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西條剛央さんの「チームの力」を読んだ(1,427字)
2015-05-31 10:00西條剛央さんの「チームの力」を非常に興味深く読んだ。
西條さんは、哲学をベースとした「構造構成主義」という人間科学理論の提唱者で、物事の本質を追求することを生業とされている。また、東日本大震災の折、「ふんばろう東日本プロジェクト」というボランティア団体を立ち上げて、大きな成果を残したことでも有名だ。
ぼくは昨年、西條さんと仙台で開かれたドラッカー学会で知り合った。西條さんが、そこで講演されたからだ。そこで西條さんは、物事の本質について追究する流れの中で、ボランティア団体という「チーム」を立ち上げ、それを大きな成果に結びつけた――ということを話されていた。
それで、ぼくはびっくりした。なぜならそれは、ぼく自身の取り組みと、とてもよく似ていると思ったからだ。
ぼく自身も、子供の頃から「物事の本質」に非常なる興味があった。そして、それを追求する過程で、エンターテインメントに関心を覚えた。それは -
マンガのストーリー・テクニック・キャラを一流にするにはどうすればいいか?(2,011字)
2015-05-29 06:00こういうTwitterのまとめがあった。
喫茶店で聞こえた『漫画家と編集者の会話』があまりにも強烈すぎて、震えあがる人続出 - Togetterまとめ
とある喫茶店で、編集者がマンガ家に「お前は今、ストーリー・テクニック・キャラ、今は全部三流だよ、これじゃすぐ終わる。せめてどれかを1.5流にするか、全部を二流にして。そしたら三年くらいは保つから」とアドバイスしたらしい。
それに対してマンガ家が、「何が悪いか教えてください」と尋ねたところ、編集者は「自分で考えろよ。だいたい、自分の作品の問題点もわからずに創作を続けるってのがもうダメなんだよ!」と答えたそうだ。
これが、ネットで話題になっていた。
そこで今回は、もしぼくがマンガの編集者だったら、どんな解答をしただろうかということを考えてみる。
まず、編集者としては、必ずしも「答え」をマンガ家に教えることが正解ではないだろう。編集者としての正解 -
教育考:その20「子供を差別する上での責任」(1,808字)
2015-05-28 06:00110pt子供を差別する上で、大人が果たさなければならない「責任」というものがある。それは、子供に大人の実力を見せつけることだ。すごいと思わせることである。そうして、「この人には適わない」「この人はすごい」と憧れさせることだ。
よく「飴と鞭」というが、教育というのも、二律背反する価値観の中で揺さぶることが肝要となる。最も大事なのはバランスで、厳しすぎてもダメだし、甘やかしすぎてもダメだ。その両者が拮抗する絶妙のバランスのところで、子供たちと対峙していく必要がある。
子供に対して差別するなら、それに対するカウンターバランスが必要だ。「差別」とは背反するもう一つの価値観を、子供たちに見せつける必要がある。
それは、「憧れ」だ。子供にすごいと思わせることである。そして、子供に「自分も早く大人になりたい」と思わせることだ。
子供が成長するためには、「もう子供ではいたくない」というネガティブな気持ちと「早く大 -
[Q&A]結婚の適齢期は?(2,133字)
2015-05-27 07:00110pt[質問]
人間、30歳前後、いわゆるアラサーになると否が応にも「結婚適齢期」という言葉が目についたり耳に入ってきます。年齢を重ねるにつれ難しくなるのかもしれませんが、20代後半と40代前半にしてるハックルさんは結婚適齢期はあると思いますか?
また、初めは年の近い奥さんと2回目は離れた奥さんで何か良いも悪いも違いはありますか?
[回答]
結婚適齢期はあると思います。ぼくは若ければ若いほどいいと思います。やっぱり20歳前後で結婚するのが、後々を考えるといいのではないでしょうか。
理由は、まずは体力があるということ。子育てには体力がある方が何かと便利です。それから、子供を持つと責任が生まれるので、人生にも張りが出る。あるいは、いろいろと学べる機会も増えるので、自分自身の成長も早まると思います。
年齢が同じ奥さんと違う奥さんとの違いというのは、今のところあまり感じていません。年齢に関係なく、なるべ -
ライトノベルの書き方:その20「人はなぜ恋愛・結婚をするのか?」(1,830字)
2015-05-26 06:00110pt人が抱えている「欠落感」は、誕生の過程で必然的に発生する。胎児の状態では母親と物理的につながっていたのに、それが出生の瞬間に切り離されて、独立せざるを得なくなる。そうして、孤独を感じるようになる。この孤独感は、人間の一生のテーマとなるのだ。
恋愛というのは、この孤独感を埋めてくれるものだ。逆にいえば、孤独感がなければ、恋愛感情は生まれないのかもしれない。
恋愛は、人が生まれる過程で抱くようになった欠落感を埋めるため、必然的に発生する。恋愛感情は、そのまま生殖行為にもつながるので、種の保存のためにも好都合だ。母親から切り離されるという呪いが、恋愛という祝いのきっかけとして機能している。まさに「人間万事塞翁が馬」である。
また、恋愛とは別に「婚姻」という関係がある。
婚姻は、人間という種の中で非常に古くから続く社会制度だ。古今東西、ほとんど全ての社会がこの「婚姻」という制度を採用している。
婚 -
ドローンを飛ばして逮捕された少年について(1,965字)
2015-05-25 06:00110pt各地でドローンを飛ばし、さまざまなトラブルを招いていた少年が逮捕された。
この少年は、「ノエル」というハンドルネームでニコ生をやっていた。川崎市の少年が殺害された事件のときに、加害者の自宅前からニコ生をして、中止を要請しにきた警察と揉め、その様子も生中継していたので話題になった。
ニコ生をはじめとするテクノロジーの進歩で、誰でもどこからでもネットで生中継ができるようになった。一方、それを規制する法律はまだできていない。だから、少年犯罪の加害者の自宅前からニコ生をする――ということも違法ではなかった。
少年は、その間隙を縫ってニコ生をしていた。そして、それを制止に来た警察に対し、「他のマスコミは中継しているではないか。中止を要請するならマスコミ全社に対して言うべきだ」と抗議した。その議論の模様も逐一中継していたのである。
これに快哉を叫んだ人は多かった。ぼくも面白いと思った。それはやはり、警 -
安倍首相がポツダム宣言を読んでいない本当の理由(2,122字)
2015-05-22 06:00110pt安倍首相が「ポツダム宣言」を読んでないということがネットで話題になっていた。志位和夫さんはTwitterを使っています: "党首討論でポツダム宣言を引用、首相に日本の戦争について「間違った戦争」と認めるかと質問。 驚いたのは首相が「ポツダム宣言をつまびらかに読んでいないので論評は差し控えたい」と答弁したこと。
あの歴史的文書を読んでなくて首相が務まる?
読んでないのに「戦後レジーム打破」といってるの?
これで、共産党の志位氏をはじめ、反安部派は鬼の首を取ったようになっていた。しかしぼくは、これは危険だと思った。なぜなら、この件について安倍首相を批判すれば批判するほど、逆にその支持率が高まって、反安部派の思惑とは逆の方に体制が進むからだ。
今日はそのことについて書きたい。
安倍首相はポツダム宣言を読んだことがないという。ちなみに「ポツダム宣言」とは、第二次大戦末期、日本に対して無条件降伏を -
教育考:その19「子供を差別するということ」(2,101字)
2015-05-21 06:00110pt親や教育者は、子供に対して慮ってはならない。無理解にならなければならない。では、どのように無理解になればいいのか?今回は、その具体的な方法について見ていきたい。親や教育者が子供に対して無理解になる方法――それは「差別する」ということである。彼らをさまざまな形で押さえつけることだ。「規制する」ということである。失敗する親や教育者は、子供と「対等な目線」に立って話す。それは、概念的な意味でもそうだが、物理的な意味でもそうだ。背の低い子供に対して、しゃがんで話すのである。この接し方は、幼児教育の現場ではもう20年ほど前から一般的だが、そのやり方で何か教育的な成果が上がっただろうか? 答えは否である。むしろ、それで教育効果が下がってしまった。「ゆとり教育」という歴史的に見ても稀な教育的失敗を招いた。「子供と対等な目線に立つ」という接し方は、もうはっきりと間違いだという結果が出ているのだ。では、子供 -
[Q&A]就職面接にはどのように臨みますか?(1,172字)
2015-05-20 06:00110pt[質問]
もしハックルさんが30をとうに超えてそれまでの職務経歴、履歴書も空白期間ありその上、結構汚して異業種に飛び込みたいチャレンジしたい場合例えば企業などの面接の時どういう感じ面持ちで臨みますか?
ホリエモンは履歴書はpc派で手書きは嫌らしいですがハックルさんはどうですか?
[回答]
上記の条件だと社会的信用がない状態だと思うので、まずは何かの資格を取って、お墨付きの状態を作ってから企業面接に臨みます。
履歴書はもちろんパソコンで作成します。
[質問]
苦しみが一定以上を超えると長期的に体調不良になるのですがどうしたらいいとハックルさんは思いますか?
[回答]
苦しみを取り除くのが一番だと思います。
苦しみを取り除く方法はいくつかあります。まずは自分を客観的に見つめ、苦しみを生み出している原因を突き止めることから始めます。
[質問]
「何かを知りたい」という気持ちである探求心は欲望です -
ライトノベルの書き方:その19「『失うことが得ること』という矛盾した様態を描く」(2,045字)
2015-05-19 06:00110pt1人は誰しも「欠落感」を抱えながら生きている。「何かが欠けている」「何かもの足りない」という飢餓感を抱えながら生きている。
なぜか?
理由はいろいろあるだろうが、その生まれ方や育ち方に、大きな関係があるのではないだろうか。
人は胎児のとき、誰しも母親とつながった状態だ。それはへその緒で文字通り「つながれて」いる。だから、それをデフォルトとして受け取るのである。「あるべき姿」と受け止めてしまうのだ。
そうしてその後、母親と切り離される。そこで、自然と「欠落感」を抱えるようになるのだ。あの母親とつながっていた感触、あるいは母親を通して世界とつながっていた感触が失われてしまい、えもいわれぬ寂しさを感じるようになるのである。
やがて人は、長じると他者とコミュニケーションするようになる。すると、そのときどきで思わぬ嬉しさを感じるときがある。それは、「つながった」という嬉しさだ。
例えばぼくは、弟とは趣
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