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2025年7月の記事 20件

【記事15本14万字】安藤達也、金原正徳、西川大和、有田哲平NOAH拒否、猪木と新間……

非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! 記事15本15万字で800円!!(税込み) ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉ ◎“怪物”安藤達也が遅れてやってきた理由12000字インタビュー ◎金原正徳「そんなことで騒いで、日本の格闘技界は平和だなあって」 ◎西川大和はなぜライト級にこだわるのか■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク ◎【北の迷える若者2人】「空良も大和もいっぱい悩めばいいと思います」■山本喧一 ◎ヒロヤが明かす“最高”のアメリカ修行、元UFC王者から学んだ「人間性」と「勝者の哲学」 ◎RTU唯一の生存者・中村京一郎の証言「俺、UFCに呼ばれてるなあって」 ◎K-1はなぜこうなってしまったのか? 未来予想図を狂わせたUFC、RIZINの躍進 ◎【おぎの塩の兵法】扇久保博正「……これは俺を落とそうとしているのかな」 ◎元谷友貴「9年ぶりのフライ級減量は問題ないです。なぜなら……」 ◎飯田将成のBDドタキャン騒動と“干される”問題を考える ◎プロレス事情通Z ・有田哲平はなぜNOAHを拒否したのか ・スターダムvsマリーゴールド企業戦争/Sareeeの闘魂継承路線/デスマッチ受難時代 ・上谷沙弥メディア出演批判/ディアナ若手退団者の廃業■ ・棚橋弘至引退試合相手、ウルフアロン地上波、二世レスラーは成功する、飯伏幸太復活 ◎猪木さんと会えなかった新間寿さんの無念■小佐野景浩 ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉ RIZIN北海道大会で衝撃のRIZINデビューを飾った安藤達也インタビュー。2010年代に「怪物」と呼ばれ、将来を嘱望された男の流浪の格闘技人生を振り返っていただきました!(聞き手/ジャン斉藤) 安藤 そのTシャツ、『花様年華』のやつですよね。好きなんですか? ――ウォン・カーウァイ作品が好きなんですよね。今年は『花様年華』公開25周年記念ということで、なぜかTシャツが出たんですよ(笑)。 安藤 そうなんですね(笑)。これ、映像がいいですよね。 ――スタイリッシュですよね。安藤選手は絵を描いたり、アート方面でも活動されてますよね。 安藤 ああ、そうっすね。そういう仲間に引き寄せられてるというか、引き寄せてるというか(笑)。 ――今日はそのへんのお話も伺います!RIZIN初参戦となった北海道大会はものすごい勝ちっぷりでしたけど、周囲の反響はどうだったんですか? 安藤 すごかったです。やっぱRIZINの注目度の高さをあらためて感じさせてもらった感じですね。 ――安藤選手は「RIZINに出ない」と思ってるファンは多かったですし、「こんな格闘家がいるんだ」って驚いてるファンもかなりいたんですよ。   安藤 修斗、DEEP、パンクラスとか格闘技をしっかり見ていた人は、以前から自分のことをチェックしてくれていたと思うし、そこの団体にはいまでも素晴らしい選手がたくさんいますからね。彼らをチェックすることで、RIZINがもっと面白く見れるようになると思いますね。  ――RIZINからのオファーが来たときはどう思われましたか? 安藤 自分は修斗時代からずっとプロモーターと直接交渉してきたんですけど。RIZINからはSNSを通じて連絡があって。 ――SNSからですか? 安藤 そうですね。 ――RIZINさんいわく「安藤選手は連絡がなかなか取りづらい」って言ってましたよ(笑)。  安藤 そうっすね(苦笑)。連絡があってもそこで一度納得してしまって、すぐに返信せず放置しちゃって。自分のタイミングで返すクセがあるんですよね。予定が流動的だから、いろいろやってるうちに後回しになって「やべぇ、2日経っちゃった……」とか。ちょっと病気みたいなところがあって。  ――ボクも返信したつもりで放置するクセがあるのでよくわかります!(笑)。  安藤 迷惑をかけてるかもしれないので、なるべく直していきたいです。そういう面でも大人になりたいすね(笑)。  ――この取材直前にもRIZIN広報から「リマインドがあったので来ると思います」って連絡がありまして。来ない可能性もあるんだってドキドキしてました(笑)。 安藤 ハハハハハ。じつは以前、煽りVの撮影があったときも、30分くらい遅刻して。車だったんですけど、高速の渋滞にはまっちゃって。 自分から遅れる連絡をすればよかったんですけど……ホント気をつけます(笑)。 ――あらためて初めてRIZINのリングに上がった感想はいかがでしたか?  安藤 めちゃくちゃよかった。イベントのすべての流れがものすごくスムーズで、すごい人たちが協力してあのリングが作られているんだなって。自分はRIZINに出るのは今回が初めてで。他のプロモーションがダメだったわけじゃないですけど、本当にすごかったです。 ――ファイターとして試合にすごく集中できたんですね。  安藤 北海道まで仲間や家族が見に来てたんですけど、あとから話を聞いたら、お客さんも最初は「安藤達也……?」みたいな感じだったらしいんですよね。でも、試合後は「全然反応が違ったね」。試合を見てぶち上がっていたと。  ――今回の対戦相手マゲラム・ガサンザデのオファーはどう思ったんですか? アゼルバイジャン出身で11勝1敗。前回は白川陸斗に完勝。フィニッシュされたことのない厄介な相手ですよね。 安藤 最初は「よくわからない強い奴だな」と思って。みんなが対戦を嫌がるから俺に回ってきたのかなって(笑)。 ――ハハハハハハハ!  安藤 「じゃあ、俺がここで一肌脱いでやってやるか」と。強い奴を倒せば評価は上がるし、ある意味でチャンスをくれたんだから頑張ろうと思いましたね。  ――さっきの返信放置じゃないけど、即答だったわけではないんですか? 安藤 自分としてはやるしかないなって思ってたんですけど、すぐ飛びつくのもどうかと思ったので「少し考えさせてください」と。 RIZINとは去年の11月、12月頃から動き出して、最初は3月香川という話だったけど、いろいろあったみたいで6月の北海道でやると。まあ急いで作るよりも、かえって時間をもらえたのはよかったですね。あの相手が決まったのはわりと直近だったんですけど、準備はできていたので。  ――安藤選手が出ることは内定していたけれど、相手は決まった。ガサンザデの相手として呼ばれたというよりは、RIZINが安藤選手を出したいってことですね。  安藤 ということなんですかね。出ることにはなったけど、誰と戦うかはわかっていなくて。  ――他に候補はいたんですか?  安藤 いちおうRIZINさんに「他に候補はいるんですか?」って聞いてみたら「ガサンザデ以外は考えてません」と。じゃあ、これはやるしかない。「安藤、これくらい勝たないと次はないぞ」って試練を与えられたのかなって。  ――実際に圧勝したことでの反響もすごかったですし、こないだはRIZIN事務所では榊原CEOともお話されていましたね。  安藤 はい。発表はまだですけど、そこで7月のRIZINでヤン・ジヨン戦の話をもらいましたね。  ――それはいいカードです! 安藤 めちゃくちゃいいすよね。日本人は彼にけっこう負けてるじゃないですか。俺がここで止めないとなって。作戦を明かすことになるから詳しくは言えないっすけど、相性はいいかなって。自分のMMAの幅をしっかり見せられるいい機会だと思っていますね。 あとどうしても勝って言いたいことがあるんですよね。 ――へえー、勝ってから? 安藤 勝ってからじゃないと言えないですかね。まあそこも楽しみにしていてくれれば。 ――安藤選手が短期間で連戦するのは最近では珍しいですね。  安藤 じつはケガをしていたり、追い込みが足りていない時期があったんですよね。修斗の環太平洋のタイトルを獲る前くらいまでは、本当にめちゃくちゃで。タバコも吸っていたし、減量するときに下剤を使ってたからスタミナも全然なくて。いまになってみれば、スタミナ不足の原因はそれか?と(笑)。 ――年齢とともにアップデートしていったわけですね(笑)。 安藤 そういうことをやめて、ちゃんと練習するようになって、30歳を超えてからですね、良くなってきたのは。 ――若い頃は「天才」と言われてましたけど、けっこうムチャだったんですね。 安藤 もちろん練習もしてたんですけど、バカだったので(笑)。自分は子供の頃からずっとスポーツをやってきたので、それがあってのムチャで。めちゃくちゃなだけで強くなれるわけではないすね。 ――練習をやったうえでメチャクチャだと。 安藤 そうです(笑)。もう人生の半分以上はアスリートとして過ごしてますから。子供の頃から空手をやって、高校からレスリングを始めてタイトルを獲ってるし、大学でも毎日死ぬほどレスリングをやって。人生の半分以上はスポーツに時間を費やしてますからね。みんなは俺のことを「天才」「怪物」とか言うけど、自分なりに「それだけやってきた」という自信の裏打ちがあって。そうでなければ、リングに上がるときに自分に嘘をついているようなもんだから、あんなに自信を持って戦えないし、やらずに勝てるほど甘く世界じゃないですよ。 ――才能だけでやれる競技ではないと。 安藤 昔クレイジービーに通っていたときも、気合を入れていかないと怖かった場所ですもん(苦笑)。  ――当時のクレイジービーは本当に怖かったんでしょうね(笑)。  安藤 いやあ、調子こいてる奴は叩き潰されるみたいな(笑)。それでも、KIDさんや朴(光哲)さんに当たりにいくと、先輩たちはちゃんと覚えていてくれるんですよね。トライブのときに金原(正徳)さんにボコられても行ってました。 金原さん、めちゃくちゃ怖かったですけど、そうやって向き合ってくれるのが格闘家として大事なことかなって。  ――昔はプロ志望の新人にも容赦しない時代ですよね。 安藤 本当に強い人しか生き残れないような環境で、通い続ける者だけが強くなっていくというか。 それはいまは時代に合わなかったり、変わってきているのかもしれないけど。キラキラした部分だけ見て「格闘技をやりたい!」という子が、練習でやられて恥を欠いても食らいついて。それで生き残った奴しかチャンピオンになれないことは、いまも昔も変わらないっすよね。 ――当時のKIDさんは人気がすごかったから、ミーハー感覚でクレイジービーにやってくる人も多かったんでしょうね。 安藤 人間にはキャパシティがあるんで、入ってきた子、全員に優しく教えてらんないじゃないですか。間引きという言い方はよくないけど、本気でやりたい奴しか残れないようなやり方をしてたんじゃないかなって思いますね。 ――安藤選手のファイトスタイルや佇まいから、久しぶりにKIDさんの匂いがする格闘家だなって感じました。  安藤 いやいやいやいや……自分はホントにKIDさんのことが好きだっただけで。でも、プロになってキャリアを積んでいくうちに、憧れや誰かのマネだけではいけないなって気づいて。自分の強みや弱点を見つめて、自分らしくやることが重要だなって。格闘技を始めたときは無敗にこだわっていたんで、負けたときにすごく傷ついたんですけど。そういう経験があったからこそ、しっかり考えて自分で行動するようになりましたね。 ――憧れの存在はいても、自分自身をしっかり持たなければならないと。  安藤 憧れが強すぎるのはよくないっていうか。かえって近づかないようにしたほうがいいと思って。それで長南さんのトライブに入りましたね。 ――憧れるからこそ離れる。深いですねぇ。 安藤 憧れのイメージを壊したくなかったっすね。 憧れてるばっかだと超えられないかなと思って。 でも、(堀口)恭司くんは超えていったんで、すごいですよ。ボクが格闘技を始める前に、同世代の恭司くんや矢地(祐介)くんがプロになってて。 ――あの当時のクレイジービーを潜り抜けているんだから堀口選手や矢地選手もタフですよねぇ。 安藤 そう思いますね。ボクは一応、出稽古という立場でたまに行かせてもらってたんですけど、かなり気合いを入れていかないと…… 「明日のスパーリングだから早く寝ないと」みたいな(笑)。  ――トライブも厳しかったわけですよね。 安藤 (若松)佑弥とは2日違いでジムに入ったんですよね。彼がこないだONEで世界チャンピオンになったのはホント嬉しかったですね。 「おおー、佑弥すごい!マジでチャンピオンになったああああ!」って。すごかったですよねぇ(しみじみと)。 ――いまのトライブは国内有数のジムとなって。 安藤 “虎の穴”みたいな感じで言われてますよね。いい選手が集まってるし、そこは長南さんの指導力が大きいと思いますよ。ボクも長南さんに鍛えてもらってプロになれましたし。長南さんに教えてもらったことがボクのベースになってます。いろいろなテクニックを教えてもらったおかげで、海外で練習してもちゃんと理解できるというか。 ――でも、安藤選手はそのトライブを除名扱いになっちゃうじゃないですか。長南さんが「練習していない」と怒って。記事15本15万字の詰め合わせセットはまだまだ続く…… 

【記事15本14万字】安藤達也、金原正徳、西川大和、有田哲平NOAH拒否、猪木と新間……

ヒロヤが明かす“最高”のアメリカ修行、元UFC王者から学んだ「人間性」と「勝者の哲学」

地獄のフライ級GP1回戦で元谷友貴と対戦するヒロヤインタビューです!(聞き手/松下ミワ)【1記事から購入できるバックナンバー】・赤田プレイボイ功輝ロングインタビュー ・RIZINガールからRIZIN広報に! 横島加奈さんインタビュー ・所英男46歳 ヒロヤに負けたら即引退SP ・キックボクサーのMMA転向とは何か■久保優太 ――2カ月間、アメリカ修行に行かれていたヒロヤ選手ですが、YouTubeやSNSでの発信を見ていて、練習の充実感がめちゃめちゃ伝わってきました。 ヒロヤ 充実してましたねえ。最高っすね。 ――最高っすか!(笑)。 ヒロヤ 最高っすよ! 1年前にもアメリカに練習に行ったことがありましたけど、そのときはけっこう早く帰りたかったというか。初めて経験することが多すぎたし、アメリカなので他人としゃべることが極端に減るじゃないですか。だから、孤独というのを初めて味わいました。 ――言語も違いますしね。 ヒロヤ で、UFC PIとかに練習に行ってもやっぱり“よそ者”なんで、毎回張り詰めた緊張感があるんですよね。 ――UFC PIとはラスベガスにあるUFCが運営する最先端のトレーニング施設ですね。 ヒロヤ 周りはみんなUFCファイターだし、初めて利用することもあってやっぱりストレスが大きかったです。でも、今回は仲間もいるし、その1年前にすでに友達になったファイターや知り合いもいて、なんか同じ国のようには感じなかったです。 ――自分の基盤がアメリカにもひとつできている感じですね。 ヒロヤ そうそう、居心地がよかったし、練習だけにフォーカスできる環境がありました。 ――今回、アメリカに行って一番よかったことはどんなことでした? ヒロヤ やっぱり元UFCバンタム級チャンピオンのコーディ・ガーブラントのファイトキャンプに試合3週間前からずっと帯同できたことですね。 ――コーディ・ガーブラントは6月上旬にUFCで試合がありましたね。 ヒロヤ ボクがスパーリングパートナーをやったりもして、元チャンピオンの試合までの取り組み方、生活、プライベートを3週間見ることができて。いま自分がRIZINフライ級トーナメントに出場する立場として、そのすべてを体験できたのは、ものすごくいい機会だったなって。 ――元王者はどんなふうに試合に取り組んでいるのかを経験できたわけですね。 ヒロヤ もちろん、普通のUFCファイターのファイトキャンプに参加するだけでもいい経験になると思うんですけど。やっぱりUFCのチャンピオンはまた違ってくるじゃないですか。「何が違うのかな?」って想像でしかわからないですし。実際に目で見て肌で感じるものが、やっぱりボクの中にはありました。 ――自分の考えが変わったところもありました? ヒロヤ うーん、なんかこれは格闘技と直接関係してるのかはわかんないですけど……イリア・トプリアやチャールズ・オリベイラとUFC PIで会ったりすることもあるんですけど。 ――ものすごいファイターの名前が出てきました(笑)。 ヒロヤ 本当に謙虚で腰が低くて、なんかめっちゃいい人なんですよ。でも、それって凄いことだと思うんですよね。自分がこの立場になっているからこそというか、メディアに出ていろんな人から評価される側の人間として思うのは、その立場になっても腰が低くて謙虚でいられるというのは、やっぱり「人格者じゃないとチャンピオンにはなれないのかな?」と肌で感じました。 ――トプリアやチャールズ・オリベイラでも全然、偉ぶらないんですね。 ヒロヤ で、コーディ・ガーブラントとかも、ずーっとふざけてるんですよ。これってボク、なかなかできないことだと思ってて。ボクって性格的に凄く繊細で、ストレスを感じてしまったときとかに自分の中で我慢して、それが周りの空気を悪くさせちゃったりすることもあるんですよ。なんでも我慢しちゃう性格なんで。戦いの中では我慢できることが強みになったりもするんですけど、やっぱり常に上機嫌でいられる人というのは人として凄いなって。ボクは、自分を追い込みすぎてなかなかできないことがあるんで。 ――チャンピオンクラスだと、追い込まれても周りが見えているということなんですかね。 ヒロヤ 自分がうまくいってないときでも周りにストレスを与えない人ってボクは凄いなと思うし、ふざけてる人ってバカなようにも見えるけど、ボクはそこに凄みを感じましたね。 ――ヒロヤ選手としては、そういう振る舞いが強さとつながってるんじゃないか、と? ヒロヤ そう思っていいんじゃないかなと思いました。トプリアもめっちゃ腰が低くて「チャンピオンは人格者なんだな」と思ったんで。そういうところも大事にしていきたいなと思いました。だから今回のアメリカでは選手としても成長できたうえで、人間としてもいい経験できたのかなと思いますね。 ――そのアメリカ修行中にRIZINフライ級トーナメント1回戦の相手が元谷友貴選手に決まりましたが、対戦相手が決まったことで練習内容も変わったりもしたんですか? ヒロヤ 変わりました。相手が決まるまではずっと追い込みまくる練習ばっかだったんで。ボクは普段、日本でも練習量が多いほうなんですけど、それよりもアメリカでの練習のほうが圧倒的に多くて。 ――アメリカでさらにギアが上がったわけですね。 ヒロヤ アメリカって空気がドライだからかわからないですけど、疲労が比較的たまりにくいとは感じているんですけど、それでも気づかずにめっちゃ疲労が蓄積してて。そういう中で、自分の苦手な部分だったりキツイ練習ばっかやっていて。そうすると「これは自分にとって正しい練習なのかな?」「追い込むだけで意味あるのかな?……」とか身体がいうこと聞かなくなることで、 メンタルが崩れやすくなるんですよね。 ――でも、対戦相手が決まったことでモードが一気に切り替わったわけですか。 ヒロヤ 決まった瞬間、ここからはまず頭を使う感じになりますよね。どういうふうに戦っていくかをコーチのビリーと話し合ってちゃんと決めて、「じゃあ、こういう練習をしよう」「トレーニングパートナーは誰で、スパーリングは何回やって」と。元谷選手に合わせた練習に変わっていきました。 ――そういう練習メニューも全部ビリーが考えてくれてたということですか? ヒロヤ そうです。 ――ヒロヤ選手はそれを信じてひたすら練習すればいいという。 ヒロヤ いや、目的がわかってないと成長スピードは遅くなると思うんで、ビリーがどういう考えでこの練習メニューを組んでいるのかという意図はしっかり共有してますね。でも、基本的に練習スケジュールに関しては、なんのストレスもないぐらいビリーがしっかり組んでくれるし、打撃のコーチともちゃんと連携しながらやってくれてるので、無駄のない打撃の練習だったり、無駄のないグラップリングの練習ができたと思います。 ――コーチ同士の連携もうまくいってると。 ヒロヤ それが一番大事っすよ。たとえば、グラップリング、レスリング、打撃のコーチがそれぞれいても、試合で何をゴールにするかによって練習が変わってくるんで。たとえば、前回の篠塚辰樹戦でボクシングコーチにKOを狙うパンチばっかり練習させられてたとすると、KOを狙うパンチって距離感がちょっと遠いからタックルには行きにくいんですよ。もう少し短い距離感で打撃をやったほうが、タックルには行きやすいんですよね。 ――キック出身でMMAデビュー戦の篠塚選手だったら、ヒロヤ選手はまずグラウンドに持ち込みたいですもんね。 ヒロヤ だから、どういう試合にしたいかを共有してないと、いい練習ができないです。日本はグラップリングだけ、レスリングだけ、打撃だけって感じだから、一つひとつの技術はプロフェッショナルだけど、MMAとしての際のつなぎができないんですよね。 ――そういう練習の組み立てをビリーがやっていて、ヒロヤ選手がそれに委ねてるというのがさらに練習の充実感をアップさせているのかなと感じました。 ヒロヤ そうですね。もう心から信用してます。 ――ちょっと前に『ゴング格闘技』に掲載されたビリーのインタビューが話題になりましたが、ヒロヤ選手がビリーとの練習を選択したのはどういう理由からだったんですか? ヒロヤ まあ、オレが持ってるスキルなんかより、あたりまえにビリーが持ってる知識のほうがクオリティーが高いじゃないですか。オレが判断するより、ビリーが判断したものをオレが練習したほうが絶対に成長するスピードは早いと思うし。自分はビリーが言ってることをまだ理解しきれてない部分もあると思うんですよね。自分はまだその境地に達していないと思うんで。それに、MMAという競技もまだ歴史が浅くてわからない部分も多いじゃないですか。その中でも絶対にUFCが最先端だと思うんで、そこで活躍していたコーチであれば絶対に間違いないという圧倒的信用ですね。 ――そこを100%信用して練習に取り組めてるというのが、ヒロヤ選手の一つの強みですよね。 ヒロヤ やっぱりビリーの練習をやってると、練習の中で結果が出だしたんで。 ――ああ、強くなってる実感もあって。 ヒロヤ いろいろ言語化してもらったことでできるようになった部分もあったり、スパーリングでラウンドを取れるようになったり。だから、練習の中で得た信用です。 ――ビリーはレスリング系のコーチですけど、ヒロヤ選手の中でレスリングを強化したいという思いが強かったのも、その練習を選んだ理由でした? ・打撃よりレスリングの理由 ・UFCファイターも所属ジムだけで練習しているわけではない・元谷戦はめちゃめちゃいいテストになる ・本気でやっていれば強いヤツと出会う ・フライ級GPアンケートに不安はない……まだまだ続く この続きと安藤達也、金原正徳、西川大和、有田哲平NOAH拒否、猪木と新間……などの「記事15本15万字詰め合わせ」が800円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2219028 この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!  

ヒロヤが明かす“最高”のアメリカ修行、元UFC王者から学んだ「人間性」と「勝者の哲学」

有田哲平はなぜNOAHを拒否したのか■プロレス事情通Z

プロレス格闘技業界のあらゆる情報に精通する「週刊プロレス事情通Z」のコーナー。今回のテーマは有田哲平はなぜNOAHを拒否したのかです! 【1記事から購入できるバックナンバー】・ウルフアロンのデビュー戦は◯◯◯◯◯◯◯をやらなければ成功する■プロレス事情通Z ・アメトーーク、ダンスプロレス、出待ち禁止……女子プロレスのエクセトラ■事情通Z ・【謎】ウナギ・サヤカは本当にそんなことを言ったのか ・プロレス技失敗と誹謗中傷■プロレス事情通Z ――Zさん、大変です! くりぃむしちゅー有田哲平さんのプロレスYoutube番組「有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】」で、聞き手のチュートリアルの福田充徳さんが衝撃的な事実を明らかにしました。あらかじめて言っておきますけど、福田さんが東京MXのパンクラス中継の解説で、某選手の旦那さんの存在を口にして実況席を凍りつかせた件じゃないですよ。 Z もういい加減、忘れてやれよ!有田さんが同番組で二度とNOAHには触れないことを明らかにした。 ――どうやらNOAHを取り上げると、NOAHファンから誹謗中傷が飛んでくるし、他の団体と比べても多いみたいです。べつにNOAHを批判してるわけでもないから困惑しています。 Z いったいどんな誹謗中傷なのかはわからないし、ここで有田さんのNOAH評を分析することはしないけど、」Youtube番組の方向性としては新日本や女子プロレス、そして昭和プロレス、U系のモノが多い。NOAHはたまにしか取り上げてないから、一部のNOAHファンから飛んでくる批判がよっぽど酷いのかな。 ――そんなにNOAHは取り上げてないんですね。Z そこは有田さんが語りやすいテーマになるだろうし、Youtubeでも新日本、女子プロレス、過去モノは強いんだよ。最近のNOAHや全日本は好調なんだけど、じゃあ『週刊プロレス』の表紙になるのはどこ?って話で。圧倒的に新日本や女子プロレスの表紙が多い。 ・始まりはオカダvs清宮? ・新日本ファンはなぜ厄介オタ化しないのか   ・「NOAHだけはガチ」の免罪符とその影響   ・脱・猪木の新日本と脱・三沢のNOAH…… この続きと安藤達也、金原正徳、西川大和、有田哲平NOAH拒否、猪木と新間……などの「記事15本15万字詰め合わせ」が800円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2219028 この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!  

有田哲平はなぜNOAHを拒否したのか■プロレス事情通Z

猪木さんと会えなかった新間寿さんの無念■小佐野景浩

プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回はウルフアロン、受け身論争、新間寿さんを語ります! <1記事から¥100から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!> ありがとう、西村修さん、グラン浜田さん、永島勝司さん追悼・小林邦昭さん 孤高のプロレスラー、小川良成引退 最高のプロレスラーだった曙さん 令和の女子プロ! 小佐野景浩の東京女子プロレス講座 中嶋勝彦を見よう/「プロレスの仕組み」論 追悼“テキサスブロンコ”テリー・ファンク 清宮海斗の「顔面蹴り」と「平和ボケ」 私が愛した“若獅子”アントニオ猪木この旦那にしてこの妻あり!! 天龍源一郎を支えたまき代さん 頑固一徹! 追悼・ターザン後藤さん 『至高の三冠王者 三沢光晴』を書いた理由 プロレスと結婚した風間ルミさん 武田有弘☓小佐野景浩 「これまでのノアと、これからのノア」 『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一 【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」 柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話あの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!! 冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った… ――柔道のオリンピック金メダリスト、ウルフアロンが新日本プロレス入団しました。これまで小佐野さんは多くの大物アスリートのプロレス転向を見てきましたが、今回のニュースをどう受け止めましたか? 小佐野 まずこういった逸材が入ってくること自体がプロレス界にとってすごくいいことだよね。オリンピックの金メダリストがプロレスに転向するのは今時ない話というか、日本人アスリートでは初めてだよね? ――そうなりますね。金メダリストがよくぞプロレスを選んでくれた、と。 小佐野 そこはウルフアロン本人がプロレス好きってところが大きいんでしょうね。思ったのは、これが猪木さん時代の新日本だったら、こういうかたちでは入団させなかったんじゃないかな。どういうことかというと、まず柔道家としてプロレスに挑戦させるんですよ。そして異種格闘技戦をやったうえで「プロレスラーになります」というパターン。昭和のオリンピック2階級制覇のウィレム・ルスカ、バッドニュース・アレンもその流れだったんだよ。で、馬場さんの全日本プロレスはその逆で、最初からプロレスラーとして入団させる。 ――猪木さんはどういう狙いがあってその手法だったんですかね。 小佐野 そのほうが話題になるでしょ。世界の頂点を極めた人がプロレスに挑戦すれば世間の注目を浴びる。プロレスラーが勝てばキング・オブ・スポーツを証明できるし、そのうえでプロレスをイチからやってもらうと。 ――小川直也もしばらくは柔道着姿で異種格闘技戦をやってましたね。 小佐野 猪木さんは小川直也に関してはプロレスラーにする気がなかったよね。猪木さんと佐山(聡)さんの2人が小川直也に教えてたのは、裸の人間をどうやって極めるかってことだから。道場に取材に行ったときに「道着だとこう極めるでしょ?これが裸だったらどう極める?」と。猪木さんが実験体になって腕を取らせて、佐山さんが解説してね。 ――それ、格闘技の指導ですよ! 小佐野 だからプロレスの受け身なんて教えてないんですよね。 ――小川直也って新日本に入団してないんですよね。明大柔道部のOBの坂口征二さん経由でプロレス転向することになって、猪木さん預かりになって。そのあたりが昔のプロレスの良くも悪くもいい加減なところというか、計画性もなく進めちゃうという(笑)。 小佐野 村上(和成)も小川と一緒に佐山さんに教わっていたでしょ。だからプロレスの受け身を教わってない。村上は猪木さんから「覚える必要はない。自然に覚える」と言われたとか。 ――猪木さんはちゃんと受け身を教わっているのに。 小佐野 そうなんだよ。プロレスの受け身はちゃんと教わらないとできないからね。ウルフアロンは「報道ステーション」でも特集されてたけど、道場のリングでロープワークと後ろ受け身を見たときに、まったくできてなかった。やっぱりちゃんと教えてあげてないと覚えられないよね。 ――「報道ステーション」の特集は興味深かったですね。ある意味で大物アスリートの幻想を剥がすというか、まだロープワークや受け身ができていない。イチからプロレスを挑戦させると。 小佐野 昔はね、ベールに包んでたけど、たとえば天龍源一郎が大相撲から転向したときは、全部見せたんだよね。入団して1週間ぐらいで巡業に同行させて、リングで受け身を取るところを見せていた。逆に輪島さんは見せなかった。なぜなら身体ができてなかったから。 ――現役バリバリの天龍さんとは違って輪島さんは相撲から引退してからしばらく経ってのプロレス転向ですね。 小佐野 だから輪島さんは海外でトレーニングしていたでしょ。ボクもハワイまで取材に行ったんだけど、裸の写真を撮らせてくれなかった。 ――そこはちゃんと商品管理していたわけですね。 小佐野 ウルフアロンの場合は柔道家として競技は続けていたから、見せたって恥ずかしくはない身体がある。あとはプロレスの技術を覚えればいいっていうところでしょう。 ――しかし、受け身を教えない猪木さんもやり方はすごいですよね(笑)。小川直也が普通に新日本道場で練習していたらどうなってたんだろうなと。 小佐野 たぶんちゃんとしたプロレスラーになってたと思う。あの頃の猪木さんたちって「闘魂棒」ってやつを振ってましたよね。 ――猪木さんオリジナルのトレーニング器具ですね。 小佐野 小川本人に「闘魂棒って効果あります?」って聞いたら、「いや、正直わかんないんですけど、言われたことはとりあえずやってみて、それから決めます」と。ちゃんと考えたうえでやってたから、初めに「プロレスとはこういう技術があるんだよ」って教えていれば、プロレスラーになってたと思う。 ――プロレスの基礎を何も教わらなかったことが結果的に橋本真也との抗争でのブレイクにも繋がりましたけど……猪木さんはすごい実験をやったということですよね。 小佐野 新日本は北尾光司でも失敗してるんだけど、あれは北尾本人がプロレスを舐めてたからねぇ。もっと簡単にできると思っていたのと、力で誰も押さえつけられないでしょ。北尾は「本気になったら誰にも負けない」っていう自信が絶対にあったから。たしかにあれだけデカかったらそう勘違いしちゃうよ。2メートルあるんだよ。相撲時代の199センチというプロフィールは嘘。「2メートルもあったらバカみたいじゃん」って逆サバだったから(笑)。 ――横綱としてのプライドもあるし、誰のいうことも聞かないからプロレスでもトラブルが続いたんですね。 小佐野 同じ横綱でも、プロレスをちゃんと覚えようとしたのは曙さんと輪島さん。この2人は本当に一生懸命プロレスをやっていた。輪島さんの場合は年齢的な事情があって覚えきれなかったけど、本人はすごく真面目だったからね。 ――輪島さんのプロレス転向は38歳のときですもんね……。 小佐野 あと身体が硬かったし、やっぱり相撲のクセが抜けなかった。相撲は裸足だけど、プロレスはリングシューズを履く。まずそこに慣れるのが大変だった。 ――曙さんのプロレス転向は36歳のときでしたけど、順応能力は高かったですよね。 小佐野 武藤敬司が預かったからよかったんだよね。あのときの全日本にはジャイアント・バーナードがいたから、身体の大きい人のプロレスを教えてあげることができた。最初はカズ・ハヤシが教えてたんだけど、やっぱり身体のサイズが違うから覚えられなかったんだって。悩んでいたらジャイアント・バーナードから「こうやれば簡単にできるよ」って。 ――そこでイチから学ぼうとする姿勢が曙さんにあったことも大きいんですね。 小佐野 ウルフアロンも柔道で金メダルを獲った人だから、いかに基礎が大事かは理解している。だから彼はプロレスの土台は受け身だってことを言っているし、受け身がしっかりしてないと上に行けないこともわかってる。そこをデビュー戦までちゃんと教えてあげてほしいよね。 ――いまの新日本だったら、小川直也や北尾光司のようなことにはならないんじゃないかなとは思いますね……。 小佐野 これは新日本がダメって話じゃないんだけど、受け身だったら全日本やノアで教わっても面白いよね。たとえば大岩陵平がノアに留学したでしょ。「新日本で覚えたことを一度捨てた」と言っていたのは、ノアの受け身はすごく細かい。何センチかズレただけでも「それは違う」と注意される。 ――それは新日本の受け身のレベルが低いという話じゃなくて。全日本系はウナギのたれじゃないけど、長年継ぎ足しされている老舗の味なんですかね(笑)。 小佐野 昭和でいえば新日本は受け身よりスパーリングを徹底的にやって、全日本系はとにかく受け身という違いがあるから。新日本のレスラーが受け身を取れないわけじゃないんだけど、全日本系のほうがいろんな受け身を取れる。安齊勇馬はデビューが決まってからは、まずあらゆる投げ技の受け身を50本取らされた。その次はロープに走ってのタックルの受け身を10本、そのあとロープを10往復。ヘトヘトになったあとにスパーをやらされるから「つらくて毎日やめたいと思った……」と。 ・曙がプロレスで成功した理由 ・プロレスの受け身とロープワークの奥深さ ・エルボーの応酬に文句を言いたくなるのもわかる。 ・いまと昔、どっちのプロレスがいい・悪いじゃない ・猪木と新間寿の愛憎劇……14000字インタビューはまだまだ続く この続きと安藤達也、金原正徳、西川大和、有田哲平NOAH拒否、猪木と新間……などの「記事15本15万字詰め合わせ」が800円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2219028  この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!  

猪木さんと会えなかった新間寿さんの無念■小佐野景浩

【おぎの塩の兵法】扇久保博正「……これは俺を落とそうとしているのかな」

カオスのフライ級GP、優勝候補の扇久保博正インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤) 【1記事から購入できるバックナンバー】・佐山聡に鉄拳指導された当事者が語る「地獄のシューティング合宿」 ・斎藤裕、石渡伸太郎が生き抜いた“冬の時代”のマネジメント術■遠藤正吾【22000字】 ・【フライ級が来た!!】DEEPの殴り者、伊藤裕樹インタビュー ・【牛久、伊澤!!】一言多い有能コーチ・横田一則が語るRIZIN2冠のウラ側 ――扇久保さんがゲストだったRIZINのYoutube公式番組『榊原社長に呼び出されました』はすごいことになりましたよね。征矢貴選手への説教から始まって、急遽10人制トーナメント、そしてアンケートで準決勝進出者を決めることになったり。 扇久保 社長(榊原CEO)は征矢じゃなくて、完全にボクに説教してるんじゃないかなと思いましたけど(苦笑)   ――ハハハハハハ!征矢選手がドットソンを封じ込めて勝ったことに対して評価が低かったわけですけど、要はベアナックルの続きがやりたいという征矢選手の直訴を受けて再戦を組んだのに……ということだと思います! 扇久保さんは征矢選手やホセ・トーレスがGPに加わることは聞いてなかったんですか? 扇久保 まったく聞いてなくて、びっくりしました。征矢が榊原さんに直訴に来ることは知ってたんです。同じ控え室だったし。でも、こんなかたちに変わることは知らなかったですねぇ。  ――以前ベイノア選手が井上雄策戦で大滑りしたときも榊原さんから説教されましたけど、アメとムチでジョニー・ケース戦を用意されましたよね。征矢選手本人もこうなったらGPのリザーバーとして起用されると思ってたんじゃないかなと。 扇久保 ああ、そうですよね。ボクも征矢が出るとすればリザーバーなのかなと思ってましたね。まさかGPに出るなんてマジで思わなかった。 ――1回戦勝者5人のうち1名がアンケートでリザーバーに回されることはどう思われました? 扇久保 「これは俺を落とそうとしているのかな」って(苦笑)。  ――ハハハハハハ!でも、受け入れるしかないと? 扇久保 社長が言うんのであれば「やります!」という感じですよね。 ――他のGPメンバーも皆さん受け入れてますけど、やっぱりプロファイターはジャッジされて当然という意識があるんですかね。  扇久保 正直「投票されるのはイヤだあ……」なんてことはあんまりないというか。普通に試合して自分のパフォーマンスが出せれば、落ちることはないだろうなって思ってますけど。  ――いつもどおりの自分を出せれば大丈夫だろうと。 扇久保 そうですね。いつもどおりの扇久保博正……皆さんが「いつもの扇久保博正」をどう思っているかはわからないですけど(笑)。ボクの中の「いつもどおりの扇久保」は井上直樹戦とか。あのときの自分を出せれば普通に面白い試合はできますね。  ――いつものRIZINもいい試合をすればまた呼ばれるし、常にふるいにかけられているところはありますね。 扇久保 とにかく自分のパフォーマンスをしっかり出したうえに勝たなきゃ何も始まらないし、勝たないと投票の舞台にも立てないんで。 目の前の相手にしっかり勝つことだけですよ。 ――「アンケートで決めていいのかよ」みたいな気持ちはないんですか? 扇久保 ……「ある」と言ったほうがいいですかね?(笑)。 ――ハハハハハハハハハハハ! 扇久保 いや、本当に思ってないんですよ。正直、RIZINって普通のイベントではないですよね。 ――「いい意味で」を付け加えておきます。 扇久保 はい(笑)。榊原社長は普通じゃないことはわかってるんで、逆にこの話を聞いたときはやっぱりすごいことをやるなって思いました。 ――扇久保さんもだいぶRIZIN歴が長いから、このやり口はもうわかっていると? 扇久保 やり口という言い方はしないですけど(笑)、まあ普通じゃないですよね。普通のMMA団体としてやってたら、結局規模的にはUFCに敵わないじゃないですか。RIZINは独自路線をやっているから面白いと思いますね。  ――初参戦の選手だとRIZINの世界観には戸惑いますよね。 扇久保 戸惑うでしょうね。「なんだそれ?」って。  ――扇久保さんはいままで「RIZINの洗礼」を浴びたことはないですか? 扇久保 RIZINの洗礼……なんだろう。浴びたことないですかね、ボクは運良く(笑)。 ――運良く!(笑)。アーチュレッタ戦はどうなんですかね。あのときの扇久保さんはフライ級に転向したけど、朝倉海がケガで欠場して急遽バンタム級でアーチュレッタに……。 扇久保 あー、でも、あれは洗礼って感じではないですよね。わりかし普通にやらせてもらってますね。 ――こないだ『RIZIN男祭り』東京ドームで鈴木千裕選手がケガをしたままショートノーティスで出たじゃないですか。あの決断はどう思います? 扇久保 まあ、出ると自分で決めたことなんで、なんとも思わないですね。本当に無理なら断ればいい話なんで。それで負けたから、出たことにどうこういうのは違うのかなと思います。 本当に無理なケガなら試合に出ないですからね。なんとか戦えるって思ったから出たんじゃないですか、鈴木選手も。どそこはプロなんで「これぐらいだったら出れる」って自分でもわかるじゃないですか。  ――そこはプロとしてどう判断するかってことなんですね。話はフライ級GPに戻るんですが、ディスティニーシステムによるGP抽選会。バンタム級ジャパンGPのときも同じ手法で扇久保さんと元谷友貴選手の2人は経験者でしたが、前回と何か違いました? 扇久保 なんか前回より、ものすごいドキドキしましたね。なんでだろ。 ――今回は会見場もショーアップされたり、いろいろと凝ってましたよね。  扇久保 ああ、たしかに凝ってましたよね。スーツケースから手紙が出てきたりとか。前回よりも緊張するし、ドキドキしましたね。  ――扇久保さんは4番目の数字を引いたじゃないですか。ちょっと悩みながら、先に決まっていたホセ・トーレスの隣に座りました。ああやって考えたのは演技なんですか? 扇久保 あれは演技ですね(笑)。自分の中ではもう決まってました。一番戦いたいのはホセ・トーレスだったんで、選べる立場であったらホセ・トーレスに行こうって。 ――ホセ・トーレスって今回のGPの中では一番厄介ですよ! 扇久保 だからこそ、じゃないですか。やっぱりホセ・トレースは元UFCファイターで名前もあるし、神龍(誠)にも勝ってるじゃないですか。あの大晦日の試合を見て、なんでもできるし、こういう強い選手に勝ちたいなってずっと思ってたんで。ボクはとにかく自分の価値を上げたいんですよね。今回のGPの中で誰に勝ったらファイターとしての価値が上がるかといえば、一番はホセ・トーレスですね。  ――だた、ホセ・トーレスって日本ではそこまで名前が浸透してないですよね。 扇久保 それは、おいしくないってことですか?そこは結局……自己満なんですよね、「強いやつとやりたい」という(しみじみと)。 ――唸るように言いますね(笑)。「この選手とやったほうが盛り上がるんじゃないか」という考えはなかったんですか? 扇久保 ボクはホセ・トーレスでやったほうが盛り上がると思いました(キッパリ)。 ――おお! 扇久保 ホセ・トーレスか、ガジャマドフとやるほうが盛り上がるんだろうなって。やっぱりボクみたいな堅いファイターは(笑)、ああいう強い選手とやったほうがみんなも感情移入できると思うし。  ――自分のキャラクターを客観視した場合、激強外国人のほうが光るだろうと。 扇久保 そういう考えがボクの中ではありましたけど……でも、準決勝生き残りはアンケートって話を聞いたときは「人気のある選手とやって消しちゃおうかな」とも思いましたけどね。そうしたらその選手はアンケートの舞台にも上がれないじゃないですか。ホセ・トーレスもしくはガジャマドフが選べなかったら、そういう選択をしようかなと。  ――な、なるほど!アンケートがどんな形式になるかはまだ不明ですが、人気選手を消す戦略。 扇久保 そこは反骨精神ですかね。 でも、たとえばボクが◯◯選手をボコボコにして勝ったとしても、アンケートで落とされる可能性もあるじゃないですか(笑)。  ――「扇久保は楽しやがって!」と(笑)。  扇久保 ホント難しいですよ。  ――榊原さんの言い方だと、扇久保さんがドットソンを漬けて勝つのは「扇久保博正だから意味がある」ということだったと思うんですけど。格下の日本人選手にそうやって勝っても評価しにくいってことでしょうね。 扇久保 まあそうでしょうね(笑)。そういう意味ではホセ・トーレスやガジャマドフとか強い選手と戦うのがボクの使命なのかなと思います。  ・人間は塩がないと生きていない ・フライ級の元谷友貴 ・「おぎの塩」の生産は1000個から ・征矢は「TUFのときの俺」だった ・孫子の兵法のススメ……インタビューはまだまだ続く この続きと安藤達也、金原正徳、西川大和、有田哲平NOAH拒否、猪木と新間……などの「記事15本15万字詰め合わせ」が800円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2219028  この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!  

【おぎの塩の兵法】扇久保博正「……これは俺を落とそうとしているのかな」

飯田将成のBDドタキャン騒動と“干される”問題を考える

飯田将成のBDドタキャン騒動と“干される”問題を考える(文/ジャン斉藤) 【1記事から購入できるバックナンバー】・朝倉海とビリーの「ロスト・イン・トランスレーション」 ・大麻、傷害、違法オンカジ…関根“シュレック”秀樹の格闘家犯罪講座 ・RIZIN離脱……高田延彦という後味の悪い男 ・【再掲載】初心者に優しい「MMAとドーピング」講座■タケ ダイグウジ 飯田将成のブレイキングダウン(以下BD)・ドタキャン事件がすっごい騒ぎでしたね。「BDらしい事件だなあ」とニヤニヤ眺めていたら、是か否か的な議論で炎上。「BDにもモラルやルールを求められるんだ!」とびっくりしたのはボクがBDボンヤリ層だからかもしれないですけど、SNSやYoutubeは結論の出づらい話を極論で白黒分けたほうが盛り上がるし、ルールやモラルを踏みにじる背徳感的な熱がBDにあるんでしょうね。たしかに大会2日前に信頼関係の欠如的な理由での欠場は聞いたことがないからショッキングです。ケガの欠場ならわかりますよ。普通の格闘家なら、こんなドタキャンはできない。トラブルメーカーのレッテルを貼られ、他の興行でもマッチメイクしてくれないからです。飯田将成はどこからも試合をオファーされなくても、いまのところは困ることはないからドタキャンできるんでしょうね。 ところで最近はこの「干される」というワードが頻繁に使われているじゃないですか。「塩」もそうなんですけど、定義が曖昧ですよね。判定決着、寝技主体の試合もまとめて「塩」扱いされてしまう。以前、配信しているときに「◯◯選手は試合をしてないんですが干されてるんですか?」という質問があった。◯◯選手が3ヵ月前に試合をしたばっかりなのに! 簡単に使われすぎだ。 そもそも格闘技の「干される」ってわかりづらいんですよね。たとえばプロ野球だったら監督やコーチとの衝突でスタメンから外されたり、2軍に降格した……というエピソードは枚挙にいとまがない。格闘技の場合は仮に興行側が使いたくても「対戦相手が見つからない」「いいカードが組めない」なんかの理由で放置されることがありますから。それを「干される」というのかな。逆にプロモーターから評価が低くても「◯◯の相手」として呼ばれることがある。その実態は可視化されづらいんですけど、「干される」ケースがないわけではない。ちょっと過去のエピソード踏まえながら考えてみたいと思います。 ・「干される」の曖昧な定義 ・人気者は干されないけど、干されやすい ・木村ミノル、クレベルの場合 ・メンツで干す…… この続きと安藤達也、金原正徳、西川大和、有田哲平NOAH拒否、猪木と新間……などの「記事15本15万字詰め合わせ」が800円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2219028  この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!  

飯田将成のBDドタキャン騒動と“干される”問題を考える

【ヤマヨシ17000字】山本宜久 「日常から前田日明さんの教えを受け継いでいる」

バックナンバーをnoteに転載に伴いメルマガにも再掲載! 2014年の山本宜久インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・モハメド ヨネ1万字インタビュー「リング下に懸けた青春」 ・【傑作選】“奇人”朝日昇の「本当に恐ろしい昭和格闘技」 ・キャッチはどこへ消えたのか? 宮戸優光×中井祐樹「プロ・レスリング」の文化と競技論 ・【17000字】川口健次が語るシューティング黎明期から、創始者・佐山聡離脱まで ――山本さん、20年前からフォルムが変わってないですね。 山本 あ、変わってない? そう言われると悪い気はしない(笑)。 ――練習は欠かしてないんですか? 山本 練習はずっと変わらないですよね。ボクの日課は毎日走ることから始まりますからね。それは新弟子の頃から変わらないですよね。  ――ちゃんとスーツで決めていますし、それは……。 山本 あのね、我々は一歩外に出たらいつもスーツなんですよ(キッパリ)。そこは前田(日明)さんの教えを受け継いでいるんですよね。 ――待ち合わせ場所にスーツ姿で現れたとき「これは前田日明イズムなのかな」と思いましたけど。やっぱりそうだったんですね(笑)。 山本 イズムかどうかわからないけどさ(笑)。「チャラチャラした格好」という言い方はおかしいかもしれないけど、そういった格好では人前に出られないよね。 ――いまの格闘家は基本はTシャツですからね。 山本 まあ、いいんじゃないですか。そこは人それぞれですから。 ――要するに山本さんの世代は生き方を含めてプロのあり方を徹底的に教育されてきたわけですよね。 山本 リングス道場に入った頃からそうやって生きてきましたよね。いまは昔の道場というかたちがなくなったわけじゃないですか。最近では体罰が問題になってるかもしれないけど、我々の頃は日常の出来事として普通にありましたからね。もちろんボクもそういう世界だと覚悟を決めて入ったわけですし。 ――練習はかなり厳しかったんですよね。 山本 あの頃はアホみたいに練習をやってましたよね。前田さんから命令されたことに対して、なんの疑問を抱かずにやってましたから。毎日スクワット1000回はあたりまえだったし。 ――さすがですねぇ。 山本 いまは筋肉が破壊されてどうのとか非合理的なことかもしれないけど、あの頃の練習は凄く大事だったと思いましたよ。筋持久力的にもそうだし、精神的にも必要。そこで自分の限界を決めなかったことで生き残れたと思いますね。 ――リングス道場の1日はどういうものだったんですか? 山本 朝10時くらいに練習が始まるじゃないですか。当時は鶴見のほうに道場があったんですけど。10時近くになるとGTRのエンジン音が聞こえてくるんですよね。「ブオンブオン!」とフカしてね(笑)。 ――前田さんの登場なんですね(笑)。 山本 あのエンジン音を聞いてみんな気が引き締まるというかね(笑)。「今日も1日始まるのか……」と。怖いわけではないんですけどね、1日の始まりがGTRのエンジン音だったという。そこから13時くらいまで基礎練をみっちりですよ。ひたすらスクワット、ひたすら腕立て伏せ、ひたすらブリッジ。あの頃は前田さんが直接指導する機会が多かったですから、道場には常に緊張感があってピリピリしてましたよね。 ――やっぱり前田さんの指導は厳しかったんですか。 山本 何事に置いても厳しかったですね。あるときランニングから帰ってきたら前田さんの眉間にシワが寄ってたんです。「おまえら、こっちに集まれっ!!」と。なんだろうと思ったら、いきなりビンタ。理由は道場の窓を閉めてランニングに行かなかったから(笑)。 ――うわあ(笑)。 山本 前田さんは新日本プロレスの道場で教えられたことを自分たちに叩き込んでるわけですよね。やっぱり人間って経験に基づいたことを教えるわけじゃないですか。 ――新弟子時代の一番失敗ってなんですか? 山本 うーん、多かったですよね(苦笑)。1日だけ前田さんの付き人をやったことあるんですよ。そのとき前田さんは大阪で仕事があって。前田さんは新横浜の駅で崎陽軒のシウマイ弁当を必ず買うんですけど。前田さんから1万円渡されたから1万円分のシウマイ弁当を買ってきたんですよね。そうしたら前田さんが「誰がこんなに食べるんねん!1個でいいんや!!」と。 ――ハハハハハハ! 山本 で、大阪の仕事が終わって宿泊先のホテルを出るじゃないですか。前田さんの部屋で荷造りして、一緒にタクシーに乗ったんです。前田さんのスーツケースは2個だったんですけど、1個しか持ってきてなくて……。結局前田さんの付き人はそれっきりでした(笑)。 ――1日で付き人失格ですか(笑)。 山本 実際は成瀬(昌由)が前田さんの付き人だったんですよ。そのときはボクが代打だったんですけど、1日でクビですね(笑)。 ――リングスでは新弟子になっても、過酷な“プロテスト”を合格しないとデビューできないですよね? 山本 ああ、プロテストね。ありましたよ。とりあえず最低でも体重が90キロ以上ないとダメなんです。あとはスクワットのノルマが3000回。 ――1セット3000回! 山本 腕立て伏せが1000回。縄跳び2時間。ブリッジ30分。 ――き、聞いてるだけで吐きそう。 山本 それをクリアしないとプロデビューできないんですよ。 ――いまそんな条件だったら誰もデビューできないですねぇ。 山本 強い弱いはべつにして、それをまっとうすることに意義があるんですよね。いまの人たちはそんなことをやらされたら疑問を持つでしょ? 「それが強さに関係あるの?」って。ジムで会員さんにそんな指導したらみんないなくなっちゃうじゃないですか(笑)。 ――“お客様”にスクワット1000回はちょっと……(笑)。 山本 ボクが高田道場に所属していたときも大変でしたね。それまで「新弟子」に教えることはあっても「会員」に指導したことはなかったんですよ。スパーでへたり込む会員さんがいたから「何休んでるんねん!」って怒ったりしてましたからね(笑)。 ――新弟子指導そのものじゃないですか!(笑)。 山本 あとは「サンドバックをひたすら蹴っとけ!!」って。そうしたら翌日には半分くらいの人数に減っちゃってね(笑)。 ――ハハハハハハ! 話を戻すと、リングスに入門した山本さんは過酷なプロテストに合格したんですね。  山本 ブリッジ30分なんて首がおかしくなるよ。30分だよ?(笑)。あのときはボクと成瀬以外にもう1人、新弟子が生き残ったんですけどね。でも、プロテストがダメだったのかな。その子はデビューできなかったですね。 ――そこまで生き残るのも大変ですよね。そもそも最低でも体重90キロって(笑)。 山本 ひたすら食べまくりましたよ。ノルマがあってちゃんこ5杯、どんぶり飯5杯なんですよね。 ――お酒もたらふく飲まされたんですか。 山本 よく飲みに連れて行かれましたね。お酒にしてにも、おいしく飲むんじゃなくて、誰が見ても「凄い飲み方だな!」と驚かせなきゃいけない。常にそういう意識を持って飲んでいたかもしれないですよね。ビールだったいきなり10杯頼んで全部一気飲み。 ――ハハハハハハハハハ! 山本 一気飲みというか、一口飲みですよ。「あの人たちは普通じゃないよね……?」「店のお酒がなくなっちゅうんじゃないの?」って思わせる。飲み以外のことでも、24時間そういうふうに見られることを意識してましたからね。 ――“全身プロレスラー”だったんですねぇ。そんなリングス時代ですが、山本さんの若手時代で印象深い試合は「バーリトゥードジャパン」のヒクソン・グレイシー戦になります。当時はヒクソンにどういう認識があったんですか? 山本 安生(洋二)選手がヒクソンのところに道場破りに行って、血だらけになって帰ってきたじゃないですか。そういうこともあって「彼はどれくらい強いのか」という気持ちがあって。やっぱり世界最強じゃないですけど、一番を目指してましたからね。強いと思われてる選手ならやってみたいな、と。 ――リングスとはルールが違うということで、前田さんが高阪(剛)さんを山本さんのスパーリングパートナーに指名してヒクソン対策を練っていたとか。 山本 うーん、練ってはないよね。練習はしてたけど。あの頃、後輩でグラウンドの技術で飛び抜けていたのは高阪でしたからね。それよりもあの当時は(アレクサンドル・)ヒョードロフさんの存在が大きかったんですよ。 ――ロシア伝説のサンビスト!  山本 リングスの道場ってもの凄く環境に恵まれていて。ムエタイのコーチも常駐してたし、身体をアフターケアする専属トレーナーもいて。寝技はヒョードロフさんや(ニコライ・)ズーエフが臨時コーチで教えてくれたりして。ちょうどヒクソン戦の前だったかな。ヒョードロフさんからコーチを受けてたんですよ。 ――当時のヒョードロフさんは50歳近くでしたけど、寝技は信じられないくらい強かったそうで。 山本 凄かったですねぇ。寝転がって無防備で「ほら、極めていいよ」と。それで極めようとしても逆にやられちゃいますから。ロシアのサンボには腕ひしぎをやろうとしても、逆に極め返すという技術があって、いろいろと奥が深いんですよ。あとはえげつない技もあって。肋骨に指を入れるとか、尻の穴に指を入れるとか。ヒョードロフさんの技術は純粋なスポーツとはまた違うんですよね。 ――あの年齢でバーリトゥードに出て、序盤は圧倒したりしてましたからね。 山本 あの歳で試合に出る負けん気の強さも凄いですよね。若い頃に出たらもっと凄かったでしょうけど。だって川で泳いでる鯉を鷲掴みで捕まえるんですよ。リングス道場の裏の川に鯉が泳いでたんですよ。ヒョードロフさんは川の中に手を30分くらい突っ込んでジッとしてるんです。それで鯉に近づいてきたら……バッと手づかみで捕まえてましたからね。 ――ハハハハハハ! 人間じゃなくて熊の仕業ですね(笑)。 ・ヒクソン戦の前田日明、衝撃の指示 ・藤原敏男道場の鉄柱蹴り ・ロシア、オランダの猛者たち ・伝説の田村潔司戦 ・パンクラスとの仁義なき戦い ・謎だった小川直也と永田裕志への襲撃 ・不満だらけだった高田道場時代 ・高田延彦の恐ろしいひとこと……17000字インタビューはまだまだ続く  

【ヤマヨシ17000字】山本宜久 「日常から前田日明さんの教えを受け継いでいる」

“怪物”安藤達也が遅れてやってきた理由12000字インタビュー

RIZIN北海道大会で衝撃のRIZINデビューを飾った安藤達也インタビュー。2010年代に「怪物」と呼ばれ、将来を嘱望された男の流浪の格闘技人生を振り返っていただきました!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・RIZIN離脱……高田延彦という後味の悪い男 ・ベラトール全面対抗戦実現の舞台裏■RIZIN海外事業部・柏木信吾 ・JBC解散!! ボクシング界で何が起きているのか■山田武士 安藤 そのTシャツ、『花様年華』のやつですよね。好きなんですか? ――ウォン・カーウァイ作品が好きなんですよね。今年は『花様年華』公開25周年記念ということで、なぜかTシャツが出たんですよ(笑)。 安藤 そうなんですね(笑)。これ、映像がいいですよね。 ――スタイリッシュですよね。安藤選手は絵を描いたり、アート方面でも活動されてますよね。 安藤 ああ、そうっすね。そういう仲間に引き寄せられてるというか、引き寄せてるというか(笑)。 ――今日はそのへんのお話も伺います!RIZIN初参戦となった北海道大会はものすごい勝ちっぷりでしたけど、周囲の反響はどうだったんですか? 安藤 すごかったです。やっぱRIZINの注目度の高さをあらためて感じさせてもらった感じですね。 ――安藤選手は「RIZINに出ない」と思ってるファンは多かったですし、「こんな格闘家がいるんだ」って驚いてるファンもかなりいたんですよ。   安藤 修斗、DEEP、パンクラスとか格闘技をしっかり見ていた人は、以前から自分のことをチェックしてくれていたと思うし、そこの団体にはいまでも素晴らしい選手がたくさんいますからね。彼らをチェックすることで、RIZINがもっと面白く見れるようになると思いますね。  ――RIZINからのオファーが来たときはどう思われましたか? 安藤 自分は修斗時代からずっとプロモーターと直接交渉してきたんですけど。RIZINからはSNSを通じて連絡があって。 ――SNSからですか? 安藤 そうですね。 ――RIZINさんいわく「安藤選手は連絡がなかなか取りづらい」って言ってましたよ(笑)。  安藤 そうっすね(苦笑)。連絡があってもそこで一度納得してしまって、すぐに返信せず放置しちゃって。自分のタイミングで返すクセがあるんですよね。予定が流動的だから、いろいろやってるうちに後回しになって「やべぇ、2日経っちゃった……」とか。ちょっと病気みたいなところがあって。  ――ボクも返信したつもりで放置するクセがあるのでよくわかります!(笑)。  安藤 迷惑をかけてるかもしれないので、なるべく直していきたいです。そういう面でも大人になりたいすね(笑)。  ――この取材直前にもRIZIN広報から「リマインドがあったので来ると思います」って連絡がありまして。来ない可能性もあるんだってドキドキしてました(笑)。 安藤 ハハハハハ。じつは以前、煽りVの撮影があったときも、30分くらい遅刻して。車だったんですけど、高速の渋滞にはまっちゃって。 自分から遅れる連絡をすればよかったんですけど……ホント気をつけます(笑)。 ――あらためて初めてRIZINのリングに上がった感想はいかがでしたか?  安藤 めちゃくちゃよかった。イベントのすべての流れがものすごくスムーズで、すごい人たちが協力してあのリングが作られているんだなって。自分はRIZINに出るのは今回が初めてで。他のプロモーションがダメだったわけじゃないですけど、本当にすごかったです。 ――ファイターとして試合にすごく集中できたんですね。  安藤 北海道まで仲間や家族が見に来てたんですけど、あとから話を聞いたら、お客さんも最初は「安藤達也……?」みたいな感じだったらしいんですよね。でも、試合後は「全然反応が違ったね」。試合を見てぶち上がっていたと。  ――今回の対戦相手マゲラム・ガサンザデのオファーはどう思ったんですか? アゼルバイジャン出身で11勝1敗。前回は白川陸斗に完勝。フィニッシュされたことのない厄介な相手ですよね。 安藤 最初は「よくわからない強い奴だな」と思って。みんなが対戦を嫌がるから俺に回ってきたのかなって(笑)。 ――ハハハハハハハ!  安藤 「じゃあ、俺がここで一肌脱いでやってやるか」と。強い奴を倒せば評価は上がるし、ある意味でチャンスをくれたんだから頑張ろうと思いましたね。  ――さっきの返信放置じゃないけど、即答だったわけではないんですか? 安藤 自分としてはやるしかないなって思ってたんですけど、すぐ飛びつくのもどうかと思ったので「少し考えさせてください」と。 RIZINとは去年の11月、12月頃から動き出して、最初は3月香川という話だったけど、いろいろあったみたいで6月の北海道でやると。まあ急いで作るよりも、かえって時間をもらえたのはよかったですね。あの相手が決まったのはわりと直近だったんですけど、準備はできていたので。  ――安藤選手が出ることは内定していたけれど、相手は決まった。ガサンザデの相手として呼ばれたというよりは、RIZINが安藤選手を出したいってことですね。  安藤 ということなんですかね。出ることにはなったけど、誰と戦うかはわかっていなくて。  ――他に候補はいたんですか?  安藤 いちおうRIZINさんに「他に候補はいるんですか?」って聞いてみたら「ガサンザデ以外は考えてません」と。じゃあ、これはやるしかない。「安藤、これくらい勝たないと次はないぞ」って試練を与えられたのかなって。  ――実際に圧勝したことでの反響もすごかったですし、こないだはRIZIN事務所では榊原CEOともお話されていましたね。  安藤 はい。発表はまだですけど、そこで7月のRIZINでヤン・ジヨン戦の話をもらいましたね。  ――それはいいカードです! 安藤 めちゃくちゃいいすよね。日本人は彼にけっこう負けてるじゃないですか。俺がここで止めないとなって。作戦を明かすことになるから詳しくは言えないっすけど、相性はいいかなって。自分のMMAの幅をしっかり見せられるいい機会だと思っていますね。 あとどうしても勝って言いたいことがあるんですよね。 ――へえー、勝ってから? 安藤 勝ってからじゃないと言えないですかね。まあそこも楽しみにしていてくれれば。 ――安藤選手が短期間で連戦するのは最近では珍しいですね。  安藤 じつはケガをしていたり、追い込みが足りていない時期があったんですよね。修斗の環太平洋のタイトルを獲る前くらいまでは、本当にめちゃくちゃで。タバコも吸っていたし、減量するときに下剤を使ってたからスタミナも全然なくて。いまになってみれば、スタミナ不足の原因はそれか?と(笑)。 ――年齢とともにアップデートしていったわけですね(笑)。 安藤 そういうことをやめて、ちゃんと練習するようになって、30歳を超えてからですね、良くなってきたのは。 ――若い頃は「天才」と言われてましたけど、けっこうムチャだったんですね。 安藤 もちろん練習もしてたんですけど、バカだったので(笑)。自分は子供の頃からずっとスポーツをやってきたので、それがあってのムチャで。めちゃくちゃなだけで強くなれるわけではないすね。 ――練習をやったうえでメチャクチャだと。 安藤 そうです(笑)。もう人生の半分以上はアスリートとして過ごしてますから。子供の頃から空手をやって、高校からレスリングを始めてタイトルを獲ってるし、大学でも毎日死ぬほどレスリングをやって。人生の半分以上はスポーツに時間を費やしてますからね。みんなは俺のことを「天才」「怪物」とか言うけど、自分なりに「それだけやってきた」という自信の裏打ちがあって。そうでなければ、リングに上がるときに自分に嘘をついているようなもんだから、あんなに自信を持って戦えないし、やらずに勝てるほど甘く世界じゃないですよ。 ――才能だけでやれる競技ではないと。 安藤 昔クレイジービーに通っていたときも、気合を入れていかないと怖かった場所ですもん(苦笑)。  ――当時のクレイジービーは本当に怖かったんでしょうね(笑)。  安藤 いやあ、調子こいてる奴は叩き潰されるみたいな(笑)。それでも、KIDさんや朴(光哲)さんに当たりにいくと、先輩たちはちゃんと覚えていてくれるんですよね。トライブのときに金原(正徳)さんにボコられても行ってました。 金原さん、めちゃくちゃ怖かったですけど、そうやって向き合ってくれるのが格闘家として大事なことかなって。  ――昔はプロ志望の新人にも容赦しない時代ですよね。 安藤 本当に強い人しか生き残れないような環境で、通い続ける者だけが強くなっていくというか。 それはいまは時代に合わなかったり、変わってきているのかもしれないけど。キラキラした部分だけ見て「格闘技をやりたい!」という子が、練習でやられて恥を欠いても食らいついて。それで生き残った奴しかチャンピオンになれないことは、いまも昔も変わらないっすよね。 ――当時のKIDさんは人気がすごかったから、ミーハー感覚でクレイジービーにやってくる人も多かったんでしょうね。 安藤 人間にはキャパシティがあるんで、入ってきた子、全員に優しく教えてらんないじゃないですか。間引きという言い方はよくないけど、本気でやりたい奴しか残れないようなやり方をしてたんじゃないかなって思いますね。 ――安藤選手のファイトスタイルや佇まいから、久しぶりにKIDさんの匂いがする格闘家だなって感じました。  安藤 いやいやいやいや……自分はホントにKIDさんのことが好きだっただけで。でも、プロになってキャリアを積んでいくうちに、憧れや誰かのマネだけではいけないなって気づいて。自分の強みや弱点を見つめて、自分らしくやることが重要だなって。格闘技を始めたときは無敗にこだわっていたんで、負けたときにすごく傷ついたんですけど。そういう経験があったからこそ、しっかり考えて自分で行動するようになりましたね。 ――憧れの存在はいても、自分自身をしっかり持たなければならないと。  安藤 憧れが強すぎるのはよくないっていうか。かえって近づかないようにしたほうがいいと思って。それで長南さんのトライブに入りましたね。 ――憧れるからこそ離れる。深いですねぇ。 安藤 憧れのイメージを壊したくなかったっすね。 憧れてるばっかだと超えられないかなと思って。 でも、(堀口)恭司くんは超えていったんで、すごいですよ。ボクが格闘技を始める前に、同世代の恭司くんや矢地(祐介)くんがプロになってて。 ――あの当時のクレイジービーを潜り抜けているんだから堀口選手や矢地選手もタフですよねぇ。 安藤 そう思いますね。ボクは一応、出稽古という立場でたまに行かせてもらってたんですけど、かなり気合いを入れていかないと…… 「明日のスパーリングだから早く寝ないと」みたいな(笑)。  ――トライブも厳しかったわけですよね。 安藤 (若松)佑弥とは2日違いでジムに入ったんですよね。彼がこないだONEで世界チャンピオンになったのはホント嬉しかったですね。 「おおー、佑弥すごい!マジでチャンピオンになったああああ!」って。すごかったですよねぇ(しみじみと)。 ――いまのトライブは国内有数のジムとなって。 安藤 “虎の穴”みたいな感じで言われてますよね。いい選手が集まってるし、そこは長南さんの指導力が大きいと思いますよ。ボクも長南さんに鍛えてもらってプロになれましたし。長南さんに教えてもらったことがボクのベースになってます。いろいろなテクニックを教えてもらったおかげで、海外で練習してもちゃんと理解できるというか。 ――でも、安藤選手はそのトライブを除名扱いになっちゃうじゃないですか。長南さんが「練習していない」と怒って。 ・練習してないように見えたのは… ・長南さんには感謝がある ・絵を描くことは瞑想に近い ・UFCからは5回のオファーがあった ・パッチーミックスとのガチスパー ・RTUフェザー級エントリーの真相…12000字インタビューはまだまだ続く この続きと安藤達也、金原正徳、西川大和、有田哲平NOAH拒否、猪木と新間……などの「記事15本15万字詰め合わせ」が800円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2219028  この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!   

“怪物”安藤達也が遅れてやってきた理由12000字インタビュー

棚橋弘至引退試合相手、ウルフアロン地上波、二世レスラーは成功する、飯伏幸太復活■プロレス事情通Z

プロレス格闘技業界のあらゆる情報に精通する「週刊プロレス事情通Z」のコーナー。今回のテーマは棚橋弘至引退試合相手、ウルフアロン地上波、二世レスラーは成功する、飯伏幸太復活です! 【1記事から購入できるバックナンバー】・【燃えるマリーゴールド】ロッシー小川が悪いのか■事情通Zの「プロレス 点と線」 ・評判の悪い映画『アントニオ猪木をさがして』について ・【バチバチ最終回】臼田勝美「ありがとうバトラーツ」 ・元・東スポ記者が語るハヤブサの不死鳥な想い出■寿浦恵一 ――Zさん、大変です! ウルフアロンのデビュー戦や棚橋弘至引退試合が行われる新日本プロレスの東京ドーム大会ですが、テレビ朝日の地上波中継はプライムタイムに落ち着きそうです。ゴールデンタイムじゃないのは、いまの新日本プロレスに「戦い」がないからですよねぇ。 Z じゃあ昭和・新日本がゴールデンタイムから捨てられた理由も「戦い」がなかったからなのかよ! ――うぐっ、痛いところを突きやがる……。 Z だいたい、いまの時代はゴールデンとプライムの枠の違いに大きな差はない。それに19時開始になったとしたら、まだ大会中だから生中継もしくは撮って出しの対応が求められる。 ――21時放映開始で編集した試合を順繰りに見せる構成のほうが無難ってことですよね。 ・イッテンヨンの放送構成はこれだ!? ・地上波中継でプロレスは馬鹿にされる ・棚橋弘至引退試合に中邑真輔は来るのか ・二世レスラーは“基本的”に成功する ・飯伏幸太復活…… この続きと安藤達也、金原正徳、西川大和、有田哲平NOAH拒否、猪木と新間……などの「記事15本15万字詰め合わせ」が800円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ    https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2219028  この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!  

棚橋弘至引退試合相手、ウルフアロン地上波、二世レスラーは成功する、飯伏幸太復活■プロレス事情通Z

山田学ロングインタビュー 「MMA夜明け前、シューティングに懸けた男」

noteに過去記事を引っ越し中……それに伴いブロマガに再掲載! 山田学16000字インタビューです。MMAがなかった時代にMMAをやろうとした男の狂ったエピソード群!2014年6月に掲載されたものです(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・【17000字】川口健次が語るシューティング黎明期から、創始者・佐山聡離脱まで ・【傑作選】“奇人”朝日昇の「本当に恐ろしい昭和格闘技」 ・ボクらの「アキラ兄さん」の説教は何が問題なのか■プロレス事情通Z ・嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!■小佐野景浩のプロレス歴史発見 ――初代シューターにして初期パンクラスでも活躍されていた山田さんは、総合格闘技というジャンルがなかった頃から闘ってきたわけですよね。 山田 そうですね。決して冗談じゃなくてね、ボクがある試合に勝ってなかったら総合格闘技はなかったと言ってもいいくらいなんですよ~! これはもう本当に(ニッコリ) ――そうだったんですか!(笑)。では、今日はそのへんのお話をたっぷりとおうかがいしますが、もともとは栃木のほうで空手をやられていたそうで。 山田 栃木の小さな町道場だったんですけど。17歳の頃、映画の『燃えよドラゴン』を観てブルース・リーみたいになりたいなと思ったのがきっかけですよね。 ――それでシューティング(修斗)を始める前に地元・栃木で就職されてるんですよね。 山田 防衛庁関係のね、ちゃんとした会社だったんですよ。 ――防衛庁関係! いったいどんな仕事なんですか? 山田 戦闘機やレーダー関係。詳しくは言えないんですけど(笑)。 ――あ、国家機密ですか(笑)。プロレス格闘技に興味はあったんですか。 山田 それがまったくなかったです。空手も健康のためにやっていただけなんで。どっちかというと格闘技は好きじゃなかったんですよ。 ――それがどうして佐山聡先生のシューティングに入門するようになったんですか。 山田 佐山さんが昔タイガーマスクをやっていたことは知ってたんですけど。空手をやってるときに投げ技ができる人が勢いで相手を投げたんです。空手で投げは反則ですから審判は「はい、立ってスタンドから」と指示するんですけど、そのときに「これでは路上で通用しないな」と思って。路上に審判はいませんから。 ――それで全局面で対応できる格闘技に興味を持つようになって。 山田 そのときに『格闘技通信』が創刊されたんですね。読んだ『格通』がたしか創刊号か2号目だったんですけど、三軒茶屋に佐山さんのスーパータイガージムができて会員募集をしているという記事が載っていて。じゃあ行ってみるか、と。 ――旧UWFの興味から入門したわけじゃないんですね。 山田 ボクはいつも直感で動くんですけど、「この人は日本でいちばん強い」と思ったんで。いちばん強い人に習えばいちばん強くなれると思ったんですよね。それで次の日、場所もよくわからないのに栃木から三軒茶屋のジムに行きましたからね。ローカル線で上野駅まで3時間かけて行って。上野から三軒茶屋まで1時間かけてたどり着いて。 ――シューティングってどういうものか理解してたんですか? 山田 なんとなく。『格闘技通信』に殴って蹴って関節技を決めると書いてあったんですけど。「関節技ってなんだろ?」って感じで。 ――当時は栃木で仕事をしながら三軒茶屋まで通ってたんですよね。 山田 ジムには週1回ですね。でも、自主練は毎日やってました。自宅でひとりで(笑)。 ――どんな練習をしてたんですか。 山田 まずスパーリングは頭の中でやるんですよ。 ――刃牙の空想カマキリ戦の世界!(笑)。 山田 だってスパーする相手がいないですから。仕事を終えて最初にスクワットを1500回やって、それから15キロ走るんです。そしてサンドバックを2時間叩いて、そのあとウエイトを1~2時間やって。 ――日をまたぎそうですね(笑)。 山田 それから柔道のダミー人形を使って「こうかな?」って自分になりに考えながら関節技の練習。だからボクのサブミッションは独特です。それは誰にも教わってないですから。 ――独学でやられていたんですねぇ。 山田 たまたま地元で紹介された整体の先生のところへ治療に行ったんです。そこで「身体を治せるということは壊せるんだな」って考えて。治せるんだから壊せる、壊せるんだから治せるという逆転の発想。両方できて武道家だなって思ったんですよ。なんで「整体を習おう」と週1回、朝から晩まで先生に付き添って。いわゆるカバン持ちですよね。ずっと先生の整体を見ながら、身体の構造をいろいろと質問したりして。それがいまの整体の仕事にもつながってるんですよね(笑)。 ――しかし、そうでもしないと格闘技の勉強はできなかった時代なんですねぇ。 山田 「十字固めのどこが痛いんだ?」って感じでしたから。あと高校の柔道部に行って寝技を習ったりしてね。だから近所では「あそこの息子は頭がおかしい」と言われてたんですよ。夜にサンドバックを叩きながら奇声を発していると(笑)。 ――ただでさえ当時は格闘技への理解もなかったでしょうし。週に一度のシューティングではどんな練習をされてたんですか? 山田 初めて行ったときはステップワークを1~2時間やったんですよ。で、次の週に行ったときにまた同じことをやらされるは嫌だから勝手にいちばん上のクラスに参加したんです。当時は3クラスあって、初級者、中級者、選手。ボクは週に1回しか通えないから、なるべく選手クラスで勉強しようと。そこで川口健次に「おまえ入ったばっかだろ?」と言われたんですけど「いや、長いこといますよ」なんて嘘をついて(笑)。それで選手とたちと練習するようになったんですけど、最初はスパーやってもボロボロですよ。しかも真夏は四十度を超えるんですよ、室内。 ――当時は何人くらいいたんですか? 山田 あの当時1500人はいました。 ――1500人!!!! 山田 でも佐山さんが1回怒ると100~200人はいなくなりましたから(笑)。 ――ハハハハハハハ! 山田 また入ってくるけど、佐山さんが怒ったらやめての繰り返しで。 ――やっぱり佐山先生は怖かったですか? 山田 ……おかしいですよね(笑)。 ――ハハハハハハハ! 基本鉄拳制裁ですもんね。 山田 いま高校とかで生徒が教師に頭を叩かれたことが問題になってるじゃないですか。ボクらの場合は木刀ですからね。あれを見ちゃうと「体罰って何?」って感じですよね(笑)。 ――YouTubeに合宿映像が残ってるんですけど、あれも凄いですよね。 山田 いやいや、あれはまだ優しいほうですよ(ニッコリ)。 ――あれで!! 山田 あんなの優しいですよ。だってまだ選手に話しかけていますから。ボクからすると「あ、今日は機嫌がいいのかな~?」って感じで。 ――あれで!!! 山田 耳が切れて出血するじゃないですか。「それがなんだ!? 耳が切れるほうが悪いんじゃ!!(怒)」って感じでしたから。 ――では、優しくないときは……。 山田 もう倒れてからマウントパンチですよ。 ――は!? 山田 ハハハハハ。それで生き残れない奴は来なくていいというスタンスですよね。だから根性はつきますよね。だから朝日(昇)と「あそこで生き残った奴はみんなキチガイだ」っていう話をしてて。並の精神状態だと残れないです。 ――だって月謝を払って通ってるわけですよねぇ……。 山田 お金を払って殴られに行ってるわけですから(笑)。 ――佐山先生のスパルタ指導にはどんな意図があったと思いますか。 山田 ボクにも言ってたんですけど、「みんな来ないでほしい。強い奴だけ来ればいいし、強い奴だけが残ればいいんだ」と。ひとり、ふたり残ればいいと思ってたみたいですよ。だから毎日ふるいにかけてたわけです。よく「心技体」というじゃないですか。最初は「心」なんです。心ができていない人間が技も身体もできないという理論で。 ――つらくありませんでした? 山田 いやあ……「もっと激しくやってくれ!!」と思ってましたよ。 ――山田さんも狂ってますね(笑)。 山田 この人を「お!」って驚かせたら一人前だと思っていたんで。 ――中井(祐樹)先生がシューティングに入った頃は地獄の合宿をやってないから逆に佐山先生にリクエストをしたそうですね。「なんでやらないんですか!?」って。 山田 まあ、あいつも頭がおかしいですから。ハハハハハ! ――あんな合宿をお願いするんですからね(笑)。 山田 中井が入ったのはボクの所属が木口(道場)になった頃なんですよ。「寝技が強い奴が入ってくるから」と言われて。それでボクと朝日とかと一緒に練習したのが最初の出会いですね。中井は真夏なのにロングジャージを着てきたから「あ、こいつも頭がおかしいな」って(笑)。 ――真夏にロングジャージ(笑)。 山田 あのね、タイガージムってヘンチクリンな人間の集まりだったんですよ。 ――朝日さんも変わってますよね。話しだすと止まらないですし。格闘技の質問をしてるのにいつのまにメジャーリーグのダルビッシュの投球術の話になってたり。 ・修斗のギャラは15000円分のチケット ・練習後は新橋の浮浪者と雑魚寝 ・パンクラスに非公開マッチを要求 ・パンクラスに八百長はなかった ・史上最も過酷な2DAYSトーナメント ・ビクトーとの道場ケンカマッチ ・「負けたら修斗解散マッチ」 ・シュルトのパンクラスデビューの裏側 ・安生洋二の前田日明襲撃事件……16000字インタビューはまだまだ続く  

山田学ロングインタビュー 「MMA夜明け前、シューティングに懸けた男」
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