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プロレス格闘技業界のあらゆる情報に精通する「週刊プロレス事情通Z」のコーナー。今回のテーマはイッテンヨン新日本プロレス東京ドーム大会などです!(聞き手/非常ベル野郎)


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後藤達俊をさがして





――
Zさん、あけましておめでとうございます! 新年早々、プロレス界に非常ベルが鳴っています! 

Z
 非常ベル、鳴ってるかな? イッテンヨンの新日本プロレス東京ドーム大会は大成功だっただろ。

――
……地上波だとダイジェストの試合もありました。新日本WORLDでお金を払わないとフルで見られないなんて、ちびっ子ファンが泣いている! こんなんじゃお茶の間にプロレスは届きませんよ!! あーあ、昭和のプロレスは、ちびっ子に優しかったなあ。

Z
 うるせえ黙れ!! 昭和のプロレスも生放送の試合中に番組が終了したことがあっただろ! 

――
古舘伊知郎さんの「放送の途中ですが、ごきげんよう、さようなら!」は伝統芸ですよ!

Z
 新日本WORLDは1298円で全試合見られるんだからリーズナブルだろ。週1の地上波しかなかった頃と比べたら天国だよ!

――
猪木さんの「1、2、3、ダー」をもじって「1230円」にしてほしかった昭和・非常ベル野郎でがんす。ウルフアロンのデビュー戦はどうでしたか?

Z
 予想以上の出来だった。123点満点だよ!

――
元気があれば123点も取れる!

・柔道をいい意味で捨てたウルフアロン
・鈴木桂治登場は歴史的快挙
・棚橋弘至の相手はオカダカズチカで大正解
・飯伏幸太を受け入れる新日本の器
・竹下幸之介がボストンクラブで負けた意味
・女子の試合は新日本に必要
・竹下vs辻が地上波ダイジェストだった理由……続きは会員ページへ


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・上谷沙弥MVP! プロレス大賞2025を語ろう■小佐野景浩
水野竜也、有終の美を飾る……引退インタビュー
・さいたまスーパーアリーナ担当者に聞く「格闘技の聖地」になった理由
谷津嘉章「昭和の新日本のプロレスは早漏、全日本は遅漏だったよ」

・【23000字】誇りと夢が繋いだRIZIN10周年大晦日を語ろう■笹原圭一

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大会後恒例!RIZIN広報の笹原圭一さんの大晦日総括23000字です!(聞き手/ジャン斉藤)


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笹原圭一「格闘技ファンの皆さん、RIZINと朝倉未来に見事に騙されましたね!!」




――あけましておめでとうございます!

笹原 おめでとうございます!

――とはいっても、笹原さんは25年近く大晦日興行に関わってきてるから、新年を迎えた感じはしないんじゃないですか?

笹原 ボクが正月気分をようやく感じるのは、1月2日にゆっくり起きて、テレビで箱根駅伝の山登りを見ているときですね(笑)。

――笹原さんの元旦は箱根駅伝の往路5区ですか(笑)。大晦日興行の余韻があるから、なかなか正月気分に浸れないんですけど、今回の大晦日もすごかったですねぇ。

笹原 斉藤さん、はっきり言いますけど、こんなスペクタクルな格闘技イベントは世界中見渡してもRIZINだけですよ!!

――長州力以来の「スペクタクル・スポーツ」宣言! (笑)。とくにシェイドゥラエフvs朝倉未来の衝撃は……結果だけ見たら「こうなるでしょ!」と言っちゃう人もいるんですけど、想像を超える衝撃があったというか。

笹原 もちろんシェイドゥラエフの実力はみんな知ってるので「ワンサイドゲームになる」「勝負にならない」という事前予想もあったんですけど、それにしても……という試合内容でしたよね。

――腰の重い朝倉未来を何度も軽々と担ぎ上げて投げ飛ばしたりとか、ちょっと考えられない光景でしたね。

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笹原 大会後に社長とシェイドゥラエフが会話しているところにたまたま同席してたんですけど、シェイドゥラエフが「なんであんなに何度も投げたのかわかりますか?」って社長に聞いてきたんです。当然社長もボクも「なんで?わからない」って答えたら、「ミスターサカキバラがいつもお客さんを楽しませる派手な試合をしてくれと言われていたので、エキサイティングになるようにいつもより多く投げました」とニコニコしながら言ってきて、2人とも口あんぐりですよ(笑)

――染之助・染太郎の「いつもより多く回しています!」。RIZINファンに届かない例えですけど(笑)。

笹原 もちろんサービストーク的な部分もあるでしょうけど、シェイドゥラエフの意識の中には間違いなく観客論やお客さんの目線というのがあるんでしょうね。

――シェイドゥラエフってもともとそういう色気があるファイターでしたっけ?

笹原 いや、それはたぶんRIZINで戦うようになってから磨かれていったんだと思います。やっぱりファンから「シェイドゥラエフ、シェイドゥラエフ!」って大歓声を浴びれば、プロとしての意識は当然変わってきますよね。

――最近興味深いと思ったエピソードはUFCで6勝1分のロシア人ファイターが契約更新されなかったんですよ。それを受けてUFC王者のマカチェフが「黙って戦って勝つだけではダメだ。WWEを勉強しなくちゃならない」と。無骨で戦闘機械的なロシア人とは思えない姿勢だなって。

笹原 それでいえば、PRIDE時代のヴァンダレイ・シウバがヒョードルに「オマエは素晴らしいファイターだけど、プロレスを見て勉強しなきゃダメだ」とアドバイスをしたことと同じですね(笑)。

――ハハハハハハハ! それでもヒョードルは無口で感情を露わにしなかったたことでキャラクターが完成されたんですけど。シェイドゥラエフはエンターテイナー性が磨かれて、こんな大一番で魅せる余裕があったと。

笹原 シェイドゥラエフを連れてきた柏木さんに「なんであんなの連れてきたんだ!」って冗談半分に言う人がいますけど、違うんです。連れてきたのは柏木さんですけど、化け物に育てあげたのは、彼に声援を送ったRIZINファンの皆さんなんですよ!犯人はアナタなんです!(笑)。

――真の犯人は、声援という水を与えたRIZINファン! ついでに柏木さんはヘビー級GP失敗もRIZINファンのせいにしそう(笑)。

笹原 シェイドゥラエフ本人も異国の地でここまで人気が出ると想像してなかったはずですよ。

――RIZINのライブ感って世界屈指ではあるから、あの熱を浴びたらいつもよりも多めに回してやろうとなりますよね。

笹原 そういうスイッチが入ってもおかしくないかなと。大晦日のベラトールとの対抗戦のときにヌルマゴがガジ・ラバダノフのセコンドとして来日したじゃないですか。第1試合から満員の会場を見てビックリしてましたからね。ヌルマゴ本人はPRIDEをリアルタイムで経験してないとはいえ、知識としては把握していたと思いますけど、あの熱狂を目の当たりにして「初めて来た異国の地で、格闘技がこんなに盛り上がっているなんて信じられない。アメージングだ!」と。

――ベラトールファイターも日本で来ると弾けるですよね。アーチュレッタもベラトールでは無口な男と思われていたのに。

笹原 アーチュレッタも日本だとフレンドリーだし、気難しいマイケル・チャンドラーも、ベラトールのスタッフから「日本だとむちゃくちゃ素直だ」って驚かれてましたからね(笑)。

――アーチュレッタをいい気にさせた犯人もRIZINファンってことですね(笑)。

笹原 まさにピグマリオン効果ってやつですね。評価されれば評価されるほど、認められれば認められるほど、本人のやる気は上がっていく。シェイドゥラエフも確固たる実力に加えて、RIZINで戦うことでプロファイターとしても成長していったと思います。

――しかし、シェイドゥラエフは全然、底が見えないですよぇ。

笹原 まだ全然見えてないですよねぇ。本当に1vs2とかやっても勝っちゃいそうですし(笑)。

――1日2試合でも普通に勝ちそうで……。

笹原 MMAという名前すらなかった頃は、ロシアで32人のワンデイトーナメントがあったんですよね。いまのファンは信じられないですけど。シェイドラエフがそのうちそういうことを言い出すかもしれない(笑)。

――ボブチャンチンが見い出された大会ですよね(笑)。ワンデイトーナメントは勝ち上がっても万全の状態で試合ができるわけじゃないから、結果に紛れが出ますよね。

笹原 トーナメントは組み合わせや運なんかも左右してくるので、ドラマチックな物語になることが多いんですけどね。普通に平場の大会でワンマッチをこなしているぶんには、シェイドゥラエフを倒すのは容易じゃない。勝利予想した選手がことごとく負けることで、悪魔の予想屋と言われる大沢ケンジさんの負の魔力をもってしてもシェイドゥラエフは負けそうにないです(笑)。

――「俺はわかる。シェイドゥラエフは絶対に負けない」と予想してほしいです(笑)。シェイドゥラエフの次の相手はどうしましょう?

笹原 本人はフェザー級で防衛戦をはたしつつ、ライト級での2階級制覇を狙ってますよね。いずれにせよ試合はどんどん組んでいきます。本人は3月の有明アリーナも、4月のマリンメッセ福岡も両方とも出たいと言ってますし、2026年も荒鷲台風が吹き荒れると思います。

――3月の試合が終わったらそのまま日本に滞在して4月も出るとか。PRIDEのミルコ・クロコップ方式で、そのあいだ都内の格闘技ジムを自転車で回る地獄の道場破り(笑)。

笹原 それ、RIZINのYouTubeで企画にしますよ!東京の格闘技ジムの皆さん、居留守は禁止です!(笑)。

――しかし、久しぶりに銭が取れる外国人ファイターって感じですよね。

笹原 PRIDEでいえば、ヴァンダレイ・シウバやミルコ・クロコップ、ノゲイラとか、イベントのアイコンになれるような外国人選手がいましたけど、RIZINではイリー・プロハースカやマネル・ケイプが近かったですけど、シェイドゥラエフが初だと思います。これからもっともっと人気が出ると思いますよ。

――試合後に病院に搬送された朝倉未来選手の容体はどうなんでしょうか?

笹原 現時点だと自宅で安静にしています。眼窩底骨折をしたそうですけど、いますぐ緊急手術が必要みたいな重篤な状況ではないようです。

――朝倉未来選手も弱いわけじゃないし、日本人のフェザー級のトップ。それが手も足も出なかったという……。

笹原 未来選手は腰が強くて簡単にテイクダウンされない自信があった。加えて一撃で試合を終わらせる打撃力も持っている。そういう選手が軽々とリフトされて投げられて上を取られて……未来選手ファンからすれば、悲願のベルトを巻く瞬間を見たいと心から願っていたんですけど、その夢をシェイドゥラエフが粉砕していったわけですからね。

――パウンドを打つたびに夢が打ち砕かれていく……こっちの心も削られていく感じがしました。SNSで「もっと早く止めろ!」という意見も出てますけど。

笹原 レフェリーは当然一番間近で見ているので、ギリギリまで未来選手が動いているかぎりはすぐには止めなかったでしょうね。あれがベストかと言われると、ワーストだとは思わないですけど、ベターだったかもしれない。すごく難しかったと思います。

――10周年のトリを飾るメインイベントだから、レフェリーにもその意識って少なからずあったんだと思いますけど。

笹原 理想論をいえば、世界中で行なわれている、あらゆる試合の重さは同じなんですよ。どの選手もそれぞれの思いを持って戦っている。どっちが深いのか、重いか、そこに差があっちゃいけないと思うんですけど、現実はやっぱり違いますよね。

――UFCでもメインイベントとそれ以外では止め方が微妙に変わってくることがありますね。

笹原 競技でありながらお客さんに観てもらって成立しているエンターテインメントの特性上、どうしてもメインイベントほうが価値として重くなるのは仕方がない。なので競技だけで思考停止するのもダメだし、エンタメに全振りするのもダメで、相反する価値観のなかでベストタイミングを見極めることを諦めないことだと思います。

――今回の試合で不幸だったのは、シェイドゥラエフがパウンドを止めた瞬間と、レフェリーが割って入ろうとしたタイミングがちょうど重なってしまったんですよね。そこでレフェリーが次の展開を見てしまったことで、試合が続いて結果的に疑念を生む形になってしまったという。

笹原 試合後もJMOCの福田さんとすぐにその話をしました。しっかり検証したいと思います。


・世界中で一番お客さんが呼べる格闘家、朝倉未来
・オープニングショーの裏側
・バンタム級の未来は後藤丈治に懸かっている?
・神龍誠は0点?
・秋元強真の挑発マイク考察
・斎藤裕vs秋元強真は「タイミングが合えば」
・最高のエンタメ、福田龍彌 vs安藤達也
・運営本部が一番湧いたのはRENAの左フック
・フライ級の最高傑作、扇久保博正vs元谷友貴
・サトシはダイレクトリマッチ?
・RIZINがPPVをやめる日
・RIZINの判定基準が変わる……23000字の続きは会員ページへ



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2027年の春まで大規模改修工事のため休館となる“格闘技の聖地”さいたまスーパーアリーナ。担当者に話を聞いた記事を再録します(23年8月収録/聞き手・松下ミワ)


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・【00年代のキック】佐藤嘉洋「あの魔裟斗戦はK-1MAX史上最高の盛り上がりだったと思います」




――
今日は“格闘技の聖地”さいたまスーパーアリーナについて、ご担当のおふたりにインタビューさせていただきます!

大立目・川畑 よろしくお願いします。

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向かって左が大立目 司さん、右が川畑尚也さん


――おふたりは、いつ頃からさいたまスーパーアリーナのお仕事に携わっているんですか?

大立目 まず、ボクは格闘技の大会が初めて行なわれたPRIDE.12の頃はすでにここで働いていて、むしろこの会場ができるということで「オープニングから関わりたい」と思って転職してきた感じですね。

――最初から携わっている歴史の生き証人ですね。

大立目 前職はオーディオメーカーにいたんですけど、ずっと音楽が好きで、オープニングから関わりたかったのも、音楽でも使える会場ができるという話があったので。で、じつは実家がここから200メートルぐらいの場所にあるんですよね。さいたま新都心の駅がなかった頃から住んでましたから(笑)。

――めっちゃ近い(笑)。川畑さんはいかがですか?

川畑 ボクは2008年11月に入社したので、それこそPRIDEのときはただの視聴者でした。ボクが入った頃はDREAMの時代ですね。あとは戦極もやってたので、当時は「格闘技イベントっていろいろあるんだなあ」みたいな感じで。ボクも転職組で、その前はカリブ海専門の旅行会社で働いていたんですよ。

――それもまた特殊ですね(笑)。

川畑 ジャマイカ、キューバ、プエルトリコ、カリブ海だけを扱っている会社だったんですけど、当時はちょうど燃料サーチャージが異常に高騰していた時期で。遠方まで旅行に行く人が全然いなくなっちゃって、老舗の会社だったんですけど倒産しちゃったんです。そこで、転職活動していたときに、転職エージェントの方からいまの会社を紹介していただいて。当時は「スーパーアリーナって、名前は知ってるけど一度も訪れたことはないんだよなあ」と思いながらダメ元で入社試験を受けました。イベント業界についても未経験でしたが、縁があって入社することができて、いまはRIZINも担当をさせてもらってます。

――じゃあ、初めてのライブ格闘技は2008年末のDynamite!!だったんですかね?

川畑 そうです。もう「なんじゃこりゃ!」という感じでした。運営チームの人の多さと、12月31日なのに、あのみんなの汗かき具合(笑)。

――ハハハハハ! でも、先ほどの話だと、会場ができたときはまだ、さいたま新都心駅はなかったんですね。

大立目 いや、会場は2000年9月にオープンしたんですけど、駅は4ヵ月前の2000年5月にできてます。で、当時はオープニング前からイベンターさんやレコード会社さんに「会場ができますので」と営業したんですけど、最初はパンフレットすらもらってくれなかったんですよ。それこそ駅もまだ完成していないから「場所どこですか?」みたいな。

――いまの人気ぶりからは考えられないです!

大立目 9月にグランドオープンということで『SUPER DREAM GAMES』というバスケットボールの大会で幕を開けたんですけど。音楽ではV6がこけら落としですね。あと蜷川幸雄さんの『火の鳥』というミュージカルもやったんですよ。当時も『火の鳥』はお客さんがいっぱいでしたけど、いまやっても満員になるんじゃないかなあ。だから「スポーツ」「音楽」「文化」の三本柱のイベントをやっていきましょうと。で、そのときの「スポーツ」というのはバスケットボールのことだったんですけど、ここってプロレスのメッカと言われた大宮スケートセンターが近いということで、音楽系とは違ってプロレス・格闘技の団体さんからはわりと注目は高かったんです。

――
大宮スケートセンターは、それこそ第一次UWFの旗揚げ会場だったり。

大立目 とはいえ、ウチの会場使用料はけっこうお値段もしますので(笑)。簡単に使える感じでもなかったんですけど、当時PRIDEを主宰するドリーム・ステージ・エンターテインメント(以下、DSE)さんのプロデューサー加藤(浩之)さんですね。加藤さんから連絡があって「我々こういうイベントをやっているんですが、さいたまスーパーアリーナと一緒にここを本拠地にしてやっていきたい!」という熱いメッセージをいただきまして。

――その熱さが目に浮かびます(笑)。

大立目 音楽系のほうはこちらからお願いしないと来てくれなかった当時、DSEさんが熱烈なオファーをくれたので、そこに賭けてみようかなと思ったのがはじまりですね。最初の大会はクリスマス時期だったかなあ。

――PRIDE.12は12月23日が開催日ですね。

大立目 その前の大会のPRIDE.11を大阪城ホールまで観にいったんですよ。PRIDEはテレビでは観たことありましたけど、ライブで観たことはなかったので。あの大会って、たしかサザンオールスターズの桑田佳祐さんが歌ったイベントでしたよね?

――小川直也vs佐竹雅昭の応援歌を歌うということで、桑田さんがギターを持ってリングに登場したんですよね。

大立目 そういう演出を観て「面白いなあ」と。だから12月も盛り上がるなという予感がありました。で、その大阪城ホールでの大会が10月末だったんですけど、やっぱり初めての会場だったから大阪大会が終わってからほぼ毎日、会場までスタッフさんが下見に来てましたね。

――初めての会場だとそんなに準備に時間がかかるんですか。

大立目 やっぱりこれだけ大きな会場だと、どこがどうなってるのかを把握するために隅々まで確認する必要があるんですよね。楽屋をチェックしながら「桜庭さんはここの楽屋だな」「VIPはこの場所を使ってもらおう」とか。舞台チームは舞台チームで「こういう演出ができるな」とか。で、火薬だったり特殊効果だったり……まあ、当時はボクらもまだ確約できるようなルールがなかったので、一緒につくっていった感じだったんです。ちなみに、ここって消防でいうと当時は旧与野市の管轄だったんですけど、管轄内で初めての大型施設ですから、当時は大きなイベント開催を想定した細かな基準やルールがなかったんですよ。

――へえ~、面白いですね!

大立目 PRIDEってけっこう演出が派手じゃないですか。だから特効などの演出方法については消防さんと「こういうのをやりたいんですけど」という話をしながらコンサートの特効の基準も決まっていった感じですね。

――となると、じつはPRIDEの演出が特効の判断基準になってるという。

大立目 そうですね(笑)。PRIDE.12は初めての会場だということで、お客さんの期待感も凄かったんですよ。クリスマスが近いからということで、リングの上の空間にLEDモニターをクリスマスツリーの形につくったんですけど、それがすんごい時間がかかって(苦笑)。それをセンターに吊るんですけど、全然具合が悪くて。ちょっと仕込みすぎちゃったなと思いましたね。

川畑 いまでも仕込むボリュームとか熱量は相当ありますよね。

大立目 音楽コンサートだと全国ツアーとかで各地決まった演出をすることが多いけど、格闘技は何が起こるかわからないじゃないですか。1ラウンドで終わるかもしれないし、試合が膠着するかもしれない。そうなったら熱を持続させるために「ここであの発表をしちゃいましょう」とプランが変更されたり。

川畑 すべてが「生」なんですよね。

大立目 だから打ち合わせが一番多いんじゃない? 「箱打ち」と言って、会場で最終の打ち合わせをするんですけど、スタッフさんは300人ぐらい集まるから、大きな控室を2部屋ぶち抜いて使ってますから。

――300人!!

川畑 いまじゃ考えられないですけど、当時はまだタバコとかもみんな吸っていて。300人ぐらいの人が一斉に吸ってましたから、部屋の中が煙モクモクで真っ白になっていましたよね(苦笑)。

――“昭和”ですねえ。

川畑 その頃ぼくは新人だったので、打合せ後に灰皿を回収するんですが、一斗缶がすぐに満タンになっちゃうんですよ。もうそれぐらいみんな吸ってました(苦笑)。

大立目 打合せが煮詰まるとみんなタバコに火をつけてたよね。最初は全体の運営をやるんですけど、そのあと演出会議に入ったら「うーん……」と停滞して。「ちょっと大立目さん、川畑さん、こういう演出をやりたいんですけど」って、こっちが戸惑う提案があって(苦笑)。

――無理難題を言われるわけですね。

大立目 「うーん、じゃあ現地で1回確認しましょう」と。たとえば壁に360度LEDをつけて光らせるとかね。いまだったらCGでできることも多いんでしょうけど、当時は豆球で対応した演出とかもあったりして。

川畑 あと、PRIDEの頃は空撮とかもやってましたよね? 高田(延彦)さんが会場の屋根に登って。

大立目 ああ~、空撮は寒かったですねえ(しみじみと)。

――2003年PRIDE男祭りオープニングで、高田さんが屋上から開会宣言しましたね。大晦日はとくに演出プランが派手でした。

大立目 そう、高田さんのふんどし太鼓だったり、タップダンスだったり。

――それでいうと、超RIZIN2のフライングケージもよく成功したなって。

川畑 あの日も遅くまで何度もテストをやってました。時間を計りながら。

――まさか、あの照明の中をケージが通過できるとは思いませんでした。

川畑 そうですよね。お客さんの反応も凄くよかったですし。

大立目 でも、そういうのを演出にしちゃうところが凄いですよね。「リングとケージの入れ替えの時間どうするのかなあ」って思っていたんですけど、さすがに間を埋めてくるなあみたいな。

――ちなみに、PRIDE.12で初めて格闘技会場として使われて、当時はフジテレビでの地上波放送もあったと思いますが、それがPRになって利用者が増えたというのはありました?

大立目 ありましたね。PRIDEがこのさいたまスーパーアリーナを全国区にしてくれたので、そういう意味では我々としては思いは強いですよ。たぶん社員もそれがわかっているので、わりとPRIDEからの流れで「年末はやっぱり格闘技でいこうよ」と。年末ってやっぱり音楽系も含めて凄くニーズがあるんですよ。だから、PRIDEやDREAMもちょっと沈没しかけるときもありながら、スーパーアリーナと歩んできた歴史が格闘技にはあるので「なんとか頑張りましょう!」と。


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