未曾有の円安や物価高が進むなかおこなわれた7月の参院議員選挙。自民党が勝ったのはみなさんご存じのどおりですが、今回の選挙戦に際して自民党は、そしてほかの主要政党はどんな経済政策を掲げていたのでしょうか。今回は経済ジャーナリストの渋谷和宏さんとともに、参院選における主要政党の公約にあった経済政策を徹底的にチェック。各党の物価高対策や賃金水準、そして経済産業振興を比較・評価し、日本の未来を占います。

政府は今年6月、「経済財政運営と改革の基本方針2022」を発表しました。その柱のひとつがいわゆる「新しい資本主義」に向けた改革で、人への投資と分配、科学技術・イノベーションへの投資、スタートアップへの投資などの施策が打ち出されています。さまざまな施策のなかで、今回注目したのは「資産所得倍増プラン」。NISAやiDeCoを活用し、「1億総株主」化で国民資産所得を倍増にするとのことですが、そんなことが本当に可能なのでしょうか。経済ジャーナリストで大正大学表現学部客員教授の渋谷和宏さんに解説していただきます。

今年5月、自民党の簗和生元国土交通政務官がLGBTなど性的少数者をめぐり「生物学上、種の保存に背く」といった趣旨の発言をして物議を醸しました。翌月には、自民党の大多数の議員が参加する議員連盟が開いた会合で、LGBTへの差別や偏見に満ちた冊子が配布さたことが発覚。さらにその数日後には、参院選の比例代表に自由民主党から立候補していた井上義行氏が出陣式の第一声で、性的マイノリティが少子化を招くとも受け取られる趣旨の発言をして炎上。いまに始まったことではありませんが、なぜ自民党の議員ばかりが性的マイノリティをめぐる問題発言を繰り返すのでしょうか。その背景にある宗教右派と政治のつながりについて、一般社団法人fair代表理事の松岡宗嗣さん（@ssimtok）にお話をうかがいました。

2018年に世間を騒がせた東京医科大学の不正入試問題。女子受験生の点数が減点されていたことが発覚し、僕も大きな衝撃を受けましたが、その後、東京医科大学をはじめ複数の大学が同様の「得点調整」をおこなっていたことがわかり、元受験生らが大学に対して損害賠償請求訴訟を提起していました。そのうちのひとつ、順天堂大学医学部の元受験生13人が損害賠償を求めた裁判の判決が5月にあり、原告が勝訴。裁判は結審したものの、弁護団は今回の原告だけでなく、2008〜18年度に同大医学部を受験したすべての女性に受験費用や慰謝料を払うよう順大に要請しています。大学側は弁護団の要請に応えるのか、また、いまも審理がつづいている他大学との裁判はどう展開していくのか。「医学部入試における女性差別対策弁護団」の佐藤倫子さん（@sato__michiko）にお話をうかがいました。