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映像表現の新しい世紀:その2(2,015字)
2017-01-20 06:00110pt2008年にキャノンはEOS 5D MarkII(以下「5D2」)というカメラを出した。このカメラが「ゲームチェンジャー」といわれている。ゲームチェンジャーとは、市場のあり方を変えるような革命的なイノベーション製品のことだ。我々に最も身近なゲームチェンジャーといえば、最近ではiPhoneだろう。その昔、ポルシェが発明した自動車や、エジソンが発明した電球なども、やっぱりゲームチェンジャーだった。
ところで、この5D2がなぜゲームチェンジャーだったかというと、一眼レフカメラに動画撮影機能がついたからだ。そしてこの画質が、驚くほど良かったのである。当時発売されていた民生用ビデオカメラとは格段の違いがあった。美しかったのだ。
なぜビデオカメラの画質が悪く、一眼レフカメラの画質が良かったかといえば、理由は大きく二つある。
まず一つは、ビデオカメラのレンズというのは、基本的に本体と一体型であり、またズ -
映像表現の新しい世紀:その1(1,688字)
2017-01-16 06:00110pt2今、映像という表現形態は新しい時代へと突入している。映像が発明されてから120年が経過するが、ここにきて新たな価値が次々と生まれているのだ。
なぜ今になって新たな価値が次々と生まれているかといえば、それは映像の持つ奥深い意味合いが、ここに来ていろいろと明らかになってきたからだ。
きっかけはいくつかある。
まず「スタビライザーの進化・普及」というものがある。
「スタビライザー」はカメラをブレさせない機械のことだ。1973年に発明され、最初は映画『ロッキー』で使われて、そこから徐々に進化してきた。
この間、スタビライザーが証明し続けてきたのは、「滑らかな移動撮影」はそれだけで視聴意欲をそそるということだ。それだけでいい絵になる。
試しにYouTubeで「スタビライザー」と検索してみるといいだろう。今では一般向けに安価で良質なスタビライザーが発売されるようになったが、それらを使えば素人でも簡単に
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