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記事 22件
  • きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第38回(1,743字)

    2017-11-30 06:00  
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    この世の真理の一つが、「短期的な利益と長期的な利益は相反する」ということだ。例えば、ケーキを食べると美味しい。しかしそれは短期的な利益で、長期的には太ってしまい、体調も悪くなる。
    その逆に、勉強は短期的には苦しい。しかし長期的には能力がつくので、益するところが大きい。これもやっぱり、短期的な利益と長期的な利益が相反する典型の一つだ。そして、短期的に利益を得ること――例えばケーキを食べるのは誰にとっても簡単なのだが、短期的な不利益を被ること――つまり勉強というものはなかなか取っかかりにくい。みんな、その苦しさでつまずいてしまう。
    しかしながら、遊びを通して「短期的な利益と長期的な利益は相反する」ということを学ぶと、その不利益に我慢できる度合いが高まる。そうして、勉強に対する障壁が下がるのだ。
    では、遊びのどこでそれを学べるのか? 遊びのどこが、短期的な利益と長期的な利益が相反するのか。
    例え

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  • [Q&A]ゾゾスーツについてどう思うか?(742字)

    2017-11-29 06:00  
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    [質問]
    スタートトゥデイがゾゾスーツを無料配布するという、アパレル業界にとってもとても革新的なサービスを始めました。
    このサービスによって一番打撃を受けそうな企業はどこだと思いますか? また、同じようなサービスを始める企業は出てくると思いますか?
    [回答]
    一番打撃を受けるのは間違いなくデパートです。
    これをきっかけにZOZOTOWNを使う人はますます増えるだろうし、そうすればますますデパートを使う人は減るでしょう。
    似たようなサービスを始めるのはユニクロとギャップです。
    [質問]
    最近、忘れっぽくなりました。そのお陰でお思わぬいいこともあるのですが、もちろん困ったこともあります。
    ハックルさんは、物忘れの心配はまだまだありませんか?
    [回答]
    最近は固有名詞が本当に出てきません。きっと脳みそが一杯一杯になっているので、近々また脳のヘヤカツが必要になるかと思います。
    [質問]
    『イル・ポ

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  • お金の話:第20回「合理性はどこまで突き詰めればいいのか?」(1,753字)

    2017-11-28 06:00  
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    金銭感覚を得るためには、「合理性」を身につける必要がある。
    人間は、そもそも不合理な生き物だ。その特性を理解した上で、なるべく合理的に生きようとすることこそ、合理性を身につけるコツだ。それが、金銭感覚を身につけることにもつながる。また同時に、上手に生きることにもつながるのだ。
    では、合理性とは何か?
    それはどうすれば獲得できるのか?
    合理性の反対は「不合理」だが、一般的な考え方だと、人間にとっての不合理は「感情的」と思われている。人間は感情に引っ張られる。だから、そこで合理性が排除されるのだと。
    しかしながら、人間は感情を抜きにしては生きることができない。そのため、これを排除しようとすると、逆に不都合が多くなる。そうなると、それはかえって非合理的な事態となるのだ。
    そのため、合理性の対立概念としては、「感情」というものを置くべきではない。感情は、むしろそれと上手につき合っていく方法を考えた

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  • 慰安婦について(1,885字)

    2017-11-27 06:00  
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    アメリカのサンフランシスコ市が韓国の作った慰安婦像の寄贈を受け入れた。これを受けて大阪市は、サンフランシスコ市との姉妹都市の提携を解消した――とのことがニュースになっていた。
    ところで、従軍慰安婦の論争はなかなかに興味深い。それは、「議論が噛み合っておらず、そのためどこまでいっても解決しない論争」の、ある種の典型だからだ。そしてそこに、人間の本質というものが垣間見える。
     

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  • セクハラについて(1,840字)

    2017-11-24 08:00  
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    アメリカではセクハラが話題になっている。ハリウッドの大物プロデューサーが口火を切って、ケヴィン・スペイシーがこれに続き、今週はジョン・ラセターまでセクハラスキャンダルに見舞われた。後の二者はぼくが尊敬する数少ないクリエイターだったので、かなりショックだ。
    ところで、ぼくはもう10年くらいずっとセクハラの研究をしている。ぼくに詳しい人ならご存じかと思うが、ぼくは「セクハラの限界」がどこにあるのかを、ずっと見極め続けることにかなりの労力を割いているのだ。
    なぜセクハラの研究を始めたかというと、10年くらい前に「(イケメンに限る)」という言葉が流行ったとき、セクハラの境界線がどこにあるのかということに興味を持ったからだ。
    というのも、イケメンが言うとセクハラではなくとも、嫌な相手が言うとセクハラになることがある。例えば、会社で部下の着ている服を褒めただけでも、セクハラとして訴えられた例があるとい

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  • きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第37回(1,574字)

    2017-11-23 06:00  
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    あらためていうことではないかもしれないが、人間の体というのはよくできている。
    例えば、子供の心臓は小さく、非力だ。そのため、全身に血を回すのに、少し力が足りない。おかげで、子供はじっとしていると足の先がジンジンと痺れてくる。長時間正座をしているような状況となるのだ。要は血が回らなくなるのである。
     
    じっとしていられなくなった子供は、走り回る。なぜかというと、走ることによって、その動きが血液におけるポンプの役割を果たすため、全身に血が行き渡るからだ。おかげで、ジンジンとした痺れが取れる。体がすっきりするのだ。
     
    子供がじっとしていられないのは、実はこれが原因だ。幼稚園でも学校でも、じっとしていられず体を動かしている子供は、血が行き渡らずに痺れを切らしているからそうなってしまっている。だから、じっとしていられない子供を無闇に責めるべきでは、本来はないのである。
     
    ところで、これのどこがよ

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  • [Q&A]勉強はコツコツか要領か?(1,832字)

    2017-11-22 06:00  
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    [質問]マーケティングのスキルを伸ばしたいと考えているのですが、独学でマーケティング力を磨く場合、どのようなことを実施したら良いと思いますか?周りにマーケティング力がある人が居る場合、その方が習慣にしていることなどがあれば教えて下さい。[回答]これは、このブロマガでも何度かお答えしているのですが、はてなブックマークのホットエントリーページはとても勉強になります。はてなホットエントリーページぼくは、このページを見ることをもう10年くらいの習慣にしていますが、それでずいぶんとマーケティング能力が鍛えられたと思っています。はてなホットエントリーページのいいところは、世間で話題のニュースがいつも上がっているため、流行に聡くなることと、それに対する人々のリアクションを知られることです。このリアクションが、存外にバカにできない。例えば、最近ではこういう記事が上がっていました。30代とか40代のおじさん

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  • お金の話:第19回「友だちを失うと金銭感覚がどのように研ぎ澄まされていくのか?」(1,784字)

    2017-11-21 06:00  
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    昔から、友だちの多い人には貧乏人が多い。その逆に、お金持ちには友だちが少ない。映画などでもそのような造形でキャラクターが描かれることが多いが、これは必ずしも先入観ばかりというわけではなく、実際にそういうところがあるだろう。実在の大金持ちでも、孤独な人間というのは少なくない。ジャン・ゲティというアメリカの大富豪がいる。彼は20世紀に石油王として巨万の富を築いたが、同時に孤独な人間としても知られていた。それを端的にあらわす、ある有名なエピソードがある。それは、彼の孫が身代金目的で誘拐されたときのことだ。ゲティは、そこで身代金の支払いを拒むのである。なぜかというと、もし身代金を払ったならば、それが前例となって、他の孫も誘拐される可能性が高まる。そうさせるわけにはいかないから、支払いを拒んだのだ。ぼくは、このゲティの行動原理はよく分かる。彼は、あくまでも合理的に、最善を尽くそうとしてそういう行動を

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  • アニメ業界はなぜブラックなのか?(2,292字)

    2017-11-20 06:00  
    いま、日本のアニメは活況を呈している。
    しかし、その盛り上がりは砂上の楼閣だ。非常に危ういバランスの上に成り立っている。
    今日は、そのことについて書いてみたい。
    まず、今の日本には「アニメを作りたい人」はたくさんいる。どうしてたくさんいるのかといえば、10から20年くらい前にアニメを見て、その世界に憧れたからだ。「自分もその世界の一員になりたい」と強く望んだ子供がたくさんいた。
    なぜたくさんいたかといえば、現代社会の中で、アニメ制作は数少ない「夢がある職業」だからだろう。アニメを作るというのは、基本的にとても楽しい。楽しい上に、見る人を楽しませることもできて、さらに嬉しい。なおかつお金も稼げるのだから、これは夢のような話だ。少なくとも、アニメに憧れた子供たちにはそう見える。
    しかし、ここに一つの問題がある。というのは、アニメというのはその見た目ほどには儲かっていないということだ。つまり、稼

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  • マンガはなぜ子どもたちに読まれなくなったのか?(1,976字)

    2017-11-17 06:00  
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    来週の火曜日に、新宿のロフトプラスワンで行われる、こちらのイベントに登壇します。
    2017年のマンガの語り方 ~兎来栄寿が迫る、みなもと太郎はHUNTER×HUNTERをどう読むか?〜ところでみなさん、本の売上げって全盛期の半分くらいになったのをご存知ですか? ピークは1996年だったのですが、そこから20年かけて半分になりました。2兆6千億が、1兆3千億になったくらいの規模感です。
    そういう状況ですから、出版社の経営はなかなか厳しい。しかしそれ以上に、本屋さんの方が大変でしょう。本屋さんの数も今は最盛期の半分になってしまいました。そのため、人が本と出会える場所はますます少なくなり、今後のさらなる規模縮小が予測されています。
    本が売れなくなった一番の理由は、やはりインターネットの登場でしょう。インターネットが特に「情報の流通」を担うようになったおかげで、それまで「情報の流通」を担っていた雑

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