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記事 22件
  • 「もしドラ」の続編、「もしイノ」を書いたことに寄せて(2,084字)

    2015-10-30 06:00  
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    今度、「もしドラ」の続編、「もしイノ」(「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』)が発売される。ぼくは当初、これを「書かない」といってきた。書くと大変だ、というのが分かっていたからだ。大変というのは、この続編を快く思わない人がいるのである。
    先日、続編が発売されることを発表した。すると、それを伝えた記事には、こんなコメントが並んだ。

    いずれも、ぼくが失敗することを望んでいる。
    こういう声は、けっして大多数というわけではないが、少なくもないだろう。ぼくを含め、人は、他人に対しては残酷な気持ちを宿している。他人の失敗を望み、これを喜ぶというのは、誰でも持ち合わせている自然な感情だ。
    だから、こういう人たちを咎め立てすることはできない。ぼくにできることは、二つだけ。こういう声を避け、続編を書かないか、こういう声に立ち向かって、続編を書くかだ。

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  • 教養論その10「評論との向き合い方」(1,950字)

    2015-10-29 06:00  
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    「面白がり方を学ぶ」というのは、きわめて哲学的な行為である。なぜなら、面白がり方を学べば、それだけ哲学的な感度を高めることができるからだ。
    それは同時に、教養を深める行為ともいえる。なぜなら、哲学的な感度を高めることができれば、それだけ教養を深めることができるからだ。
    では、「面白がり方」はどう学べばいいのか?
    その最も手っ取り早い方法の一つは、「評論に接する」ということだろう。なぜなら、評論の本質的な役割というのは、「面白がり方」をレクチャーするというものだからだ。
    評論というものが力を発揮する分野の一つに、「映画」があるだろう。映画というのは、情報が多く、またそれが指し示している意味も多岐にわたるため、なかなか全てを読み取りにくいところがある。それを十全に理解するためには、該博な知識が必要だ。
    そんなとき、評論は大きな助けになってくれる。我々は、評論の助けによって、映画をもっと楽しめる

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  • [Q&A]子育てが上手い家庭とは?(2,277字)

    2015-10-28 06:00  
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    [質問]
    以前、両親から愛されて育って自分に自信がありモテる人間は、全体の1割と言っていた記憶があります。個人的に観察して経済力が中の上ぐらいありそれなりに両親が自分に合ったような生き方をしている家庭が該当する気がします。
    僕自身、本心では家庭を持ちたい子供を育てたい気持ちはありますが、自分自身含め、9割の家庭のキツさを観てきたので中途半端は親のエゴかも知れんという考えもあります。
    1割と9割の家庭では根本的に何の差があるんでしょうか?
    心の余裕みたいな奴でしょうか?
    [回答]
    自然にモテる人間は全体の1割ですが、残り9割の人生がキツいわけではありません。ぼく自身も残り9割の方で、若い頃は全くモテませんでしたが、むしろそれが普通なので、堂々としていました。要は、そこから努力すればいいだけのことなのです。
    また、子供を育てたいという気持ちも誰にでもあることだと思うので、特段「エゴ」ととらえる

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  • ライトノベルの書き方:その39「日常の中の破れ目を探す」(1,924字)

    2015-10-27 06:00  
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    リビドーというのは、「日常の中の破れ目」に見つかりやすい。
    「日常の中の破れ目」というのは、生活のルーティンがちょっとだけ狂った場所ということだ。日常とはちょっと違う風景ということである。
    この「ちょっと」というのがミソである。そこは、日常と非日常の境界線といっても良い。
    そこで今日は、日常の破れ目について考えてみたい。
    人は、生きていく上でどうしても「日常」というものを組む。日々を冒険に生きている人はほとんどいない。いや、日々を冒険に生きている人ですら、朝起きて夜寝るといったルーティンを組むので、すぐに「日常」になってしまう。人間は、日常の中以外では生きられないのだ。
    そういうふうに、生き方のフォーマットとしての「日常」が組み上がると、今度はそこにアクシデントというか、想定外のことが起こってくる。日常が、ちょっと破綻を来すときがある。
    人は、その日常が破綻を来すときに、ある予感を抱く。そ

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  • ドラッカーハウスのオープニングイベントに参加してきた(2,219字)

    2015-10-26 06:00  
    日本時間で2015年10月22日の早朝、サンフランシスコ・クレアモントへの旅行から日本に帰ってきた。今日は、その旅行記についての最終回としたい。
    これまでの記事はこちら。
    今、サンフランシスコを訪れる理由(1,677字)
    ナパ・バレーに行ってみた結果(2,178字)
    サンフランシスコは便利だけれど不健康さが目についた街だった(2,187字)
    これからクリエーターに必要なのは異なる二つの世界を行き来すること(2,047字)
    現地時間、2015年10月20日の16時から、カリフォルニア州クレアモントにあるドラッカーが住んでいた家で、「ドラッカーハウス」のオープニングイベントがあった。
    このイベントには、山崎パンの社長である飯島延浩さんもいらしていた。というのも、このドラッカーハウスをドラッカー家から買い取り、ミュージアム用に回収する費用の大部分を拠出したのが、この飯島さんだからだ。
    ドラッカー

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  • これからクリエーターに必要なのは異なる二つの世界を行き来すること(2,047字)

    2015-10-23 06:00  
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    先ほど、サンフランシスコとロサンゼルス(クレアモント)への旅行を終えた。今は、日本に帰る飛行機の中である。
    クレアモントでは、ドラッカー・インスティテュートの会合に出席した。「ドラッカー・インスティテュート」とは、ドラッカーの功績を後世に伝えていくための機関で、さまざまな活動をしている。例えば直近では、ドラッカー夫人のドリスさんが亡くなったため空き家となったドラッカーの家を買い取り、博物館として展示、公開したりしている。
    そのドラッカー・ハウスのオープンニングイベントに参加することが、今回の旅の一番の目的だったわけだが、その詳細については、後日稿を改めたい。今日は、その前に訪れたサンフランシスコの印象と、そのまとめについて書いてみたいと思う。
    サンフランシスコからナパへ向かう途中で、かの有名なゴールデンゲートブリッジを渡った。この橋は、かなり昔に作られたため鉄骨でできているのだが、その割に

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  • [Q&A]会話術について教えてください(1,713字)

    2015-10-22 06:00  
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    今週は、変則的ですが木曜日に[Q&A]をお届けします。
    [質問]
    先日のメルマガで書かれていた会話術について、具体的なテクニックとその習得方法を教えてください。
    [回答]
    会話術のコツは、まず自分の弱点を話すことです。それを、あらかじめネタのストックとして持っておくこと。
    例えば、ぼくの場合だったら「髪が薄い」「ほうれい線が濃い」「仏頂面」「昔は貧乏だった」などが弱点なので、それにまつわるエピソードをいくつか用意しておくのです。
    そのエピソードを、「すべらない話」ふうにまとめるといいでしょう。
    例えばぼくは、昔、あまりに貧乏だったので、よく先輩から服などのお下がりをもらっていました。その頃、秋元康さんの運転手をしていたのですが、あるとき、秋元さんを車で迎えに行ったところ、家からクリーニングし立てのワイシャツを持ってきて、それをぼくに渡しました。
    それでぼくは、てっきり自分にくれたのだと思っ

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  • サンフランシスコは便利だけれど不健康さが目についた街だった(2,187字)

    2015-10-21 06:00  
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    サンフランシスコの街を歩いてみた。
    まず、中心街からちょっと離れた(電車で3駅ほどの)場所にある住宅街の方へ行ってみた。
    そこは、商店街があったり、レストラン街があったり、学校があったり、教会があったりするような地区だ。そこで昼食にピザを食べた。ガイドに載っているような有名店だったので、それなりに混んでいた。
    食後、その付近を歩いてみた。歩いていてパッと気づいたのは、犬を連れている人が多いことと、自転車に乗っている人が多いことだ。
    自転車は、ここサンフランシスコではとても優遇されている。電車の中にも持ち込めるようになっているし、そこかしこに駐輪場も用意されている。駐輪場は、駅の中にも大規模なものが用意されていた。
    犬と自転車が多い理由は、おそらく「自然から乖離していること」が根底にあるのではないだろうか。犬は、ささくれだった心に安らぎをもたらしてくれるし、自転車は、エコの意識が高まるのと、

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  • ナパ・バレーに行ってみた結果(2,178字)

    2015-10-20 06:00  
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    今日も、昨日に引き続いてサンフランシスコ旅行について書きたい。
    ナパ・バレーに行ってきた。今回は、日本人ガイド付きのツアーで行った。
    ナパ・バレーというのは、もともとは19世紀にスペイン人宣教師や軍人がこの地にワインを作っていたのが始まりらしい。宣教師や軍人というのは、要するに「権力者」ということだ。西洋では、お酒は権力と密接な結びつきがある。権力者だけが独占的にお酒を造ったり販売できたりするというわけだ。それで、宣教師や軍人由来のお酒というのが多い。ナパワインもその一つなのだ。
    ナパ・バレーというのは「バレー(谷)」という名前こそついているものの、実際は盆地である。山脈と山脈とに挟まれた、それなりに広い地域にある。そのため、寒暖の差が激しく、ワイン用のブドウを作るのに向いている。それで、美味しいワインができるというわけだ。
    ナパワインをはじめとするカリフォルニアワインというのは、いわゆる

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  • 今、サンフランシスコを訪れる理由(1,677字)

    2015-10-19 06:00  
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    サンフランシスコに来ている。
    理由は、今年ドラッカーさんの奥さんのドリスさんが亡くなられたのだが、それによって、ドラッカーさんの住んでいた家に誰もいなくなった。そこで、ドラッカーさんの家をドラッカー記念館(名前はずばり「ドラッカー・ハウス」)としてオープンしようという運びになり、ドラッカーさんの名前を冠した学校や研究機関の手によって改修が行われた。
    その改修が終わって、現地時間の2015年10月20日にオープンイベントが行われるのだが、そこに招待されたので、出席させていただくこととなったのだ(ただし、旅費や滞在費などはぼくの自費である)。このイベントには、「ビジョナリー・カンパニー」を著したコリンズさんも出席されるとのことで、今から会うのを楽しみにしている。
    ドラッカーさんの家は、ロサンゼルス郊外のクレアモントというところにある。ロスからだいたい車で1時間くらいだ。だから、ドラッカー・ハウ

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