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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「湯浅監督は『デビルマン』より『約束のネバーランド』のアニメを作る方がいいよ」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「湯浅監督は『デビルマン』より『約束のネバーランド』のアニメを作る方がいいよ」

2018-01-30 06:00
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    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/01/30
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    今回は、ニコ生ゼミ1月21日(#214)から、ハイライトをお届けいたします。

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     湯浅監督は『デビルマン』より『約束のネバーランド』のアニメを作る方がいいよ


     じゃあ、ネットフリックスの『デビルマン』の話をしてみようと思います。

     ネットフリックスのデビルマンを語ってくれって言う人も多いので、ちょっと語ってみようと思うんですけども、アンケートをとりましょう。


     ネットフリックスのデビルマンですね、皆さん見たでしょうか?


     1、見てない
     2、面白くなかった
     3、わりと面白かった
     4、すごく面白かった

     この四択で応えてみてください。


     ほい、結果を出してください。

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     お、凄いな。

     わりと面白かった、すごく面白かったが、合計13,4%。

     面白くなかったが、7,5%。


     何よりも凄いのが、見てないが80,1%というね。

     何かこう、ゼルダよりも数字が悪いっていうね(笑)。

     アニメといっても、ネットフリックスだったら、やっぱり こんなもんなんだな。


     で、僕は最後まで見たんですね。

     それで最後まで見た結論が、飛鳥了っていう、いわゆる不動明のマブダチで、原作でも出てる、後にサタンとなるキャラクターなんですけども、コレを立たせようとして、逆に世界が狭くなっちゃったなって感じがするんですね。


     本来、デビルマンって、天才・永井豪が、もう熱に浮かされたように、後先 考えずに描いたマンガなんですよね。

     だから、第一話を描いたときから、最後にどうなるか分からなかった。

     とりあえず、本能で描いていた。


     アニメ版のデビルマンって、永井豪がデビルマンの一巻、二巻、いわゆる妖鳥シレーヌ編を描いた辺で、アニメの打ち合わせをしたそうです。
     
     だから、アニメの打ち合わせのときに永井豪は、「ここから、どうなるのか」っていうのを説明したつもりだったけど、その時に永井豪は、あんな話になるとは、何にも思ってなかったそうなんですね。 


     で、アニメを作った人は、後にインタビューで応えてるんですけども、「永井さん、いい加減にしてくれ」と。

     「あんな話になるんだったら、飛鳥了を出してたよ」と。

     「永井さん、そんな事は一言も言わなかったじゃないか」と(笑)。


     いや本人も、飛鳥了が、最後に あんな事になるとは、描いてる最中は思いつかなかったそうなんです。

     なので飛鳥了は、アニメ版ではカットしちゃったんだけど、「あれだったら、出してたよ」ってふうに恨み言を言われたそうなんですけども。


     そういう霊感で描いたような、すごい偶然の作品なんですね。


     で、それをアニメ版では最初から主役級のキャラとして立たせようとしている為に、「何もかもが、飛鳥了の仕掛けた罠」みたいになっちゃうんですね。

     「これも孔明の罠か」みたいなもんでですね。


     とりあえず人類の絶滅計画も、最後にデビルマンを陥れるのも、テレビで人類をわざと悪い方に方向づかせるのも、すべて飛鳥了。

     二十歳も行かない高校生ぐらいのボンボンが、たかがアメリカで博士号を取ったというだけで、ものすごいドヤ顔をしてテレビで話すのに、みんなが信じるという。

     すごい不自然な世界になってるんですね。


     で、その「不自然な世界でも、かまわねぇや!」と思ってる程度のアニメを見ている人たちにとっては、すごい面白い。

     まぁ、こういう言い方は失礼なんですけども。


     やっぱりね、最初にああいうのを見たら、感動するんですね。

     で、エヴァを見たときも、エヴァみたいなものを初めて見たら、やっぱり すごい感動すると。


     ところが三十代を超えてる人は、エヴァみたいなものを見ても、「あ、コレは前に見たアレか」ってふうに思うので、あまりエヴァを見ても感動しない。

     だからこのエヴァを見たときに、世代差っていうのが出たんですね。


     三十五歳ぐらい以上と、三十五歳以下で、エヴァの受け取り方が全然 違った。

     同じように今回のデビルマンも、デビルマンみたいなものを、もしくはその原作でショックを受けた人と、そういう事を知らなかった人、もしくは「読んだけども、あんまりショックじゃなかった」という人の間で、やっぱりここで格差が出ちゃうんですね。

     なので、最初にショックを受ける作品というのは凄く大事だから、僕がアレコレ言うような問題では無いんですけども。


     それにしても僕が思ったのが、「これはデビルマンの監督の撤退戦だな」と思ったんですよね。  


     今 言った飛鳥了の描き方が、えらく投げやりだって事とか。

     あと絵が、所々 ふざけたような感じ。


     スタイリッシュな絵の表現をする人だから、ふざけてやってるように見えるかも分からないけど、そうじゃなくて何か明らかに手を抜いてる。


     「デビルマンでネットフリックスから予算がいっぱい出るって聞いたから、じゃあ世界に通用するコンテンツとしてデビルマンをやってみようと思ったんだけど、これ、やっぱり追いつかないわ」

     「じゃあ、湯浅がやって恥ずかしくない程度の所で適当に ごまかして、自分は自分のオリジナルの劇場版の次回作の準備に入ります」

     そういうような撤退戦の匂いをね、すごく感じるんですよね。


     だから特徴的なスタイリッシュな感じっていうのが、まったく活かせてない。


     『夜は短し歩けよ乙女』は湯浅さんのスタイルが強いので、原作を食っちゃう事が出来たんですね。

     で、『ピンポン』ってマンガをアニメにしたときは、原作のスタイルも強ければ湯浅さんのスタイルも強いので、上手くハーモニーが合って、とんでもない良いモノが出来たと。


     ところが『デビルマン』に関しては、原作の、スタイルとか関係無しの、もう本当にド演歌の汚い絵の凄さがあまりに強すぎて、湯浅さんがスタイリッシュにすればする程、魅力が削がれてしまうという、おかしな現象が起こると。

     だからデビルマンが、こうやってバーッて復活するときも、今どきの絵っぽく、末端肥大症的に手とか足とかを凄くデカく描いてるんですけども、元々のデビルマンの永井豪の下手くそな絵の方がカッコ良くて怖いっていうですね、変な現象になってしまうんですね(笑)。

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     なので湯浅さんは、もっと素材を選んだほうが良い。


     『約束のネバーランド』あたりが ちょうど良いから。

     あれをアニメ化すると、ちょうど湯浅さんのスタイルと、原作と適当な強さ。

     あれのスタイルを良くするだけで、名作になるって感じがあると思うんで。


     そっちの方に行ってしまうのが、いいと思います。


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