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記事 21件
  • 陰謀論はカレーである(1,721字)

    2021-10-29 06:00  
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    YouTubeなどの見過ぎで陰謀論にハマってしまう人がいる。そういう人は、40歳くらいまでは普通だったのに、また老いる年でもないのにそうなってしまう。
    なぜかというと、「情報過多」になっているからだ。あまりにたくさんの情報を摂取しすぎて、頭がパンクしてしまう。それで、処理するための道具を生み出す。その道具こそが陰謀論なのだ。
    陰謀論は、きわめて便利な思考の道具だ。これがあると、簡単に情報を処理できる。いうなればカレーのようなものだ。処理しきれなくなった具材をこれとあえて一気に煮れば、とりあえず料理の形になる。具材同士の関係性や煮る順番など考えなくてもいい。きわめて簡単にできあがる。
    そう考えると、情報を摂取するのをやめれば、そもそも陰謀論にはハマらない。だから、とりあえずテレビをやめることから始めるのがいいだろう。
    本当は、情報を処理するためのOSをインストールすればいいのだが、これは一朝

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  • マンガの80年代から90年代までを概観する:その28(1,585字)

    2021-10-28 06:00  
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    オタク第一世代は1950年代後半の生まれだ。ぼくは1960年代後半の生まれなので、彼らより10歳年下ということになる。
    彼らがちょうどマンガやアニメに本格的に(オタク的に)目覚めるのは10歳頃だ。そのときは『巨人の星』と『あしたのジョー』の全盛期だった。だから、マンガの原初体験としてはこのムーブメントがある。
    その後、青春時代を70年代とともに過ごす。70年代は変化が激しく、最初は永井豪やジョージ秋山といったアングラ的なマンガが流行るが、その後にチャンピオンブームが訪れる。そして末期になると高橋留美子やあだち充のラブコメブームだ。
    ただ、チャンピオンブームやラブコメブームはいずれも70年代後半なので、この頃になるともう彼らは青年になっている。そしてこの頃の青年誌は、ちょうど大友克洋が出始めだったので、これにどっぷりハマるという構造になった。
    ところで、70年代は変化が激しすぎるため、3歳違

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  • [Q&A]今注目している新しいメディアはありますか?(1,920字)

    2021-10-27 06:00  
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    [質問]
    次のジェームス・ボンドは誰がいいですか?
    [回答]
    ぼくは、それこそ「有色人種」になるのではないかと思います。つまり、アフリカ系イギリス人――がなるという線が妥当ではないでしょうか。あるいは、女性がなるかもしれませんね。
    [質問]
    日本ではLINEが連絡の手段でつかわれています。
    LINE@というツールは店舗運営側などがよく利用しているようですが、1000人以上にメーセージ送信すると月に5000円程度、費用を支払わなければいけないようです。
    一方フェイスブックなどは、無料で送信できます。
    なぜLINEはこのように費用を設定するのでしょうか。
    無料の方が利用者が増加すると思うのですがかわらないのでご教示願います。
    私もグループを作って連絡を送信しイベントの出欠を確認したいという場合があります。
    そしてその出欠に対して承認、見送りの機能が欲しいと思っています。
    どのようなツールが良い

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  • 生きるとは何か?:その7(1,782字)

    2021-10-26 06:00  
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    ルーティンはどのように身につくのか?
    ルーティンは反復の中にある。同じ作業を毎日行うことの中にある。毎日同じ作業を行っていると、その中で嫌でも微細な変化が見えてくるようになる。その微細な変化に気づくようになる。そうして、その微細な変化はどこから来るのかを問うようになる。どうして微細な変化が起きるのかを問うようになる。それがルーティンの目的だ。目指すところである。
    ぼくは、離婚して仕事もほとんどクビになったとき、一度は死のうと思ったが、そこから立ち直って小説を書き始めた。毎日書いていたが、書いていると調子の良い人悪い日のあるのが分かった。そこで、書く場所というのをいろいろと変えてみるようにした。そんな中で、一番気に入った場所というのができた。それがジョナサン日野南平店だった。
    そこからぼくはジョナサン日野南平店に通うようになった。通っていると、当たり前だが12時前後のお昼時は混むと言うことが

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  • 好きなことを見つける方法:その22(1,935字)

    2021-10-25 06:00  
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    「レジリエンス」という言葉があって、ピンチになったときにそこから這い上がる能力のことを指す。近年はこの能力が注目されている。なぜかというと、「できる人」というのはだいたい共通してレジリエンスが強いからだ。ピンチから這い上がる力が強い。
    そして、ピンチから這い上がる人はおしなべて能力が高い。なぜかというと、人はピンチから学ぶからである。ピンチこそが人を成長させる。だから、ピンチを避けたり、ピンチから逃げたりする人は能力が低いままだ。ピンチに直面しても逃げず、その衝撃をもろに食らって、死の瀬戸際まで追い詰められながらも、そこからさらに這い上がった人間だけが、能力を高められる。
    もちろん、ピンチで潰れてしまっては元も子もない。だから、レジリエンスが必然的に注目されるのだが、ではレジリエンスの強さは何に起因するのか?
    それは感情だ。感情の総量だ。特に、怒りと好奇心とがレジリエンスを育む。
    そして、

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  • 修羅場をくぐる人とは(1,708字)

    2021-10-22 06:00  
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    ぼくの人生で得た一番の「学び」は、「見栄を張らない方がいい」ということかもしれない。
    どこで学んだかというと、やはり秋元さんのところでだ。そこで放送作家の諸先輩を見ていた中で学んだ。
    というのも、放送作家は「見栄を張るのが仕事」という側面もあって、諸先輩は皆、見栄を張るのが上手かった。しかし皆、30代後半になるとそれが段々つらくなる。秋元さんくらいに突き抜けた存在になればかまわないが、諸先輩は秋元さんの真似をして作法として見栄を張っていたので、それで首を絞められた。おかげで40歳以降に皆苦労していた。
    ぼくの20代は、90年代とだいたいかぶっている。今考えると、本当につらい時期だったが、そのときは若かったし無我夢中だったのでその苦しさに気づかなかった。
    Jリーグが開幕した1993年5月15日、ぼくは25歳だったが、ちょうどフジテレビの会議室で『とんねるずのみなさんのおかげです』の会議に放送

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  • マンガの80年代から90年代までを概観する:その27(1,749字)

    2021-10-21 06:00  
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    1960年代後半になると、赤塚ギャグは急速に失速する。理由は、ニヒリズムの終焉だ。この頃、世の中は急速にニヒルではなくなった。
    理由はいくつかあるが、一つはベトナム戦争だ。またその背景にある冷戦だ。
    これによって、「世界はまだ戦争状態にある」ということが可視化され、平和も砂上の楼閣であることが子供たちにもリアリティをもって伝わった。
    このことから、「何のために生きるか?」と問われたときに、「平和のために生きる」という答えがすっくと立ち上がるのだ。平和は、「守るもの」「築くもの」として、そのために「戦う」という分かりやすい物語が用意された。おかげで、多くの人は「自分はなぜ生きているのか?」と悩まなくて良くなった。
    もう一つは、1970年に学生運動が頓挫し、それそのものが砂上の楼閣であったことが分かった。おかげで、人々は目の前に開き始めた「豊かさ」を謳歌する方向に向かう。若者たちは、自動車に乗

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  • [Q&A]衆院選についてどう思うか?(1,390字)

    2021-10-20 06:00  
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    [質問]
    緊急事態宣言があけても、日の感染症数が二桁になりました。ワクチンの効果でしょうか。コロナは制御出来たといえるのでしょうか? それとも次の波は来るのでしょうか
    [回答]
    残念ながら、ワクチンの効果でも、緊急事態宣言の効果でもありません。人間はコロナをほとんど制御できていません。したがってまた波は来ますが、弱毒化が進み、死者はますます少なくなるはずなので、それほど気にする必要はないでしょう。
    [質問]
    私は人の気持ちを察することが苦手です。良かれと思って行動して、逆に相手を怒らせてしまうことも時々あります。調べたことはありませんが、私はアスペルガーの特徴に当てはまっているので、そのせいかもしれません。
    それでも少しでも改善できたらしたいと思っています。
    相手の気持ちを推し量れる為の参考になるような漫画がありましたら教えてください。
    [回答]
    相手の心を推し量れるマンガ、というのは難し

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  • 生きるとは何か?:その6(1,646字)

    2021-10-19 06:00  
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    無意識の面白いところは、単に「考えない」ということで実現できるだけではなく、考えた抜いた先にも、その世界が広がっているということだ。
    そして人は、一旦考え始めると、二度と「単に考えない」という状態には戻れない。だから、考え抜くしかない。そうしないと、再び「考えない」の世界には戻れない。
    例えば、人間は誰でも考えなくても走れる。しかし考えないで走ると、それなりに限界が訪れる。ある程度のところでスピードが止まる。
    そこで人は、「もっと速く走ろう」と考えるようになる。すると面白いことに、最初は考えなかったときよりも遅くなってしまう。あの無意識で走っていたときの感覚が蘇らない。そうして、無意識の素晴らしさにあらためて気づく。
    ところが、そこからさらに考え抜く。そうすると、いつしか再び「考えない」の境地に到達できる。そして、以前の「単に考えていなかった頃」よりも速く走れるようになるのだ。
    そういう世

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  • 好きなことを見つける方法:その21(1,769字)

    2021-10-18 06:00  
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    ここまで書いてきて分かったのは、「好きなことを見つける」というのは、結局「自分と正面から向き合う」ということである。そう考えると、好きなことが見つからない人は、自分と正面から向き合っていない、ということになるだろう。
    なぜ正面から向き合わないのか?
    理由は簡単で、正面から向き合うと劣等感に苛まれるため、避けているのだ。自分が嫌いなのである。だから、それを直視したくないのだ。
    しかしながら、ここではっきりさせておきたいのは、「自分が嫌い」という人は、それは全て「洗脳の結果である」ということだ。つまり、騙されているだけである。
    人は誰でも、自分が好きだ。これは本能なので、議論の余地がない。たまたま自分が嫌いに生まれてきた……などという人は100パーセントあり得ない。
    だから、「自分が嫌い」ということはいかなる場合も、自分をとらえる上での前提にならない。だから、もし今現在自分が嫌いで正面から向き

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