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記事 24件
  • てるみくらぶについて(1,682字)

    2017-03-31 06:00  
    110pt
    てるみくらぶが世間を賑わしている。てるみくらぶが世間を賑わす理由はよく分かる。それは「カタルシス」だからだ。
    カタルシスの本質は、「自分はああならなくて良かった」だ。人はそう思う瞬間に、最も気持ちよさを感じる。
    人がエンターテインメントを見るのもそれが理由である。だから、太古の昔から現在に至るまで、「殺人」を題材にしたものが最も多い。なぜかというと、殺人を扱ったエンターテインメントを見ると、人は「ああならなくて良かった」と思えるからだ。つまりカタルシスを味わえるのだ。
    その意味で、てるみくらぶは強烈なカタルシスを味わえる。
    なぜなら、ほとんどの人は旅行に行ったことがあるからだ。しかも旅行代理店を使ったことがあるだろう。だから、「もしかしたら自分の身にも同じ状況が降りかかったかもしれない」というのは想像が容易なのである。
    また、「計画していた旅行に行けない」というのも、悲劇の構造として「劇的

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  • 「きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第4回(1,899字)

    2017-03-30 06:00  
    110pt
    勉強ができるようになるためには、言葉の使い方が上手くならなければならない。逆にいえば、勉強ができない人は、たいてい言葉の使い方が下手だ。
    ところで、言葉の使い方が下手な人には、ある共通の特徴がある。それは、「言語能力の価値を知らない」ということだ。「言葉なんか上手くならなくても問題はない」と思っていることである。言語能力の価値を低く見積もっているから、言葉の使い方が上手くなることにそれほどの必要性を感じていない。おかげで、言葉の訓練をしない。それで、自然と言語能力が低いままなのである。
    そのため、言葉の重要性を知れば、それだけで言語能力というのは上がる。そこでここでは、まずは「言葉の重要性」を確認したい。実は言葉というのは、単に勉強ができるためや、あるいは一般に考えられている「コミュニケーション」のためだけではなく、他にもいくつかの重要な役割がある。それは、大きく分けて三つある。
    一つは、

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  • [Q&A]ハックルさんの好きなデザートは何ですか?(1,318字)

    2017-03-29 06:00  
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    [質問]
    ハックルさんの好きなデザートは何ですか? また、そのデザートに関する思い出があれば教えて下さい。
    [回答]
    ぼくが好きなのはスタバのチョコチャンククッキーです。思い出としては、仕事がつらいときはチョコチャンクッキーとアイスグランデラテでしのいできました。
    そもそもチョコチャンククッキーが好きになったのは、秋元さんの運転手をしていた時代です。秋元さんがスタバのラテが好きでよくお使いで買いに行っていたのですが、ついでにぼくの分も買ってよく、そこでアイスラテとチョコチャンクッキーを買っていたんです。そうすると、ここでもやっぱりつらい状況を乗り越えることができました。ですので、ぼくにとってラテとクッキーはある種の覚醒剤というか、元気になれる麻薬のようなところがありますね。
    [質問]
    何かに登録したのが悪かったのか、いつの間にか大量の迷惑メールが来るようになりました。ガードをかけすぎると大

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  • 世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その62(1,773字)

    2017-03-28 06:00  
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    日本のゲームは、長らくアーケードゲームとコンシューマーゲームの二本立てでやってきた。そもそも日本のゲーム産業は、『スペースインベーダー』を筆頭にアーケードが牽引してきた。そうした中で、新作はまずアーケードで発表し、それを数年後にコンシューマーとして発表するという流れが形成されていった。
    この商法は、日本人にとっては馴染みやすいものだった。例えば映画では、新作は劇場公開し、数年後にビデオ化されたり、あるいはテレビで放映されたりする。ゲームもそれと同じような感覚で、まずはゲームセンターで発表されてから、数年後に家庭で遊べるようになるということが、提供する側にとっても、また客側にとっても、理解しやすい商習慣として受け取ることができたのである。
    この流れの中で、やがて一つの価値観が形成されていった。それは、新しいテクノロジーを用いたゲームは、まずはゲームセンターで発表される――というものだ。そのた

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  • 『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』が面白い11の理由(1,749字)

    2017-03-27 06:00  
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    今回も『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』(以下『BotW』)について書きたい。なぜなら今、最も夢中になっていることがこれだからだ。
    『BotW』は、遊んでいると夢中になる。この年になると夢中になることは珍しいので、ついつい「自分はなぜ夢中になっているのだろう?」と考える。
    そうすると、いくつか答えが思い浮かぶ。数えてみたら、11あった。今日は、それを書いてみたい。
    その1「旅だから」
    『BotW』は旅のゲームである。世界を旅するゲームだ。それも、飛行機、電車、車などを使うのではなく、徒歩と、ときどき馬を使った旅である。
    この旅が楽しい。だから、夢中になる。
    その2「散歩だから」
    これは「旅だから」と似ているが、『BotW』は基本的に走って移動するので、散歩に近い。そして、この散歩が面白い。景色が美しいし、また疲れるということもほとんどないので、何時間でもしていられる。
    その3「狩

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  • 思想を持つということは(1,764字)

    2017-03-24 06:00  
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  • 「きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第3回(2,145字)

    2017-03-23 06:00  
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    2
    「勉強ができる」というのは、「物事を習得している状態」だと言い換えることができる。例えば「算数ができる」というのは、「算数というものをよく習得している状態のこと」だ。
     だから、算数をよく修得するようになれば、即「算数の勉強ができる」という状態だということができる。要は、算数さえ修得してしまえば、「勉強ができない」という問題は解決されるのだ。
     しかし多くの人にとって、自分が苦手だと思うものを習得するのには時間がかかる。「算数が苦手だ」と思う人は、算数の修得にも苦手意識を感じ、結果として算数を修得できずに終わってしまう。そうして「算数の勉強ができない」という状態に陥る。
     だから、一つのネックになっているのは「算数を苦手に感じること」なのだ。この「苦手意識」が、実は一番の妨げともなっているのである。問題は「苦手意識」そのものにあるのだ。
     では、人はなぜ苦手意識を持ってしまうのか?
     その

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  • [Q&A]大学卒業式前後に何をしていましたか?(1,951字)

    2017-03-22 06:00  
    110pt
    [質問]
    そろそろ大学の卒業式シーズンです。よろしければハックルさんの大学時代卒業式前後のことを聞かせて下さい。
    [回答]
    大学卒業式前後のことですか。
    実はこのことはあまりお話ししたことがありません。話せば長いのですが、なるべく簡単にご説明いたします。
    ぼくは大学四年生のとき、これからどうしようかと悩んでいました。
    大学は卒業することは決まったのですが、建築関係の仕事に就く気はない。高校時代からの憧れだった秋元さんの弟子になりたい気もするけど、正直志願から五年が経過しており、少し気持ちも薄れていました。
    また、これまで勉強で頑張ってきたことの疲れもあって、結局浪人しようということに決めたんです。もっというと、その頃NHKで放送された『最底辺』というドキュメンタリー番組に影響され、日本の最底辺が見たいと思ってドヤ街で肉体労働することを計画していたりしましいた。その頃『ボーダー』というマンガ

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  • 世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その61(2,006字)

    2017-03-21 06:00  
    110pt
    1990年にスーパーファミコンが発売され、ハードの性能は大幅にアップした。
    ただ、この頃までに日本のゲームは、性能の低いファミコンにアジャストする中で、その独特の美的感覚を研ぎ澄ませてきた。だから、たとえ性能の良い新しいハードが出たとしても、すぐにはアジャストできなかったのだ。
    ファミコンにアジャストしたグラフィックの中で、取り分け進化したのが「ドット絵」だった。ドット絵は、少ない容量でも豊かな表現が可能だったため、デザイナーやグラフィッカーたちはここぞとばかりにその技法を研ぎ澄ませ、この頃には驚くほどの豊かな表現力を獲得するまでになっていたのである。
    その代表格といえば、スクウェア社が発売していたRPG作品だろう。中でも中心的な役割を果たしていたのが『ファイナル・ファンタジー』で、ゲーム性や物語性に勝る『ドラクエ』に対抗するため、自分たちの得意分野でもあったグラフィックにリソースを集中さ

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  • 仕事人から遊び人にジョブシフトする時代が来た(1,919字)

    2017-03-20 06:00  
    いま世界中で起きているきしみ、取り分け日本で起きているきしみは「働き方」に由来するものだろう。それも、人々が有史以来初めて「働かなくても良くなった」ことに対する混乱に起因している。
    先日、とある小学校にお邪魔し、小学6年生に話を聞いてきた。児童書作りの参考にするためだ。
    そこでぼくが、ありがちな質問として「将来なりたい職業はある?」などと尋ねると、ほぼ全員が「YouTuber」と答えていて、YouTuberが「成りたい職業」として人気があるというのは聞いていたが、「ラピュタは本当にあったんだ」的に、その答えを直に聞くとなかなか胸にぐっとくるものがあった。
    しかしぼくは、小学生は「炭鉱のカナリア」ではないが、大人よりも嗅覚にすぐれ、未来を見通す目を持っていると思っているので、その意見はなかなか興味深いと思わされた。
    たまたまなのだが、その日の夜にとある東大教授と会食し、そこで話題になったのが

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