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お金をもらう生き方とは何か?(2,166字)
2019-09-30 06:00110ptnoteに「これからは仕事の価値がなくなるので、それをするのではなく、お金を人からもらうようにするといい」ということを書いた。「働く」に今、起こっていること すると、それなりに反響があったので、今日はそのことについて少し書いてみたい。上の記事は、ニューズピックスでもバズっていた。ところが、そこのコメント欄では「仕事はなくなっていない」「これからもなくならない」などという意見が散見された。こういう人は、そもそも現実が直視できていない(あるいは分析眼がない)。おかげで、会話そのものが成立しない。だから気にしない方がいいのだが、ネットの特性上コメントをつけられるのは避けられないので、もやもやとした気持ちが残る。それでも、「仕事がなくなる」ということを実感している人も少なくなかった。みんな、「仕事の対価としてお金をもらい、生活する」という社会システムにはどうやら限界が来ているらしいと薄々感じ取って -
幸せについて考える(2,063字)
2019-09-27 06:00110pt幸せについての本を読んでいたら、老後になると人の幸不幸は人間関係に深く因ると書かれていた。特に周囲の人――友人・家族と友好な関係を築けている人ほど幸せになれるという。これは当たり前のように思えるが、面白いのは逆にお金と幸せの相関関係はほとんどないとしているところだ。むしろお金を持っている人ほど周囲との関係が上手くいかなくなり、不幸を感じてしまう人が多いらしい。ただし、お金が全くないのもダメで、極端な貧乏はやっぱり周囲との関係を壊してしまう。つい先日、金ピカ先生の名前で知られた塾講師の佐藤忠志さんが自宅で孤独死をしているのが見つかった。佐藤さんは、晩年は非常な不幸の中で暮らしたという。それは、若い頃からの放蕩癖が抜けず、お金が稼げなくなってからも高級車などを買い続け、最後は奥さんに見放され離婚されたのだという。離婚された当初は「花の独身生活に舞い戻った」などとうそぶいていたが、次第に孤独感を -
子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第20回(1,732字)
2019-09-26 06:00110ptイノベーションには三段階ある。
一、考えること
二、すぐれたアイデアを生み出すこと
三、実行すること
今回は、このうちの「二、すぐれたアイデアを生み出すこと」について見ていきたい。
まず、「すぐれたアイデア」とは何か?
それは、テーゼとアンチテーゼを踏まえつつ、その両方の願いを叶えるもの――ジンテーゼ――のことだ。みんなが満足する方法のことである。これこそがすぐれたアイデアだ。
では、すぐれたアイデアはどのように生み出せばいいのか?
その最初のステップは、「捨てる」ということである。「捨てる」というのは、イノベーションにおいて最も重要な概念といえるだろう。
これを、簡単な例で説明したい。
まず、行き詰まっている状況というのは「部屋が汚れている」ようなものだ。
このとき、最初に「部屋をきれいにしたい」という欲求がある。これがテーゼである。
次に、部屋をきれいにするには手間がかかる。そのため「 -
[Q&A]前澤友作氏のZOZO社長退任についてどのように思いますか?(2,286字)
2019-09-25 06:00110pt[Q&A]前澤友作氏のZOZO社長退任についてどのように思いますか?
[質問]
昭和、平成の日本の犯罪史上でハックルさんが印象に残ってる事件を教えて下さい。
[回答]
ぼくは、日本の犯罪で日本人に最も大きな影響を与えたのは「浅間山荘事件」だと考えているので、やっぱり浅間山荘事件ですね。ただ、ぼくは浅間山荘事件が起きたときにすでに生まれてはいたのですが、まだ幼かったためテレビを自由に見られず、その狂騒からは全く蚊帳の外で、何の記憶もないんです。ですので、印象に残っているかというとそうではありません。
印象に残っているのは、やっぱり地下鉄サリン事件ですね。というのも、当時つき合っていた女性が事件のあった線を利用して通勤していたので、テレビで第一報を見たぼくは心配になって彼女のポケベルを鳴らしたんです。すると一時間後くらいに電話があって、結局被害には遭わずに済んでいたのですが、当の彼女は事件が起 -
お金をかけずにたった三ヶ月で知的生産性を爆発的に飛躍させる方法:その39(1,877字)
2019-09-24 06:00110pt経済活動とは、「生き方の選択」と言い換えることができる。なぜなら、人間が意思を持って選択する行動のほとんど全てが、「本質的な意味での経済活動」といえるからだ。けっしてお金にまつわることだけが経済活動ではない。
そのため、経済活動を活発にすることは、「生き方の選択を活発にする」と言い換えることができる。これは、選択を他人任せにするのではなく、自分で積極的に選択していく――ということだ。自分の生き方を、自分の意思でもって決めるということである。
これは、実は知的生産性がとても高い。
簡単な例で説明すると、例えば勉強というのは、自分が興味をもって始めると、ほとんど苦痛がない。また、当たり前だが効率や知的生産性が高いことでも知られている。
一方、親や学校から無理やり押しつけられた勉強は、苦痛に満ちている。そしてこちらは、ほとんど生産性がない――つまり成長を果たせないし、学びの効率が悪いものとして知 -
現代において「ビジョン」はどう描けばいいのか?:その2(1,592字)
2019-09-23 06:00110ptビジョンというのは、おそらくいつもぼくの胸の中には既にある。問題なのは、それが無意識に沈潜し、顕在化していないことだ。「こうすればいいのに」ということが全然具体化していない。あるのは何となく落ち着かない、もやもやとした気持ちだけである。
多くの人にとって「ビジョンの元」となる「今の世の中に対する不満」は、確かにある。
例えばぼくは、今の子供たちが不憫でならない。それは間違った教育を受けているからだ。
そのため、
「間違った教育を撤廃し、新しい教育に順次置き換えていく。そうして子供たちを幸せにする」
というビジョンは持っている。
しかしながら、このビジョンの実現が難しいのは、多くの人がそれに同意してくれないことだ。「今の教育は間違っている」といくら噛み砕いて説明しても、実感値として7割以上の人がそのことにピンと来ていない。たいていぽかんとしながら「そんな間違ってるかな?」となる。
それは、第 -
現代において「ビジョン」はどう描けばいいのか?:その1(1,802字)
2019-09-20 06:00110pt今年はアポロ11号が月面に着陸してから50年なので、それについて言及したインターネットの記事がときどき目につく。そうしたところでよくいわれるのが「なぜファミコン以下のコンピューターしかなかった時代にアポロは月へ行けたのか?」ということだ。そして多くの記事では、「それはマネジメントの勝利だった」と説いている。特に、リーダーだった故ケネディ大統領の「圧倒的なビジョン力」に依るところが大きかった――と。その彼のビジョンとは「人が月を歩く」というものだ。これに多くの人が賛同し、わくわくしたからこそ「アポロ計画」というプロジェクトは驚異的な発展を遂げ、遂にファミコン以下のコンピューターで人が月を歩くまでに至ったのだ。
これと同じ文脈で、昭和の日本のマネジメントが語られるときもある。
「日本の優れた昭和の経営者たち――松下幸之助、井深大、本田宗一郎などは、圧倒的なビジョン力を示し、それによってリーダー -
子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第19回(1,339字)
2019-09-19 06:00110pt自分の遊びたいものが、周囲や大人の理解を得ないときがある。そういうときに、人はたいてい遊びを諦めたり、あるいは周囲や大人を無視してその遊びを無理やりやり通そうとしたりするが、そのどちらもしないように工夫するという考え方もある。相反する価値観のどちらか一つを選ぶのではなく、その両方の価値観を満たすやり方を作り出す。実は、その行為こそイノベーションなのである。
イノベーションとは、つまるところ「発明」のことである。何かがうまくいかないとき、それがうまくいく方法を考え出すことこそイノベーションの本質だ。そのため、マーケティングが「知る」ということだったのに対応すると、イノベーションは「考える」ということができるだろう。
ここでドラッカーの提唱したマネジメントをあらためて振り返りたい。
ドラッカーは、マネジメントとはつまるところ二つのことをすることだと言った。その二つとは、「マーケティング」と「イ -
[Q&A]台風被害における復興の遅れについてどう思いますか?(1,811字)
2019-09-18 06:00110pt[質問]
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観てきました。とても面白かったです。監督はこの映画を作るプロセスを相当楽しんだんだろうな思いました。ところでレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの初共演ですが、だいたい同い年のような設定で出ています。実際は10歳以上差があります。それだけブラッド・ピットが若く見え、広い役を演じられるからいいのでしょうが、ハックルさんは、この共演をどうみましたか? 教えてください。
[回答]
レオナルド・ディカプリオは、ブラッド・ピットと比べると演技がやはり少しわざとらしいですね。ですが、それは好感の持てるわざとらしさなので、ぼくは両方とも好きです。
二人は、見ている分には年の差を感じさせませんでしたね。二人とも、我々同世代人にとっては超有名人なので、どうしても「年の差があったはず」という前提で見てしまいますが、二人のことを知らない後世の人が -
お金をかけずにたった三ヶ月で知的生産性を爆発的に飛躍させる方法:その38(1,597字)
2019-09-17 06:00110pt知的生産性を高める上で、最後に知っておかなければならないのは「経済」だ。
ところで、「経済」とは何か?
答えから先にいうと、それは「お金など媒介に、人や物や事が流通する現象のこと」である。つまるところ、人間が他者や他者を通じて社会に働きかけるアクションが、包括的な意味での「経済」だ。
まずは、そのことを深く理解しておく必要がある。なぜかというと、多くの人が経済というものの概念をよく分かっていないからだ。多くの人は、経済というと単に「お金儲け」と考える。会社員なら、会社が利益を上げたり、自分が給料を稼いだりすることが経済活動だと思っている。
しかしながら、それは経済活動のほんの一部に過ぎない。上記のように人間の行動のほとんどは経済活動なので、そこにはお金に換算されないものも数多く含まれる。
例えば、専業主婦の生き方は経済活動には見なされないことが多い。ときどき、主婦の働きをお金に
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