• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 22件
  • 『紙の月』に感じたもやもや(1,980字)

    2017-07-31 06:00  
    110pt
    『紙の月』という映画を見た。監督は吉田大八で主演は宮沢りえだ。
    映画を見たきっかけは、NHKのドキュメンタリー番組に宮沢りえと吉田大八監督が出ていて、二人で舞台をやっていた。二人はなんでも『紙の月』という映画ですでに組んだことがあるという。それならちょっとNetflixにあれば見てみようと思って検索すると、あったので見たという次第である。
    さて、そこで気になったことがあった。それは、銀行で働いている宮沢りえが横領した数千万円を使って羽目を外して遊ぶのだけれど、その遊び方がなんとも面白くないのである。例えば、ホテルのスイートルームに年下の若い愛人と3泊するのだが、値段は合計150万くらいだった(1泊50万円だ)。
    それでいうと、ぼくも過去に1泊50万くらいのホテルにも泊まったことがあるのだが、それはけっして面白いものではなかった。
    どういうことかというと、50万円のスイートルームというのは、

    記事を読む»

  • ちばてつや先生・みなもと太郎先生によるトークショー開催のお知らせ!~みなもと太郎先生がちばてつや先生に話を伺いたい3つの理由~(2,843字)

    2017-07-29 10:00  
    大ヒットマンガ『風雲児たち』などでお馴染みのマンガ家・みなもと太郎先生は、他方では「マンガ研究家」としても知られています。先生のご自宅の書斎には地下室があるのですが、そこはこれまで収集された膨大な数の資料性の高いマンガで溢れています。あるいは先生のパソコンの外付けハードディスクにはマンガに関する膨大な映像資料が保管されてもいます。
    そんなみなもと太郎先生がこの度、先生にとって初めてとなる本格的な「マンガ史」をご執筆なさいました。その名もずばり「マンガの歴史 1」(岩崎書店・1000円+税)。

    マンガの歴史 1
    みなもと先生は団塊の世代であるため、手塚治虫先生によって隆盛した日本マンガを読者としてリアルタイムで体験されました。また長じてマンガ家になられたため、そのお立場を利用されマンガ界のさまざまな一時情報にも接してこられました。さまざまな先生や編集者の方々から、直にお話しを伺ってきたので

    記事を読む»

  • おしゃべり、噂話、悪口(1,856字)

    2017-07-28 06:00  
    110pt
    我々は、虚構の中に生きている。
    虚構というのは、貨幣や宗教や国などのことだが、そのうちの一つに「常識」がある。
    常識というのは、普段は我々に壁のように立ちはだかる邪魔なことのように思えるかもしれないが、しかしこれがないと世の中はかなり不便になる。例えば「挨拶をする」というのは一つの常識だが、これが常識であるために、人々は半強制的に挨拶をしなければならない。挨拶をしないと、あいつは非常識だと糾弾され、満足に生きていけなくなる。そうして誰もが挨拶をしなければならない社会になっている。
    では、挨拶しなければならないことで世の中がどんなふうになるかというと、人と人とのコミュニケーションが円滑になる。初対面の人とでも協力しやすくなる。そこで余計なストレスをためずにすむようになる。そうして社会全体の生産性が上がるのだ。
    これが挨拶をしなくてもいい世の中だと、なかなか仲良くなれずに、従って協力もできない

    記事を読む»

  • 「きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第21回(1,669字)

    2017-07-27 06:00  
    110pt
    勉強をするには、まず言語力が大切だ。そして、その次に大切なのが哲学力だ。
    「哲学力」とは何かというと、「疑問に持つ力」のことである。自ら、ある事象の中に問いを見出せる能力のことだ。
    勉強を捗らせる上で、最も重要なのは「やる気」である。やる気がなければ、勉強はできない。逆にやる気さえあれば、勉強など簡単だ。勉強を続けるには、一にも二にもやる気次第なのである。
    では、そのやる気はどうやって引き出すのか?
    多くの人は、「精神力」からと考えるが、それは誤りだ。精神力からやる気が生まれたことは、有史以来ないといっても過言ではない。やる気はいつも、「哲学力」から生まれるのである。
    哲学力というのは、先述したように「疑問に持つ力」のことであるが、それは言い換えれば「好奇心」のことだ。「一体どうなっているのだろう?」という好奇心が、そのまま疑問を持つ力――すなわち哲学力につながるのである。
    この好奇心を説

    記事を読む»

  • [Q&A]仮想通貨についてどう思いますか?(1,811字)

    2017-07-26 06:00  
    110pt
    [質問]
    最近いろいろと話題の仮想通貨ですが、僕は先日、『48ホールディングス』という会社が発行している仮想通貨の“クローバーコイン”を買うよう間接的に進められました。
    ネットでセミナーをみせられ怪しさを感じたのですが、100%詐欺的な感じでもないのかと感覚的ですが思っております。
    岩崎さんはこの仮想通貨、特に“クローバーコイン”はどう思いますでしょうか?お答えお願い致します。
    [回答]
    全く知らないですし、知るつもりもないのでお答えしにくいのですが、怪しいと思います。ぼくは買いませんし、買わないことをお勧めいたします。
    [質問]
    日本の円は長期的には対ドルベースでみると安くなっていく可能性が高いと個人的には思うのですが、現実的に考えるとどうなのでしょうか?
    今後の日本は超高齢化社会が現実のものとなり、人口減少、大幅な労働人口減少によって日本経済はジワジワと縮小していくのではないかと思って

    記事を読む»

  • お金の話:第3回「得をした投資」(1,796字)

    2017-07-25 06:00  
    110pt
    2
    若い頃、ぼくはそれなりにお金を稼いでいたのだが、その後すぐに貧乏になった。
    年収1000万円から年収100万円まで、ほんの3年ほどで転落した。
    その年収100万円になったとき、貯金は全く残っていなかった。それどころか、この間には人間的あるいは能力的な成長も果たせていなかったので、仕事にも行き詰まった。つまり、1000万あったはずのお金が全て消えていたのである。
    しかしながら、そんな中で唯一残っていたものがあった。それは服だ。3年前、お金があった頃に奮発して買った服が、それなりに残っていたのである。
    おかげでぼくは、貧乏だったその後の3年間に、いやそれ以降の数年間も、服に困るということがなかった。それは、新しいものを買わなくてもいいのはもちろん、誰かと会うときにも、それなりにいい服を着ていくことができたのである。
    おかげで、みすぼらしく惨めな気分になることを防ぐことができた。また、相手に失礼

    記事を読む»

  • ニートは2000年前のキリスト教徒ではないか?(1,811字)

    2017-07-24 06:00  
    ホモ・サピエンス――つまり我々人間は、誕生以来進化していない。しかしながら、その性質は絶えず変化してきた。今、『サピエンス全史』という本を読んでいる。これを読むと、いろいろなことに気づかされる。歴史を、大きく俯瞰でとらえることができる。
    例えば、サピエンスは最初、狩猟をして暮らしていた。しかし1万年前に農耕が始まった。農耕の始まりとともに、人間の性質も変化した。
    まず人口が爆発的に増大した。所有や財産の概念が生まれ、貨幣も誕生した。それまではアミニズムや多神教を信じていたのが、やがて一神教を信じるようになった。あるいは、国という概念もできるようになった。
    そして、物語が紡がれるようになった。貨幣、宗教、国は、すべて架空の概念だ。この本では「虚構」としているが、ぼくの言葉では「物語」だ。サピエンスは、物語抜きでは存続し得なくなったのだ。
    我々は、もう物語を捨てることができない。虚構なしでは、

    記事を読む»

  • なぜ税金を払うのか?(1,616字)

    2017-07-21 06:00  
    110pt
    若い頃、裏世界のある一人の男性に会ったことがある。そこで彼は、今でも覚えている非常に印象的なことを言った。
    それは、「自分はこれまで一度も税金を払わなかったことがない」ということだ。「毎年きちんと収めている」というのである。「それが自分の戦略だ」というのだ。
    税金を払っているから、出るところに出て、きちんと物申すことができているのだそうである。行政機関に行っても、しっかりと交渉することができる。彼は、税金を払うことによって、むしろ大きな権限を得ているのだといった。その権限を得るためなら、税金は安いものだというのだ。
    その考え方に、ぼくはかなり影響を受けた。
    これと似たような話がある。それは作家の浅田次郎さんのエッセイに書いてあったのだが、彼は必ず道交法を守るのだそうである。シートベルトを着用するのはもちろん、スピード違反もしないし、信号だって黄色で止まる。
    なぜかというと、道交法というのは

    記事を読む»

  • 「きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第20回(1,708字)

    2017-07-20 06:00  
    110pt
    勉強ができるということは、生きていく上でさまざまな有利がある。
    というより、今は勉強ができないと生きにくい世の中になってしまった。少し前までは、むしろ勉強はほどほどな方が生きやすい世の中だったのに、これは大きな変化だ。なぜそうなったかといえば、より個人の能力が問われるようになったからだ。また、なぜ個人の能力が問われるようになったかといえば、それはインターネットができたからである。
    インターネットによって何が変わったかといえば、それは「個人で情報発信ができるようになったこと」だ。有史以来、情報発信は力の源泉だった。情報発信をするということが、社会の中で強い地位を獲得することだった。
    しかし、インターネット以前は、個人が情報を発信できなかった。できたとしても、その範囲は限られていた。だから、情報は組織で発信する必要があり、そして組織の中に生きなければならない以上、むしろ周りに合わせることの方が

    記事を読む»

  • [Q&A]メルマガを書き続けることで変化したことは?(881字)

    2017-07-19 06:00  
    110pt
    [質問]
    メルマガ配信という、膨大なアウトプットを毎回されてらっしゃいますが、メルマガを書くという行為を続けてきたことで、それ以前と比べて明らかに変化したと感じるスキルや能力はありますか?
    また、反対に、メルマガを書き続けてきたことで失ってしまったと感じるスキルや能力はありますか?
    [回答]
    毎日書くというのは、ぼく自身が修行のためにしていることでもあるのですが、それを続けられているということは自信につながっている部分があります。ですので自信は前より増えたかもしれません。
    減ったのは若さや健康でしょうか。自分を追い込むことが一つのミッションなので、もちろんそれも想定の範囲内ではありますが。
    [質問]
    今まで謙虚じゃなかった人が謙虚になるのはどういう時でしょうか? 本人の力ではなく外部からの影響でそうなることってあるでしょうか?
    [回答]
    外部からというと、やはり尊敬できる人とか憧れられる人

    記事を読む»