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ダメな人の活かし方(1,421字)
2017-12-29 06:00110pt世の中には「ダメな人」というのがいる。
ダメな人の際だった特徴というのは、ある意味で「勘がいい」ということだ。すぐれた人でも間違うことはあるが、ダメな人は正しい場合がほとんどない。彼らはかなりの高確度で間違う。
ではなぜダメな人は高確度で間違うのか?
理由は三つある。
第一に、彼らは「クリティカル・シンキング」をする。つまり疑ってかかる。
疑ってかかる人というのは、ダメである。本質的には、「いいものはいい、悪いものは悪い」とバランス良く考えることがだいじなのだが、そうでなければポジティブに、なんでも信じてかかった方がまだ上手くいく。
クリティカル・シンキングというのは、基本的に全て疑ってかかるから、あらゆるものから何も得られない。失うばかりなのである。
それが、クリティカル・シンキングをする人が間違うことの理由である。
第二に、ダメな人は「エビデンス・ベースド」だ。つまり、データや証拠を重 -
なぜ勉強するのか?:その2(1,801字)
2017-12-28 06:00110pt歴史というのは、さまざまな勉強の中でも「最も重要な存在」といえるでしょう。あらゆる勉強の中で、一番しなければならない科目です。
では、なぜ歴史を勉強しなければならないのか?
それは、次のような理由からです。
世の中には、さまざまな「問題」というものがあります。人間は、生きているとさまざまな問題に突き当たります。
その中でも、最も大きな問題の一つは「命が脅かされること」です。心身が危険にさらされることは、誰にとっても大きな問題でしょう。
そのため、人は誰でもそうした問題を解決したり、回避したりしたいと思います。なるべく命が脅かされないようにしたり、いざ脅かされたらいち早くそれを解決したりしようとします。
例えば、なるべく病気にかからないようにしたり、もしかかったらそれを治そうとしたりするでしょう。災害に見舞われないようにしたり、見舞われたらそこから立ち直ろうとしたりするでしょう。
そうしたと -
[Q&A]これからの株について(1,605字)
2017-12-27 06:00110pt[質問]
アメリカのトランプ大統領が1兆5000億ドルの大規模な減税を実現する、税制改革法案に署名しました。
私はアメリカの株式もそれなりに保有しているのでワクワクしますが、これが実現した場合、アメリカ経済及び世界経済にどんな影響を与えると思われますか? また、この減税によって、どのくらいの株高が起こると思われますか?
[回答]
どれくらいの株高が起こるかは分かりませんが、株高にはなるだろうと思います。今は、世界中でやっぱり市民よりも企業を優遇した方が全体最適がはかれるというコンセンサスなのですね。日本でも、企業に有利な法律がどんどん制定され、一部の市民は反対の声を上げていますが、それは結局一般化はせず、従って日本の株価もどんどん上がるでしょう。これは世界的な流れです。
そういう時代に、株を持っていないのはやっぱりちょっと損だと思います。
ちょっとというか、だいぶ損ですね。ですので、今もし -
これからどう生きたらいいのか?:第2回(1,936字)
2017-12-26 06:00110pt2何事にも基本があるように、生きることにも基本がある。
「生きる基本」とは、こうすれば生きやすくなる――ということだ。特に、変化の激しいこれからの時代に、生きる基本はますます重要になってくる。
生きる基本は、大きく三つある。
第一は、「ものごとを客観的に見る」ということだ。
先述したように、人間は一人では生きられない。社会の中でしか生きられない。
そのため、個人の視点と同様に、社会の視点――つまり客観性が必要になってくる。いわゆる「わがまま」は通用しない。社会性を身につけなければならない。それに従うかどうかはさておいたとしても、まずは社会の空気というものを客観的に知る必要があるだろう。
第二は、「変化に対応する」ということである。
世の中は、変化している。しかも、そのスピードは年々速くなっている。それに対応しないと、すぐに社会から置いてきぼりにされる。そして、置いてきぼりにさ -
セクハラを規定するものは何か?(1,686字)
2017-12-25 06:00110ptここ数日、セクハラや#me tooについての議論が喧しい。それは、「セクハラの規定」というものが、一般的に定まっていないからだろう。だから、それについての議論が巻き起こる。皆の認識が違うので、それのすりあわせが行われているのだ。
そうした中で、これまではセクハラと認定されていなかったことも、新たに認定されてあぶり出されるようになった。それに伴って、#me tooの動きも活発になっているのではないだろうか。
そこで今日は、「セクハラの規定」というものについて、今の時点でぼくが知っていること、考えていることを書いておこうと思う。
このメルマガを長年購読されている方はご存じかと思うが、ぼくはセクハラに強い興味を持っている。きっかけは、おそらく10年くらい前に「セクハラの規定が難しい」ということがネットで議論になっていたからだ。
例えば、「今日の服に合っているね」という言葉も、イケメンなら嬉しいけ -
死を肯定的にとらえたい(1,471字)
2017-12-22 06:00110ptこの考えはなかなか受け入れられないかもしれないが、ぼくは死というものを肯定的にとらえている。幼い頃、小椋佳の「ほんの二つで死んでいく」という歌をよく聞いていて、まだ小学校に上がるか上がらないかだったが、「自分より幼くして死んでいくとはどういうことだろう」と、ぼんやりとはいえ考えていたことを覚えている。
思えばその頃から、ぼくは死というものは必ずしも否定されるべきものではなく、むしろ前向きに肯定されるべきものなのではないかという価値観が、朧げながらも形成されていた。ほんの二つで死んでしまおうが、それは敗北ではないし、同情には当たらない。いや、死は大抵の場合同情に値するわけだが、しかしその一方で、新たな旅立ちとして言祝ぐべきでもあると。たった二歳の人生だろうと、それはいささかも物足りないものではなく、むしろ完遂したものなのであると、そう考えるようになったのだ。
これは、死ぬ本人の視点からもそう -
なぜ勉強するのか?:その1(1,737字)
2017-12-21 06:00110pt2理由は三つあります。一つは、これまで人類が見つけてきたことを知ってもらうため。大昔、人は勉強などしていませんでした。おかげで、気楽ではありましたが、その分、病気や災害には弱く、ちょっとのことで死んでしましました。そこで、身の危険を守るために、知識をため込み始めました。初めは口で伝えていたのですが、そのうち紙に書いて残すようになります。そうなると、これまで先人が培ってきた知識や技術が積み上げられるので、どんどんと学問が進歩していきました。そうして文明が発展し、人々はより安全に、より長生きできるようになったのです。そんなふうに、人類はもう一万年くらい、ずっと知識をため込み続けてきました。そのため、新しく生まれた子どもたちにもそれを知ってもらって、その上に新たな知識や技術を発見し、文明をより進歩させてほしいという願いがあるのです。二つは、勉強が以前よりも重要になったからです。昔は、勉強ができなく -
[Q&A]年末年始に読むオススメの小説を教えてください(1,801字)
2017-12-20 06:00110pt1[質問]
古い作品でも構いませんので、オススメの小説があれば教えてください。年末年始に読もうと思ってます。
[回答]
ぼくのオススメは、たいてい決まっているのですが、今ならやはり「風と共に去りぬ」でしょう。
この作品は何がすごいかというと、新潮文庫版で全5巻なのでかなり長いものですから、読んでるうちに「主人公と共に長い間生きてきた」というか「旅をしてきた」というような実感を味わえるところなんです。読んでるだけで時間経過の玄妙さをひしひしと感じられる。始まったときはまだ幼い少女だった主人公が、さまざまなできごとを乗り越えてすいも甘いも噛み分けたひとりの成人した女性に成長していきます。そのことの喜びと同時に失ったものへの寂寥感は、なまじっかな小説では味わえない深い感動ですので、ぜひじっくりお読みいただくことをオススメいたします。
[質問]
70年代。今よりレベルは低かったかもしれないがテントの -
これからどう生きたらいいのか?:第1回(2,013字)
2017-12-19 06:00110ptこれからどう生きるのか、難しい時代になった。
それは、価値観が大きく転換しているからだ。いわゆる常識が通用しなくなった。新しい価値観が次から次へと生まれている。それについていくのが難しくなったのだ。
具体的にいうと、次の五つが大きく変わった。
一、教育
二、仕事
三、結婚
四、お金
五、人間関係
これらは、どれも人が生活する上でとてもだいじなことだ。だからこそ、これらの価値観が大きく変わったことに、ついていけない人が多いのである。
しかし、これらについていかないと、時代に取り残されてしまう。そして時代に取り残されると、今は競争社会なので、不幸になる可能性が高い。
それは、避けた方がいい。そして避けるためには、まずは新しい価値観について知る必要がある。その上で、できるならばそれを身につける必要がある。
そこでこの連載では、上記の五つの事柄における新しい価値観について、 -
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を見た(2,116字)
2017-12-18 06:00110pt『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を見た。
感想は、一言で言えば非常に「洗練された作品」だ。めちゃくちゃさや飛び抜けた目新しさはないが、しかし適度にこれまでの『スター・ウォーズ』が自明としてきた価値観を覆していて、これは凄いと思った。そのことだけでも素晴らしい映画ということができるので、一見の価値どころか、何度も見る価値があろう。『スター・ウォーズ』は、もはや面白く作ることそのものが難しくもなっているので、その意味でも素晴らしい作品だった。
今回は、そんな『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の何が素晴らしいのか、ネタバレなしで書いてみたい。
今回の『スター・ウォーズ』というか、エピソード7〜9の新しい3部作において最も特徴的なのは、あえて美男美女を配していないということだろう。それよりも、一癖も二癖もある顔の俳優をあえて起用している。
なぜそうなったかというと、理由は二つある。
一つは、
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