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2008年6月の記事 1件

女子アナは置屋の芸妓と言った女子アナがいた

昔聞いた話なのだけれど、その頃、自分を売り出すことにかなり意識の高い、戦略的な女子アナがいた。その時はまだ若かったのだけれど、スマートさ、クレバーさ、したたかさをすでにして備えた、かなり強い女子アナだった。 ぼくはその女子アナ(仮にAとする)に興味を抱いていた。一緒に仕事をしたことはなく、テレビで見るだけだったのだけれど、画面を通しても明らかに異彩を放っていることが分かって、強く惹かれるものがあった。 それで、Aと一緒に仕事をしたこともある旧知のテレビディレクターの何人かに「一体どんな人物なのか?」と聞いてみたことがある。するとそのディレクターたちも、Aに対してはぼくと同種の興味を抱いていたらしく、色々見聞きしたり知っていたりすることがあって、それをぼくに教えてくれた。 それは、当時のぼくにとってはかなり「面白い話」だった。そこで聞いたAの話は、かなりインパクトのあるもので、ぼくは強いインスパイアを受け、さらにAに惹かれた。けれど、まだ若かったせいもあって、その話を咀嚼して何かに援用したり、メソッドとして組み立てて自分の役に立てる――といったことは考えつかなかった。単純に他人事として、凄い人もいるものだなと思うにとどまっていた。 しかし最近、長い歳月を経てきた中で、あるいは面白さとは何か、人気とか何か、人間関係とは何かといったことを考えてきた中で、その時のAの話がしばしば思い出されることがあった。その頃は気付かなかったけれど、Aの話というのは、実に見習うべき点、参考になる点、考察すべき点が多くて、そこから色々学べるのではないかと思うようになった。そしていつしか、誰かにそれを伝えたいと思うようになった。そこで、今回はそれをここに書いてみたい。  

ハックルベリーに会いに行く

『もしドラ』作者の岩崎夏海です。このブロマガでは、主に社会の考察や、出版をはじめとするエンターテインメントビジネスについて書いています。写真は2018年に生まれた長女です。

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岩崎夏海

1968年生まれ。男性。本名同じ。東京都日野市出身。東京芸術大学美術学部建築科卒。 秋元康氏に師事し、放送作家や秋元氏のアシスタントとして17年間働き、AKB48にも関わる。独立後、『もしドラ』を著し41歳で作家に。 ブロマガのタイトルは、大好きなザ・ブルーハーツの「1000のバイオリン」より。

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