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記事 22件
  • これからの出版社は読者の声を聞いてはいけない(1,563字)

    2017-06-30 06:00  
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    先日、岩崎書店で編集会議があった。その中で、二〇二〇年度から教育指導要領が変わり、小学校三年生から英語の授業が行われるという話が出た。それに伴って、小学校の先生方が「どう英語を教えたらいいか」で悩んでいるので、それに対応した本を出してはどうかという意見が出た。それは、至極まっとうな意見ではあると思う。実際、そういう本が欲しいという先生がいたという。しかし、そこで痛感したのは、「もうニーズのある本を出してはダメだ」ということだ。「読者の声を聞いてはいけない」ということである。読者の声を聞いていたら、岩崎書店は潰れてしまう。なぜかというと、そういうニーズのある情報は、我々が本にして提供する前に、彼ら自身がインターネットなどで得ることができるからだ。小学校で英語を教えること、またそれに対して先生方が情報を求めていることは、誰でも知っている。そういう誰でも知っていることについては、岩崎書店が本を作

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  • 「きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第17回(1,600字)

    2017-06-29 06:00  
    108pt
    勉強ができるできない、あるいは頭が良い悪いは、ほとんど「言語力」に依拠している。
    「言語力」は、「語学力」とは違う。語学力というと、多言語を使いこなすという意味だが、言語力は、言葉そのものを使いこなす能力のことである。たとえ母国語でも、それを使うのが上手い人と下手な人とがいる。そして母国語を上手く使いこなす人こそ、言語力がある人なのである。
    この「言語力」という概念は、しかし実際は知らない人や、考えたこともない人が多い。特に、言語力のない人ほど言語力の存在を知らない。勉強ができない人、頭が悪い人ほど、自分の言語力に疑いを持っていない。
    なぜかというと、言葉というのはほとんどの人がそれなりに使いこなせるため、いつしか「自分には当たり前のように言語力がある」と思うようになるからだ。これは歩く能力も同じだが、誰でもそれなりに歩くことはできるため、そこに能力の優劣があるということにはなかなか思い至

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  • [Q&A]藤井聡太四段についてどう思うか?(2,381字)

    2017-06-28 06:00  
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    [質問]
    ハックルさんは、睡眠の時間をどのくらい取りますか?
    また、睡眠時間のバランスが変わるような時があれば、どのような時に変わるか教えていただきたいです。お願いします。
    [回答]
    ぼくの睡眠時間は、最近は少し伸びて4、5時間です。ちょっと前まで3、4時間でした。
    短い理由は眠れないからです。起きてしまうのです。寝付きはいいのですが長く眠ることができません。いつも4時や5時には起きてしまいます。
    そういう中でも、やっぱり眠れるときと眠れないときとがあって、眠れないときは気がかりな案件があるときです。そしてほとんどの場合で気がかりな案件があるので、ほとんどの夜に眠れないというわけです。
    眠れないときは動画を見るかゲームをするかして、気がかりな案件を忘れるようにしています。何か他のことに集中していないと、気がかりな案件を忘れることができません。何かを忘れるというのが苦手なのだと思います。

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  • 世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その75(1,837字)

    2017-06-27 06:00  
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    手塚治虫、宮崎駿、宮本茂の三人は、日本のエンターテインメント史の中でも突出したクリエイターだ。
    そのため、彼らの共通項を探せば、日本におけるすぐれたクリエイター像、あるいは美的感覚の本質が見えてくるのではないだろうか。
    こうして見ていくと、まず気づく共通項は、三人ともにすぐれた「デザイン性」を有しているということだ。三人とも、個性はむしろ少なめで、きわめてバランスの整った絵を描く。
    そのため、三人の絵は再現性が高い。真似しやすいのだ。それは、単にデザインがすぐれているからだけではない。もう一つの理由もそこにはある。それは「簡潔」ということだ。シンプルなのである。多くのものが省略されているのだ。
    なぜ彼らの絵がすぐれた「省略性」に富んでいるかといえば、それは彼らが制約の中で描いていたことと無関係ではない。手塚治虫も宮崎駿も、いつも時間に追われていた。宮本茂はハードのスペックに限界があったため

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  • 歌舞伎と人気について(1,958字)

    2017-06-26 06:00  
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    歌舞伎役者というものは、歌舞伎役者の実子が継ぐことになっている。逆にいえば、歌舞伎役者の実子でないと歌舞伎役者になれない(裏道はある)。これを「前近代的」と思う人もいるかもしれないが、事実はその逆である。これはきわめて現代的、かつ合理的なやり方なのだ。
    今回のブロマガも、公の場では書けないことを書きたい。
    先日、小林麻央さんが亡くなった。その翌日(当日も)、夫の市川海老蔵さんは昼、夜舞台に立っていたが、それを見て「海老蔵を見直した」という人がネットにちらほらいた。奥さんが亡くなってショックだろうに、気丈に振る舞って偉い――というわけである。
    しかし、これは全く逆の話だ。近親者が亡くなった日というのは、歌舞伎役者にとってはピンチではなく最大のチャンスなのである。
    数年前、中村勘三郎さんが亡くなった。このときも、彼の二人の息子、勘九郎さんと七之助さんは舞台に出ていた。海老蔵さんの場合は演劇だっ

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  • これから投資するとしたら?(1,615字)

    2017-06-23 06:00  
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    今はインフレこそ進行していないもののお金の価値は下がっているので、お金以外のものの価値が相対的に上がっている。特に上がっているのは株と土地で、みんながお金を手放し株と土地を手に入れているからそれが一種のスパイラルとなり、バブルと呼んでも差し支えのないところにまで来ている。
    バブルはいつか破裂する。それはみんな分かっているのだが、しかし破裂するまでは膨らむということもまた分かっているので、この流れが止むことはすぐにはない。それで、株も土地もいまだに上がり続けている。上がり続けているからそこにまたお金が流れ込んで、結局破裂するまで膨らまざるを得ない状況が醸成されている。
    そういう時代に株や土地とは関係のないビジネスをすることは非常に大事だ。バブル崩壊は避けようと万全の用意をしていても避けきれるものではなく必ず何らかの形でとばっちりを食らう。そのためそれへの備えは株も土地も関係ないところに投資を

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  • 「きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第16回(1,603字)

    2017-06-22 06:00  
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    「翻訳言語」とは何か?日本語というのは、その多くが翻訳言語でできている。日本語の伝統的な言い回しのように思えるものでも、意外と翻訳言語だったりする。翻訳言語の象徴的な存在として有名なのは、「事ほどさように」である。もともと英語に「so that's why」という言い回しがあって、それを日本語に訳したのがこの言葉だ。それがやがて定着し、一般にも使われるようになって、日本語の言い回しの一つになった。つまり、日本語には元来なかった言葉なのだ。あるいは日本の文学そのものも、翻訳言語とは切っても切り離せない関係にある。日本の近代文学を確立させたのは夏目漱石だが、彼自身英語の先生で、翻訳とはきわめて深い関係にあった。その彼が書いた日本語が、現代文学の、あるいは口語体の基礎になっている。いうならば、今の日本語は翻訳者が創造したのだ。さらには、夏目漱石が日本語を完成させるときに大いに参考にしたのが二葉亭

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  • [Q&A]Netflixのお薦めを教えてください(1,743字)

    2017-06-21 06:00  
    108pt
    [質問]Netflixの『サバイバー』見ました。予想以上の面白さでした。シーズン2が待ち遠しいです。他にも岩崎さんのおすすめを教えてもらえますか。「寂しさと友達になる」には連続ドラマがダントツの選択肢ですね(笑)![回答]ぼくは最近心が弱っているので、ネットドラマをよく見ていています。『サバイバー』は、主人公に次から次へと世界が滅亡しかねないトラブルが降りかかってくるので、これに比べるとぼくのトラブルなどちっぽけなものだなと心を癒やされます。Netflixのおすすめはいくつかあるのですが、まず『ヒップホップ・エボリューション』。これはドラマではないですが、ドキュメンタリーで面白いです。他にもドキュメンタリーだと、『スティーヴ・アオキ: I'll sleep when I'm dead』もかなり面白いです。ドラマだと今はやっぱり『ベター・コール・ソウル』から目が離せないですね。ちょうど昨日が

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  • 世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その74(2,057字)

    2017-06-20 06:00  
    108pt
    日本には、きわめて突出した三人のクリエイターが存在する。マンガの手塚治虫、アニメの宮崎駿、ゲームの宮本茂である。この三人はあまりにも突出していたため、「出る杭は打たれる」とはならず、むしろ「出すぎた杭は打たれない」となった。
    そのため、これら三人の共通項を見出すことができれば、すぐれたクリエーション、もしくはすぐれたクリエイターの育成を再現することもできるのではないか。出過ぎた杭を生み出すことができるのではないか?
    そう考えて、今回はこの三人の共通項について考えてみる。
    この三人共通項といって、まず思いつくのがその美的感覚である。
    手塚治虫も宮崎駿も、当然ながら絵が上手い。宮本茂の絵が一般に公開されることはほとんどないが、彼がデザイナー出身だったことはよく知られている。初期のマリオやゼルダのデザインはほとんど彼がした。
    さてしかし、単に絵が上手いだけとなると、彼ら以上の存在はたくさんいる。

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  • AKB48メンバー須藤凜々花さんの結婚発表とぼくが秋元さんについて思うこと(1,829字)

    2017-06-19 06:00  
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    昨日AKB48の総選挙をテレビで見た。
    途中から見たのだが、須藤凜々花さんの結婚発表が話題になっていた(そのシーンは見逃した)。
    そこで今日は、その結婚発表も含めて、ぼくがAKB48の総選挙についてどう見たかを書きたい。
    ぼくがいる頃(2007年まで)と比べると、今のAKB48はだいぶ変わったが、それでも変わらないところはある。それは、「事件を起こしてなんぼ」ということだ。秋元さんはいつも、批判を恐れず、AKB48という舞台で常に事件を起こしてきた。
    すごいのは、その「巻き込み力」だ。昨日、さまざまなメンバーのスピーチを見ていたが、それぞれのメンバーがこの総選挙に命をかけているのが伝わった。また、その背景には述べ100万人を超えるファンがいる。その人たちもまた、この総選挙に人生をかけていて、巨大な祭りがここに発生しているのだ。
    ぼくは、総選挙を見ながら自分の未熟さを思い知らされた。自分は事

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