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AEWを支えるヤングバックスのルーツ「プロ・レスリング・ゲリラ」■アメプロインディ通信「フリーバーズ」
2019-10-14 18:1090ptアメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマはAEWを支えるヤングバックスのルーツ「プロ・レスリング・ゲリラ」です!<1記事から買える関連記事>・間もなく旗揚げ!AEW『Double or Nothing』情報まとめ・新日本プロレスデビュー記念、ジョン・モクスリーがWWE離脱理由を激白・ネット社会に出現したニュータイプAEW、その可能性■斎藤文彦INTERVIEWS・AEWチャンピオンベルト盗難事件■斎藤文彦INTERVIEWSAEW(オール・エリート・レスリング)のテレビ番組「Dynamite ダイナマイト」の放送が10月2日から開始された。
アメリカの首都ワシントンD.C.のキャピタル・ワン・アリーナで開催された、記念すべき第1回放送。メインのリング上には、ヒール軍団として役割を担う初代AEW王者のクリス・ジェリコと、サンタナ&オーティズ組。かたや、ベビーフェイスチームは、エリートの3人。ケニー・オメガ、ヤングバックスのAEW副社長トリオだ。
WWEファンやアンチAEW派からすれば、「インディーの寄せ集め」などと揶揄されるかもしれない。しかし、インディープロレスをこよなく愛しているマニアからすれば、この光景に涙腺が緩んだことだろう。
マット・ジャクソンとニック・ジャクソンのヤングバックスがいて、裁くレフェリーはリック・ノックス。そして、テレビ解説を務めているのはエクスカリバーとくれば、これはまさにPWG(プロ・レスリング・ゲリラ)だ。南カルフォルニアのインディープロモーションPWGが、全米中継の電波に乗ったことは、とても感慨深い場面だった。
PWGは、有望な選手を見つけ出す先見性に優れており、WWEや新日本プロレスなど大手団体で活躍する選手の多くを輩出してきたことから、いまや世界中のプロレスマニアのあいだでは、その存在を知らぬ者はいないインディープロモーションである。日本でも米インディーといえば、必ずPWGの名前が挙がるほどだ。
ヤングバックスは、そのPWGでタッグ王者に就くこと4回、通算2,053日に渡り保持し、PWGタッグ部門の象徴として君臨した。
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23年間で4度出現……鬼神ライガーは吉兆である
2019-10-11 21:1888ptこの記事は「鬼神ライガー出現は吉兆である」を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事¥70〜から購入できるバックナンバー】・【格闘技ラブストーリー】那須川天心vs武尊はなぜ実現しないのか?・【プロモーター論】榊原信行は朝倉未来に怒っていたのか
・ボクシングの「共同声明」はなぜ反感を買ってしまったのか?・【興行論・考】堀口恭司戦は朝倉海をいちばん高く売れるカードである
元UFCヘビー級チャンピオン、ケイン・ヴェラスケスのWWE登場は驚きました! AAAでプロレスデビューし、非凡な才能を見せていたヴェラスケスはその後、新日本プロレス、 AEW、WWEと接触。「この逸材はいったいどこに行くんだろう?」とその動向は注目されてましたが……WWEはアッと驚かせる物語を用意してきた。UFCでヴェラスケスは怪物レスナーを完膚なき叩きのめしてます。「その手があったか!」 と感心しました。
これって文字で説明すると「ふーーーん、プロレスで再戦するのね」って冷めた感じで受け取られちゃう可能性があると思うんですよ。 でも、ヴェラスケス登場シーンを見ると本当に興奮します。未見の方はぜひチェックしてください。レスナーのマネージャーのポール・ヘイメンのびっくり顔も必見です(笑)。https://twitter.com/majan_saitou/status/1180301813200740353 2人の因縁を知らない人も多いはずですが、レスナーの表情一発で何が起きているのか把握できるんですよ。あの怪物レスラーが挙動不審になる。「ああ、このヴェラスケスってヤツはヤバイ人なんだ」と世界中のプロレスファンが理解できるんです。
2人はリング上で乱闘になるんですが、ヴェラスケスはルチャムーブを見せなかったことも計算されてますよね。試合まで隠しておく。パウンドをやったのは「UFCでレスナーをやっつけたことがあるんだぞ」という記号としての使い方なんでしょう。
ただですよ、これはプロレスファンの夢を壊すことを言っちゃうかもしれないですけど……いいですかね。
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UFC初の中国人チャンピオン、ジャン・ウェイリー、米国のビザを取得できず、ほか
2019-10-11 20:5988ptOmasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマはUFC初の中国人チャンピオン、ジャン・ウェイリー、米国のビザを取得できず、ほかです!!【1記事から購入できるバックナンバー】・今年の年末格闘技のキーワードになるのか? 世界的超人気番組『SUPERSTARS』とは何か・【RIZINライト級GP展望】サトシが勝ったら「ああ、やっぱりやったな」です■大沢ケンジ
・痛い!怖い!つらい! MMAファイターが語るダメージとケガのリアル■MMA Unleashed
・ドラゴンゲートで起きた「幸せなシュート事件」とは何か?■事情通Zの「プロレス 点と線」
・「死ねばよかったのに」……デスマッチ大論争大勃発!■アメプロインディ通信「フリーバーズ」・【プロモーター論】榊原信行は朝倉未来に怒っていたのか
・ネイト対マスビダルのMSG血戦決定! 賭けられるBMFベルトとは何か。
9月1日のUFC深セン大会で、UFC初の中国人チャンピオン、ジャン・ウェイリーが誕生したことは、まだ記憶に新しい。UFCが中国市場を侵略するためにも、地元の英雄の存在は非常に重要な意味を持つはずだ。数年後に振り返ったときに、実はあの大会が歴史の転換点だったと思わせる出来事だった可能性もある。
実は深セン大会でウェイリーの対戦相手としてもともと白羽の矢が立っていたのは、“カラテホッティ”ことミシェル・ウォーターソンだったのだという。しかしウォーターソン陣営が、地味強だったウェイリーを回避した模様だ。
ウェイリーは最近、UFCのメディア対応の仕事のため米国に行こうとして、ビザ申請が却下されたことで話題を呼んだ。自らのInstagramでウェイリーが次のように訴えたのだ。
「私の米国のビザがまた却下された。理由が分からない。別の種類のビザを申し込む方がいいの? 私が独身女性だから? それとも米国大使館の職員の機嫌が悪かったのか。これが解決しないと、私は米国の友だちやファンに会いに行けない」
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【チャーリー徹底解剖】RIZIN海外事業部・柏木信吾12000字インタビュー
2019-10-08 09:15100ptRIZIN海外事業部・柏木信吾12000字インタビュー! 各プロモーションの選手争奪戦が激化する中、外国人ファイターを招聘する立場に担い、そのMMA知識を活かしてオフィシャルサイトでの試合見どころ解説やRIZIN榊原信行CEOや選手の通訳として寄り添う。世界規模で発展を遂げるMMAと日本の格闘技界を繋げる重要な役割の柏木氏に迫りました!
【1記事から購入できるバックナンバー】
・【格闘技ラブストーリー】那須川天心vs武尊はなぜ実現しないのか?・朝倉海インタビュー「打倒・堀口恭司の攻略法は、まだ1割しか使ってないです」・日本柔術界の最高傑作! ホベルト・サトシ・ソウザは何が凄いのか?■柔術ライター・橋本欽也・【RIZINライト級GP展望】サトシが勝ったら「ああ、やっぱりやったな」です■大沢ケンジ
・今年の年末格闘技のキーワードになるのか? 世界的超人気番組『SUPERSTARS』とは何か
・朝倉未来1万字「メリットがないからモチベーションは低かったかもしれないですね」
――RIZINを動かしている!……という噂の柏木さんにお話を伺いに来ました!
柏木 いやいや、「RIZINを動かしている」なんてとんでもないですよ(笑)。
――柏木さんの肩書は「海外事業部」ということで外国人選手招聘のイメージが強いんですね。
柏木 海外事業部ということで外国人ファイターも呼んでくるんですけど、海外のライブ配信や英語を使ったやりとり全般になりますね。
――そもそも柏木さんはどういったかたちでこの業界に入られたんですか?
柏木 最初は変な偶然だったんですよね。ボクは帰国子女で10歳までアメリカのシカゴに住んでいたんですけど、子供の頃からずっとアイスホッケーをやっていて。そのあと父の仕事の関係で一度は日本に戻るんですけど、また20代前半にフラッとアメリカに行くんです。
――それはお仕事でですか?
柏木 いや、最初は遊びですね。2003年ぐらいにはカリフォルニアのほうにいて、そこでもアイスホッケーを続けていて。そうしたらチームメイトにたまたまKIng of the Cage(以下、KOTC)の社長がいたんです。しばらくはチームメイトとして一緒に遠征に行ったりとかしていたんですけど、ある日突然「ウチのマッチメーカーが金を持ち逃げしたんだ。そいつをクビにして、枠が空いてるからやらないか?」と。
――けっこう突拍子もない相談ですね(笑)。
柏木 そのチームに入った初日に「おまえ日本人か?日本人なら格闘技は好きだろ?」と。初日なので彼の素性がわからなかったんですけどね。
――その頃ってPRIDEやK-1が全盛の頃でしたし、日本が世界一の格闘技大国でしたね。
柏木 ボクは格闘技は好きだったんですよ。そうしたら「大山峻護を知っているか?」と。ボクは彼のPRIDEデビュー戦をチケットを買って会場に観に行ったぐらいの人間でしたし、大山選手はKOTCからの逆輸入ファイターという扱いをされていたので「PRIDEに出ていた大山峻護だろ?」と話をしたら「俺がそのKOTCの社長だよ」と。
――そんなオファーをもらうということは、アイスホッケーを通じて信頼関係が構築できてということですね。
柏木 彼と知り合ってからオファーをもらうまで1年ぐらいあって。アイスホッケーのチームメイトとして一緒に遠征したりする間柄だったんですけど。もしかしたら、その間にいろいろと適正をチェックしていたのかもしれないですね。
――そのオファーにはすぐにOKしたんですか?
柏木 ちょっと悩みました。たしかに格闘技は好きでしたけど、好きなものを仕事にするって、いいこともと悪いこともあるじゃないですか。とくに自分はファン目線でスタートしているから、業界に入ってしまったら「え、こんなんだったの!?」とギャップがあるかもなあ、と。でも、こんな話はめったにないだろうということで最終的にはOKしましたね。
――マッチメーカーといっても団体によって仕事の幅が違いますが、KOTCではどんな業務を担当していたんですか?
柏木 まずは見習いというか付き人みたいな感じで、クビになる直前のマッチメーカーとずっと一緒に行動していました。
――あ、そのマッチメーカーは、まだ在籍してましたか(笑)。
柏木 はい。そもそもKOTCってフランチャイズ的なビジネス展開をしていて、全米のカジノ、そして各地のプロモーターと提携して開催しているんですよ。だから各地にいろんなマッチメーカー兼プロモーターがいる。ボクもいろんな場所に連れて行ってもらいながら学んでいきました。じつは初めて地方遠征に行かされた大会には、小路晃選手が出ていたりしたんですよ。
――PRIDE好きとしては、うれしい展開ですね。
柏木 そうなんです。ネバダ州のリノという街で、小路晃選手がケイシー・ウスコーラという選手と戦ったんですけど、ボクはかなり浮かれてましたね(笑)。
――そういうイベントも体験しながら仕事を覚えていって。
柏木 ただ、結局自分が付いてたマッチメーカーも「将来的にコイツが自分の仕事を取るんだな……」というのを薄々勘付いていたので、何も教えてはくれないんですよ。とりあえず一緒に行動はするけど、ジムの関係者だったり人脈含めて情報はくれなかったんです。だから最初は会場のゴミ拾いやイス並べとか雑用をやるしかなくて。本当に仕事はイチから自分で覚えていきました。で、自分もマッチメークをやるようになるんですけど……これは言ってもいいのか微妙な話なんですけど。
――大丈夫です! 言っちゃいましょう!(笑)。
柏木 まあ、自分がマッチメークで関わってた当時って、アメリカではMMAは違法だったんですよね。カリフォルニア州で合法になったのは2006年からで、ボクが始めたのは2005年から。法をどうすり抜けるかというと、KOTCはインディアンカジノと組んでいたんです。つまり、インディアン居留地はアメリカの国土じゃないので治外法権なんですよ。
――あー、すっかり忘れてましたけど、当時のMMAってそういう扱いでしたねぇ。
柏木 そういう事情もあって当時は全部現金商売だったんです。
――つまり、一般の銀行は通さないと。
柏木 ボクはチケットを売れば売るほど、現金が入ってくるというか。本当に20試合以上を組んで、選手1人に何枚かを売らせて、その現金を全部回収するというかたちでした。
――とても2000年代の話とは思えないですね。
柏木 自分が頑張れば頑張るだけバックがあったので、20代前半のクソガキだったボクには凄くモチベーションの上がる仕事でしたね。
――向こうの興行でも選手の手売りが基本なんですね。
柏木 小さいところは、ほぼそうですよ。自分の最初のミッションはチケットを売ること。マッチメークというと聞こえはいいですが、よりチケットを売る選手をいかに勝たせるかという仕事でした。なので、変な話、チケットが売れればファイターじゃなくてもいいんですよ。本当にレベルの低い話をしているんですけど(苦笑)。基本は警察官や現場工事の作業員とか交友関係が広い職業だとチケットを売るんですよね。
――反対に、いくら強くても引きこもり大学生みたいなファイターは使いづらい(笑)。
柏木 本当にそうです。新しい地方に行くときは、必ず最初に顔を出すのはストリップクラブとバーなんです。そういうお店のマスターは、ある程度その街の状況を把握しているので「みんなの給料日は何曜日だから、この日は金遣いが荒くなるぞ」「この街ではアイツが有名でチケットを売るぞ」という情報収拾から始めるわけです。
――世間が思うマッチメーカーって選手の将来性や、戦い方をチェックしていると思われがちですけど、まずは出場者にどんな交友関係があるのか、そういったところから見なきゃいけない。
柏木 自分はそこからでした。そこではかなり目利きが必要だったんですよ。要は、チケットを300枚売るヤツに勝ってもらわないといけなかったですから。なぜかというと、そういうヤツが勝つと、次の大会では400枚ぐらい売るんです。
――選手も手売りのモチベーションもアップするし、試合が評判になればさらに売れますね。
柏木 でも、負けると250枚、2連敗すると100枚……けっこうわかりやすい世界なんです(笑)。ボクらにとっては、選手が出てくれることによって興行が成り立つわけなので、彼らのレベルに合わせた相手とのマッチメークが必要になってくるんですよね。
――チケットを売るファイターをいかに光り輝かせるかってことですね。
柏木 そういう選手が、いかにカッコよく勝つかですよね。まあ、目利きといってもあまり誇らしくはないんですけど(苦笑)。でも、そうやって利益を生めるマッチメーカーになったら、今度はボスが「○月○日にこのカジノの契約を取ったから」と任せられるようになって。そこから自分ひとりでカジノと交渉するポジションになりまして。
――ちょっとした興行を任せられるんですね。
柏木 そこで座席配分だったり、チケットの単価を決めたり、マーケティング戦略なんかを全部任せられるという感じでした。
――そのポジションになると、いままでと違う部分も出てくるんですか?
柏木 たとえば、ボクらはカジノから何千万かをもらって、その中で予算を決めてやっていくんですけど、KOTCもPPVはやっていたので、カジノとの交渉時にPPVに見合うようなカードを提案するんですよ。
――そうやってカジノから興行料を引き出すわけですね。
柏木 KOTCっていまだにローカル団体と言われてますけど、ここ20年まったく上がりもしないし、下がりもしない。ずっと安定していて、どちらかというと徐々に右肩上がりで実績を伸ばしているんですよね。去年も80大会もやっている。あんまり大きな賭けをしないというか、社長のモットーが「自分の金を絶対に使わない」でしたから(笑)。
――優秀な金持ちってそういう人が多いですよね(笑)。
柏木 他人に金を出させて、自分はアイデアを売る。1大会で100万円しか上がりが出なくても、それを100回やればいい……という考え方ですよね。そういう中で、自分は最終的には西海岸全部を任されるようになって。カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州、ネバダ州、アリゾナ州、ニューメキシコ州。年14大会くらいやってました。
――そんなに! 毎月何かしら動いている感じですね。
柏木 基本は車移動で、2年間で32万キロぐらい走りましたね。
――たとえば、カジノからムチャなリクエストされることはあるんですか?
柏木 うーん、カジノからのムチャぶりはないですね。どちらかというと、ボクらのほうがムチャクチャなリクエストをしてました。「もっとお金を払ってよ~!」とか(苦笑)。
――そういう強気の交渉ができるのも、カジノ側にもメリットがあるからですよね?
柏木 カジノのメリットとしては、ボクらが興行を打つことによって、カジノにお金を落とす客層を一晩で1000~2000人ぐらい集められるという点ですね。ボクがそのカジノに「この週末は何もイベントやショーが入っていないですよね。ボクらがケージファイトをやれば少なくとも1000人は来ます」とプレゼンするんです。「この1000人のうち半分がビールを1杯飲んだらいくらになりますか? 帰りがけにその何割かが10ドルを賭けたらカジノの売上はいくらになりますか?」という話をするわけです。
――カジノにとってショーのジャンルはなんでもいいけど、柏木さんの場合は格闘技を売り込んでいたという。
柏木 地方の寂れたカジノなんかは、それでも充分ボクらにお金出す価値があると計算してやってくれましたし、もうちょっと大きなカジノになれば、ある程度名前のある選手が出てくると、自分たちのハイローラーを呼べるんですよ。自分たちのカジノでたくさんお金を使ってくれる人に対して招待券を出して「こんなイベントがあるから遊びに来てね」と。イベントをダシにカジノで遊んでもらおうってことですよね。
――UFCの以前の親会社もカジノでしたし、アメリカの興行はカジノと切っても切り離せないんですね。
柏木 いまではMMAの興行は完全に合法になって、それこそステイプルズ・センターやアナハイムのホンダセンターなんかで開催できるようになったので、ビジネスモデルとしてはだいぶ変わってきてますけど。
――そこから柏木さんはどうして日本に戻ってきたんですか?
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東海岸のギャングスター……ホルヘ・マスヴィダルと『スカーフェイス』
2019-10-07 22:5788ptカナダ在住のGO.com管理人-Kenが北米MMAの香りを日本に届けるコラムコーナー。今回のテーマは東海岸のギャングスター――ホルヘ・マスヴィダルと『スカーフェイス』です。襟元を大きく開けた真紅のシャツ、ホワイトのダブルスーツ。いつもと変わらぬフランクなスタイルで現れたネイト・ディアスとは対照的に、派手な出で立ちを身にUFC 244 の会見場へやってきたのはホルヘ・マスヴィダルだ。ご存知の方も多いだろうが、この衣装は1983年に公開されたギャング映画『スカーフェイス』に登場するアル・パチーノ扮する主人公、トニー・モンタナを真似たものである。
いくらこの映画がギャングを扱った映画とはいえ(マスヴィダルはネイトとの試合が組まれる一連の流れで、”East Coast Gangstar” 「東海岸のギャングスター」と呼ばれている) 、彼は何の理由もなしにこの衣装を選んだわけではない。「マスヴィダルの人生のゴールはこの主人公のようになること」と、彼のPR担当者が明かしていることからもわかるとおり、これは彼の理想を表す一つの自己表現なのだ。しかし、その真意を探るには彼の生い立ちを遡る必要がある。
9月25日に公開されたMMAジャーナリスト、アリエル・ヘルワニとのインタビューでは彼の知られざる過去が多く明かされた。
マスヴィダルはキューバ人の父、ペルー人の母の長男としてフロリダ州マイアミに生まれた。マスヴィダル本人に「親父の人生に比べれば、俺の人生なんて公園の中を散歩してるようなもんだ」と言わしめた父の人生だが、彼の父は幼いときにキューバを脱国、その後ラテンアメリカを渡ったあと14歳でアメリカに移り住んだ。
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ちゃんこはリングスに圧勝? Uインターのちゃんこ番長・宮戸優光さん■金原弘光
2019-10-06 21:0688pt
伝説のプロレス団体UWFインターナショナルでデビューして、キングダム、リングス、PRIDEと渡り歩いた日本格闘技の生き証人金原弘光が格闘技界黎明期を振りかえる。今回のテーマはちゃんこはリングスに圧勝? Uインターのちゃんこ番長・宮戸優光さんです!
【1記事100円以下から購入できる関連企画】・U系平成のベストバウトは高田延彦vs北尾光司!・U系平成のベストバウトは高田延彦vs北尾光司!■金原弘光・昭和男OMASUKIが振り返る平成ベストバウト、そして令和へのたくらみについて・おっさんMMAファン悶絶!! 日本の格闘技界を変えた平成ベストバウト■大沢ケンジ・この試合がキックを変えた! 平成の立ち技ベストマッチ5■高崎計三・三銃士、四天王、UWF…平成のプロレスを変えた5つの勝負■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」・平成という「アントニオ猪木が去った時代」斎藤文彦INTERVIEWS――金原さんが所属していたUWFインターナショナルの宮戸優光さんがジムの中に「ちゃんこの台所」という食堂をオープンしました。http://www.uwf-snakepit.com/chanko.html
金原 宮戸さんの料理は凄く美味しいよ。Uインターの「ちゃんこ番長」を名乗っていたからね。
――ボクも湯どうふ鍋を食べたんですけど、本当に美味しかったです!
金原 ああ、あれね。力道山時代から続いている秘伝のタレでしょ。
――力道山が相撲時代を過ごした二所ノ関部屋の味らしいですね。
金原 かつおぶし、醤油、黄卵、青のり、ネギ……を混ぜて作るんだよね。あの秘伝の黒ダレはおいしいよね。俺はしょっちゅう食べていたから慣れてきちゃったけど(笑)。Uインターにはちゃんこの種類がたくさんあって。いま言った湯豆腐、しょうゆ、味噌、キムチ、ポン酢。新生UWFの頃はカレーちゃんこがあったんだけど誰も継承しなかったんだって。
――え、どういうことですか?
金原 UWFのときに安生さんがカレーちゃんこを作ったんだけど、あまり美味しくなくて高田さんが一口食べたきりそのまま帰っちゃったんだって(笑)。
――それから高田さんのいるUインターにはカレーちゃんこは継承されなかった(笑)。この続きと、冨宅飛駈、朝倉海、チャーリー柏木、スターダム買、WWEペイジなどの記事が550円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラ https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1828791この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事85円から購入できます!
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新日本プロレス米国展開の問題点を探る
2019-10-04 21:0788ptOmasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマは新日本プロレス米国展開の問題点を探るです!!【1記事から購入できるバックナンバー】・今年の年末格闘技のキーワードになるのか? 世界的超人気番組『SUPERSTARS』とは何か・痛い!怖い!つらい! MMAファイターが語るダメージとケガのリアル■MMA Unleashed
・ネイト対マスビダルのMSG血戦決定! 賭けられるBMFベルトとは何か・MMAファイターの職場恋愛が多い理由新日本プロレスを子会社にもつブシロードが9月末に2019年7月期(2018年8月~2019年7月までの1年間)の決算を発表した。決算説明資料(ブシロードのIRのページから入手できる)によると、新日本プロレスの今期の年間観客動員数は43万6千人で、前期の39万1千人に比べ、約11%上昇した。観客動員数は6年連続で増加している。
また新日本プロレスの今期の売上高は54億1,600万円と過去最高を記録、前期の48億8,900万円に比べ、約11%の増加となった。
一方、利益の額は説明資料からはハッキリとは分からないものの、キックボクシング団体のノックアウトを含めた「スポーツ事業」の枠で、利益額が6億800万円、前年比21.1%減とある。このことから新日本プロレスの収益性は減少傾向にあるものとみられる。
説明資料では、現在売上の50%を占める興行部門から、今後は非興行部門の売上を増加させていきたいとしており、特に海外における映像配信強化でコンテンツ収入とMD(グッズ販売)収入を増加させていきたいとしている。
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MMAはモニタージャッジを導入すべきではないか■大沢ケンジ
2019-10-04 20:3985pt「おしゃべりアベマ野郎」こと大沢ケンジがMMAのジャッジについて語ります!【1記事から購入できるバックナンバー】・【RIZINライト級GP展望】サトシが勝ったら「ああ、やっぱりやったな」です■大沢ケンジ・【プロモーター論】榊原信行は朝倉未来に怒っていたのか
・日本柔術界の最高傑作! ホベルト・サトシ・ソウザは何が凄いのか?■柔術ライター・橋本欽也・【大沢ケンジ徹底分析】なぜ堀口恭司は朝倉海に攻略されたのか?・朝倉未来1万字「メリットがないからモチベーションは低かったかもしれないですね・【徹底解説・朝倉vs矢地】大沢ケンジ「ミクルのモチベーションは低いように見えた」・【大激闘・元谷友貴戦】扇久保博正インタビュー「KO負けしてもいいや!って」――先日の修斗後楽園ホール大会のジャッジについて疑問の声が挙がってますね。魚井フルスイングvs田丸匠は田丸選手が2-1で勝ったんですが魚井選手選手じゃないのか……とか、岡田遼vs安藤達也はドロー(29-27・27-29・28-28)でしたが岡田選手の勝ちじゃないのか……とか。
大沢 魚井はウチのジムの選手なんですけど……試合が終わった瞬間は負けたと思ったんですよ。基本的にいつも自分の選手の試合は、からく見てるというか。
――ジャッジがどう転ぶかわからないから、選手に簡単に「勝っている」と思わせたくないところもあるんですね。
大沢 あと正直セコンドの位置からすると、魚井のパンチが当たってるのかどうかわからなかったんですよね。ダウンだったのか、フラッシュダウンだったのか……。
――ヒットしていたパンチもありましたが、田丸選手がうまく戦ったこともあって判断が難しかったですね。
大沢 そこで言いたいことがあるんですけど、セコンドだって見づらいんだからジャッジも絶対に見づらいと思うんですよ。モニターだと画面に2人が収まるからまだわかりやすいですけど、現場であれだけ近いと、どちらかの選手の動きに目線が飛ぶじゃないですか。
――2人の選手が視界に収まらないってことですね。
大沢 となると、パンチが当たってるかどうか……ってわかりづらいときってあると思うんですよね。<続きは会員ページへ>
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新生UWF解散・至近距離の真実……冨宅飛駈15000字インタビュー
2019-10-02 00:00110pt新生UWFメンバーのひとり冨宅飛駈15000字インタビュー。新生UWF、藤原組、パンクラスとUの世界を渡り歩いた冨宅が見たものとは?【1記事から購入できるバックナンバー】
・【検証「1984年のUWF」】船木誠勝「えっ、そんなことが書かれてるんですか?」
・『1984年のUWF』はサイテーの本!■「斎藤文彦INTERVIEWS⑬」 ・鬱と宗教とUWF……プロレスの信仰心はどこに向かうのか■大槻ケンヂインタビュー
・『1984年のUWF』には描かれなかったリングスの実態……■金原弘光
・『1984年のUWF』と骨法――堀辺正史の「船木離脱」の真相はデタラメなのか? ■証言者・中川カ~ル
冨宅 いいんですかね、ボクなんかの話で。
――伝説の新生UWFのメンバーですから興味津々です! 冨宅さんがプロレスラーになろうと思ったきっかけはなんだったんですか?
冨宅 やっぱりボクらの世代は全員そうかもしれないですけど、初代タイガーマスクですね。佐山(聡)さん。最初は新日本に入ろうと思ってて。プロレスラーを目指して本を読んでスクワットをやってみたり、我流のトレーニングですよね。でも、結局新日本には履歴書は出してないんです。ボクが中3のときに初代タイガーマスクが引退して、高校になって旧UWFができて佐山さんも合流されて。入るんだったらUWFだろうと。
――佐山さんありきのUWF志望だったんですね。
冨宅 前田(日明)さんや高田(延彦)さん、藤原(喜明)さんとか好きな人がみんなUWFに移ったこともあったんですが、決定的だったのは佐山さんですね。
――UWFの格闘技スタイルはどう思われてたんですか?
冨宅 自転車で30分ぐらいのレンタルビデオ屋に旧UWFのビデオがごそっと置いてあったんです。借りてみたらもう凄いなと。直感的に「このプロレスをやりたいな」って思いましたね。
――その旧UWFが活動停止をして前田さんたちは新日本に戻って。そして新生UWFが旗揚げするわけですね。
冨宅 第1回の入門テストを受けたけど、アカンかったんですよね。テストを受けに行ったら15~16人ぐらいいたんですけど、みんな身体がでかい人ばっかりで。「プロの世界は違うな……」って挫折しかけたんですけど、いざスクワットやダッシュが始まったらみんな脱落していくんですよ。最終的に残ったのがボクと田村さんの2人だけ。田村さんはボクの次の番号だったから隣でテストを受けてたんですよね。体格も同じくらいだったけど「コイツ凄いなあ……」と思いながら。
――でも、あのとき合格したのは田村さんだけなんですよね。
冨宅 最後までクリアしたのはボクと田村さんだけだから受かると思ったんですけどねぇ。あとから不合格の通知が届いて、しばらくして『週プロ』を読んだら新生UWF初の練習生ということで田村さんの写真が載っていたので「なんで俺はアカンのか」と。1年後にまたテストを受けて合格したんですけど。
――冨宅さんが落ちたのは、新生UWFの神社長のアドバイザーだったシンサックさんの奥さんの判断だったという話ですよね。
冨宅 ああ、高岡(左千子)さんですね(笑)。入門したあとに知らないオバちゃんから「あなた、デビューしたら名前変えた方がいいわよ。神社長にも言ってあるわ」っていきなり言われて。 ――U系の選手が何人も改名したのは高岡さんの勧めらしいですね。◎Uのミライを見た女――高岡左千子「私は運気からUWFのスケジュールを組んでいたんです」冨宅 いったい誰なのか知らなかったんですけど、ちょこちょこ道場に来るんですよ。みんなも普通にしゃべってるし。あとになって話を聞いたら1回目のテストのときボクの運気が悪かったみたいなんですよね(笑)。
――高岡さんが運気を見て新生UWFを動かしていたという。
冨宅 あのときは「この子はまた次もテストに来るから、そのとき取ったほうがいい」と高岡さんが言ってたらしいですね。ボクはそんなことは知らないですから高岡さんの言うとおり2回目のテストも当然受けて(笑)。
――高岡さんは神社長たちから厚く信頼されていたんですよね。
冨宅 当時は絶対的に信頼されてましたよね。試合の日程なんかは高岡さんが決めていたみたいなんで。あとで聞いたのは、有明コロシアムって当時は屋外だったじゃないですか。高岡さんは「この日は雨は降らないから大丈夫」ということで決めたら、前日は大雨で当日は晴れ。
―― UWF初の東京ドーム大会も「絶対に11月にキャンセルが出る」って会場を抑える前から予定に組んでいて、実際に本当にキャンセルが出て大会ができたみたいですね。
冨宅 そりゃあ言うことが次から次と当たったら信頼はしますよね。
――新弟子生活はどうだったんですか?
冨宅 入る前から基礎体力はしっかりやっていたので自信はあったんですけど、キツかったのは雑用とスパーリングですよね。こっちの先輩に何か言われてやっていると、違う先輩から「何をやってるんだ!」って怒られても言い訳ができないじゃないですか。
――当時新弟子は何人いたんですか?
冨宅 ボクが入った初日に5人いたんですよ。夕方に合宿所に入って翌朝練習が始まる前に2人夜逃げしちゃいましたね。その2人はボクが入る何週間前に合宿所には入ってたんですけど。残った2人が垣原(賢人)さんと長井(満也)さんです。
――冨宅さんはやめようと思ったことないんですか?
冨宅 一度もないですね。せっかく入れたのになんでやめるんだろうな?って。ボクのあとに3人入門したんですけど、何ヵ月かしたあとに突然いなくなったんですけど。昔は絶対に入れなかったから、もったいないなって。
―― UWFは基本的に月に1度の興行ですから毎日が練習と雑用の繰り返しですよね。
冨宅 毎日道場でしたね。もう本当に大変ですよ。誰かがシャワーを浴びたらタオルを持って行ったり、 プロテインを飲むときはその先輩用のものを作らないといけない。りんごジュースを混ぜないといけない先輩もいましたし。プロテインの粉がちょっとでもコップのフチにつくなんてことはダメなんですよ。
――プロテイン作りからして緊張感があるわけですね(笑)。一番厳しかった先輩は誰ですか?
冨宅 一番厳しかったのは宮戸(優光)さんと鈴木(みのる)さんですね。前田さんや上の人たちに粗相をするなよっていう感じで。田村さんが何か仕事をしていたら「オマエら田村にやらすんじゃない!」と怒られたり。雑用や給仕のことは宮戸さんに厳しく言われましたね。
――宮戸さんはちゃんこ作りも厳しそうですもんね。
冨宅 厳しいですねぇ。台所は奥にあるんですけど、ちゃんこの他におかずも作らないといけないじゃないですか。奥でおかずを作ってると宮戸さんが「ちゃんこ番、ちゃんと給仕をしろ!」と。給仕をやっていると「おい、おかずがないぞ!」と。
――ハハハハハハハ! 最近宮戸さんがジム内で「ちゃんこの台所」という飲食店を始めたんですけど。
冨宅 あ、そうなんですか(笑)。宮戸さんはホンマに食に関しては凄いですよね。
――合同練習はどういうスケジュールだったんですか?
冨宅 朝10時からで日曜日以外は毎日やってましたね。その合同練習のときの先輩たちとのスパーリングが本当にキツくて。人数が少なかったので1回やると最低30分。しかも一度極められたらスタンドで再開というわけじゃなく、その体勢のまま極められっぱなしですからね。やっと終わっても、人がおらんかったら他の先輩に「やるぞ」って言われたり。
――合同練習以外でも先輩の練習にも付き合わなきゃならないんですよね?
冨宅 最初の頃は前田さん、高田さん、山崎さんも合同練習には来てましたけど、だんだんと回数は減っていって、半年経ったらほとんど来なくなりましたね。藤原さんは最初からほとんど来てませんでした。一度来られたときに、ボクは昔から藤原さんに練習をしてもらうことを憧れていたので「お願いします!」と一番最初に行って。あのときの新弟子で藤原さんとスパーリングをやったのはボクだけだと思いますね。
――その当時の藤原さんはキックボクシングジムで練習していたそうですね。
冨宅 UWFの道場には3回ぐらいしか来てなかったと思いますね。3回とも全部ボクが一番最初にスパーリングをお願いしてましたから。
――先輩方が道場に来なくなるきっかけってあったんですか?
冨宅 うーん、取材があったり忙しかったり、他で練習してるのかなと漠然とは思ってましたけど。
――道場は船木さんや鈴木さん若手中心に回っていたので入りづらかったという話も……。
冨宅 そこに宮戸さんや安生さんが加わった4人ですよね。船木さんは昼だけじゃなくて夜も練習に来てました。その練習にも付き合ったりして。
――中野(龍雄)さんは誰もない夜の道場に来るという話でしたよね。
冨宅 中野さんは他の人がいないときを見計らってきてましたね。「いまから行くから」って連絡があって練習に付き合ったり。ボクらが帰ったあとにも来ていたみたいで。翌朝道場に行くとトレーニングをしていた形跡があるんですよね。「あ、中野さんがいたんだな」って(笑)。あと家に呼び出されることもありましたね。
――中野さん、昔は狛江に住んでましたよね。
冨宅 よく知ってますね(笑)。ボクは首押しするために呼ばれたことがあるんですよ。
――それだけのために!(笑)。道場に姿を見せない前田さんや高田さんたちとの接点はあったんですか?
冨宅 デビューしてから前田さんにはメシなんかにも誘われたりしましたね。あとはちょこちょこと小遣いをもらったりとか。
――そのうち新生UWFは雲行きが怪しくなってるじゃないですか。
冨宅 前田さん、高田さん、山崎さんと、船木さんら若手のあいだになんとなく溝ができてるなあという感じはあったんですね。会場でもヨソヨソしい感じで。そうこうしてるうちに前田さんが神社長たちが会社の金を横領しているってことで選手を道場に集めて。
――冨宅さんも出席されたんですか?
冨宅 そうですね。前田さんが弁護士を呼んできて、事務所を新しく変えて……という話し合いをしましたね。その弁護士に仕事を依頼するということで署名をした記憶があります。
――神社長から選手たちに説明はあったんですか?
冨宅 ボクらはちゃんこ番だったので経費の精算や選手の用事を頼まれて事務所に行くこともあったんですよ。事務所の人たちもいままでどおりに接してくれていたし、神社長も「前田さんはああ言ってるけども何も心配しなくていいから」と。実際どうなってるのかはわからなかったですし、道場で船木さんや宮戸さんが話をしてるのをなんとなく聞こえるぐらいで。
――船木さんたちは道場でどんな話をしてたんですか?
冨宅 まあ、いまだから言えますけど悪口ばっかりですよね、上の人たちの(笑)。
――なるほどお(笑)。
冨宅 高田さんに対してはそうでもなかったですね。 前田さんが多かったですよね。ぶっちゃけ悪口ばっかりですよね(笑)。
――そこは道場で一緒に練習していれば埋まった溝だったりするんですかね?
冨宅 そこもあったと思うんですけど……。
――踏み込んだ話になっちゃいますけど、船木さんたちは後年になって総合格闘技に踏み出すじゃないですか。前田さんが仕切る新生UWFにはその気配がなかったことのストレスもあったりしたんで?
冨宅 たぶん船木さんにはあったんじゃないですかね。そのときはわからなかったですけど、船木さんのやりたいことや考え方からすると、そうなんやろうなと想像はできますね。鈴木さんは船木さんほどガチガチというわけじゃないですけど、そっち寄りでしたし。
――若い時期にみんなで集まって腕を磨いていたら、実際にやってみたくなりますし、練習に来ない先輩には不信感は出てきますよね。
冨宅 まあ、そうですよね。
――若手たちは神社長にそれほど不信感を抱いていなかったっていう話も聞きますよね。
冨宅 そうですね。社長の悪口を言うことはなかったですよね。
――前田さんの悪口は出てくるけど。
冨宅 「前田さんがああいう風に言ってるけど、実際はどうなんだろうな」っていう話はあったかもしれないですけど、会社が100%悪いという感じででないですね。これは神社長がボクや船木さんにも言ってたんですけど、「これからは身体が大きくない人が格闘技をやる時代だからアマチュアや底辺を広げていく」と。デビューしたばかりのボクにそういうことを言ってましたからね。そのときは「そうなんですか」って感じだったんですけど、何十年か経ってたら実際に神社長が言うとおりにはなってるので。
――会社批判を展開した前田さんは無期限出場停止処分を受けましたが、新生UWF最後の大会となった松本大会で選手たちが前田さんをリングに呼び込み全員でバンザイしました。若手はフロントと縁を切って前田さんたちと 一緒にやっていきますというアピールでしたが、実際は直前まで選手たちはまとまってなかったという話もありますよね。
冨宅 その前から宮戸さんが仕切って道場で話をしてたんですよ。ボクが覚えてるのは宮戸さんが「前田さんをこっそり呼んでアピールしましょう」と船木さんや鈴木さんに話をしていたことですね。そのときは事務所に不信感が強かったのか、それとも前田さんがおらんとやっていけないということなのか……どうかはわからないですけども。
――そうして全選手契約解除になって第三次UWFの立ち上げに向かうわけですね。
冨宅 あのあともボクは事務所には顔を出してたんですよね。全然普通の対応でしたよ。神社長も「こういうかたちになったけど、気をつけて頑張って」と声をかけられて。
――松本大会以降、選手とフロントが話し合った機会はあったんですか?
冨宅 ボクはなかったですね。松本大会以降は前田さんが弁護士を連れてきて話し合いが頻繁にあったんです。新しくやっていくということでけっこうな数のミーティングはやってましたよ。新しい事務所はその弁護士さんのスタッフが運営していくということで。そして年明けてから前田さんの家に選手だけが集まって……。
――その場で決裂したわけですよね。そこまでミーティングをやったからには話自体は固まってないとおかしいですよね。
冨宅 そうですね。
――新団体はちょっと無理なんじゃないかという雰囲気はなかったんですか?
冨宅 そういう感じはなかったですよね。ホンマにもう毎日に近いぐらい集まってましたから。
――どんな話をするんですか?
冨宅 それが全然覚えてないんですよね(苦笑)。これからの話だったと思うんですけど、まあまあ話し合いはよくやってましたよ。
――じゃあ、前田さんの家で安生さんと宮戸さんの2人が異を唱えたことには、この期に及んで……ということでビックリされたんじゃないですか? 冨宅 「どういうことなんだろう?」って驚きましたね。あの日は船木さんの車で前田さんの家に着いたら、前田さんと高田さんの2人が先に座ってて雰囲気がいつもと違うというか。「おつかれさまです!」と挨拶しても「……おう」と暗い感じで。<15000字インタビューはまだまだ続く……>
この続きと、冨宅飛駈、朝倉海、チャーリー柏木、スターダム買、WWEペイジなどの記事が550円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラ https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1828791この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事85円から購入できます!
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藤本つかさvsSareeeで何が起きているのか?■事情通Zの「プロレス 点と線」
2019-10-01 00:0091ptプロレス業界のあらゆる情報に精通する事情通Zの「プロレス 点と線」――。今回のテーマは藤本つかさvsSareeeで何が起きているのか?についてです!【1記事から購入できるバックナンバー】・ドラゴンゲートで起きた「幸せなシュート事件」とは何か?・AEWチャンピオンベルト盗難事件■斎藤文彦INTERVIEWS
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――Zさん!アイスリボンの藤本つかさ選手と、ディアナのSareee選手の試合がきな臭い感じになってますが……。
事情通Z アイスリボンの横浜文体でやったシングルマッチね。藤本つかさ選手は昨年の女子プロレス大賞を獲った現在の女子プロ界を代表するレスラー。Sareee選手は現在23歳でWWEも注目する若手レスラー。ディアナと仙女の2団体チャンピオンでもある。
――両者の舌戦もヒートアップしていますが、この試合をレポートした『週刊プロレス』ではSareee選手には受けの美学がないと辛辣気味で……いったい何が起きてるんですか?
Z 要するに女子プロって男子以上に出身団体の色が出るというか。アイスリボンは創始者のさくらえみ選手がやめてから7年近く経つけど、現在は藤本つかさ選手が引っ張っている団体。ベースはさくらえみプロレスで、そこに藤本つかさの色が加えられてるのがアイスリボン。Sareee選手は井上京子選手が率いるディアナ出身。一時期高橋奈七永選手のシードリングに移籍したんですけど、合わなかったのかすぐにディアナに戻った。
――そういえば、あっという間にやめちゃってましたね。
Z 高橋選手は全女出身なんですけど、全女・後期の人間。基礎は全女なんだけど、キャリアを積んでいく時期は特にコーチがいたわけじゃないから自己流に近い。
――高橋選手にインタビューしたときに全女消滅後は日高郁人選手なんかに教わってスタイルチェンジを計ったと言ってましたね。
Z ベースは全女だけど男子プロレスの影響も強いのが高橋奈七永選手。 となると井上京子選手の全女プロレスとはまた違ってくるんですよ。
――女子のプロレスってデリケートなんですねぇ。
Z たとえば元・東京女子プロレスの優宇選手はフリーとしていろんな団体に出てるんだけど、優宇選手は柔道をやっていて身体もできあがっていたこともあって、東京女子の中では圧倒的な存在だった。でも、東京女子をやめて仙女に出たときに一番下の岩田美香選手に負けちゃった。それは団体の格がどうのというわけじゃなくて、試合の組み立て方や練習から判断するに、一番下からやっていかないと難しいという判断が下されたんだと思う。
―― それはプロレスのレベルが低いとかじゃなくて、まずは仙女のスタイルに慣れていくと。
Z そういうこと。東京女子は男子がコーチしているし、やっぱり仙女とはスタイルが違うから、まずは一番下からやっていかないと、なかなか上では試合にならないってことだね。
――いくら売り出そうとしても試合のスタイルが微妙に違うから、お客さんから評価を得られないかもしれない。
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