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記事 16件
  • 安倍首相が辞任したことの感想(1,716字)

    2020-08-31 06:00  
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    安倍首相が辞任した。まず思ったのは「株価が下がって残念」ということである。金曜日に報道が出てから急激に下がったが、月曜日にはどうなるか。今の時点では分からないが、おそらくそれほど落ちることはないのではないかと思う。
    なぜかといえば、辞めた理由が病気なので、次の首相は安倍路線を継承することが予想されるからだ。ほとんど差異のない運営をすることが予想される。今の時点では菅官房長官が最有力だと言われている。そして菅官房長官が首相になったら政策――とりわけ経済政策は既定の路線から一ミリたりともずれることはないだろう。その意味では、投資家たちは安心し、株価はまた値を戻すと予想するのである。
    ここからは、安倍首相のこれまでを総括してみたいと思う。ぼくにとっては、民主党時代に比べれば生きやすい時代だった。ただ、民主党時代も別に生きにくかったということはない。それでも、民主党時代に「日本の破滅路線」が形成さ

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  • 人気YouTuberは今、子供の頃の夢を疑似体験させてくれる(1,763字)

    2020-08-28 06:00  
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    人は今、YouTubeに疑似体験を求めているのだと思う。
    最近、DIYを始めようと思ってからDIYの動画ばかり見ているのだが、驚くのはDIYの動画は数がそもそも多いし、しかもそのどれもが再生回数が多いのだ。1万再生は当たり前で、10万を超えるものも珍しくない。
    おそらく、人は今DIYをとてもしたいのだろう。あるいは何かを作りたい。しかし、それが現実にはできないから仕方なくYouTubeで我慢している。YouTubeで疑似体験し、欲求を紛らわしているのだ。
    子供の見る動画もそうだ。子供の見る動画は普通に数億再生行ったりするのだが、ロシアの少女の一番再生回数の多い動画(5億回くらい)を見たところ、父親と一緒に海に行くという内容だった。それだけなのだ。
    それを見て、思った。海に行きたくても行けない子供たちは今、とても多いのだろう。その子供たちが、この動画を見て海に行くことを疑似体験している。そう

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  • 6000万円のゲーム機(1,679字)

    2020-08-27 06:00  
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    科学者は、「○○を××したら△になるんじゃないか?」というアイデアを思いつく。技術者は、そのアイデアに対して「□□すると実現可能かも?」と方法を提案する。
    ジョブズは、「誰もが手軽に始められる安価のコンピューターがあるといい」というアイデアを思いついた。それに対して、ウォズニアックは「この部品を買ってこう組み立てれば可能ではないか?」と提案した。そうして、二人で組み上げたのがApple Iだ。
    ここで注意しておきたいのは、ジョブズとウォズニアックの役割は必ずしもはっきり分かれているわけではない、ということだ。ジョブズにも技術者的な側面があるし、ウォズニアックにも科学者的な側面がある。ウォズニアックがアイデアを思いつき、ジョブズが方法を提案したこともあるだろう。
    彼らがしていたのは、まさに「現実世界に対するハック」である。アイデアがあり、技術がある。それを組み合わせることで、イノベーションが

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  • [Q&A]パソコンソフトの上達法は?(1,544字)

    2020-08-26 06:00  
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    [質問]
    先日、「#Amazonプライム解約運動」なるものがTwitter等において起きたようなのですが、この件を岩崎先生はどのように捉えてらっしゃるでしょうか?
    個人的な話なのですが、私自身、近々Amazon Kindleにて電子書籍を個人出版しようと考え、原稿を書くなどしていたのですが、今回の件をどのように受け取るかまだ考えが定まっていません。
    岩崎先生がこの件にどのように思われたか、Amazonに対する考えに変化などがおありなのか、お聞きしたいなと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
    [回答]
    Amazonに対する考えは、全く変わっていませんね。むしろ、この運動に参加した人の将来を案じております。
    人生というのは、ほんのささいなことから転落していきます。ほんのささいな選択が命取りになるのです。
    そのため、どんな選択も疎かにしてはいけません。全身全霊で選び抜く必要があるのですが

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  • ハック欲の湧くゲーム(1,867字)

    2020-08-25 06:00  
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    「ハック欲の湧くゲーム」とはどんなものか?
    それは、「面白い遊び方を発明したくなるゲーム」のことだ。そのゲームをしていると、思わず新しい遊び方が閃き、試さずにはいられなくなるゲームのことだ。
    では、具体的にはどんなゲームか?
    パッと思いつくのは、大きく3つある。Minecraft、GTAV、ゼルダの伝説BotWだ。
    これら三つに共通するのは、圧倒的な「自由度」である。そして「箱庭」だ。
    ちなみに、人間は「自由」というものを「制限の中」でしか感じない。そういう矛盾した性質を抱えている。「本当の自由」ではダメなのだ。「規制された自由」でないと心から楽しめない。
    例えば箱庭療法は、周囲に設けられた「壁」がだいじだという。壁がないと、患者が上手く人形遊びをできないのだ。壁があるからこそ、安心して箱庭遊びができる。そして、治療もその方が効果が高い。
    昔、『欽どこ』というテレビ番組でコントのアイデアを

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  • 人が大人になるに連れて身につけるもの(1,997字)

    2020-08-24 06:00  
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    子供を育てる中で、気づいたことがある。
    それは、「人は生まれたときからすでに『人間』で、複雑性を備えており、いわゆる純粋さを欠いている」ということだ。
    ただ、本能や直感力は大人よりすぐれているといえよう。それでも動物よりは全然下である。そうなると、教育の基本は「いかにしてもともと少ない本能や直感力を減退させないまま、社会というものにアジャストさせていくか」ということになる。
    先日、こんなことがあった。
    1歳の子供と二人で川に泳ぎに行ったのだが、初めての場所でいつもの川とは少し違った。川原の石が大きすぎて歩きにくいのだ。小学生がようやく歩ける感じで、1歳の子供には無理だった。
    また、水深が浅いため、炎天下で水がぬるくなっていた。それがどうにも気持ちが悪く、暑さもあって子供のテンションはどうにも上がらなかった。一応水には入るのだが、すぐに浮かない顔で出ていってしまう。
    そこで、早々に切り上げて

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  • ゲームの定義(1,891字)

    2020-08-14 06:00  
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    ゲーム(テレビゲーム)というのは、これだけ社会に深く浸透したのに、「何か?」ということを社会学的、文化人類学的、あるいは哲学的に定義づけた人はいない。そこで、この原稿ではそれに取り組んでみたい。
    「ゲームの定義」とは何か?
    それは「シミュレーションを上手にすること」である。それこそが「ゲーム」だ。
    では、まず「シミュレーション」とは何か? それは、「偽物を作る」ということである。本物がないから、偽物で代替するということだ。それがシミュレーションである。
    例えば、鉄道を所有したい。しかし、本物の鉄道は高価すぎて所有できない。だから、模型のジオラマで我慢する。それがシミュレーションである。
    そして、それを上手く行うことこそがゲームだ。つまり、鉄道模型を上手に作ることこそ、ゲームの定義なのである。
    ところで、「上手に作ること」を、ここでは「ハック」と呼ぶ。ハッカーの「ハック」である。
    「ハック」

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  • ゲームとはそもそも何か?(2,515字)

    2020-08-13 06:00  
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    ゲームとはそもそも何か?
    人類は、出現してからこれまで、脳を鍛えてきた。それが種の生存に最適だったからだ。
    逆にいえば、脳を鍛えた人間だけが生き残った。我々はその子孫だ。だから、我々はそもそも「脳を鍛えること」を前提に生きる。
    そして、脳を鍛えるためには「いたずら」が重要な役割を果たしてきた。なぜなら、いたずらこそ脳を最も鍛える行為だからだ。今回は、その理路について説明しよう。
    ぼくが子育てをして驚いたのは、子供がいたずらばかりすることだ。
    例えば、生後6ヶ月のとき、ぼくのおへそをいじって遊んでいた。ぼくがくすぐったがるのが面白いからだ。ぼくがへそを隠すと、面白がってなお触ってこようとする。
    そういうふうに、人間は生まれた直後から「いたずらの虜」である。それは、いたずらをすると脳内麻薬が出るからだ。おかげで、まだ歩けない赤ん坊でもいたずらをする。
    ただ、いたずらには必ず「限界」がある。例え

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  • [Q&A]妻の楽しみはどうすれば見つかるか?(2,717字)

    2020-08-12 06:00  
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    [質問]
    最近、岩崎先生の影響で、安冨あゆみ先生の発信やYouTube動画を見ているのですが、近頃のYouTube動画の中で「複式簿記」について、何度か語られていました。資本主義を問題視したときに、その起源として「複式簿記」があり、これがどういうもので、どのくらい重要なのか、というのが一連の動画の趣旨と思われるのですが、岩崎先生は「複式簿記」について、何か思われることはございますか?
    [回答]
    特に思うところはないですが、いうなればもう少しお金の流れを合理的にとらえようという考えの中で生まれた方式なので、いいのではないでしょうか。
    それよりも、今の社会で問題なのは経済よりも雇用が優先されていることです。経済が回ることより雇用が安定的に供給されることの方が重要で、そのために無駄な仕事が増え続け、日本経済はその重みに耐えきれず、もうほとんど沈没寸前といった状態です。
    また、そういうふうに雇用が

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  • ゲームと懐かしさ:その4(1,828字)

    2020-08-11 06:00  
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    人は何に「懐かしさ」を感じるのだろうか?
    たとえば、懐かしさが主要なテーマとなった映画の典型に「チャップリン」がある。
    チャップリンは、映画の創成期に活躍した監督権俳優だが、彼のトレードマークとなった山高帽にボロボロのタキシード、ステッキに不釣り合いに大きな靴というファッションは、当時すでに「懐かし」かった。その頃よりだいぶ前に流行したスタイルなのだ。
    それが証拠に、他の登場人物には当時一般的だった格好をさせている。その意味で、まず「ファッション」が、観客に懐かしさを催させる重要なモチーフであるといえるだろう。
    次に「におい」である。
    20世紀を代表する小説の一つ『失われた時を求めて』は、冒頭で主人公が紅茶とマドレーヌの香りを嗅いだところから過去の記憶が蘇り、それを遡るところから話が始まる。
    つまり「におい」が懐かしさを催させる重要なモチーフとなっている。実際、脳でにおいを感じる部位と記憶

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