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記事 21件
  • プロハースカ劇勝に3大タイトルマッチ! 水垣偉弥が見たUFC251

    2020-07-15 10:07  
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    北米MMAを知り尽くした男が語る水垣偉弥が語る「UFC251 」! プロハースカ劇勝に3大タイトルマッチを語ります!(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)【1記事から購入できるバックナンバー】・水垣偉弥が見た復活UFC249 「ドミニク・クルーズのステップは以前のものとは……」

    ・水垣偉弥が見た「RIZINvsベラトール対抗戦」

     

    ・コールドウェルはなぜパウンドを打てなかったのか?■水垣偉弥・RIZIN広報・N野さんの秘密 「選手たちの意識や雰囲気が磨かれていく姿が見えて……」


    ――水垣さん! 今回は3大タイトルマッチとRIZINライトヘビー級王者イリー・プロハースカのデビュー戦が行なわれたUFC251を振り返ってっていただきます。まずはプロハースカの試合ですが、1ラウンドはかなりバタバタしてしまった印象がありました。
    水垣 この試合が生配信されたYouTubeの解説でも喋ってたんですけど、気合が入りすぎ、 空回り感が出てて。競馬でいうとパドックで入れ込みすぎと言われちゃうやつですね。 
    ――プロハースカは試合経験豊富ですけど、世界最高峰の舞台のデビュー戦となると力が入っちゃっうんですね。
    水垣  対戦相手のオーズデミアはライトヘビー級ランキング7位の選手ですし、この先につながる重要な試合ですからね。それに今回がUFCデビュー戦で、しかも無観客だったじゃないですか。 いろんなことが重なったので、力が入っちゃうのも仕方ないのかなと思ったんですが、試合後に ツイッターでいろんな意見を読んでいたら、1ラウンド目にバタバタしちゃう感じも含めてプロハースカなんだよというコメントがあって。それも含めてプロハースカの魅力なのかなあ……と、ちょっと思ったんですけど(笑)。 
    ――でも、非常に危なっかしかったですよね。
    水垣 パンチをもらってましたし、わりと危なかったと思いますよ。プロハースカはけっこう打たれ強いですよね。
    ―― 打たれ強さって選手によって違いますよね。
    水垣 生まれつきのものというか、 マーク・ハントなんて明らかに打たれ強いじゃないですか。骨格的なものもあるし、 あとは目の良さもあるんじゃないかと思います。目に見えているパンチでは倒れないけど、見えてないパンチは倒れる。見えていれば覚悟ができるというか、踏ん張れるので倒れないというのはありますけどね。
    ――カウンターが一番効くわけですね。
    水垣 やっぱり完全に予想外というか、意識がないところからもらうパンチが効きますからね。プロハースカは2ラウンドになって肩の力が抜けたところはあったと思いますね。たまたまかわからないですけど、 ずっとパンチだったのに、いきなりハイキックは当たりますよ。
    ――ハイキックを見せていなかったことがポイントなんですね。
    水垣 直撃はしていなかったですけど、プロハースカのパンチの破壊力を感じてはいたと思うんですが、1ラウンドの攻防からすれば「パンチ勝負だったらいけるぞ」という意識のところでハイキックですから。それを計算していたら凄いですけど、考えすぎですかね(笑)。それでも自然に良い組み立てができたんじゃないかと思います。
    ――今回の試合を見て思ったのが、プロハースカがこのまま上位ランカーに通用するかどうかが見えづらかったことですね。


    この続きと、朝倉海、菊地成孔、中野巽耀自伝、中嶋勝彦、鶴屋浩…などの7月更新記事が550円(税込み)でまとめて読める「11万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラ
     
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  • 俺たちは先を行く! 大晦日RIZINのカードを妄想する!!

    2020-07-10 22:20  
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    この記事は「大晦日RIZINのカード」を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事80円から購入できるバックナンバー】
    ・悪質コレクターから選手を守れ!■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク


    ・【キックの黒船】ブシロード体制のKNOCK OUTとは何だったのか■鈴木秀明





    ・続・タイソン騒動…クリス・ジェリコと乱闘、ヴァンダレイ・シウバ
    ・デビュー戦から見た木村花というプロレスラー■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ・木村花さん死去「誹謗中傷した人たちはプロレスファンを名乗らないでください」

    RIZIN8月9&10日のカード発表会見が行われましたが、よく配信やると「次の大会のカードを教えてください」と聞かれるんですけども、主催者から発表されるのに言えるわけないじゃないですか。たとえ知らなくて予想して当てても「じつは知ってたんじゃないか」という話になりますし。
    でも、大晦日のカードだったら、まだ何も決まってないので勝手に妄想しても問題ないと思うんですよね。そんな妄想になんの意味があるのかという話ですけど(笑)、8月9&10日のRIZIN2連戦すらやってないのに大晦日を語ります! 
    妄想といっても「妄想する」と「妄想に取り憑かれる」とでは、だいぶ違うと思うんですね。以前Krush後楽園ホール大会の記者会見の配信を見ていたら、「天心vs武尊は?」という書き込みがあって、後楽園ホールでやるわけがない(笑)。それは「妄想に取り憑かれる」ってやつで極端な願望でしかないんですが、ここではいかにも組まれそうなカードを妄想してみます。
    いまは外国人選手の招聘は渡航制限があって厳しいんですが、 逆にいうと日本人対決が無理なく組める。 メジャー団体の日本人対決って格付けされちゃうから勝敗の重みがある。でも、いまは外国人選手しか呼べないので日本人対決をやるしかないんですよね。
    まず女子の試合です。 まず中井りんvs渡辺華奈はもうやるしかないでしょう。浅倉カンナ選手は8月に初めて年下の選手(古瀬美月)とやりますが、この路線は続くと思うんですね。かつては女子高生ファイターとして世に出た格闘家が逆に10代の壁になる。キャラチェンジですよね。そうなると対戦相手は、JKファイターさくら選手の抜擢があるんじゃないかと 睨んでるんですよ。 さくら選手はDEEP JEWELS の新人で、これからの女子格闘技界を背負う逸材と言われている。浅倉カンナvsあいも面白そうですけど、どっちの看板が掲げやすいかといえば、元JKファイターvsJKファイター。 凄く煽りやすいと思うんですね。


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  • マック佐藤×中川カ〜ル「真の骨法は本当は強いんです!」

    2020-07-10 21:18  
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    マック佐藤氏と中川カ〜ル氏全日本プロレスの元・練習生で、その後は黎明期の骨法道場に通っていたマック佐藤氏と、同じく骨法で鍛錬に励んでいた漫画家・中川カ〜ル氏が20世紀最大の格闘幻想を振り返る!【1記事から購入できるバックナンバー】・【骨法総括第2弾】矢野卓見「俺は試合に勝っちゃいけない存在だった」
    ・佐山先生を修斗から追い出したと思われても仕方ない■初代シューター川口健次
    ・スアキムをムエタイ引退に追い込んだギャンブラーとは何か■鈴木秀明
    ・世界一過激な格闘技で稼ぐ男 渡慶次幸平……血とカネとラウェイと
    ――佐藤さんは全日本プロレスの練習生にして、黎明期の骨法の道場生だったという異色の経歴なんですよね。
    佐藤 私が全日本プロレスに入ったのは85年のことで、骨法に入ったのは88年ですね。
    佐藤氏が上梓した「我が青春のプロレス×骨法物語」。全日本プロレスと骨法で過ごした日々を振り返っている。中川 誠さんは俺の1年前ぐらい前から通ってるんですよね。つまりジャイアント馬場夫人の元子さんと、堀辺先生夫人の局長(桃子)の2人を知ってるという(笑)。
    佐藤 まあ2人は似てますよね(笑)。
    中川 どっちが好きですか?
    佐藤 2人とも好きですよ(笑)。 
    ――最高の答えです! 80年代・骨法の証言って貴重なんですよね。
    佐藤  当時の骨法は、例の「パタパタパタ」の掌底じゃなくて拳だったんですよ。
    中川 俺が入るぐらいにちょうど掌底に変わるぐらいだったのかな。顔は掌底で、ボディは拳とかでしたね。
    佐藤 掌底は上級者・中級者で、初心者は拳で。拳の打ち方の基本をおぼえてから掌底に変わっていく。最初から掌底をやったらうまくいかないんですよね。
    ――その頃の骨法は打撃系格闘技だったということですよね。
    佐藤  そうですね。関節技もあったけど、ほとんど打撃でした。打撃の練習をしてミット打ちをして最後にスパーリングをやると。 
    中川 だいたい毎日スパーリングをやってましたよね。指導員の廣戸(聡一)さんと最上(晴朗)さんが相手をして、ある程度を打たせてからガンと一発で決めて倒して「はい、次!」と。
    佐藤 あの2人は本当に凄かったんですよ。ただ当時の動画が残ってないんですよね。
    中川 かなり激しかったですよね。いまネットで見られる骨法の動画は掌底でペチペチペチやってますけど、廣戸さんと最上さんの打撃はもっとゴツゴツしているイメージで。
    佐藤 どちらかというと、K-1に近いですね。蹴り技もかなり破壊力がありましたから。
    ――猪木さんが元ボクシング世界ヘビー級王者レオン・スピンクス戦の前に浴びせ蹴りを骨法で習ったぐらいですもんね。
    中川 当時としてはあれだけスパーリングをやっていた道場は他になかったと思います。 俺もスパーリングで前歯3本折れてるんですけど、スーパーセーフの面が顔に当たって折れちゃって。
    佐藤 “徹し”を食らうとスーパーセーフをつけてても威力が浸透しましたからね。
    中川 スパーなのに金的攻撃もありましたからね。だから必ずファールカップはしてるんですよ。
    ――アマチュアなのに金的ありで練習をするって凄いですよね(笑)。そういった技術体系は誰が構築したんですか? 
    佐藤 先生が構築したんですけど、それはいろんな格闘技の寄せ集めだったんですけどね。ジークンドーや詠春拳とか。
    ――いろんな格闘技をハイブリッドしたのが骨法。 
    中川 先生は格闘技マニアで本当に格闘技が大好きでしたから。最初の頃は受け身もやってましたよね。
    佐藤 柔道みたいな受け身じゃなくて前回り受け身。
    中川 合気道のような受身ですよね。
    佐藤 要はケンカを想定してるのでアスファルトに投げられたときにバチンと受け身を取るんじゃなくて、クルリと身を丸める。一度アスファルトでも受身を取ったことがありますけど(笑)。 
    中川 誠さんは身体が頑丈だから、よく技の実験台になってましたよね。
    佐藤  だいたい私がやられ役です(笑)。
    中川 これは誠さんがバックドロップをやられている写真。 これ、下はほとんどコンクリートなのにおもいきり投げられてますからね(笑)。 
    佐藤 高速ジャーマンですよ(笑)。
    中川 俺の師匠の竜崎遼児先生が『闘翔ボーイ』という格闘技漫画を描いてるときに骨法道場を取材したんですよ。そのとき竜崎先生が「骨法には何か投げ技はないんですか?」って質問したら、堀辺先生が「ありますよ。おい廣戸」と。それでこの高速ジャーマン(笑)。
    佐藤 ジャーマンの練習なんかしてないんですけど(笑)。その場でいきなりやったんですよ。廣戸さんと最上さんはなんでもできちゃうんですよね。 
    中川 堀辺先生はスパーリングはやらないんですけど、「今日はこういう技をやろう」と見本を見せて、実際に俺らがやってみる。最後は「総括」といって、みんなで円になって稽古の反省して終わる。
    佐藤  稽古が終わると全然空気が変わるんですよ。 廣戸さんと最上さんはもう漫才コンビみたいに面白かったですから。 
    中川 道場はいつも明るかったですよね。矢野(卓見)さんの頃とはだいぶ違います(苦笑)。
    ――堀辺先生が思い描く骨法という格闘技を体現したのが廣戸さんと最上さんだったということですよね。
    佐藤 いろんな技を編み出すのは堀辺先生で実践するのは廣戸さんと最上さんの2人ですね。
    ――飲食店でいうと堀辺先生がプロデュースして、廣戸さんと最上さんがシェフだったということですかね。
    中川 そうですね。
    ――シェフが独立して味が落ちたのに、お店がブレイクするんですから面白い。
    中川 あれはターザン山本の力が大きいですよね。
    ――グルメ評論家がインチキなことをやりましたか(笑)。


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  • 【RIZIN記者会見】ファンもアンチも「団体が潰れる・潰れないか」が一番燃える

    2020-07-08 22:16  
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    この記事は「RIZIN記者会見」を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)【1記事70円から購入できるバックナンバー】・格闘家・石渡伸太郎の奥様は小料理屋の美人女将だった!
    ・ミステリアスなRIZINムサエフ未払い騒動を考える
    ・ジョン・ジョーンズとアデサニヤ、UFC王者たちの黒人差別への怒り
    ・続・タイソン騒動…ヴァンダレイ・シウバは反ANTIFAを叫び、交通事故に遭う

    コロナの影響で3大会中止になったことで7億円の収益が消えたRIZINがこのまま潰れてしまうんじゃないか……ということで榊原(信行)さんの会見があったわけですが。コロナ禍の中、RIZIN再開の噂はいろいろありました。富士山や東京タワーの足元で屋外大会をやるとか。
    会見では、ぴあアリーナMMの2連戦とクラウドファンディングが発表されましたが、会見冒頭に流れた煽りVアーティストの佐藤大輔制作の映像が凄かったですね。これは“魔法”をかけてきたなと。配信だけの記者会見って簡素になりがちなんですけど、はじめにこうやって煽りVを持ってきて視聴者を乗せていく。実際に煽りVがなかったら、榊原さんの長い話にダラけちゃったと思うんですよね。今回の榊原さんは話が長くなっても仕方ないんですけど、みんなが集中できるように“魔法”をかけた。高田本部長の挨拶の前にも煽りVがほしいかもしれない(笑)。でも、これは逆にいうとRIZINは崖っぷちにいるからこそ、切り札を出してきたなという。
    なんだか2007年3月27日、六本木ヒルズアリーナで行われたPRDIE買収会見を思い出しましたね。あのときもUFCに売却されることになったPRDIEはいったいどうなるんだ? とファンはみんな暗くなってたんですね。でも、今回の会見と同じく冒頭に、これからUFCとPRIDEの対抗戦が始まる、というような煽りVが流れて、一気に明るい未来を感じさせたんです。結局PRIDEは明るい未来どころか1回も大会をやらずに凍結されちゃったんですけどね(笑)。


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  • 名子役から名優へ…中嶋勝彦■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    2020-07-06 16:51  
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    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は「名子役から名優へ…中嶋勝彦」です。




    <1記事から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>
    デビュー戦から見た木村花というプロレスラー
    小川良成…孤独と苦難から生まれた「孤高のテクニシャン」新型コロナ禍の中のプロレスW-1活動休止、NOAH新体制、全日本はWWEと接近?追悼“喧嘩日本一”ケンドー・ナガサキ
    【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
    新生NOAHは何が変わったのか?
    獣神サンダー・ライガーと山田恵一プロレス者の青春「竹内宏介とザ・マニアックス」ケンドー・カシンの数奇で偏屈なマスクマン人生日本のプロレスを変えた「浅井嘉浩」という男革命戦士・長州力、笑顔でリングを降りる――追悼・青木篤志さん望月成晃×小佐野景浩〜空手家がプロレスラーになるまで〜三銃士、四天王、UWF、邪道…平成のプロレスを変えた5つの勝負ジャイアント馬場没20年追善興行と飯塚高史引退試合北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」多発するプロレスラーのケガを考える愛すべき元横綱・輪島が戦った全日本プロレスの2年間全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話プロレスラーが憧れたプロレスラー、マサ斎藤さんあの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩最後まで全日本プロレスを愛した馬場元子さん
    中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼……新・闘魂三銃士最後のムーンサルトプレス……天才・武藤敬司縁の下の力持ち!! 坂口征二の荒鷲人生WARからイッテンヨンへ! ライオン・ハート時代のクリス・ジェリコ
    「情」で生きる佐々木健介の激烈人生! 
    プロレスラーで初めて大臣になった男、馳浩大森隆男のワイルドな全日本プロレスLOVE 暴走親方、諏・訪・魔!!嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…完全無欠のプロレスラー!! ジャンボ鶴田超獣ブルーザー・ブロディ【涙のカリスマ】大仁田厚の邪道プロレス人生“四天王プロレス”の光と影――三沢光晴
    癌に勝った絶対王者・小橋建太“プロレス巨大組織”NWAとは何だったのか?呪われたIWGPが最高権威になるまで悲運の闘将ラッシャー木村、耐えぬき続けた人生 燃える男、アニマル浜口――!!“天龍番”が感傷に浸れなかった天龍源一郎引退試合全日本プロレスを二度は裏切れない……」秋山準馬場死去、三沢離脱……その後の全日本プロレスジョー樋口、和田京平…全日本プロレスを支えたレフェリーたち 我らが英雄ザ・ファンクスの凄み! 猪木を超えられなかった藤波辰爾――プロレス職人と野心の時代レスラーの野心が謎を生み出す……SWSに狂わされた男たち!
    「俺のほうがUWFより強い!」 誇り高き仮面貴族ミル・マスカラスプロレス史上最も過酷な闘い! G1クライマックス『週刊ゴング』の創刊と休刊まで……闘いのゴングはこうして鳴った!80年代タイガー、90年代ライガー! ジュニアヘビー級の歴史!!“リングの現実”に殉じたNOAHの栄枯必衰昭和のプロレスを支えた影の実力者! さらば永源遥――!!史上最も愛されたヒール! 黒い呪術師アブドーラ・ザ・ブッチャー

    輪島、北尾、曙……プロレスラーになった横綱たち!!
    全日本プロレスのすべてを知る男、渕正信
    鈴木みのるを変えた“全日本プロレスイズム”
    高山善廣が「帝王」と呼ばれるまで
    「プロレス取材の難しさ」
    一寸先はハプニング人生! アントニオ猪木!!オシャレでスマートな昭和の頑固親父! グレート小鹿
    ――NOAHの中嶋勝彦選手は、デビュー当初からすると「こんな選手だったけ?」と驚いて見てしまいます。
    小佐野 勝彦がデビューしたのが2004年1月、彼が15歳9ヵ月のときで、いまは32歳だからね。そりゃあもう見た目から何から変わって見えるよね(笑)。
    ――もう32歳なのか、まだ32歳なのか。
    小佐野 彼がデビューしたのはWJだけど、その頃は喋ったことがないんですよ。 まずひとつには長州力が若手がマスコミと喋ることを禁じていたんですよ。
    ――プロとしてのハードルがあるということですね。
    小佐野 KAIENTAI-DOJOを主宰していたTAKAみちのくも、新人は喋るなという方針だったね。WJで途中から喋ることが許されたのは石井智宏だけで、宇和野貴史とかあのへんは「一切コメントするな」と。勝彦が初めてコメントを出したのは、X-1に出たときかな。
    ――WJ主催の伝説の総合格闘技イベント! 中嶋選手はプロレスよりも先にMMAでプロデビューを飾っていて。
    小佐野 私はX-1は会場取材してないから、何を喋ったかはわからないんだけど。 翌年1月のプロレスデビュー戦は取材してるんだけど、もともとは空手出身で、蹴りだけじゃなくてドロップキックもよかったから「プロレスに向いてるのかな」と。
    ――期待の新人としてデビューしたのに、WJが崩壊しかけたので退団して。中嶋選手は母子家庭で食べるためにプロレス入りしたところがあったから、どうなっちゃうんだろう?と。
    小佐野 親を食わすためにプロレス業界に入ってきたわけだからね。結局、勝彦本人が(佐々木)健介に電話をして「一緒にやらせてください」とお願いしてね。健介は勝彦より先にWJを退団していたんだけど。
    ―― WJ時代から2人の結びつきは強かったということなんですね。
    小佐野  健介は2004年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会で古巣に復帰して。観客にブーイングを浴びながら永田裕志相手に大流血戦をやった翌日、後楽園ホールに来場してデビューを飾る勝彦に花束を渡していた。
    ――ケンカ別れしたWJ の会場に訪れたんですね。
    小佐野 健介が背広で会場に来たから「どうしたの?」って聞いたら「勝彦のデビュー戦ですから」と。勝彦はその後もしばらくWJで試合はするけど、健介との繋がりはあったと思う。健介の奥さんだった北斗晶からも「髪の毛は染めるな」と言われていたみたい。「髪を染めちゃうとママさんファンがつかないよ」と。
    ――さすが北斗晶ですね(笑)。
    小佐野 そこは女性ウケというか、お母さん層を意識してるよね。 さすが黒のタイツに拘っていた健介に「なんで黒なの?」と変えさせた北斗だよ(笑)。
    ――健介さんもフリーになった直後なのによく中嶋選手を引き取りましたね。
    小佐野 そこも健介もかなり悩んだらしいんだよね。自分だってフリーになったばかりなのに、はたして勝彦のことも食わせていけるのかな?と。健介には子供が2人いたから。最終的には「子供が1人増えたと思えば、 育てられるか。2人も3人も一緒だ!」と。
    ――割り切り方が凄い!
    小佐野 それで勝彦は健介の家に2年半近く住んでいたからね。
    凄い話だよね、あの時代にいち個人の家に住み込みするって。
    ――他の団体に入団するのは厳しかったでしょうね。
    小佐野 まだ子供だったからね。新弟子から受け入れることは難しいだろうし、まず勝彦本人はWJから始まってるから健介のもとに行くことは自然だったのかもしれない。健介も中嶋勝彦を受け入れることでベビーフェイスになったわけだから。復帰した新日本ではブーイングを浴びてヒールだったけど、それが5月の東京ドームのライガーvs勝彦戦の試合途中、勝彦の頑張りに思わずセコンドに駆けつけた健介と北斗が声援を送ってから、周囲の健介と北斗の見方が一気に変わったわけだから。
    ――「健介ファミリー」という概念があの試合から一気にハマりましたね。
    小佐野  みんな佐々木家の懐事情も知ってるわけだしね。 そこまで稼いでるわけじゃないのによくぞ16歳の少年を引き受けて必死に育てているなと。
    ――そこはリアルなストーリですから感情移入しますよねぇ。
    小佐野 勝彦と喋るようになったのは、あの東京ドームが終わったあと。健介オフィスが全日本にレギュラー参戦するようになってからですね。おぼえてるのは全日本デビュー戦の健介・勝彦vs川田利明・土方隆司で最後は勝彦が土方の腕十字でやられるんだけど。試合途中に勝彦のハイキックが川田の顔面にいい感じで入って、イラッときた川田が勝彦の顔面にスピンキックを入れるんだよね。そうしたら「川田、大人げないぞ!」と野次が飛んで(笑)。
    ――川田さんがムッとする光景は目に浮かびますね(笑)。
    小佐野  あの試合後、勝彦は悔し泣きをしていたんだよ。その1ヵ月後に名古屋で天龍(源一郎)さんと渕(正信)さんのアジアタッグに健介・勝彦が挑戦して。名古屋は勝彦の地元だからお母さんや勝彦の友達が応援に繰り出す中、天龍さんが16歳の少年の顔面に蹴りをボコボコ入れまくるという(笑)。
    ――天龍さんらしい(笑)。 
    小佐野 天龍さんからすれば「16歳だろうがなんだろうがタイトルマッチのリングに上がってくるなら手加減するわけないだろう」っていう。 あの当時の天龍さんって父親よりも上の年齢でしょ。身体の大きさも全然違うわけだし、 岩みたいな人にぶつかっていかなきゃならないんだから。天龍さんが褒めていたのは「アイツはビビってなかった。新人で子供のくせに全然ビビッてなかった」と。
    ――デビュー当初から凄い選手たちとやってるんですよね。「笑った」というと失礼なんですけど、シングル初白星がデビュー半年後で相手が……。
    小佐野 サスケでしょ(笑)。
    ――さすがサスケだなあと(笑)。
    小佐野 あの頃はみちのくプロレスにも上がっていたよね。翌年の1月には川田利明とシングルマッチをやってるんだけど、 その頃の勝彦には飛び癖がついていてね。


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  • プロレスラー、SNS、リアリティショー……この3つを背負うのは重すぎる■菊地成孔

    2020-07-03 17:12  
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    かつて『紙のプロレス』誌上で毎月のようにマット界内外の時事ネタを評論してもらっていた、音楽家にして文筆家の菊地成孔氏インタビュー。今回は木村花さんをきっかけとするSNSの誹謗中傷について伺った(聞き手/ジャン斉藤)
    【1記事から¥75から購入できるバックナンバー】・鬱と宗教とUWF……プロレスの信仰心はどこに向かうのか■大槻ケンヂインタビュー
    ・死神衝撃の願望 ハリトーノフ「一度、コロナにかかってみたかったんだ」・鈴木秀樹が中嶋勝彦戦30分フルタイムドローのすべてを語る

    ・元・東スポ記者が作ったFMWの裏側、果たせなかった三沢光晴との約束■寿浦恵一


    ――菊地さん、おひさしぶりです。今回をうかがたいのは「リアリティーとSNS」のお話です。木村花さんという人気女子プロレスラーがいまして、テラスハウスに出演していたんですが、番組内の言動が気に入らないアンチから誹謗中傷を受けてまして。死因は明らかにされてませんが自死されてしまったんです。 
    菊地 テラスハウスは地上波で放映されてるときは好きで見てました。 Netflixに移ってからは追ってはなかったですけどね。最近は女子プロレスも追ってないですし、木村花選手がどういう活躍をされていたのかは知らなかったんですが、 今は動画でも後追いできるじゃないですか。お母さんも女子プロレスラーで、名プロレスラーの素質を持った人だと思いましたし 、そういったプロファイリングみたいなことをしだしたらキリがないんですけど。図式的に切ってしまえば、木村花さんはプロレスというリアリティショーと、テラスハウスというリアリティショーを2つやってたいた。リアリティショーを2つやりながら、そこにSNSもあるとなると、明らかにやりすぎですよね。コレは。
    ――ああ、なるほど。この3つは重すぎると。
    菊地 リアリティショーというものはひとつだけでも大変な負荷がかかります。そもそも日本にはアメリカほどリアリティショー番組が少ないですし、日本のリアリティショーはアメリカのものとはちょっと違っていて。 たとえば吉本の芸人さんがテレビ番組でプライベートな暴露話をする。あれもある意味でリアリティショーじゃないですか。 「誰かが浮気をしている」という話を面白おかしく伝えてるんだけど、日本の場合はバラエティの体を取ったリアリティショーではあるんです。和風だよね。
    ――アメリカ型のリアリティショーは少ないわけですね。
    菊地  リアリティショーにかぎらず、アメリカにはあるのに日本にはないというテレビプログラムはいくつかあって。ひとつには素人が出演している完全リアリティーショー、もうひとつはシットコムです。シットコムとは観覧形式のドラマで観客の笑い声が入っているドラマのことですね。ちょっと前だと『ビッグバンセオリー』という理系オタクのドラマはシットコム形式で高視聴率を取ってましたね。
    ――ほかには『フレンズ』や『フルハウス』とか。いまの日本にはシットコムは見かけないですね。
    菊地 昔でいえば萩本欽一さんのバラエティ番組は観覧形式でしたが、あれはバラエティであって、シットコム形式のドラマはない。アメリカのシットコムも一時期は形骸化されて、ただのボタンを押して笑い声を被せるだけのやらせ的なものになっていたんですけど、シットコムとリアリティショーはアメリカでは安定的な人気を誇ってるんです。ある時期に定着してから衰えていない。日本でなぜシットコムがないかといえばコメディドラマ自体があまりないこともあるし、そこはお国柄というものがあって。日本人とアメリカ人にとって嘘や恥の感覚が違うからだとは思うんですけど。
    ――シンプルに日本人には合ってないと。
    菊地 アメリカのリアリティショーの場合は番組の中で最終的にコンペに持っていくものが多くて。それは料理だったり歌だったり。もしくは恋愛……テラハハウス型ですよね。でっかいペンションに10~16人放り込んで恋愛模様を見せる。アメリカの場合はジャグジーバスに男女が雪崩込んだりしてポルノギリギリのところまで見せるんですよね。
    ――それは日本人だとちょっと難しいかもしれないですね。
    菊地 そこはさすがプロレスを生んだ国というか虚実皮膜の世界で、出演者も「本気なんだかガチなんだか」と。リアリティショーはある意味「別のプロレス」と言っても過言ではない。 WWEが「我々のやってることはエンターテイメントです」と宣言してから30年近く経って、それ以前は「本気なんだかガチなんだか」という時代もあったわけですよね。そういった虚実の皮膜にあったものをドラスティックに「脚本があるドラマです、エンターテインメントです」とカムアウトした。それでWWEの人気が下がったかといえば違うわけですよね。
    ――逆にビジネスは大きくなっています。
    菊地 それは逆にスッキリしたところもあるからなんでしょうね。いまの新日本プロレスがどういうスタンスなのかは知らないんですけど……数年前に新日本プロレスの1月4日の東京ドームを取材してムック本に原稿を書くという仕事があったんです。中邑真輔が新日本にいた最後の年ですかね。それはずいぶん久しぶりのプロレス格闘技仕事だったんですけど、そのとき編集から言われたのは「新日本プロレスはまだカムアウトしていない。何を書いてもいいけど、そこに関して明言することだけはやめてくれ」という原稿コードがついていて。それくらいは大した足枷ではないので書きましたけど。その時点でカムアウトをしていないということは、いまでも変わりないですよね?
    ――変わってないですね。
    菊地 どこの団体も明かしてないですよね。まあ大相撲すらカムアウトしないわけですけど。RIZINはガチだという話になってますけど、ガチの定義を掘り下げたらキリがないというか。「金魚を選んでるからガチじゃない」という話だってできるし、ガチかガチじゃないかは曖昧な話になってしまうんですけど。アメリカのプロレスはエンターテイメントとして巨大産業となったのは、おそらくそれは宗教が定着している国かどうかの差だとは思うんですよ。日本は無宗教の人が多いですよね。宗教こそが「本気なんだかガチなんだか」という世界の根本だと思うんですよ。
    ――たしかに。
    菊地 「イエス・キリストは3日後に蘇った」ことに曖昧に捉えている信者もいれば、疑いもせずにすべてを信じ込むファンダメンタリストもいる。人間というのは人種や文化という壁を越えて「本気なんだかガチなんだか」というある意味宗教的な状態に陥るというか。私は科学も宗教のひとつだと思っていて、いま信じられている科学の法則はいつか必ずひっくり返りますからね。このあいだNHKを見てビックリしたのは、 ブラックホールというのは吸い込むだけだと思っていたら吹き出すことが判明したと。
    ――いまさらんなこと言われたらどうしようもないですね(笑)。
    菊地 科学も長期的に見れば宗教みたいなもので、この「本気なんだかガチなんだか」というのが人間の本質なんだと思いますね。リアリティショーという言葉に象徴される虚実皮膜。ひょっとしたら人間だけが動物と違って味わえるエンターテイメントの根本にあるのかもしれない。つまりリアリティーショーの怖さは、エンターテイメントの祝祭性は人間の根源に訴えるから観客のヒートアップが違うということなんですよ。――それがSNSの誹謗中傷に繋がっていくわけですね。 


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  • 『私説UWF 中野巽耀自伝』は暴露本なのか

    2020-07-03 16:39  
    105pt

    Dropkickのプロレス格闘技本読書会!!  今回取り上げる本は『私説UWF 中野巽耀自伝』です。この記事はDropkickニコ生配信を再編集・加筆したものです(語り・ジャン斉藤)
    【1記事75円から購入できるバックナンバー】静かなる怒り……『ありがとうUWF 母さちに贈る』三沢光晴への決別の書……馬場元子『ネェネェ馬場さん』格闘技界を解放できるのか……『覚醒』那須川天心「神になれなかった男」の狂気――ミスター高橋『流血の魔術 最強の演技』
    ゼロゼロ年代のレフェリング論――島田裕二の『島田は見た!』

    ボブ・サップ『野獣の怒り』と、谷川貞治『平謝り』から読むK-1崩壊
    高田vsヒクソンの真実とは? 金子達仁『プライド』新生UWFやUWFインターナショナルのメンバーだった宮戸優光さんが辰巳出版から出た『私説UWF 中野巽耀自伝』で意図的に中傷を受けたとして、著者で同じ新生UWFの一員だった中野巽耀さんと、同書の編集人・佐々木賢之氏を名誉毀損で神奈川県警に告訴状を提出したことがわかりました。どの箇所が「意図的に中傷」しているのかは明かされていません。
    面白いのはこのニュースが流れたことで「何が問題になっているんだ?」と購入者が殺到したらしく、 『私説UWF 中野巽耀自伝』はAmazon全体ランキングの100位以内に入っちゃったんです(笑)。
    ボクは発売と同時に買っていたんですけど、積ん読状態で。失礼な話なんですけど、U系のネタは出尽くしたところもあって、そこまで刺激的ではないんじゃないかなと……。
    一読してもの凄く後悔しました! なぜすぐに読まなかったのか。「私説UWF 中野巽耀自伝」は素晴らしい本です。あまた出版されたU系検証本の中でも3本の指に入る面白さでした。
    『私説UWF 中野巽耀自伝』は誤解を恐れずにいえば、前書きがすべてだといえる本かもしれません。もちろん前書き以外も非常に読み応えがあるんですけど。前書きがどんな内容かといえば、そこでは中野さんが旧UWFにおけるプロレスデビュー戦を振り返っていて、 中野巽耀というプロレスラーの誇りが詰まっているんです。
    UWFというのは従来のプロレス以上に「ガチなのか、ヤオなのか?」という問いかけを突きつけられてきた運動体ですが、 その前書きは中野さんなりのアンサーなんですね。中野さんがこの本で一番言いたい熱い思いがデビュー戦を通して伝わってくる。


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  • 全女消滅後の女子プロレス新世界■斎藤文彦INTERVIEWS

    2020-07-02 14:47  
    100pt

    80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは全女消滅後の女子プロレス新世界です(この原稿はニコ生配信されたものを編集したものです)。

    Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー■木村花さんはドウェイン・ジョンソンのようなスーパースターになるはずだった■無観客レッスルマニアが生み出した“異常な2試合”

    ■女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野■マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた■棚橋弘至vsクリス・ジェリコから見る新日本・AEW提携の可能性

    ■エンド・オブ・デケイド――プロレス界の2010年代■新日本プロレスの“ケニー・オメガ入国妨害事件”という陰謀論■WWEvsAEW「水曜日テレビ戦争」の見方■WWEペイジの伝記的映画『ファイティング・ファミリー』■AEWチャンピオンベルト盗難事件■「ミスター・プロレス」ハーリー・レイスの偉大さを知ろう■ウルティモ・ドラゴンの偉大なる功績を再検証する■ネット社会に出現したニュータイプAEW、その可能性■都市伝説的試合映像ブレット・ハートvsトム・マギー、ついに発掘される ■レッスルマニアウィーク現地取材レポート■平成という「アントニオ猪木が去った時代」■アメリカの新団体AEWは脅威になりえるか■それでもケニー・オメガは新日本プロレスに残るか■【追悼・爆弾小僧】すべてはダイナマイト・キッドから始まった
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」



    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期


    ■“怪物脳”に覚醒したケニー・オメガ■怪物デイブ・メルツァーと『レスリング・オブザーバー』■新日本プロレスのMSG侵攻は「WWE一強独裁」に何をもたらすのか■怪物ブロック・レスナーを通して見えてくる「プロレスの作り方」■追悼・マサ斎藤さん……献杯はカクテル「SAITO」で■皇帝戦士ビッグバン・ベイダーよ、永遠に■ジャイアント馬場夫人と親友サンマルチノ、2人の死――■ベルトに届かず…されど「世界に届いた中邑真輔」のレッスルマニアを語ろう ■ステファニー・マクマホン、幻想と現実の境界線がない生活■ロンダ旋風、中邑&ASUKAダブル優勝!! ロイヤルランブル1万字総括■アメリカンドリーム、ゴールダスト、コーディ……ローデス親子それぞれの物語■ジェリコvsケニー実現で考える「アメリカから見たプロレスの国ニッポン」■旭日双光章受賞!! 白覆面の魔王ザ・デストロイヤー■みんなが愛した美人マネージャー、エリザベス!■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!■怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇■ミスターTからメイウェザーまで! WWEをメジャー化させたセレブリティマッチ
    ■馬場、猪木から中邑真輔まで!「WWEと日本人プロレスラー」■WWEの最高傑作ジ・アンダーテイカー、リングを去る■『1984年のUWF』はサイテーの本!
    ■プロレス史上最大の裏切り「モントリオール事件」


    ■オペラ座の怪人スティング、「プロレスの歴史」に舞い戻る

    ■なぜ、どうして――? クリス・ベンワーの栄光と最期

    ■超獣ブルーザー・ブロディ

    ■「プロレスの神様」カール・ゴッチの生涯……
    ■『週刊プロレス』と第1次UWF〜ジャーナリズム精神の誕生〜




    ■伝説のプロレス番組『ギブUPまで待てない!!』 
    ■SWSの興亡と全日本再生、キャピトル東急『オリガミ』の集い
    ■「現場監督」長州力と取材拒否■ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ…ヘビに人生を飲み込まれなかった男■追悼ジミー・スヌーカ……スーパーフライの栄光と殺人疑惑■ドナルド・トランプを“怪物”にしたのはビンス・マクマホンなのか
    ――女子プロレスの歴史を振り返る第3回目(第1回マッハ文朱が女子プロレスというジャンルを変えた/第2回女子プロレスの景色を変えた女帝・ブル中野)。対抗戦ブームで栄華を極めた全日本女子プロレスは、90年代半ばから緩やかな崩壊のプロローグを迎えます。
    フミ 全女のピークは94年11月20日の全女・東京ドーム「憧夢超女大戦」だと思われてますが、あのドーム興行はピークというよりは、すでにバランスが崩れはじめていた時期だったのかなと。東京ドーム大会の開催自体も全女オーナーの松永兄弟が「一度は東京ドームでやりたいよね」と考えたことが動機だったんです。
    ――どうせだったら一度はやってみようと。
    フミ 全女はビッグマッチや大会場興行を「大場所」という言い方で表現していたんですが、ドームの前年93年4月には北斗晶vs神取忍の死闘が行なわれた伝説の横浜アリーナがあって、同じ月には大阪府立体育館でも大場所をやって、8月には武道館、9月には愛知県体育館、10月は東京ベイNKホール、12月には両国国技館……と大場所を連発してたんです。
    ――いまの新日本プロレス並に凄い!
    フミ 大場所を連発していた93年に比べると、東京ドームがあった94年は観客動員がやや落ちていたのはたしかだったんです。 それでも全女の大場所は続いていて、94年3月と95年3月にも横アリ興行をやった。そして96年8月12&13日にはベースボール・マガジン社主催の日本武道館2連戦をやっています。 なぜベースボール・マガジン社が全女の興行を買ったかといえば、1995年4月2日「夢の懸け橋~憧夢春爛漫~」東京ドーム大会の成功に味をしめたからです。
    ――「夢の懸け橋」はベースボール・マガジン社が東京ドームで開催したプロレス・オールスター戦ですね。
    フミ 「夢の懸け橋」には新日本、全日本、U系を含む男子プロレス9団体、女子プロレス4団体の13団体がそれぞれ試合を提供しました。各団体が協力したのは、ベースボール・マガジン社創立45周年と『プロレス』誌創刊40周年という大義名分がありました。
    ――出場を拒否したのは、SWSを「金権プロレス」と週プロに批判された天龍(源一郎)さんのWARぐらいですよね。
    フミ 同日同時刻に裏の後楽園ホールでWARの興行があって、新日本の長州力選手はその大会に参加してますね。
    ――ベースボール・マガジン社はWARに後楽園を中止した際の興行補填金を提示したけど、天龍さんは突っぱねったという。
    フミ あのドーム興行がのちの新日本プロレスによる週刊プロレス取材拒否の遠因にもなったんですけどね。
    ――マスコミが縄張りを荒らすなということですよね。
    フミ  マスコミが主催する興行に新日本プロレスと全日本プロレスの選手たちが同時に出場するというのは当時は凄いことなんですよ。週プロが「一番最後まで出場の返事をもらえなかったのは、ジャイアント馬場さんの全日本プロレスなんですけどね。
    ――馬場さんは簡単には返事をしなかった。
    フミ プロレスという世界はいい意味でも悪い意味でも本音以上に建前が重んじられる世界なんです。試合の順番もメインイベントは結果的に新日本プロレスだったんですが、それは旗揚げが古い順にしたからです。旗揚げ順にすると、全日本プロレスとはわずか半年の差で新日本プロレスがメインイベントになる。屁理屈を言っちゃうと全日本女子プロレスのほうが新日本よりも全日本よりも古いんですけど、 女子プロレスはオープニングマッチから順に4試合まとめちゃったんですね。
    ――旗揚げ順にすれば波風を立てない。よく考えましたね。
    フミ  各プロレス団体の関係者と、その人間関係を刺激しないようなレイアウトにしたってことですね。馬場さんの返事が最後になったのは、おそらく馬場さんとしては全日本の選手を出してもいいとは思ってたんだけど、 すべてが出揃ってからOKしようと考えていたのかもしれないです。
    ――馬場さんからすれば、軽々しくは返事ができないってことですね。ベースボール・マガジン社のイベント事業部にはプロ野球OBがいたけど、プロレスのことがよくわかってなくて現場を混乱させたとか。
    フミ  そのOBは馬場さんがプロ野球では後輩だったということで「馬場くん、キミも出たまえ」と言って怒らせちゃったりしたんです。
    ――クラッシャー過ぎますね(笑)。
    フミ プロレス団体へのギャラ1団体あたり500万円(推定)という話だったんですが、ボクは新日本と全日本だけには1000万円ずつ払っていたと見てるんです。
    ――トータルでけっこう払ってるということですね。
    フミ それでも招待券なしで4万人近く入りましたし、チケットは安くて1万円高くて4万円もしたんです。経済がすっかり低迷した令和のいまはプロレスのチケットに3万円4万円も払うプロレスファンはもうほとんどいないと思いますが、当時は景気の良さがありました。 その東京ドームの成功でベースボール・マガジン社の事業部は「プロレスの興行は凄く儲かる」と勘違いしちゃったんです。あの大会1日だけで間違いなく億単位の金を生んでますからね。 
    ――それで全女の武道館2連戦の興行も買おうと。
    フミ 当時の全女からすれば、その申し出は渡りに船だったんです。武道館2連戦を埋められるような企画に困ってましたから。そんなところにベースボール・マガジン社のイベント事業部が興行を買いに来ちゃったわけですね。
    ――全女からすれば興行のリスクはなくなったということですね。当時週プロの編集長だったターザン山本さんは反対していたんですよね。


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  • オスプレイ、ジョーイ・ライアンも加害者? 史上最悪のプロレスセクハラ問題「#SpeakingOut」の衝撃

    2020-07-02 08:39  
    110pt
    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは史上最悪のプロレスセクハラ問題「#SpeakingOut」の衝撃です!<1記事から買えるバックナンバー>
    天国へ旅立ったダニー・ハボック……最後の試合は日本のために

    木村花さん死去…世界から悲しみの声「誹謗中傷した人たちはプロレスファンを名乗らないでください」


    米インディレスラー悲痛の告白「コロナウイルスなんて他人事だった。自分がかかるなんて」
    「ブラック・ウェンズデー 暗黒の水曜日」……WWE大量解雇劇
    プロレス版#MeToo運動こと、「#SpeakingOut」の衝撃が、コロナウイルスによる活動自粛を終え、これから再開しようとしている欧米プロレス各団体に激震を巻き起こしている。プロレスラーによるセクシャルハラスメント、性的暴行等をSNSで告発する「#SpeakingOut(声に出して言う)」ムーブメントが、欧米プロレス界では大きな話題になっているのだ。
    この運動により、CHIKARA(チカラプロ)、Bar Wrestling(バー・レスリング)などの人気団体が閉鎖。また、WWEもジャック・ギャラガー、トラビス・バンクス、リゲロら、NXT UKの人気選手を解雇。ほかにも、ウィル・オスプレイやマーティー・スカル、マット・リドル、マイケル・エルガン、ジミー・ハボックらメジャー団体で活躍するレスラーや団体関係者らによるセクハラ、パワハラ、レイプ疑惑を告発する声が、被害者である女子レスラー、ファンたちから次々と挙げられている。
    運動の発端は、6月17日に人気インディーレスラー、デヴィッド・スターが性的虐待を告発されたことから始まった。
    過去にスターから性的暴行を受けたと元恋人がツイッターに投稿した。スターは、自分は性的虐待者ではないが謝罪はすると弁明したものの、スターが参戦していたイギリスやアイルランドの4団体は事態を重く見て、スターの持っていた王座を剥奪。スターは弁明後、自身のツイッターアカウントを消して、公の場から姿を消した。
    そのスターの好敵手でもあり、NXT UKにも所属しているNXTクルーザー級王者ジョーダン・デヴリンが、スターが去ったあとのアイルランドのOver the Top Wrestling(OTT)を引っ張っていく旨のツイートをしたところ、今度はそのデヴリンに虐待されたという女性が告発の声を上げた。
    デヴリンから受けた虐待による身体のアザの写真も投稿されると、WWEは「我々はこのような申し立てを非常に真摯に受け止めており、現在、この問題について調査しています」との声明を出したが、デヴリンはその容疑を否認した。
    これを機に、イギリスでは、男子レスラーやレスリングスクールのコーチ等がこれまでに行なってきた性的虐待や暴力、セクハラ、パワハラ、未成年者との淫行などを、ハッシュタグ#SpeakingOutを付けて、ツイッターで告発する女子レスラーたちの悲痛な声が多数上がることになった。


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  • 扇久保博正、浅倉カンナを生み出したパラエストラ千葉に迫る■鶴屋浩 代表インタビュー

    2020-07-01 00:00  
    110pt
    パラエストラ千葉ネットワークの総帥、鶴屋浩インタビュー。扇久保博正、内藤のび太、浅倉カンナ……などの日本を代表するMMAファイターを輩出してきた秘訣を語ってもらった。【1記事から購入できるバックナンバー】
    【大激闘・元谷友貴戦】扇久保博正インタビュー「KO負けしてもいいや!って」浅倉カンナ“初代女王”インタビュー「MMAとの出会いが人生を救ってくれました……」
    佐山聡に鉄拳指導された当事者が語る「地獄のシューティング合宿の真実」修斗、リングス、K−1、PRIDE…90年代を漂流した格闘家・本間聡インタビュー――鶴屋先生が率いるパラエストラ千葉ネットワーク(柏・松戸・千葉)はトップファイターを次々に生み出していますね。
    鶴屋 ありがとうございます。ようやく世間的にも名前が売れるようになったからか、最近は入会希望者も増えていますね。先日も愛知から電話があって「私、プロになりたいんです」と。22歳の女の子ですよ。
    ――そうやって地方からもプロ志望が集まっているんですね。
    鶴屋 「明日来たい」ということで、その日のうちにアパートを見つけて。公務員をやめてこっちに出てくるみたいです。
    ――この時代に安定を捨てて格闘家を目指すとは!(笑)。
    鶴屋 そんなことがあったと思ったら、今度は滋賀の男の子が「プロになりたいです」と。そうしたら別の愛知の子からも「プロになりたい」というメールがあって。なんでこんなに連絡があるのかといえば、じつはちょっと前にフェイスブックに「格闘家としてお世話しますよ」と書いたんです。それは仕事から何から含めて全部。
    ――それはつまり普段の生活から面倒を見るってことですね。
    鶴屋 はい。ボクは1999年にジムを作ったので、この仕事は20年経つんですけれども、昔は夜にプロ練をやっているジムが多かったんですよ。でも、夜にプロ練をやるとガッチガチじゃないですか。一般の人が見学に来るけど、「こんな激しい練習はできるわけない」とビックリして帰っちゃう。いまは時代が変わって、夜は一般の方が楽しく練習できるクラスをやる。そして、いまプロが昼間に練習するというかたちになってますよね。ただウチで言うと、ずーっとガチガチでやっているから、プロで強い選手がいっぱい育つだけど、一般会員さんはなかなか入りづらかった。いまは1階が一般会員さん向けで、2階はプロ練と棲み分けはできてるんですけどね。そうかたちができる前は収入はジムから取るんじゃなくて、べつのところから取らなくちゃいけないなと。
    ――ジム経営以外の部分で稼ごうと?
    鶴屋 そうです。格闘家の子たちって普段は大変な仕事をしているんですよね。たとえば引っ越しの仕事とか。そういう仕事をやりながら夜にプロ練をするのはけっこう厳しいじゃないですか。だから、その子たちに練習に集中できるような仕事を見つけてあげようと。いまパーソナルトレーニングのジムを2つ経営しているんですけど、そこで働いてもらったり、動物カフェもその1つに含まれていますかね。
    ――RIZINの煽りVでも紹介されたハリネズミカフェにも、じつはそういう戦略が隠されていたんですね(笑)。ティーカッププードルのカフェもやられていて。
    あの名作煽りVは鶴屋先生が経営するハリネズミカフェから生まれた鶴屋 「あれ? もしかしたら、これは仕事になるのか?」と思ってある程度考えて、「いける!」と思ったらボクはすぐに行動しちゃいますから。ただ、まあ、コロナの影響で2ヵ月ぐらいは店は閉めてましたけどね。
    ――手広くやっているほどコロナの影響が……。
    鶴屋 だんだん落ち着いてきてますけど。プロ志望をサポートする狙いも含めて事業展開してきたのはたしかです。
    ――鶴屋先生が展開されている会社では、何人ぐらいの格闘家が働かれているんですか?
    鶴屋 まずウチには内弟子が3人いて、その内弟子はジムの指導などをやってます。あとは、たまに動物カフェに行ってもらったり、パーソナルトレーニングの仕事もしてもらったりで、まあ全部で6人ぐらいですかね。たとえば、船橋にもパーソナルトレーニングジムがあるんですけど、そこでは岡田遼と内藤頌貴の2人が入ってるんです。彼らにはそのジムの仕事を自由にやらせて、それ以外の時間は格闘技に専念できるようにしていますね。
    ――理想的な環境ですね。
    鶴屋 いまって誰もが社会保険のある仕事を求めるじゃないですか。でも、社会保険がある仕事というのは、要するに朝から夕方までバッチリ仕事をしなくちゃいけない。そうなると、なかなか格闘技100パーセントはできないですよね。そのへんの悩みというのは、前からずっとありましたから。
    ――もちろん格闘技の練習は大切だけど、一方で生活の基盤をどう整えていくかと。
    鶴屋 ボクも昔、治政館というキックボクシングジムに入ったときに、先生からは「プロになりたいんだったら、まずは環境を整えろ」と言われましたもん。でも、ちゃんと仕事をしている人ほど格闘技って厳しいですよ。世界チャンピオンを目指すのは難しい。おかしな話なんですけどね。でも、昼間に普通の仕事をしながらRIZINやONEのチャンピオンになるのは難しいと思います。
    ――だからこそ鶴屋先生がチャンピオンを目指せる環境を整備されていると。それで鶴屋先生の経歴を振り返りたいんですが、国際武道大学のご出身ですよね。
    鶴屋 はい。4年間レスリングだけをやってました。大学を卒業後は消防士になるんですよ。消防士をやりながらアマチュア修斗の大会に出ていたんですけど、全日本アマ修斗で優勝したときも、ボクは朝の9時まで仕事をしてました。
    ――夜勤明けに修斗!
    鶴屋 その大会がね、たしか綾瀬かどこかで近くだったから間に合ったんですよ。仕事終わりで急いで車を走らせて参加した覚えがありますね。でも、先ほどの話のとおり、それではなかなかプロにはなれないんですよね。そのジレンマはずっとありました。だから、7年ぐらい消防士としていろんな免許も取らせてもらって、消防署としては「これからこの人に現場で頑張ってもらおう」というときに「やめます」と。
    ――それはおもいきりましたねぇ。しかし、あの時代にシューティングに情熱を持つって相当のマニアですね(笑)。
    鶴屋 ボク、昔からマニアなんですよ。シューティングに関しても大好きでしたから。その頃のボクは治政館でキックボクシングをやりながら、ちょっとだけPUREBRED大宮にも通ってました。でも、千葉からジムまで2時間ぐらいかかるんですけど、当時は練習場所に時間をかける人が多くて。山田学さんも栃木から東京まで数時間かけて通ったりしてたと聞きました
    ――当時は練習できる場所は限られてましたね。
    鶴屋 そのときに中井祐樹さんと知り合って。格闘技界に全然知り合いがいなくて、話せる人は中井さんぐらいだったんですよ。
    ――その頃のPUREBREDって、どなたがいたんですか?
    鶴屋 そのときは、まだ佐山(聡)先生がいました。
    ――佐山先生と中井さんがいた時代は、かなり貴重な空間ですね。
    鶴屋 そのあとにエンセン(井上)さんが来て、ボクはエンセンさんの柔術クラスも受けたことはあります。
    ――となると、ちょうどシューティングにブラジリアン柔術の技術が入り込む時期だった。当時は、佐山さんの「打・倒・極」のシューティングと、ブラジリアン柔術が融合していく時期で。選手もどこか2つに分かれるようなこともあったと思うんですが、鶴屋先生はどちらを目指していたんですか?
    鶴屋 ボクは完全にシューティングです。柔術よりも、そっちをやりたいという気持ちのほうが強かったです。でも、柔術の登場はやっぱりショッキングではありました。ちょっと年代が前後しますけど、『格闘技通信』でアルティメット(UFC)の大会が開催されるという記事を見て、まあその頃は普通にケン・シャムロックが優勝するだろうなと思っていたんです。そうしたらシャムロックが道衣を着た無名の男に負けたというから「何が起きたんだろう?」と。
    ――その無名の男がホイス・グレイシーだったわけですね。
    鶴屋 それは凄い衝撃を受けました。そのホイス・グレイシーが「兄は自分よりも10倍強い」と言って、それでヒクソンが出てきたんですもんね。その頃、中井さんたちが彼らを迎え撃っていたじゃないですか。ボクはそれをリアルタイムで見てまして「凄い世界だなあ」と。
    ――UWF系には興味はなかったんですか?
    鶴屋 ……ええっとね、これって『Dropkick』の取材ですよね? “ドロップキック”ということは、プロレスの話もしていいんですか? 
    ――むしろ、どんどんお願いします!
    鶴屋 あのー……、ボクはね、プロレスに関してもの凄いマニアなんですよ。もともとボクはプロレスラーになりたいという夢があって、実際に全日本プロレスに2日間だけ入ったこともあるんです。
    ――あっ、そうだったんですか!
    鶴屋 ……これ、他人に言うの初めてですよ。
    ――ありがとうございます!(笑)。「2日間だけの全日本プロレス入門」は気になります!
    鶴屋 ボクは小学生のときからずーっとプロレスラーになりたくて。で、高校3年生のときに全日本プロレスの会場に行って、百田(光雄)さんにお願いしたら「道場に来なさい」と。そのとき道場にいたのは、折原(昌夫)さんや小橋(建太)さん、あとは菊池(毅)さん。初日からいきなりスパーリングですよ。一応ボクも高校でレスリングをやってましたからなんとか戦ってたんですが、最後は小橋さんに足をベキべキっとやられてしまいまして。
    ――うわっ、入門初日に!
    鶴屋 もう凄かったです。頑張って2日目も行ったんですよ。そしたら、また小橋さんに足をベキベキベキっと……。
    ――また小橋さんですか!(笑)。


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