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記事 20件
  • 庭について:その1(1,531字)

    2022-09-30 06:00  
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    庭について考えてみたい。
    日本人にとって庭というのは「贅沢品」というより「縁遠い」ものだ。ほとんどの人が庭なしで生き、死んでいく。そして、それでほとんどなんの問題もない。庭がなくて困ったという人に、これまで会ったことがない。
    また、庭は「憧れ」られてもいない。「タワマン」は富の象徴だが、庭はそうではない。むしろ、日本のこぢんまりとした庭は少しバカにされている。「庭付き一戸建て」というと、多くの人が想起するのは「猫の額」だ。「猫の額ほどの庭」という慣用句まであるくらい、日本の庭はバカにされている。それは「狭い」ことの象徴でもあるのだ。
    その狭い庭を、一生懸命作っている人もいる。彼らは、周囲から「きれいにしてますねえ」と表面上は感心こそされるものの、羨ましがられるわけではない。むしろ、内心では眉をひそめられたりする。ある種のオタクのように「変わり者」と見なされる。
    そんなふうに、日本の庭はネガ

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  • マンガの80年代から90年代までを概観する:その70(1,654字)

    2022-09-29 06:00  
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    柳沢きみおは、悩んでいた。鴨川つばめのように、面白いギャグマンガが描けないからだ。自分にはギャグのセンスがないと、たびたび痛感させられていた。それで、毎度アイデア出しに困っていたのだ。
    そんなとき、『月とスッポン』の脇役である藤波というキャラクターに頼った。この藤波は、高校時代の同級生がモデルだった。実在の彼の言動を思い返していると、アイデアは湧き出てきた。マンガの中の藤波が、どんどん動いてくれた。
    そうして、マンガ自体を面白くしてくれた。だから、藤波の話ばっかりになったのだ。『月とスッポン』の後半は、ほとんど藤波が中心で展開していくのだが、それは柳沢きみおがそれだけネタに詰まっていたということだ。同時に、藤波がキャラとして秀逸だったということでもある。
    藤波は、いうならば「前時代の遺物」だった。古い「ガリ勉」の典型だった。だから、そういう言動をし、そういう外見をしていた。それが、「新時代

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  • [Q&A]ハックルさんのロールモデルは誰ですか?(2,207字)

    2022-09-28 06:00  
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    [質問]
    政治家はよく「国民の声を聞いて進めていきます」とか言いますけど、どうやって国民の声を聞いているのでしょうか? 岩崎さんは、どう思われますか?
    [回答]
    政治家は、相当いろんな人と会っていますよ。ぼくは政治家の人とも付き合いがあったことはあるのですが、彼らは一日20人くらいとは普通に30分くらいずつ、対面で懇談しますね。何を話しているかというと、基本的には彼らの陳情を聞いているのです。そうして、それを受け入れようとしている。実現しようとしている。もちろん、実現不可能なものも多くありますが、実現したら大きな加点となります。それが一種有能な政治家の証ということになるのです。
    その意味で、「有権者の懇談を聞く」というのが彼らの「国民の声を聞く」ということでしょう。
    [質問]
    「それはあなたの感想ですよね」が小学生のあいだで流行中、というひろゆき氏について書かれている記事を読みました。

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  • 令和日本経済の行方:その14(1,703字)

    2022-09-27 06:00  
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    日本は地政学的にいえば地球の「真裏」に位置する。あるいは「へそ」といえるかもしれない。そこに、地球の内部とつながる「穴」が空いているからだ。
    そして人間のへそは、それを守るため、周りの肉が盛り上がっている。その盛り上がった肉に相当するのが、日本列島というわけだ。
    日本列島は、南側に巨大な海域を持つため、古来より漁業が盛んということがある。が、それより重要なのは、蒸発した水を大量に含む暖かい風――つまり雨雲が、障害物なく流れ込んでくることだ。南から雨がやってくる。
    その雨が日本列島を背骨のように貫く山脈にぶつかって、流れ落ちる。雨は、山肌の鉱物をたっぷりと押し流すから、裾野の辺りは自然と栄養価が高くなり、植物が容易に繁殖する。
    植物は、主に日光、水、鉱物の三つの要素で生育するが、これを最大限摂取できる環境が日本である。そのため、日本には多種多様な植物が世界に類を見ないほど繁茂する。そんな世界

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  • 知らないと損をする世界の裏ルール:その33「ベビーカーの副作用」(1,554字)

    2022-09-26 06:00  
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    今回の記事は、ぼくの妄想の域を出ないものかもしれない。ただ、それでも書く価値はあると思ったので、書いてみたい。
     

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  • トヨタ生産方式について考える:その35(1,569字)

    2022-09-23 06:00  
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    これからの時代に、トヨタ生産方式はますます重要になるだろう。
    なぜなら、これからますます機械が進化するからだ。そうなると、人間の仕事は「機械を作ることだけ」のようにも思えるが、実はそうではない。機械と生産とを結びつける――という仕事が残る。あるいは、その結びつけ方を工夫する、という作業が残る。
    これはもう、どこまでもいっても残る。絶対に残る。未来永劫、なくならない。
    例えば、新しい3Dプリンターが発明されたとする。しかし、「これで何を作るか?」ということは、機械には決められない。あるいは、「もっといいものを作れるよう、どう改善したらいいか?」を決めるのは、人間しかできないのだ。
    そして、改善の方向性を決めるのは、機械を「作った」人物ではない。それは機械を「使っている」人物である。機械を作った人は、機械を使っている人の情報量にはかなわない。だから、改善点は「機械を使っている人」にしか見つけら

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  • マンガの80年代から90年代までを概観する:その69(1,703字)

    2022-09-22 06:00  
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    柳沢きみおの『月とスッポン』は、1976年から1982年まで週刊少年チャンピオンで連載されていた。単行本は全23巻になる。リアルタイムだと、ぼくにとっては8歳から14歳までの間だ。ちょうど少年から思春期にかけての一番多感な時期だった。
    ただし、さすがに小学生で読むのは早すぎたので、前半はリアルタイムでは読んでいなかった。ぼくは、小4(1974年)からチャンピオンをよく読むようになっていたが、当時、『月とスッポン』はそれほど印象に残らなかった。
    ぼくが『月とスッポン』を集中的に読むようになったのは、高校生になってからだ。つまり1984年以降なので、連載が終わってからということになる。
    連載が終わってから、単行本で読んでいた。単行本を全巻揃え、それを数え切れないほどくり返し読んだ。
    くり返し読んでもちっとも飽きることはなかった。それどころか、読むたびに新しい発見があった。特に後半の展開は、新し

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  • [Q&A]台風について(2,078字)

    2022-09-21 06:00  
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    [質問]
    週末は台風が九州直撃でした。岩崎さんは、大丈夫でしたか?
    [回答]
    ぼくは福岡県の糸島市というところに住んでいるのですが、住んでいるところの南方、佐賀県との県境にかなり高い山脈があって、台風はだいたいこれにぶつかって逸れていくんですよね。おかげでこの地区は台風被害にはほとんど遭ったことがないみたいです。今回も、台風は東の方に逸れていったので、被害はほとんどありませんでした。
    [質問]
    最近の広告ポスターで気になるものがありました。
    宇宙大統領「みゆき」降臨!?中島みゆき、サントリーBOSS新CM出演決定!
    ボス『宇宙人ジョーンズ・禁じられた惑星』篇 120秒 サントリー
    「なんで人って働くんだっけ?」
    「働くのが好きな人も。
     そうでもない人も。
     ベタだけど、みんな
     今日もファ〜イト!」
    という質問と回答がある、缶コーヒーの宣伝です。
    いったん考えさせておいて、難しく考えなく

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  • 令和日本経済の行方:その13(1,742字)

    2022-09-20 06:00  
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    地球は、プレートに覆われている。プレートとは、巨大な岩板のようなものだ。地球を取り巻く、ちょっと厚手の「皮」のことである。
    その皮の上端が、主に陸地になっている。そして、皮と皮との間の割れ目が海だ。
    といっても、割れ目の方が大きい。割れ目である海は70パーセントだから、陸地は30パーセントにすぎない。
    ただ、海の下にもプレートはある。だから、プレートの中でも特に出っ張ったところが陸地となる。
    そしてこのプレート、昔は一つだった。文字通り大きな「一枚岩」だった。
    それが分割し、徐々に離れていった。それに伴って、陸地すなわち大陸も移動していった。これがいわゆる「大陸移動説」となった。
    この考え方は、気象学者のアルフレート・ヴェーゲナーが1912年に提唱した。最初は俗説と受け流されたが、やがてそれを裏付ける証拠が次々と発見され、今ではほぼ間違いないと考えられている。
    大陸移動説 - Wikipe

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  • 知らないと損をする世界の裏ルール:その32「日本の少年はヒーローである」(1,439字)

    2022-09-19 06:00  
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    日本では、ゆとり教育が問題視され、2011年から新しい教育制度が始まった。そこから学校はさらに悪くなった。今は2022年だから、もう11年も悪い教育が行われている。
    2011年に小学1年生だった子供は、今は高校3年生となった。つまり、小中高と悪い教育に浸かったまま卒業していく。
    そして、今後もこの悪い教育は続いていくだろう。だから、それに浸かった子供たちは増え続ける一方だ。
    どうしてこうなったのか?
    それは、子供たちが望んだからだ。
    なぜ子供たちが望んだのか?
    それは、彼らの「人減らし」の本能が発動したからである。
    人は、「人が多すぎること」を嫌がる。なぜなら、個々人の生存確率が下がるのはもちろん、種としての絶滅の危険性も高まるからだ。
    だから、一種の「生存本能」として、人を減らそうとする。そして、その減らす人として、まず自分を殺そうとする。レミングではないが、ある種の集団自殺を始めるのだ

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