手がいないですよね、朝倉未来が抜けすぎてて。
――実力という部分でいえばいるんでしょうけど、東京ドームのビッグイベントのメインを締められる存在感ですね。
川尻 そうですよねぇ。五味は俺とセミでやるってことで。
――川尻さん、できるんですか?(笑)。
川尻 五味ちゃんとだったら、明日でもやります。
――レジェンドファイターを札束でかき集めているGFLからオファーはないですか?
川尻 GFLはめっちゃファイトマネー、いいんでしょ?金あるんでしょ?(笑)。
――売り込んでみてくださいよ(このあと旗揚げ戦が中止)。というわけで、本題に入りたいんですが、RIZIN香川はどうでした?
川尻 めちゃくちゃ疲れた。香川は遠くないけど、遠征は大変ですね。土曜日に行って、月曜日に帰ってきて、火曜日からまたジムですからね。その前にONE日本大会の解説もあったじゃないですか。だから、もう大変でした。
――「解説・乞食」でも疲れますか。
川尻 疲れたけど、香川は面白かったですよ。観客もめっちゃ入ってたし、すごい盛り上がってましたね。萩原京平が勝ったときが一番盛り上がったんじゃないかな。鈴木千裕vsダウトベックもすごかったけど、萩原が勝ったときがすごかったですね。
――ボクは常々「会場組」と「ネット組」は生き物として違うと言っていて。両方兼ねていることもあるんですけど、萩原京平の試合が一番盛り上がるって、明らかにハードコア層の反応ではないですよね。
川尻 たしかに。ちょっと驚きましたよ、「こんなに人気があるんだ!?」って。
――川尻さん、解説で「萩原京平、復活!」と熱く語ってましたよね?
川尻 そうですね。
――あれって会場の熱気に押されて出た言葉なんじゃないかなって思うんですよね。このクラスの相手に勝ったからって競技者として「復活!」かというと、また違うじゃないですか。
川尻 それだけ萩原京平がRIZINファンから求められてるってことですよね。あんだけ負けてたら、あんまり期待されなくなると思うんですけど、やっぱり主役を張らなきゃいけない1人なんだなと思いました。かっこいいし、華もあるし。あの顔と華が俺にあったら、もうちょっと人生が変わったと思うんだけどなあ。
――川尻さんは浅野忠信似なんですから、そんなこと言わないでください。
川尻 それ、ジャンさんしか言ってないでしょ(笑)。
――香川の街で「なんでRIZINに浅野忠信が!?」って囲まれませんでした?
川尻 佐伯さんのほうがすごいんですよ。夜の街で「佐伯さんですよね!」とかめっちゃ声をかけられて。俺も笹原さんもいるのに「佐伯さん」「佐伯さん」ってブレイキングダウン効果ですよ。
――水をかけられて全国区になったんですね(笑)。
川尻 水もかけられるべきなんだろうなって思いましたよ(笑)
――佐伯さんがブレイキングダウンで水かけられたときに、ファンや選手が「佐伯さんにあんなこと!」って怒ってたじゃないですか。正直「水をかけられておいしいじゃん」ぐらいの感じはあったんですよね(笑)。
川尻 むしろ「なんであそこにいたDEEPの選手は暴れないんだよ」って思いましたよ。よーでぃーがきっかけを振ってくれたのに。あそこで向かっていける瞬発力が必要ですよね。もったいないですよ。めっちゃ目立てるのにと思って。
――そんな佐伯さんの話はともかくとして、RIZIN香川なんですけど。最初に聞きたいのは井上直樹vs元谷友貴、試合が終わった瞬間、判定はどうなると思いました?
川尻 「難しいな、どっちに入ってもおかしくはないな」とは思いましたね。ボクは後半のインパクトで元谷選手かなって思いました。前半は井上選手がジャブとカーフで空間を制してたけど、右もそんな当たってなかったし、「これだ」っていう攻撃はなかったじゃないですか。それよりは後半の元谷選手の攻めがにジェネラルシップがつくのかなと思いましたけどね。ジャンさんは?
――ボクはジャッジに向いてないなと思いましたよ。ボクは元谷選手なんですけど、試合直後はそこに疑いを持ってなくて。よくよく試合を見たら井上選手の勝ちも充分あるから。
川尻 ああ、完全に元谷だなって感じだったんですか?
――そこは感情的に見ちゃったんでしょうね。試合に至るまでのドラマや、前半は耐えて主導権を奪い返して攻勢で終わった。「もう元谷でしょ!」って決めつけちゃったんだけど、よくよく試合を見ると……。
川尻 トータルマストのジャッジって、わかりづらくないですか?試合後の酒の席で笹原さんに「なんでラウンドマストにしないんですか」って言っちゃいましたからね。
――ラウンドマストだとポイントアウトしようとするから……ってことでしょうね。
川尻 いまポイントアウトする選手いなくないですか?昔はUFCにもいたけど、UFCも勝つだけじゃなくて内容を求められてるから、しっかり最後までやりきりますもんね。
――それにいまはテイクダウンしてもあたりまえのように立ってきますし。
川尻 みんな倒しにいってますよ、最後まで。求められてるものは、昔と違ってもっと高いレベルを求められてるから、あんまり1&2ラウンド取ったからって3ラウンド流す選手は、とくにRIZINみたいなメジャーな舞台にいないですけどね。
――でも、井上vs元谷はラウンドマストでも揉めないですか?
川尻 ああ、揉めますね。この試合はどっちでも揉めますね。
――1ラウンドは井上直樹じゃないですか。3ラウンドは元谷。
川尻 2ラウンドはやっぱり割れますよね。ラウンドマストでも難しかった。
――最終ラウンドであそこまで魅せちゃうと「元谷でしょ!」って言いたくなる人が出てきますね。戦前の予想だと以前は井上選手が瞬殺してるし、元谷選手は歯が立たないんじゃないかなって声は多かったですけど。
川尻 元谷選手は秋元(強真)戦もあんな感じですよね。コーナーを背負ってガード固めて相手の様子見つつ、要所で攻めてテイクダウンを取る。そこはやっぱり組みの強さがあるからできることです。レスリング力もタックルもうまい。井上選手は総合力が強いから返していたけど、後半はいつもどおりって言ったらあれだけど、スタミナ消費して動きが悪くなってきて。元谷選手がそこをしっかり攻め込んだ作戦もよかったし、ボクは元谷選手勝利予想だったんですけど……。
・ケガしない方法
・なんで地味強のサバテロを呼んじゃうの?
・木村柊也はバケモン
・野村駿太は青木真也以来の衝撃
・万智は殺伐とした時代の救い
・伊藤裕樹の打撃はUFCクラス……13000字インタビューはまだまだ続く
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ヒコロヒーと有刺鉄線電流爆破バット■プロレス事情通Z
2025-04-11 20:57200pt
プロレス格闘技業界のあらゆる情報に精通する「週刊プロレス事情通Z」のコーナー。今回のテーマはヒコロヒーと有刺鉄線電流爆破バットです!
【1記事から購入できるバックナンバー】・【プロレスはやっぱり奥が深い!】安田忠夫が語る「哀しきジャブボーイとイジメ」
・第5代新日本プロレス社長から見たシンニホン暗黒時代■サイモン・ケリー
・大谷晋二郎選手の試合中の事故について■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
・長井満也「我が青春のスーパータイガージム、シュートボクシング」
――Zさん!有刺鉄線電流爆破バットがじつは痛くないんじゃないか……と世間から疑いの目で見られています。
事情通Z TBSのバラエティ特番『オールスター後夜祭』でクイズの成績が最下位だったヒコロヒー。罰ゲームとして大仁田厚選手から有刺鉄線電流爆破バットを食らったけど……爆破後ヒコロヒーは何かダメージを感じさせることなく普通にコメントしていた……やつだね。
――電流爆破幻想が爆破されたとも言えますよ!
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契約の怖い話/チャトリ、ヤバくない?■川尻達也
2025-04-08 21:32200pt契約の怖い話/チャトリ、ヤバくない?■川尻達也(聞き手/ジャン斉藤)*配信されたものを再構成したテキストになります【1記事から購入できるバックナンバー】・世界のTK“引退激勝”高阪剛16000字インタビュー
・【タメになる15,000字】扇久保博正が語る「格闘技の深淵」
・「30代からではもう遅い!20代から真剣にやってきた者だけが生き残る」■川尻達也・宮田充K-1&Krushプロデューサー「誰がいなくなれば、誰かが出てくる」
――ONE日本大会の海人vsグレゴリアンの計量オーバーが騒ぎになってますけど、川尻さんが海人選手の立場だったら試合をやります?
川尻 うーん……初参戦で、団体とコミュニケーションもあんまり取れてなくて、信頼関係もないなら、キャッチウエイトでもやらないかもしれないですね。けども、戦わなきゃファイトマネーがもらえないなら、やるかもしれないです(笑)。やっちゃうかもなあ。
――計量オーバーされた側が試合を受けるかどうかって、選手の置かれた状況によって異なるじゃないですか。「武尊だったら受けていた」という声もあるんですが、武尊選手と海人選手では立場が違うし、武尊選手はやらざるをえないところもありますよね。
川尻 この2試合は全然違うしね。武尊選手は自分の試合がメインで日本大会をやるから「キャッチウエイトではやりません」とは言いづらいけど、海人選手はワンマッチ契約だし、べつにONEも背負ってないし、むしろお客様なのに「こんな扱いなのかよ」って不満は出てくるよね。
――だから海人選手の試合は、興行論で語れないんですよね。おそらく武尊選手にはあんな扱いされないでしょうし。「海人の試合が見たかった」と「海人は試合を受けるべきだった」は近くて遠いものなので、ごっちゃしている意見にはモヤモヤして。
川尻 インパクトのある勝ち方をした青木(真也)や吉成(名高)くんに5万ドルボーナスが出なかったのは、あくまでお客様だからで、そこはあらかさまだもんね。
――ちょっと前までアオシン(DEEP佐伯社長夫人がつけた青木真也のあだ名)も武尊選手と同じようにONEファミリーの一員だったけど。海人選手のような扱いを受けたらキャッチウエイトは受けてないでしょうね。
川尻 まあ、受けないでしょ。というか、チャトリさんの言ってることがめちゃくちゃじゃないですか。記者会見のときから、日本で大会をやるのに日本を小馬鹿する感じで。「日本で何がしたいの?」って思わないですか?
――ONEは昔からあんな感じなんですよね。チャトリというか、ONE周辺の日本人関係者がなぜか日本の格闘技ファンを敵に回す言動を繰り返していたから、ONEのファンが増えるわけがなかったんですよ。
川尻 海人選手の件もチャトリさんの周りに「それは言わないでください」って止める人はいないの?マジで怖いんですけど。
――チャトリはワンマンすぎるから、スタッフもちゃんと報告できてないんじゃないかなと。
川尻 ああ、なるほどね。笹原さんみたいな部下がいればいいのにね。
――いや、笹原さんは止めるどころかガソリンを追加することがありますからね(笑)。
川尻 笹原さんは面白くするというか、楽しんでますよね。チャトリさんは面白くないんだよな。
――ことあるごとに「格闘技界の大谷翔平を作りたい」と言っちゃうセンスって、めちゃくちゃダサいじゃないですか(笑)。
川尻 ハハハハハ。
――大谷翔平はたとえるにはもはや次元が違うし、その手のモノサシは日本では飽きられている……ってことをアドバイスできる人がいないのかなって。
川尻 そもそもチャトリさんって昔からあんなんでした?青木のセコンドについてるときはニコニコしているお兄さんのキャラでしたけどね。ここ数年でマスコミとか誰も信じられなくなってんじゃないですか。海外メディアもお金の件でいろいろと暴いてたし、もう誰も信じられなくなってるのかなって。周りは「全員、敵だ!」みたいな。
――スポークスマンになると怪物化していくところはありますね。榊原さんもPRIDEとRIZINではキャラクターが違ってますし。
川尻 榊原さんの場合は柔らかくなってるじゃないですか。昔は「裕!」とか「蓮!」とか下の名前呼びなんか絶対しなかったっすよ(笑)。PRIDE武士道の頃は、こっちに降りてこなかったですよね。武士道は担当じゃないって感じで。榊原さんと交流したことなかったから。
――榊原さんはPRIDE武士道は基本ノータッチだったし、スポークスマンには高田(延彦)さんがいた。RIZINではその役回りをこなすことで覚醒化していったというか。あとプロモーターはみんな「ビンス・マクマホン化」するんですよね。
川尻 WWEはそんなに詳しくないけど、たしかにビンスっぽいですね。
――ダナ・ホワイトだってビンス的じゃないですか。
川尻 ダナ・ホワイトもそっかあ。でも、ダナ・ホワイトはちょっと許せちゃうじゃないですか。チャトリさんはなんでイラっとくるんですかね。
――ダナはどこかユーモアがあるんですよね。「眠れないときにはベン・アスクレンが必要だ。彼はMMA史上最も退屈なファイターだからな」「ベン・アスクレンの試合を見るんだったらハエの交尾を見たほうがマシだ」とか(笑)。
川尻 ハハハハハハ。たしかにダナにはお茶目なところがありますからね。
・いまONEで最も見たいのは海人vsグレゴリアン
・黒田斗真選手のK-1契約告発
・契約がないのに縛られた時代の話
・宇野薫が裏切り者扱いされた日
・いま振り返りたいトライハード騒動……まだまだ続く
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「憎き」格闘技の現実……RIZIN香川を語ろう■笹原圭一
2025-04-08 06:25200pt
大会後恒例!RIZIN広報・笹原圭一さんの大晦日総括15,000字です!(聞き手/ジャン斉藤)
【1記事から購入できるバックナンバー】・10回目のRIZIN大晦日19,000字で振り返る■笹原圭一
・「レスリング虎の穴」のストライカー野村駿太インタビュー
・75億円はGFLではなくRIZINに投資したほうがいい■シュウ・ヒラタ
・佐藤大輔☓笹原圭一■格闘技の煽り方にまつわる雑談24,000字
――RIZIN香川大会のリング上から堀口恭司のUFC参戦が発表されました!
笹原 いろいろ噂は流れていたと思うんですけど、ようやく正式にアナウンスできましたね。
――堀口恭司は同じATT(アメリカン・トップチーム)所属の元谷友貴選手のセコンドとして来日してたんですよね。
笹原 そうです。我々としては一番最初にRIZINファンに向けて発表したかったので「香川大会で発表させてほしい」とUFC側と交渉していたんですよ。
――そんな交渉をしてUFC側からOKをもらっていたにもかかわらず、「憎きUFC」とか言っている人がいましたけど(笑)。
笹原 ハハハハハ。リング上で全世界に向けて言ってましたね(笑)。
――榊原さんの「憎きUFCのベルトはRIZIN王者が取るしかない」という激励が最高ですよね、この「憎き」というワードセンス!
笹原 大雑把な進行台本はあるんですけど、何をどう話すかは社長にお任せなんですよ。あそこで「憎きUFC」という言葉が出てくるのはさすがですよね。直訳すると思いっきり誤解されそうですけど、あの行間を読み取ってほしいです(笑)。
――ダナ・ホワイトの部下が「RIZINがケンカを売っていますよ。やっぱり信用ならないです」と報告しても、ダナは「アイツはそういう奴だよ」と笑ってくれそうですけど(笑)。榊原さんにとってダナは戦友でもありますから、そこには複雑な感情にあるってことですよね。
笹原 「憎たらしいけど尊敬している。尊敬しているけど憎たらしい」みたいな感情が常にシーソーにみたいに揺れているってことだと思います。UFCに対して最大限のリスペクトはもちろんありますけど、その一方でRIZINは「UFCの下部団体なんかじゃねーぞ」という意地もある。まさに「愛憎」と呼ぶに相応わしい言葉だったんですけど、海の向こうにおもいっきり誤解されて伝わっている可能性ありますよね(笑)。
――RIZINは夏からフライ級GPをやる予定ですし、王者の堀口恭司がUFCに行ってほしくない気持ちもあるわけですよね?
笹原 そりゃそうですよ。みんなが思っている以上に我々は堀口恭司に愛情がありますから。これは愛憎じゃなくて(笑)。
――「RIZINに残ってフライ級を磨いてほしい」ってことですよね。
笹原 でも、堀口選手はUFCに戻りたいとずっと言ってましたし、無理やりつなぎ止めることはしたくないんですよね。
――朝倉海選手の時もそうでしたけど、RIZINはいつもそのスタンスですよね。
笹原 そうです。大晦日の試合後のお正月に社長と一緒に堀口選手とご飯を食べたんですけど、そのときにいろいろ話をしたんですよね。堀口選手はボクらの今後のプランに耳を傾けてくれましたけれども、本人の熱い気持ちとしては「UFCに戻りたい」と。だったらRIZINからもUFCにアプローチしようということになったんです。
――榊原さんがUFCに推薦文を出したんですよね。敵対団体に選手を推薦するって凄くないですか?(笑)。
笹原 「敵に塩を送る」って言葉がありますけど、今回のは「ダナに塩を送る」ですよ(笑)。
――「地獄の上杉謙信」榊原信行!
笹原 RIZINからUFCにレターを送りましたし、堀口選手が所属するATTからの働きかけも当然あったと思いますけど、UFCからすると両者から言われて重たい腰をあげたってことだと思います。
――堀口選手ってRIZINと契約しているわけじゃないですよね?
笹原 ベラトールの契約が終わったあとは、RIZINとはワンショットの契約で試合に出てもらってましたね。
――それでも堀口選手のためにRIZINはこうして動いたし、UFC参戦発表の場はRIZINのリングだった。そこは契約を超えたつながりがあったと。
笹原 そうです。そこは契約云々ではなく、堀口恭司が一番カッコよくなるように送り出そうと思って動いたんです。あと、みなさんは普通に受け止めてますけど、UFCの発表をRIZINのリングでやるってすごいことですからね。こんなのRIZINしかUFCは認めないと思いますよ。だからもっとRIZINも褒めてほしい!(笑)。
――今後はUFCファイターになっちゃうんですけど、RIZINを救ってくれたというか、RIZINに大きく貢献してくれた選手なので、できるだけカッコよく旅立ってほしかったんですよね。
笹原 だから書面でリリースではなく、ファンの前で報告してもらうことにボクらはこだわっていて、それをUFC側も理解してくれたってことです。そこは信頼関係……という言葉にすると軽くはなっちゃいますけど、でもそこが一番大切ですからね。
――団体と選手は契約だけ成り立っているわけではない。独占契約や違約金で縛るものじゃないぞと(笑)。
笹原 なんの話をしているのか全然理解できません(笑)。そこは団体によっていろんな考えがありますけど、RIZINにはRIZINのやり方があるってことだと思います。もちろん契約は大事ですよ。何をやるにしても契約を守るのがいまの社会のあり方ですけど、決してそれだけじゃない。根っこのところの信頼関係は本当に大切です。
――笹原さんはことあるごとに言ってますよね。契約どおり、話が運ぶならこんな楽なことはないと。
笹原 もう2億回くらい言ってますけど、契約で片付くなら、世の中こんなにトラブルや争い事は起こってないですよね。
――ジャパンプロレスが新日本プロレスにUターンするときにマサ斎藤さんが「紙切れ一枚で俺たちを縛ることはできない!」って吠えましたけど(笑)。
笹原 あの当時のプロレスファンは「契約で縛るなんて酷い!」という反応が大部分を占めてたんですけど、まあボクもそうでした(笑)。でも契約で縛るのは団体からすれば当然じゃないですか。勝手にあっちこっちに行かれても困りますから。でも、いまになってマサさんの気持ちもわかるし、あれを言われて「紙切れ一枚が大事なんですよ」と言った馬場さんの気持ちをもよーくわかります(笑)。
――かなりいい話しているんですけど、例え話がジャパンプロレスだから伝わってないかもしれないです(笑)。
笹原 そこはぜひググって、なぜ谷津嘉章さんが残留したかまで調べてほしいですね(笑)。
――びっくりしたのは堀口恭司がベラトールからフリーになったときではなく、このタイミングで契約したことなんですね。これって朝倉海のUFCデビュー戦のインパクトがあったことで、UFCとしてはアジア市場進出もあっての再獲得なのかなと。
笹原 海選手の反響はプラスに働いていると思います。
――堀口恭司がUFCをFAしたのは、日本市場の影響力がないってことでUFCから低評価を受けたからですけど。RIZINで活躍することで日本市場の人気を獲得して、またUFCに舞い戻るのはドラマチックですよね。RIZINと一緒に作り上げてきたからこその契約だった。
笹原 堀口選手のUFCデビューがいつになるかわからないですけど、RIZINファン全員で応援してほしいですね。
――堀口恭司不在となったRIZINフライ級ですが、夏からフライ級GPをやります。
笹原 はい。堀口選手がいなくなってもRIZINの物語は進みますから、フライ級の選手には「ここがチャンスだ!」と奮起してもらって、堀口選手に「やっぱりRIZINに残ったほうがよかったな」と思わせるほどの盛り上がりを見せてほしいですね。
――ズバリ優勝候補のオギちゃん(扇久保博正)を脅かす選手が出て来るかどうかですよね。
笹原 まだフライ級GPのメンバーは固まってないんですが、この「オギちゃんの壁」を越えていくのは相当大変ですよ!
――いまの日本は強豪外国人ファイターを招聘して「世界の壁」を経験させてますけど、日本には「オギちゃんの壁」があると(笑)。
笹原 「そんな壁、超えてやりますよ!」とか言ったら「しゃべるな!」って怒られますし(笑)。
――ここまで言うからにはオギちゃんはGPに出るんですよね?(笑)。
笹原 「どうせ優勝するから出すのをやめよう」と社長がいう可能性はあります(笑)。
――ハハハハハハハハ!笹原さんから推薦文を書いてくださいよ!(笑)。
笹原 メンバー発表の瞬間までドキドキさせたいですね(笑)。
――そろそろRIZIN香川を振り返っていただきたいんですが、めちゃくちゃ盛り上がりましたね。
笹原 なによりお客さんの熱がすごかったです! 会場のあなぶきアリーナ香川もものすごく見やすくて素晴らしかったですね。オープニングファイトのときから7割、8割くらい埋まってました。
――第1試合じゃなくてオープニングファイトから? 第1試合から満員だったRIZIN大晦日にビックリしていたヌルマゴが失神して初黒星を喫しますよ(笑)。
笹原 香川の光景を見たらヌルマゴも鼻からうどんを吹き出したと思います(笑)。オープニングファイトは地元の選手たちが中心だったんですけど、それにしても普通はそんなに埋まらないじゃないですか。お客さんたちは「いまか、いまか」って試合開始を待ってたんです。あと若いお客さんが多くて「こんなに若い子がRIZINを楽しみにしているんだ」って嬉しかったですね。
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