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記事 20件
  • 『アンナ・カレーニナ』をどう読むか?(1,712字)

    2022-08-26 06:00  
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    ご質問をいただいたのでお答えします。
    『アンナ・カレーニナ』や『カラマーゾフの兄弟』はどう読めばいいか?
    こうした重厚長大な作品は、その作中にところどころ「挫折ポイント」があり、どうにも眠くなってしまうか、それ以上読み進めることが耐えられなくなる。ぼく自身も、若い頃に「歴史的名作を教養として読まなければならない」という強迫観念から、何度かそれらに挑戦したものの、ことごとく跳ね返されたという苦い経験がある。
    しかしながら、その問題はここ数年で一気に解決した。きっかけは、iPhoneでKindleの読み上げができるのを知ったときだ。これを知ったときの、ぼくの衝撃はなかった。これによって、ぼくの読書習慣が一気に変わった。
    その頃、ぼくは減量していたので、一日2時間くらい散歩していた。散歩は、もちろん無音でしていても楽しいものだが、しかし何かを聞いていても楽しさが損なわれない。そこで、はじめは音楽

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  • マンガの80年代から90年代までを概観する:その66(2,146字)

    2022-08-25 06:00  
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    ぼくは、マンガ史における柳沢きみおの重要性は以前から感じていたが、それを上手く説明できないことにずっともどかしさを抱いていた。特に『月とスッポン』の重要性や、それ以前に「面白さ」さえ伝えられないことにある種の絶望感さえあった。
    それほど、ぼくは『月とスッポン』を「面白い」と思っていた。文字通り「夢中」で読んでいた。何度くり返し読んだか分からない。特に高校生の頃は、聖書のように毎日読んでいる時期もあった。それは、何回読んでも新しい読後感があるからだ。読むたびに新しい気づきがあった。
    そして、その理由(秘訣)が分からないからこそ、何度も夢中になって読んだということがあった。これは『火の鳥』や『ドカベン』『がんばれ元気』にも通じるところだ。そういった評価の高い歴史的名作と並ぶくらい、『月とスッポン』及びその続編である『正平記』は面白い。この2作は、ぼく自身がどんなに引っ越しを重ねようとも、ずっと

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  • [Q&A]ゲームばかりする子供にイラッとしたらどうすればいいか?(2,459字)

    2022-08-24 06:00  
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    [質問]
    AIで画像を生成する「Stable Diffusion」が話題です。
    やばすぎるAI画像生成サービス「Stable Diffusion」始まる。 【簡単解説 & 応用 & Prompt付生成事例集】
    ハックルさんは、これをお使いになりますか?
    使うとしたらどのように使いますか?
    [回答]
    見たところ、SF的なイラストと相性がいいようですね。これでSFマンガを描く人も現れるのではないかと思います。ぼくは、子供の頃にほんの一瞬「マンガ家になりたい」と思ったことがありました。絵を描くのがそれほど好きではなかったので自然と諦めたのですが、これがあるとまた違ったような気がします。
    ちょうど2000年頃、ぼくは初めてアドビ製品(IllustratorとPhotoshop)に触って、「パソコンで絵が描けるのか」と度肝を抜かれました。それから数年ほど、イラストなどを喜んで描いていたのですが、いつ

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  • 令和日本経済の行方:その10(1,551字)

    2022-08-23 06:00  
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    経済の行方――というのは、天気と同じに科学的・数学的に予測するのが難しい。コンピューターで取り扱うのが苦手な分野だ。
    では、そんな分野の未来予測はどのようにすればいいのか?
    方法は2つあり、1つは「どんな変化にもすぐ対応できるようにしておく」ということ。もう1つは、「未来を物語的に予測する」ということである。科学的にではなく、あえて非科学的に考えることだ。
    この2つの未来予測を今、実践している企業がある。それがトヨタである。トヨタのYouTubeチャンネル「トヨタイムズ」には、そんなトヨタの取り組みがあれこれと紹介されている。これを見ると、トヨタの未来に対する備えというのがよく分かる。
    トヨタイムズ
    トヨタは、まずは基本線として「どんな変化にもすぐ対応できるようにしておく」ということを目指している。それを目的に作ったのがウーブンシティだ。
    ウーブンシティは、「未来都市の実験場」である。そこ

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  • 知らないと損をする世界の裏ルール:その29「正しさを指向しないと不幸になる」(1,524字)

    2022-08-22 06:00  
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    日本ではなぜかすっかり廃れてしまった価値観に「正しさ」がある。それよりも、「正しさは人それぞれだよね」といって、正しさの存在を否定する人の方が多い。
    しかしながら、ぼく自身がこれまで多くの人を見たり聞いたりした中で、「正しさは人それぞれだよね」と言っている人は必ず不幸になっている。理由は簡単で、心と体が引き裂かれるからだ。解決できない矛盾に苦しめられるからである。
    そもそも「正しさは人それぞれだよね」という言葉を発するとき、その人の中ではそれが「絶対的に正しい」ことになっている。その意味で、「正しさは人それぞれ」と矛盾してしまっている。
    ところが、その矛盾を指摘しても、彼らはそれを修正できない。なぜなら、彼ら自身はその矛盾が見えなくなっているからだ。文字通り盲点で、自分が矛盾していることに気づけなくなっている。
    こういう人は、とても苦しむ。なぜなら、自分の矛盾が見えなくなると、やがてそこの

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  • トヨタ生産方式について考える:その32(2,275字)

    2022-08-19 06:00  
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    大野耐一がいなければ、トヨタ生産方式はトヨタに根づかなかった。またトヨタ生産方式がトヨタに根づかなければ、トヨタは今頃潰れていたかもしれない。
    というのも、現在社長の豊田章男が2009年にトヨタの社長に就任したとき、トヨタはリーマンショックやアメリカでのリコール問題でボロボロだったからだ。豊田章男はこれを解決し、トヨタを再生させる必要に迫られた。
    そのとき、豊田章男が頼りにしたのがトヨタ生産方式だった。なぜなら、彼自身若い頃に工場で働き、トヨタ生産方式の薫陶を受けていたからだ。そこで、トヨタ生産方式の凄まじい威力を身をもって体験していた。
    だから、経営がピンチに陥ったこのときも、トヨタ生産方式に賭けたのだ。この伝家の宝刀を用いることで、難局を乗り越えようとした。そうして実際、幾多の難局を乗り越えてきた。
    その後、豊田章男は新たな課題に直面する。それが、ガソリン自動車から電気自動車への転換で

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  • マンガの80年代から90年代までを概観する:その65(1,910字)

    2022-08-18 06:00  
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    日本では、1980年から女性が強くなる。その象徴的存在が薬師丸ひろ子なのだが、その割にこのことを知る人は少ない。
    というのも、「強い女性」というと多くの人がフェミニスト的なキャラクターや意思や態度がはっきりしている人のことを思い浮かべるのだが、薬師丸ひろ子の場合はそうではないからだ。彼女は、むしろそのイメージの逆である。フェミニストでないのはもちろん、意思も態度もはっきりしていない。
    そして、そのはっきりしていないところが魅力なのだが、実はそこのところこそ彼女の強さの源泉なのだ。だから、分かりにくいのである。
    薬師丸ひろ子は、分かりにくい。だから、多くの男を魅了した。年上の角川春樹や高倉健や松田優作、また名だたる監督たちはもちろん、同世代や下の世代のファンも魅了した。
    そんなふうに、「分からない」というのは強さだった。その意味で、薬師丸ひろ子は「分からないという魅力」の発見者ともいえた。

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  • [Q&A]ハックルさんの動画は配信しないのですか?(2,293字)

    2022-08-17 06:00  
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    [質問]
    Business芸人みたいな人たちがTwitter上で争うことが目立ち始めましたが、ガーシーの影響はどのくらいあると思いますか?
    表では言わない、言えないようなことの閾値が彼によって低くなった。なんでも言いやすくなったような風潮は出ているのか気になったのでご質問させていただきました。
    [回答]
    ガーシーの影響もなくはないですが、それ以前から「マスコミが言えないことを言う」という現論のスタイルは確立されていたように思います。これは、マスコミの言えることが少なくなるに連れてそうなったということがあるのですが、ガーシーの影響というよりネットの影響――特にSNSの隆盛と深く関係があると思います。まあ、ありきたりな意見ですが、SNSが社会を変えた度合いは計り知れないほど大きいですね。
    [質問]
    ハンターハンターの冨樫先生がTwitterのフォロワーが300万人に近くなっているのですが、この

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  • 令和日本経済の行方:その9(1,501字)

    2022-08-16 06:00  
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    日本は人口が減少している。これを「経済が縮小する」と憂う人は多いが、そもそもそういう人は、経済とは何か――その本質を分かっていない。
    経済の本質――それは「天気」に似ている。あるいは「環境」に似ている。意味は、「相関する要素が多すぎて、正確に予測できない」ということだ。
    そもそも、コンピューターが進化した目的の一つは「天気予報」だった。なぜなら、天気は予測できるとこれほど経済効果の高いものはないからだ。
    まず、予測に則って農産物の計画的な育成ができるし、人の動きも効率的に差配できる。大雨が予測できれば災害も予測でき、多くの人命を守ることができる。
    そんなふうに、天気予報が正確にできるようになれば、簡単に儲かる。それは、まだコンピューターができる以前の人々も分かっていた。それで、どれだけお金をつぎ込んでも良いからコンピューターを進化させようとした。コンピューターが進化して天気が予測できるよう

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  • 知らないと損をする世界の裏ルール:その28「曖昧さは能力」(1,702字)

    2022-08-15 06:00  
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    現代は、曖昧さが忌避される傾向にある。特に若い人ほど曖昧さを嫌う。例えば上司の指示が曖昧だと、蛇蝎のごとく嫌う。
    しかしながら、曖昧さを受け入れることができないと、人生がきつくなる。逆に、曖昧さを受け入れることができると、生きやすくなる。その意味で、曖昧さの受容は今や能力なのだ。
    「コロンブスの卵」という諺がある。「卵を立ててみろ」と言われたコロンブスが、底を潰して立てた――という故事に基づく。それを、周囲の人はズルと咎めたが、コロンブスは「底を潰すなとは言われていない」と言って、煙に巻いた。
    ここから、「曖昧さの盲点を突くこと」を「コロンブスの卵」というようになった。これは、たいてい肯定的な意味で使われるのだが、現代にコロンブスのような上司がいて、曖昧さの盲点を突いて卵を立てたら、部下からは蛇蝎のごとく嫌われるだろう。それだけでコロンブスのいる会社が嫌いになり、退社してしまう人も多いので

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