-
【牛久、伊澤!!】一言多い有能コーチ・横田一則が語るRIZIN2冠のウラ側
2022-05-11 10:07150ptRIZINフェザー級王者・牛久絢太郎、RIZINスーパーアトム級王者・伊澤星花を指導する横田一則インタビュー! 現役時代からよけいな一言で物議をかもしてきた横田さんが語るRIZIN35のウラ側とは?(余計な一言引き出したい聞き手/ジャン斉藤)
【1記事110円から購入できるバックナンバー】・RIZINフェザー級王者・牛久絢太郎「偶然じゃないことを証明する」・【新・女王】伊澤星花1万字インタビュー「やっぱり浜崎さんはカッコいいですよね!」
・斎藤裕「次の試合で終わるかもしれないという緊張感、危機感はあります」
・【RIZIN2DAYS総括】「斎藤裕には、また笑ってほしい」■笹原圭一
――RIZIN35で横田さんが指導する牛久絢太郎選手がRIZINフェザー級のベルトを防衛、伊澤星花選手がRIZINスーパーアトム級のタイトルを奪取しました。指導者として2人の選手をベルトに導いた嬉しさは大きいんじゃないですか?
横田 いやあ、ホットしたですね。もうすごくホッとしました。今回は炎上したし……。まあいろいろ言われて発言したところもあるんですけど。ちょっと煽ってくれじゃないですけど。
――煽りV撮影の際に必死にひねり出したのは「石渡伸太郎は挨拶がない」だったという(笑)。非常に横田さんらしいなと。
横田 いろいろと叩かれて、DEEPの佐伯(繁)さんから「オマエを擁護する人間は誰もいない」と。これでもし2人が負けたら、大変なことになるだろうな……って。
――だからホッとしたんですか(笑)。
横田 絶対に言われますよね。俺はあんまりSNSを気にしない人間なんですけど、それでもさすがに今回は……。周りからすごく言われてたんですよ。「めっちゃ炎上してるよ」って。俺はSNSを全然見ないから。これでもし2人で負けたらジムやめようかなって。
――そ、そこまで!
横田 そこまで思うぐらいけっこう仕上がってて。試合当日も俺が一番緊張してたんですよ。それが星花にも伝わっちゃったんですよ。なあ?(練習していた伊澤に向かって)
伊澤 そうですね(笑)。何回も気合いを入れて。
横田 何回も「今回の試合は……」って(笑)。勝ってくれて、ホッとしました。
――その伊澤選手の浜崎朱加戦はどんな作戦だったんですか?
横田 作戦という作戦はとくになかったというか。気をつけるところはアームロックと腕十字。そこのところは注意して練習してたんですけど、もう強いんで、この子は。ちょっとバケモノだから。
――「練習で○○が押された」とか信じられない噂はちょくちょく聞いてるんですよ。
横田 そこは星花と練習したことのある人間ならみんなわかってますよね。だから変な心配はしてなかったんですよ。ただ浜崎選手も強いので、アームロックと腕十字の2つだけに気を付けてたのと、今回心配だったのはちょっと体調が……。
――伊澤選手の話によると、試合前2週間ぐらいの時期に胃腸炎のような症状になったそうで。
横田 それで最後の走り込みができてなかったので、スタミナが持たなかったんですよね。今回は正直、絢太郎はイケると思ってたんですよ。練習の調子もいいし、こっちの言うとおりに動けるようになったというか。
――DEEPの中村大介2連戦のときのようなテンパり具合とは違うんですね。
横田 全然違う。やっぱり10ヵ月のあいだでRIZIN2回、DEEP2回、4回もタイトルマッチをやってますからね。こんな選手って初めてじゃないですか(笑)。過去イチすごいことをやったと思いますよ。
――その経験が大きいんですね。逆に伊澤選手には不安があったと。
横田 浜崎選手がめちゃくちゃ仕上げてきたなっていう。公開計量で見たら、仕上がりすぎてて、これはガチでやってきたなって。前回の大晦日はたぶん、すぐ勝てるだろうと来られたというか、じゃっかんナメてたじゃないけど。星花はポッと出の選手だし、それまでやってみないとわかんないっていう感覚だったと思うんですよね。やってみたら強い
ってことで、気合を入れ直してきたのかな。計量の姿を見て「これはヤバイ」と思っちゃったんです。
――それで横田さんはますます緊張されたんですねぇ。
横田 ホントですよ(苦笑)。蓋を開けてみたら1ラウンドと2ラウンドはあきらかに圧倒していたので。ただ2ラウンドに帰ってきたときにちょっと疲れてた。
――懸念されていたスタミナ面ですね。
横田 珍しく疲れていて。筋肉を触ったら硬いというかパンパンになっていて。
――浜崎選手を封じ込めることの大変さと、事前の走り込みの足りなさ。
横田 あと2ラウンド目にフロントチョークの深いやつがちょっと入ってたんですけど。たぶん本人はあそこでやりきったら3ラウンド目には行けないと思って、やめちゃったんですね。全然入ってたんですけど、もし極められなかったら持たない。
――3ラウンドは浜崎選手の逆襲がありましたから、もし力を使い切っていたら危なかったんですね。
横田 インターバルのときは星花の腕を触ったらガチガチでパンパン。でも「全然柔らかいね」「全然つかれてないじゃん」って前向きな言葉をかけて。
――横田さん、モチベーターとしての存在感がありますね。
横田 やっぱり選手の調子をあげないといけないから。
――なんでそれなのに、問題発言が多いのか非常に気になるんですけど。
横田 いやもう昔から一言多いんで……。
――事前の練習で伊澤選手が仕上がってないから、スパー相手に対して「ちょっと手抜いてやれ」と伝えたら、それが聞こえてしまった伊澤選手が悔しくて泣いちゃったみたいな。
横田 ああ、そうなんですよ。聞こえたというか、本人は気づいたんですよ。「ああ、これは手を抜かれてるな」と。でも星花の場合は次元が違うんですよ。その日までに朝練4連チャンで、ずっと走り込みをしてきて、夕方も練習。しかも5分4ラウンドで相手は全員、男で全員体重は上ですよ。やられて当然なんですよ。うまくいかなくて当然なんですけど、手を抜かれてるのがわかって悔しくて泣き出しちゃう。この子はすげえなと思いましたよ。できなくてじゃなくて悔しくて泣いた。今回試合後になんで泣いたかといえば、自分がちょっと疲れちゃった、心が折れかけたんで。
――そんな自分が許せない、と。
横田 ひとつ上を行ってるなって。何が一番すごいって、試合が終わってチャンピオンになった次の日の朝練にも参加して、1・5キロのラントレを一番で帰ってきたから。今週1回も練習を休んでないですよ。絢太郎も休まない。ケガをして手術して練習は休まないといけないって言われてるのにジムに来てますからね。「もうやめろ」と言ってるのにやりますから。<浜崎vs伊澤、牛久vs斎藤裕の裏側はまだまだ続く>
この続きと、高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎…などの5月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2100757
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
『週刊ポスト』RIZIN記事の感想……PRIDEとRIZINの違いとは?
2022-05-10 16:59130ptこの記事は『週刊ポスト』RIZIN記事の感想を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・“すべての戦いを知り尽くした男”船木誠勝が語るシバターvs久保優太
・青木真也に降り続ける『やれんのか!』の雨
・【新・女王】伊澤星花1万字インタビュー「やっぱり浜崎さんはカッコいいですよね!」
・【RIZIN2DAYS総括】「斎藤裕には、また笑ってほしい」■笹原圭一
今日は『週刊ポスト』のRIZIN反社記事について語りたいと思います。いまのところ『週刊ポスト』だけの報道なので、これが真実かどうかはまだわからないですし、ボクはRIZINや『週刊ポスト』の人間でもないので「事実はこうだ!」とジャッジを下す立場ではないんですが、この報道を受けてRIZINはどうなっていくのかを推測していきます。
(コメント欄を見ながら)「RIZINから茶封筒をもらってるんですか?」
もらってる人間がね、報道直後に火中の栗を拾いに行かないですよ! 500万円くらいもらえるなら余計なツイートもせずに黙ってる……というブラックジョークすら、RIZINファンの皆さんは受け止める余裕がなくビクビクしていると思うんですけど。
『週刊ポスト』の記事なんですけど、これは読んだ人と読んでない人の温度差ってすごくあると思うんですよ。読めばわかりますけど、見出しは過激なんですが、なんとも言えない内容で……。ちょっと落ち着いて記事を読んでほしいと思いつつ、どんな内容であれ、落ち着けるわけがない皆さんの心情も理解できます。やっぱりPRIDE消滅の忌まわしき思い出があるから。どうしてもあんなふうに煽られたら、当時の記憶がある人ならばパニックになりますよね。PRIDEショック未経験のファンでも「これがあの伝説の事件の再来になるんですか」って恐れおののきますよね。
この続きと、高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎…などの5月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2100757
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
朝倉海、中井りんはUFCと契約できるのか。サトシはオリベイラに勝てるのか?
2022-05-09 17:43130ptこの記事は朝倉海のダナ・ホワイト面談を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・【UFC契約更新!!】ラストワン佐藤天が語る「UFCと北米シーンの過酷な現実」
・【サトシ教】サトシに勝てる日本人はいません■柔術ライター・橋本欽也
・【こじらせU系】関根“シュレック”秀樹「Uインターが新日本に負けるとは思わなかった」
・【シバターvs久保事件】Uインター・PRIDEから続くRIZINの「まだら」■菊地成孔
RIZINの朝倉海選手がUFCのダナ・ホワイトと面談したことが話題になっています。ダナから「いつでもUFCと契約するぞ」と言われたとか。以前、お兄さんの朝倉未来選手がUFCに行ける・行けないかみたいな話になったときに、ボクは「可能性は全然ありますよ」という趣旨の発言をしたら、皆さんからお叱りの声がドッと届きましてですね(笑)。
アンチの皆様方はとにかく認める意見すら許さないところはあるでしょうし、逆に言っちゃうと熱狂的なファンはちょっとでも否定する声も許されないところがありますよね。エコーチェンバーではありますけど、それくらい 朝倉兄弟の影響力はハンパではないというか。
ボクはもう一貫して朝倉未来選手はUFCと契約できるファイターだと言ってきましたけど。最近は日本人がUFCとなかなか契約できてないこともあって、UFCに対してコンプレックスがあるというか、超高い壁だと捉えている人が多いですよね。いやもうUFCは全然高い壁なんですけど、可能性だけを言っちゃえば全然ゼロなわけはなくて。「あっ、このレベルで……」って首を傾げたくなるファイターも時折UFCには出てるんですよ。なんで契約できたかといえば、それはUFCの階級の事情なんかもありますよね。かつて扇久保博正選手なんてTUFで準優勝してるのに契約できなかったり……。
UFCは各団体のチャンピオンクラスの集まりなんですが、たとえばベラトールのトップファイターは契約で縛られているから簡単にはUFCには行けません。ONEのリー姉弟だってUFCクラスですが、UFCに行かないんじゃなくて契約があって行けないだけ。RIZINやONEがなかったらUFCと契約していた日本人選手はもっといたと思います。ただ、RIZINやONEがなかったら、日本市場は経済的に栄えていなかった。選手のなり手は増えなかったかもしれないというジレンマがあります。
この続きと、高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎…などの5月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2100757
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
【vsK-1】RISEライト級王者・原口健飛インタビュー【THE MATCH】
2022-05-09 16:32130ptTHE MATCH東京ドーム大会で山崎秀晃戦が決定した原口健飛インタビューです!【1記事から購入できるバックナンバー】・JBC解散!! ボクシング界で何が起きているのか■山田武士
・RIZINのテーピングが悪いのか?■笹原圭一RIZIN広報
・平本蓮ロングインタビュー「MMAに転向して本当によかった」
・キックぼんやり層に贈る「RIZINジモキック問題」とは何か■現地観戦の鬼サーバル
――原口選手は昔はやんちゃだったというか、ケンカが強かったんじゃないかなっていう印象がすごく強いんですけど。原口 いや、生まれてからケンカしたことないっすねぇ。
――あ、そうなんですか。
原口 はい。人を殴ったことないですね(笑)。昔っからヤンキーから逃げてたタイプなんで。コンビニに行っても、そういう連中の姿を見た瞬間、違うコンビニ行ったりとか。
――それは意外ですねぇ。
原口 それはよく言われます。見た目がこんなんなんで(苦笑)。
――オラオラ系ではないと。
原口 まったく。中学校まで学級委員長とかやってましたもん。人から求められるような仕事ばっかしてたんで。昔からずっとそうでしたね、
――もともと格闘技自体も自分からやりたくてやったわけじゃないそうですね。
原口 そうですね。無理やりお母さんに連れていかれて、そこから始まったって感じですね。
――最初からやる気はなかったけど、取り組むようになってから、だんだん好きになった感じなんですね。
原口 まあ、そうですね。好きになったというか。試合に勝つたんびに嬉しさがあるんで。練習とか格闘技自体はそんな大好きと思ったことないですけど。それでも、やっぱり勝ったときの嬉しさとかはやっぱ他では味わえへんから。それがいままで続いてるって感じですね。
――いまもあまり好きではないですね。
原口 好きといえば好きですけど……試合は嫌いなんですけど。
――試合前は相当、緊張されるんですもんね。
原口 そうなんですよね。まあ、緊張することはたぶん、いいことやと思うんですけどね。こう強くなって、期待されて、負けたらいろんなこと言われるかもしれへん、っていう恐怖があるじゃないですか。やっぱりそれが怖いっていうのは……戦うことは怖くないけど、負けたあとのいろんな声とか。
――プロとしての評価が問われるプレッシャーですね。
原口 勝ったけど、内容はダメとかわかるじゃないですか。そういうのはやっぱり怖いですよね。
――原口選手ってきっちり勝ち切るイメージですけど、そんな否定的な声が飛んでくるんですか?
原口 いやあ、まあまあ、あるのはありますね。でも、少ないほうやとは思いますけどね。ないこともないです。あるのはあるけど、そんなにアンチはいないんで。アンチされるようなこともしてないし(笑)。
――アンチの声というよりは、プロとしての評価が気になってしまうという。
原口 やっぱりボクはアンチよりもやっぱ団体ですよね。RISE。ボクはRISEを背負ってるつもりでいるんで。もし勝っても普通の勝ちじゃアカンし、もちろん勝てばいいっていう問題じゃなくなってきてるんで。RISEがなんて言われるかなという恐怖はありますよね。まあ、いい意味ですけどね、ここまで期待されてるんで。
――お母さんに無理やり連れて行かれた空手道場が相当ハードだったんですよね。
原口 5歳の頃に連れて行かれたんですけど、もうすごいところだったんですよね。いまだったら体罰で問題になったかもしれないです(笑)。伝統空手やったんすけど、毎週一応日曜日に試合があるんすよ。おっきい大会から、ちっちゃい大会まであって。一応全部出てたし、まあ中には出てない大会もあったけど、道場から誰かしら出てたんすよ。いつも月曜日に昨日の大会を振り返る反省会があるんです。負けた人の割合が多かったから先生にめちゃくちゃ説教されて怒られるっていう。1列に並ばされて組み手でボコボコにされて。
――ヤバイじゃないですか!
原口 しかも伝統空手なんで寸止めなんですけど、おかまいなしで。まあ、親も公認で、カメラでそれを撮りながら。
――そういうもんだと思ってたってことなんですかね。
原口 めちゃくちゃ強い道場で全国1位が何人もいるようなところだったので。だから先生のやることを信じていたのかも知れないですね。もう負けが許されないチームやったんで。
――そういうところで一体感があったんですね。
原口 組み手でガンガンやる練習もあるし、スクワット3時間とか、四股立ち3時間とか。円になって肩を組みながら3時間ぐらい四股を踏み続けるっていう。
――まるでプロレスラーの練習ですよ!
原口 精神的にキツイこと、めちゃくちゃあったっすね。いまはね、あってよかったなと思うけど。
そこでだいぶ、もう根性は決められたっすよね。
――よくやめませんでしたね
原口 まあ、やめるかやめれんかった。もうお母さんが絶対にやめないっていう。
――でも、その道場は離れたんですよね。
原口 小学校2年の終わりぐらいにやめましたね。そのときに東京で全国大会があって、そこで優勝して。そのあと東京観光しに行ったことが気に食わんかったらしくて。
――そんな理由で!
原口 さすがに親もちょっとヤバイなって気づいて、それでやめたんです。まあでもキツイ練習ばっかだったけど、実際に強くなったし、いまは感謝してます。
――別の空手のところに移って、さらに実力を伸ばしていったんですね。ボクがびっくりしたのは空手の大会で無差別で優勝したやつで……
原口 第32回POINT&K.O.全日本空手道選手権大会ですね。
――相手はみんな100キロ前後の選手だったんですよね。
原口 はい、そうですね。フルコンタクト空手で1日に4回、試合したんかな。1回戦は外国人の187センチ120キロぐらいの選手やったすね。
――187センチ120キロの外国人! 原口選手は何キロだったんですか?
原口 ボクは55キロです。
――ハハハハハハ! 怖くなかったですか?
原口 怖かったですよ(笑)。当たった瞬間ホンマに死んだと思いました。
――そんな怖い大会になんで出ようと思ったんですか?
原口 もともと中学校までそこの大会で優勝してきて、特別推薦で出ないかって言われたんですよ。ホントは予選もあるんですけど、いままで繋げてきた実績で特例で。お金もいらんしって言われて。
――体格差が顕著な試合になると思ってたんですか?
原口 無差別だからある程度はしてましたけど、まさか1回戦がその大会の最重量の相手で(笑)。2回戦が190センチ105キロ、準決勝戦が110キロ、決勝戦が80キロだったのかな。
――どれもこれもヤバすぎますね(笑)。
原口 30年の歴史の中でボクが1番最軽量だったらしいですね。
――それで優勝しちゃうってどういう戦いぶりだったんですか?
原口 ポイント制なので、じゃっかん伝統空手に近い感じなんですけど。出入りの早さで翻弄して、相手をイライラさせる感じですね。
――優勝したときの達成感は。すごかったんじゃないですか。
原口 いやあ、ホンマにすごかったですねぇ。だから、体重差とかあんまり怖くないですよね。多少でも全然大丈夫かなって思っちゃうんですね。
――そういう大会に推薦されるぐらい空手では実績がすごかったっていうことなんですね。
原口 そうっすね。空手ではほとんど負けたことなかったですね。
――いまはキックでトップとして立ってますけど、その前にボクシングに行かれました。将来をどう考えていたんですか?
原口 やっぱりボクはもうたぶん、普通に働くことは無理やなって思ってたんすよ。スポーツでお金稼ぎたいなあと思ってて、空手では正直、名誉しか手に入られんから。まあお金稼げるもんって考えたときに、そんときは昔のK-1がなかったから。それやったらボクシング。そこでファイトマネーを稼ごうかなと思ってやったって感じですね。
――それはいつぐらいにそういう青写真を描いてたんですか?
原口 高校入学するときにボクシングを始めてたので、中学卒業したぐらいにはそう思ってましたね。
――ボクシングで食っていくみたいな。
原口 その気持ちはありましたね。ただまあボクシングはうまいこといかんなかったけど。
――ボクシングはあんまり合わなかったって感じなんですか?
原口 そうっすね。センスはあるって言われた。たしかにセンスは自分でもあったなと思ったんですよ。
でも、なんかやってて違うなって感じましたね。蹴りがないし、なんか違うなっていう。やってても心から楽しんでいた感じはしなかったんです。
――蹴りがあってこその原口健飛だみたいな。
原口 そうですね。空手でも基本的にずっと蹴ってたんで。ただ、お金を稼ぐだけためにやったんで。べつにボクシングは好きでもなかったから。
――空手からはじまり、好きじゃないけどやる感じだったんですね。
原口 やっぱり戦ってお金稼ぐ方法はもうそれしかなかったから、安易な考えでいきましたけど。
――早めに見切りをつけてよかったってことですね
原口 そうですね。キックでここまでこれたから言えると思うんすけど。間違いではなかったな。ボクシングをやめるときはね、父親にもめちゃめちゃ反対されたし。空手やってるときにボクシング行くっていったときも反対されたし。ボクシング行っても、またイチからやし。結局ボクシングは合わへんとか言ってやめるって言い出して。
――ボクシングやりたい。でも、合わないからボクシングやめるって自分の考えを優先したんですね。
原口 そうですね。ボクはやるって決めたことはやるんで、それがいいか悪いかは正直わからないですけど。それで空手を挟んでキックをやるということですね
――キックは那須川天心選手の存在がきっかけになったんですね。
原口 はい。ボクは天心くんの同級生やし、ちょっとボクシングやってるときに、たしかRISEのタイトルを獲ったんすよね。すげえ奴おるなって思ってたんですよ。そのときは気にしなかったけど、16歳から18歳のあいだで天心くんはめちゃくちゃ上がっていって。しかも同じ空手っていうこともあって「俺もいけんちゃうかな」っていう感じで。嫉妬はなかったけど、こいつが行ったんやったら俺も行けんちゃうかっていう、ちょっとナメた感じで(笑)。それでボクシングをやめようかなって思ったんですよね。
――那須川天心の存在が刺激になったってことですねそうですね。
原口 そうですね。同級生やし、空手家やし、俺もやれんちゃうかなっていう感じで行きましたね。めちゃくちゃ機会になりましたね、天心くんは。
この続きと、高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎…などの5月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2100757
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
天心vs武尊ルール問題のポイントは「10-10」の境目■サーバル
2022-05-05 09:15130pt議論が巻き起こっている天心vs武尊のルール問題! キックボクシング観戦の鬼・サーバルさん@serval87に話を伺いました!キックぼんやり層、必読(聞き手/ジャン斉藤)※Dropkickニコ生で配信されたものを再構成した記事です【1記事から購入できるバックナンバー】・キックぼんやり層に贈る「RIZINジモキック問題」とは何か■現地観戦の鬼サーバル
・平本蓮ロングインタビュー「MMAに転向して本当によかった」
・元UFCヘビー級王者の悲しき銃弾…ケイン・ヴェラスケス襲撃事件・RIZINのテーピングが悪いのか?■笹原圭一RIZIN広報
――那須川天心vs武尊のルールや判定基準についてネットを中心に激しい議論が繰り広げられていますが、「キック現地観戦の鬼」サーバルさんにもお伺いします。サーバルさん、よろしくお願いします。
サーバル よろしくお願いします。
――ところでサーバルさんは明日のRIZIN TRIGGER 3rd に行かれるそうですね(4月15日に配信)。
サーバル 第1試合(大谷翔司vs力也)のために会場に行きます。
――RIZIN TRIGGER の第1試合にキックがあることを忘れてました(笑)。
サーバル 今回はジモキックが全然話題になってないんですけど(笑)。素晴らしいキックのカードなので、ぜひ行かせていただこうと思って。2人ともそれなりに知名度ある選手で、顔合わせは非常に新鮮ですし、勝敗に興味があります。ただ、夜に別のキックの興行がありますんで、第1試合を見たら、おいとまさせていただくっていう(笑)。
――ハハハハハハハハ! 第1試合だけ見て、はしご観戦ですか。
サーバル 土日はキック興行のバッティング問題がありまして。新宿フェイスで行われるイノベーションに行く予定です。大谷翔司vs力也は前半戦だろうと予測して購入しました。無事に第1試合になったので心置きなく観戦できます(笑)。
――1試合だけなら配信で済ませようとは思わなかったんですか?
サーバル 今回の会場(武蔵野の森総合スポーツプラザ)は私も行ったことがないので、追加の実体験がチケット代に入ってるかなと。
――素晴らしい姿勢ですね! 今回のRIZIN 2DAYSはキックのカードが少ないって喜んでいるファンが大半なんですけど、もしかしたら一番悲しんでるのはサーバルさんなのかもしれない(笑)。
サーバル そうかもしれないですね。ただキックのいいカードがRIZINで組まれすぎると、今度は新宿フェイスのほうが見られなくなるというジレンマがあります(笑)。
――ちょうどいいわけですね。今回のテーマですが、那須川天心vs武尊の契約体重やルールにはどんな印象がありますか?
サーバル 「3分3ラウンドで延長あり」は予想どおりというか、場合によっては延長2ラウンドの可能性もあるかなと思っていたんですが、まあ2人が戦ってきたルールからいえば驚きはなく。契約体重に関しては天心サイドが相当、武尊選手の身体の大きさを気にしてるんだなって感じました。まあよく武尊選手側が飲んだなっていうのが私の素直な感想です。
――なにしろ契約体重以外にも、当日の体重戻しも規定されている。キックで当日戻しの制限って聞いたことありますか?
サーバル ここまで厳密に、しかも試合直前まで縛るケースはないですよね。
――天心選手は4月のRISEでの引退が決まっていたから、ボクシング転向を延期してまでやるのなら、この条件ではないと……ということなんでしょうね。
サーバル そうなんでしょうね。この試合が合意するまでの流れを見てきたことでいえば、もともと天心選手が武尊選手を追っかけていた状況が途中から変わったじゃないですか。
――天心選手のRIZIN参戦以降、知名度が逆転したことで。
サーバル その逆転現象も面白いですね。途中から武尊選手のほうが偲ぶ恋というか。一方的に思いを寄せて、自分を押し殺しながら「必ず実現させる」と。逆に追っかけていた天心選手のほうがあっさり感が出てきました。その武尊選手の執念が私の中ではすごく気になって。武尊選手の天心選手に対する片思いと言っていいのかわからないんですけど、このルールも武尊選手が飲むことに驚いてますし。
――武尊選手の思いを感じてしまうことで、このルール問題を感情的に見てしまうファンも多いのかなと思いますね。
サーバル ある時期までK-1側が天心選手に「武尊選手と戦いたいのであればK-1と契約すればいい」という態度を取っていたときは、もし2人が戦えば天心選手が問題なく勝つだろうなと思ったんです。逆に武尊選手の偲ぶ恋が始まりだして、武尊選手の人間性とかも含めて、ファンが後押しするようなことが起こり出してから見方が変わりまして。天心選手も昔ほどの神通力を出すような試合がちょっと少なくなり、本来であれば天心選手が年齢と共に才能を開花させ、武尊選手が年齢と共に落ち気味になる2人の交錯だと思っていたんですけど。天心選手が簡単に勝てるのかなっていう疑問がここ最近、芽生えてきました。それはこの条件を飲んだ武尊選手に不気味さを感じるというか。試合当日、武尊選手が体重をうまくクリアしたときに、もともと骨格的にも大きいわけですから、何かが見られるんじゃないかなって。
――天心vs武尊はカード的には旬が過ぎたみたいな言い方もされましたが。こうした人間ドラマが見えることで、より重厚になったわけですね。キックには団体対抗戦的な試合は昔からあったわけですけど、毎回ルールが議論されていたんですか?
サーバル 90年代までさかのぼれば、キックボクシングは団体によってルールが違うということはなかったので、ルールで揉めることはなかったと思います。
――当時はヒジ・首相撲あり、メインイベントの試合になれば5ラウンドですね。
サーバル 何をスタンダードにするかって考えたときには、やはりヒヨコが自分の親を認識するのと同じように、自分がファンになったときのルールになると思うんですよね。私は88年から観戦を始めてるわけですから、その頃のキックボクシングのルールがスタンダードになるんです。ただ、昭和のキックには頭突きがあったり、背負い投げがあったりしましたので。
――キックで背負い投げ!(笑)。
サーバル 私が3分5ラウンドがスタンダードだと言ったとしても、黎明期のキックボクシングには投げがあったと異を唱える方もいると思うんですよ。ちなみに余談なんですけど、私がキックを見始めたのは、ちょうどシュートボクシングが立ち上がったときで。格闘技雑誌は「投げのあるシュートボクシングは、キックの原点回帰だ」という書き方をしてました。
――そういえば、タイ人以外で初めてラジャダムナン王者になった藤原敏男先生もタイ人に首相撲で勝つために、レスリングの練習をしていたそうですね。藤原先生の試合動画を見てると、MMAをやったら、めちゃくちゃ強かったんだろうなって。
サーバル もともとあの方は動物として強いっていう感じがありますけどね(笑)。話を戻すと、さすがに頭突きを認める団体は続かなかったんですけど、シュートボクシングはキックボクシングを基にした亜流のルールであると見てましたが、でもそうとも言えない側面もある。今回の天心vs武尊を5回戦で見たいって声もありましたが、それは40代以上の古いファンが言ってるような印象があります。私も5回戦でやってほしいなって気持ちはありましたけど、それは通らないんだろうなってのは同時に思った感想で。魔娑斗選手が引退試合を5回戦でやったのは、それは彼のスタートが全日本キックだからでしょう。メインは3分5ラウンドで締めるものという思いがあったんじゃないかなと。そういう根っこを持ってる人にとっては、やっぱり5回戦には意味があるというか、そこに意味を持たせられるルールだと思うんです。
――天心vs武尊はそういう文化圏にないってことですね。
サーバル あの2人は3分3ラウンドの申し子なので、これはこれで納得というか。3分3ラウンドの中で最大限のものを見せてもらえればいいかなっていうスタンスで見てます。
――キックのスタンダードが変わっていったのが、いわゆる旧K-1の登場になるんですよね。アメリカはローキックなし? なぜ天心vs武尊は「10-10」がポイントなのか? キックルール談義はまだまだ続く
この続きと、高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎…などの5月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2100757
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
堀口恭司敗戦/平良達郎2週間スライドのポイント■解説・水垣偉弥
2022-05-03 23:16150pt
北米MMAを知り尽くした男・水垣偉弥が語る堀口恭司敗戦/平良達郎2週間スライドのポイント(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)
【1記事¥110から購入できるバックナンバー】・【大晦日波乱】井上直樹はなぜ失速したのか■水垣偉弥
・【謎】堀口恭司はなぜ立ってしまったのか■水垣偉弥
・井上尚弥、那須川天心の拳を守る「バンテージ職人」永末ニック貴之インタビュー
・バンタム級GP優勝候補・井上直樹の弱点、教えます■セコンド・水垣偉弥
――今日は、平良達郎選手のUFCデビュー戦についてうかがう予定でしたが……なんと対戦相手の体調不良により試合直前で延期になってしまいました。水垣さん、非常に語りづらい配信ですね。
水垣 ボクも延期と聞いたとき「Dropkickの放送はどうするんだろう?」と思っちゃいました(笑)。
――水垣さんは早朝から今回のUFCの解説をやられてましたが、その一報を聞いたのは何時頃だったんですか?
水垣 事前の打ち合わせがだいたい1時間前から始まるので、起床はその1時間前の3時ぐらいだったんですけど、ケータイを見たら一報が入ってまして「え……っ!」と。
――こんなこと言うと怒られますけど、起きがけにそんなメールが入っていたら解説もやる気なくなりますよね(笑)。
水垣 いやあ、第1試合目が平良選手の試合ということで、今日は出だしに賭けてたんですけど、リズムが崩されました(苦笑)。
――試合直前の延期はかなり珍しいケースですよね。
水垣 珍しいと思います。計量失敗して中止というのはありますけど、お互いに計量パスして試合の直前ですからね。いままで知っている中でも一番ギリギリのキャンセルのような気が……。
――90年代のUFCで、ケビン・ランデルマンが入場前にバックステージで足を滑らせて、試合直前にタイトルマッチがなくなったという件があったんですけど。
水垣 ホントですか!(笑)。でも、そういうレベルですよね。対戦相手は食中毒での体調不良ということで、本当に厳しい水抜きをして、弱ってるところに食べちゃったものがアレしたのかなと。けっこう脱水したあとに食べると、ボクも戻しちゃうこともあったので。胃腸が弱い人だとやっぱり相当やられるんですよねぇ。
――悪いものを食べたからではなく。
水垣 ボクはしばらく水をチョボチョボ飲むしかできなくて。まだ点滴がOKだったときは点滴で回復して、やっとお腹が空いてきたときに食べるという感じだったんですけど。
――ああ、いまは点滴が禁止なんですよね。
水垣 USADAのドーピング抜き打ち検査が入るようになってからは、注射を打つこと自体が禁止になったので、点滴もダメになりましたね。
――点滴が禁止になって以降は、水垣さんもかなりリカバリーで苦労はされたんですか?
水垣 食べ物は用意しているんですけど、やっぱり食べるタイミングが遅れるというか。いつも点滴を打って回復していたのが、本当に水と薄いポカリから始まって、やっとフルーツを食べられるようになって。やっぱりリカバリーのスケジュールが遅くなりましたよね。
――外国人ファイターのほうがガンガン食べられたりするんですかね?
水垣 どうですかねえ。田中路教とかはけっこう水抜きするんですけど、そのあとは普通に食べたりしてて胃腸が強い印象がありますけど。やっぱり人によって全然違うみたいですね。ボクは本当に食べれなくて、ポカリも濃すぎると全部戻しちゃうんですよ。だから絶妙な調整が必要でした。それだけ弱った状態で無理して食べちゃうと、非常にコンディションを崩す可能性はあるのかなと。今回の体調不良も、そういうことなんじゃないかとボクは予想しています。
――その対戦相手が「キャンセル常習者」みたいに騒がれているんですよ。
水垣 どういうことですか?
――選手の戦績が載っている『Tapology』という海外サイトがあるじゃないですか。そこに、今回の対戦相手であるカルロス・カンデラリオのプロフィールとしてキャンセルバウトが8回あると載っていて。
水垣 えー! そうなんですか? ちょっと知らなかったです。
――でも、『Tapology』って選手が一方的にキャンセルした回数だけじゃなく、主催者や対戦相手の都合でキャンセルされたものも含まれているんですよね。さすがに8回も本人が原因のキャンセルバウトがあったら主催者も契約してくれないと思うので。
水垣 それはもう誰も呼んでくれないと思います(笑)。
――それにしても、2週間後の試合延期は体調調整の面で過酷ですよね。
水垣 いやあ、これは大変だと思います。平良選手はラスベガスで2週間調整しなきゃいけないわけで。そして、もう1回水抜きして計量することになりますが……ホントに大変ですよ。何がイヤって水抜きがなければもっといっぱい試合したかったなというのがボクの現役時代の記憶なので。
――それくらい水抜きはキツイという。
水垣 試合はご褒美で、水抜きは試合に臨むための最後の試練みたいな感覚があったんですけど。ご褒美抜きの試練を受けさせるようなもんです。で、すぐにもう1回水抜きをやるのはダメージが深いと思いますよ。平良選手がどれぐらい水抜きをしているかわからないですけど、170センチ以上ありますし、フライ級にしては身体が大きいと思うんですよね。だから身体への負担は大変なんじゃないかなと。
――最近でいうと、ヌルマゴとのタイトルマッチが決まっていたトニー・ファーガソンが、コロナの影響でヌルマゴが自国から出国できずに試合が中止になったにもかかわらず、試合予定日に向けて勝手に水抜きを続行した例ありましたよね。
水垣 ああ、なぜ自らそんなことしたのかなと思いましたけど(笑)。
――その1ヵ月後にジャスティン・ゲイジーと戦ってTKO負けして、そこから3連敗。30代後半の身体には無駄な水抜きでしたよね。平良選手も大変ですけど、相手選手も食中毒でダウンしたあと2週間後に試合をやれるのかなと。
水垣 ただ、ドクターがOKを出さないとそういうスケジュールは出さないと思うので、一応OKは出ていて回復する見込みということなんでしょうけど。
――いろんな意味で無事に試合が行なわれてほしいと思います。ちなみに、水垣さんも直前で大会を欠場したという経験はあるんですか?<堀口恭司vsミックスなど13000字の北米MMAトークはまだまだ続く>
この続きと、高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎…などの5月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2100757
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
いまこそ振り返りたい堀口恭司が耕したバンタム級の歩み
2022-05-02 00:00130ptこの記事は堀口恭司を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・【RIZIN2DAYS総括】「斎藤裕には、また笑ってほしい」■笹原圭一
・【RIZIN35レビュー】我々は斎藤裕、浜崎朱加の戦いを見届ける義務がある
・ヤマケンが語る息子・山本空良「Uを受け継ぐ選手がUFCで勝つことでUWFは完結する」
・JBC解散!! ボクシング界で何が起きているのか■山田武士
朝倉海選手のラスベガス滞在を通してUFCを知る機会になってますよね。「UFC PI」がどういう施設なのか、あとメラブは 「アメリカ版どこでも昇侍」っぽい扱いになってますね(笑)。
ドミネーター選手いわく「文化的遺伝子」という言葉からすると、海選手は触媒として圧倒的に強いですよね。競技者だけではなく、文化者として存在感がある。UFC PIは最近できたわけじゃないし、メラブは最近生まれたわけじゃないですけど(笑)、やっぱり誰かを通したほうが認識しやすいというか。平良達郎選手がUFCデビューしたり、LOAD toUFCも開幕することで、今年はUFCをうかがい知る機会が多くなってるんじゃないかと思うんですけど。UFCの「光と闇」は意外と知られてないですからね。
堀口恭司がなぜUFCを離れたのかってことも、そんなに知られてない。ベラトールで連敗を喫してしまったことで適正階級の議論も再燃しつつありますが、UFCではフライ級ランキング3位だった堀口恭司のほうからUFCに見切りをつけたところがあったんです。
この続きと、高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎…などの5月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2100757
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
臼田勝美インタビュー「念願のデビュー前に藤原組をやめたのは……」
2022-05-02 00:00150pt藤原組、バトラーツなどで活躍した臼田勝美インタビューシリーズ第1弾です!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・【バチバチとは何か】池田大輔インタビュー……ちょいとビターなフーテン人生・【バトラーツの奇跡と絶望】石川雄規“情念”のロングインタビュー
・平成のテロリスト・村上和成――格闘家が挑んだ命懸けのプロレス道!!
臼田 先に一杯やってました(笑)。
――ガンガンやってください!(笑)。U系って人間関係が複雑だったりするんですけど、臼田さんが所属されていたバトラーツもなかなか……。
臼田 ああ、そうですよね。ライターの藤本かずまささんがUインターやキングダムが解散するときに人間関係がすごい複雑だと思ったそうですけど、バトラーツはさらに複雑だったと。
――いろいろと伺わせていただきます! 臼田さんは新日本のプロレス学校出身なんですよね。
臼田 そうです。ボクが通ってた頃って池田(大輔)さん、サスケさん、金原(弘光)さん、西村(修)さんとかがいて。スパーリングでボロクソにやられたのが金原さん、池田さんです。それからちょっとずつ覚えていって、金原さんと久しぶりにやったときに「強くなってる」と言われましたね。
――八王子の実家から通われていたんですよね。
臼田 そうですね。八王子から上野毛まで。週に2日ぐらいしか行ってなかったんですけど、プロレスラーを目指していて。テストを初めて受けたのはUWFなんですよ。旧UWFが頓挫してUWF軍団として新日本にUターンしてる頃ですよね。書類を何回か出したんですけど、背がちっちゃいから書類審査の時点で弾かれて。もう直談判しかないと。16歳のときに当時用賀にあったUWFの事務所の前で、選手が誰か来ないかなと待ってて。たまたま高田(延彦)さんが来たんですよ。高田さんに「入門したいんですけど」と声をかけたら「歳はいくつ?」「16歳です」「身長は?」。ホントは170ぐらいしかなかったんですけど、175とか適当なこと言って(苦笑)。
――当時は180でも小さい扱いでしたねぇ。
臼田 「来月3日に後楽園ホールで試合があるんだけど、そこに来れる? 試合前にテストをやらせてあげるから」と言われたんですよ。
――優しい対応ですね。
臼田 当日後楽園ホールに行ったら試験官は中野龍雄さん。落とすつもりの体力テストで、たぶんスクワットとかできないと思ってたみたいですね。一応スクワットは500回やれて、腕立て100回で、つまずいたんですけど。「帰るか、帰るか」って何度も確認されたけど、「お願いします、お願いします!」と続けて。体力テストを最後までとりあえずやって、スパーリングで中野さんにボロクソにやられて。スパー途中で「もうやめる」って音を上げると思ったんじゃないですか。
――なんとか最後までやりきったんですね。すごい16歳。
臼田 まだ身体もできてないし、いま入っても練習についてこられないし、まだ16歳で若いんだから、身体を作ってから出直してこいと。それでも土下座して「もう1回お願いします!」って。結局落とされましたけど。
――でも、ちゃんと向き合ってくれたんですね。
臼田 中野さんはそれで俺のこと覚えててくれて、その次の年に今度は道場に直談判に行ったんですよ。
――行動力ありますね(笑)。
臼田 高田さん、中野さん、宮戸優光さん、若手の方がいて。高田さんが「中野、テストしてやれ」と言ったら、中野さんが俺の顔を見て「またか」って感じで。落とすつもりのテストだってわかってるし、やりづらいから、宮戸さんに「代わりに頼むわ」と頼んでました。そのときも入門はできなくて、そのあとに新生UWF旗揚げ戦のチケットが取れたんですよ。会場で中野さんがいたから「すいません、あの入門したいんですけど」と。
――三度目の中野龍雄(笑)。
臼田 「オマエ、前に俺がテストをやった奴だろ? 事務所に書類を出してからにしろ」と、あしらわれちゃいましたけど(笑)。
――他団体のテストは受けていたんですか?
臼田 新日本のテストを受けました。書類は通って二次審査は体力テスト。そのときは金原さん、池田さん、あとサスケさんもいたのかなー。池田さんは受かったんですけど、腰を痛めてデビュー前にやめちゃって。金原さんと池田さんはSWSのテストでも一緒でしたね。SWSの新横浜の道場でテストがあって、そこで受かったら後日、箱根で2日間の最終テストがあったんですよ。箱根にSWSのスポーツセンターみたいな施設があって。
――SWSはよく箱根合宿をやってましたね。
臼田 天龍さんはいなかったんですよ。ジョージ高野さんと冬木弘道さんがいたのかな。そんときにのちにリングスの山本宜久さんもテストを受けてたんですけど、山本さんも落とされて。体力テストも全部クリアしたのに納得いかないって若松さんに食って掛かってましたね。山本さんはタッパも大きいのに。
――食って掛かる感じはヤマヨシさんっぽいですね(笑)。
臼田 SWSを受けたときはプロレス学校に通ってて。新日本のテストは2回受けてるのかな。2回目のときにたしか、鈴木みのるさんがデビューしたばっかで。新日の合宿場の上からテストの様子を見ながら「全然ダメじゃねえかよ」とか言っていて。
――デビューしたばっかりなのに(笑)。
臼田 めちゃくちゃ怖かったです(苦笑)。
――プロレス学校から新弟子になった天山さんや西村さんがそれまでと態度が変わったとか。
臼田 あー、要はプロレス学校生だったんだけど、新弟子になって「オマエらとは違うぞ」と? 俺的にはそんなには感じなかったんですけど、たぶん新日本の選手から言われてたんじゃないですかね。知り合いの生徒もいるけど、オマエらは練習生なんだから、友達みたいな接し方じゃダメだぞと。そう言われると思うんです。俺も藤原組に入ったときにレフェリーの児玉さんに言われましたから。ファンは練習生とかにも「頑張ってください」とか「握手してください」とか声をかけてくるけど、「ありがとうございます」なんて言わないでいいからなって。もう目も合わさないでいい、媚を売らなくていいからと。
――一般人とは一線を引く時代でしたよね。だからプロレス学校も新日本のレスラーからすれば「コイツらは道場で何をやってんだろう?」みたいな感じだったみたいで。
この続きと、高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎…などの5月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2100757
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
荒唐無稽テキスト「デスマッチがプロレス界をダメにした10の理由」
2022-05-01 00:00130pt写真提供:Earl Gardner @EarlGardnerアメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは荒唐無稽テキスト「デスマッチがプロレス界をダメにした10の理由」」です!
<1記事から買えるバックナンバー>・これは冤罪なのか……WWE/NXT王者・家庭内暴力解雇事件
・アメリカインディの雄ROHの始まりと終わり、そしてAEWへ
・元UFCヘビー級王者の悲しき銃弾…ケイン・ヴェラスケス襲撃事件
・AEW設立メンバー、コーディ・ローデス離脱
4月24日、福岡県柳川市で大仁田厚率いるFMWEが行った地雷爆破+電流爆破ロケット+電流爆破バットデスマッチは、その壮絶な爆破がSNSでも話題になった。
その3日後、「#いいじゃあないか好きでやってるんだぜ 」というハッシュタグを付け、大仁田厚はこうツイートする。
「見る側とやる側では感覚的に違う
電流爆破を馬鹿にする奴らがいるが俺たちは自分たちのジャンルの中で一生懸命やっている
否定するのは勝手だが俺たちは好きな道を行くだけさ!」
1990年8月4日に初めて行われた電流爆破デスマッチ。自らを邪道と称し、あれから30年以上経ついまでも、一部のプロレスファンに否定される大仁田。爆発場面が戦争でも思い起こさせるとでもいうのだろうか、近代デスマッチの祖、大仁田の心の叫びは切ない。
ちょうど同じ頃、アメリカのプロレスサイトで、「デスマッチがプロレス界をダメにした10の理由」というデスマッチ批判の記事が投稿され、デスマッチファンから荒唐無稽だと反感を買っていた。
血を流すデスマッチは、様々な意見が分かれる試合形式ではあるものの、はたしてプロレス界にとって害悪あるものなのだろうか。以下に、そのデタラメでバカバカしい「デスマッチがプロレス界をダメにした10の理由」なるものを紹介する。
その1:キャリアが短い
デスマッチやハードコアマッチなどの過剰な痛みを伴い、命を顧みない試合をすることによって負傷するリスクが高まり、早期引退を余儀なくされる。プロレスラーというのは、ただでさえ死亡率が高いのに、そこにデスマッチ的な危険な要素が加わることによって、さらに短命となる。
この続きと、高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎…などの5月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2100757
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
-
世界のTK“引退激勝”高阪剛16000字インタビュー
2022-05-01 00:00150ptRIZIN35の引退試合をTKO勝ちで締めくくった「世界のTK」こと高阪剛16000字インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・【RIZIN2DAYS総括】「斎藤裕には、また笑ってほしい」■笹原圭一
・【新・女王】伊澤星花1万字インタビュー「やっぱり浜崎さんはカッコいいですよね!」
・いま最も刺激的な格闘家!! 修斗世界ライト級王者・西川大和1万字インタビュー
・斎藤裕「次の試合で終わるかもしれないという緊張感、危機感はあります」
──引退試合、お疲れさまでした。劇的で感動的なフィナーレでした!
TK ありがとうございます。
──はじめに気になったのは入場曲がストーンローゼスの『ドライヴィング・サウス』ではなかったことなんですが……。
TK ああ、そこから入りますか(笑)。はい、今回はモトリー・クルーでした。
──『ワイルド・サイド』ですよね。
TK じつは『ワイルド・サイド』はリングスのデビュー戦のときに使おうと思っていた曲なんです。
──あっ、そういう曲だったんですね。
TK 使いたかったんですけど、デビュー戦だから早くリングに出ていかなくちゃいけないから。
──ああ、新人の分際では曲に合わせて入場できないってわけですね。「Wild Side!!」のサビを歌うまでにリングインしている可能性がある(笑)。
TK はい。なので、デビュー戦はスティーブ・ヴァイにしたんですけど。
──リングスって選手それぞれにオリジナルテーマ曲が用意されてましたよね?
TK ありましたけど、自分は頑なに使わず……(苦笑)。
──ハハハハハハ! こだわりがあったんですね。
TK 長く使ったのは『ドライヴィング・サウス』ですけど、「オリジナルを作ります」って言われたときに、自分は「たぶん使わないと思いますけど」って言ったら「じゃあ寄せた曲を作るので」と。『ドライヴィング・サウス』に似た曲を作ってもらったんです。
──リングスオリジナル入場曲のアルバムも発売されてますけど、『ドライヴィング・サウス』がモチーフだったんですか!
TK で、実際にその曲を聞いたら「……すいません、やっぱり使えません」って感じで(苦笑)。
──でも、しっくりいかなかったんですね(笑)。
TK はい。「1回だけ使ってください」って頼まれたから1回くらいは使ったんですけど、本物がいいなぁと。
──ある程度キャリアを積んだら、間をおいて入場できるわけですよね。 『ワイルド・サイド』に変えようとは思わなかったんですか?
TK 『ドライヴィング・サウス』は長く使っていたし、入場曲って勝ったときまたかかるじゃないですか。そのときのいいイメージが 『ドライヴィング・サウス』にはあったんですよ。そういうこともあったりしたんで、ずっと使い続けていたところはあったんですよね。
──今回の引退試合で『ワイルド・サイド』を使うことはいつぐらいに決めたんですか?
TK もう試合が決まったときには。キャリアがどうのとか関係なく試合がやりたいっていう思いがあったんで。だから自分もデビュー戦のつもりでいこうと。だからいままで1回も使ったことのない、デビュー戦で使おうと思っていた『ワイルド・サイド』にしたんですね。そういう経緯があったんです。
──めちゃくちゃいい話です! 『ワイルド・サイド』の「Save the blessings for the final ring, amen」という歌詞にかけてるのかなと思っていたり。
TK いや、歌詞のところまで見てなかった(笑)。
──じゃあ深読みしすぎですね(笑)。
TK じつは理由は他のところにありましたね。本当にデビューのときに使いたかったくらいモトリー・クルーが大好きだったし、あの年代のロックが大好きで。そもそもボクがロックに芽生えたのはKISSの『デトロイト・ロック・シティ』。小学校5年くらいで聴いて、そこからなんで。
――ボクはモトリー・クルーは後追い世代なんですけど、モトリーって『ワイルド・サイド』が収録されたアルバム『ガールズガールズガールズ』からスタイルが変わったじゃないですか。
TK そうですよね。『ガールズガールズガールズ』前のモトリーも好きなんですけど、ポップすぎて。モトリーはライブにも行ったんですけど、そのときはヴォーカルのヴィンス・ニールが抜けたあとで、ヴォーカルはジョン・コラビだったんですよ。
――ちょっと微妙だったグランジ路線時代のモトリーですね。でも、それはそれで貴重です!
TK あれは大学のときですね。でも、トミー・リーのドラムが見られるからいいかと。
──トミー・リーの360度の回転ドラムは、ロックぼんやり層のボクでも痺れます! しかし、今回の引退試合がなかったら『ワイルド・サイド』で登場する高阪剛は見れなかったかもしれないんですね。
TK まぁ使ってないでしょうね。今回の相手の上田(幹雄)くんはMMAデビュー戦ですけど、自分のキャリアをひけらかすような試合をやりたくなくて。自分は毎試合毎試合、全力で試合をしたいという気持ちが強いんですけど、どうしてもやっぱり自分の思いと違う見方が先行することもあったりして。先輩だとか先駆者とかリング上がったらそんなものは関係ないんで。
──その姿勢が入場曲に込められてたんですね。
TK なので、自分なりにパッと思いついたのがあれっていうか。入場はこれでいこう、と。
──「神は細部に宿る」という感じでプロですね。
TK いや、そんなことない、そんなことない(笑)。
──結果は極真世界王者相手に打撃で勝ったわけですけど。試合前からガンガン攻めようと。
TK そこに何年か前にたどり着いたんです。要は相手がどうのこうのじゃなくて自分の戦いをしっかりとやると。
──何年前にたどりついたんですか?
TK 結局ぐるぐる回ってるんですね。「俺ってこうだよね」って自分で自分のことを再認識したっていうのが何年か前。「何年か前」っていうかもうずいぶん昔だけど(笑)。
──高阪さんくらいのキャリアでも“自分探し”をしてるってことですね。
TK 自分は中学時代に柔道を始めたんですけど、試合で勝っていた時期があったんです。滋賀県で決勝まで行って、全国大会まで行ったり。そのときの柔道は、いわゆるガチャガチャ柔道。要はバカみたいに攻めまくって体力だけで戦ってたんですね。だから体力勝負になって相手のほうに体力があった場合は負けているんですよ。そういう柔道で最初は始まったんですけど、高校や大学でやるようになって、技術が必要なんじゃないの?と。それで技術を学んでいったんですけど、全然成績は上がってないんですよ。それは自分の本質が見えなくなっていたんじゃないかなって。それを総合の中でも気づいて。
──それが数年前。
TK でも、それは何周もしているんですよ。「やっぱり攻撃しなきゃ!」「でも技術も必要だよね」「いやでも結局、俺ってこうじゃん」って自問自答を繰り返しながら、いまに至る。思い返せば、何度も何度も巡って時間が過ぎていったなって。
──今回の引退試合では自分の原点に立ち返ったと。
TK はい、そうですね。「ここだろう」という確信は自分の中にあった。「自分はこうじゃなきゃ何も生まれないよ」って。
──確信はしてるけど、迷ってしまったのはなんなんですか?
TK いや、迷いはまったくないです(笑)。
──でもぐるぐる回っちゃうんですね?
TK そこはもう何周もしてますね。やっぱり自分がいままでやってきたことってトライ・アンド・エラーの繰り返しで。やってダメだった、そのダメからまた何かを見出す。またダメ、また見出す。その繰り返しだったんです。それはいまもそうなんですけど、それはすごく大事だなと思っていて。だからそこはすごく練り込んだ感が自分にはあって。
──同じ場所をぐるぐる回ってるように見えるけど、じつはそうではないということですね。
TK そうです。自分の身体の核となるものが一周回ることでできるんです。一周回るというより、塗り重ねていくイメージですね。それがどんどん分厚くなっていくのが格闘技なのかなって思ったり。
──そうやって分厚くなる前でやめざるをえないケースもありますよね。ここまで戦えた高阪さんの身体の頑丈さが……。
TK それはもう間違いないと思います(笑)。途中でこれはマズイなっていう故障もあったんですけど、なんだかんだで完治したので。
──高阪さんってたまにとんでもない殴り合いをするときがありますけど、いまの話を聞いて納得しました!
TK そういうことだと思います。UFCでいうとバス・ルッテンとの試合なんかは、カウンターのタックルやグラウンドのポジションの使い方とかすごく練習していたんです。
――1999年1月9日のUFCヘビー級王座挑戦者決定戦の死闘ですね。
TK あのときはリングス所属のまま、シアトルに移って練習していたんですけど。モーリス・スミスやフランク・シャムロック、ジョシュ・バーネットやジョン・ルイスとか、そういう選手たちと「これからはこういう戦いが必要なんじゃないか」と練っていた時代でもあったんで。
──いまは「強くなるならアメリカ!」となってますが、20年以上前に画期的なことをやってましたよね。高阪さんの引退試合が発表されたときに、バス・ルッテンとの試合を見返したんですけど、戦略的な戦い方で。「最近の試合ですよ」って言われても驚かないというか。
TK そうですか(笑)。あのときは試合のやり方としても「このプランで行こう。それがもし崩れたらこのプランで行こう」と。いまのUFCの選手がやっているプランAからプランCまで用意しておくかたちに近かったのかもしれないです。
──時代の先頭を走っていたわけですね。あの時代のUFCってまだアングラ感が漂ってましたよね。
TK アスレチックな方向に向かおうとしていた時代の過渡期でしたね。ルールも毎大会ごとに変わっていて。ルッテン戦は1R12分で、オーバータイムが3分。その前までは15分1Rだったんです。
――5分3ラウンドになるまで時間はけっこうかかってますよね。それにしても15分1Rからの1R12分+3分という変更って(笑)。
TK 15分だと最後にガス欠しちゃう奴がいるから、どこかで切ろうってことになって。12分にして、残り3分だったらどんだけ疲れていてもできるだろうと。あの時代はホントに試行錯誤の繰り返しで。UFCの大会が終わるじゃないですか。あのときはSEGという会社がUFCを運営してたんですけど、そこの社長がホテルの部屋にファイターを集めて「今日はこういう試合が多かった。何かルールで意見ないか?」ってミーティングを始めるんです。<16000字インタビューはまだまだ続く>
この続きと、高阪剛、YUSHI、岡見勇信、臼田勝美、大谷晋二郎…などの5月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「15万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2100757
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事110円から購入できます!
2 / 3